JIS E 4502-1:2015 鉄道車両―車軸―第1部:品質要求 | ページ 2

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E 4502-1 : 2015

3.2 Sシリーズ車軸の場合

  Sシリーズ車軸の場合は,次による。
a) この規格の番号
b) 鋼種(表1A参照)
c) 鋼種SFA540又はSFA590の車軸の場合,熱処理の区分を指定するか否か,指定する場合,その熱処
理方法。
d) 仕上げの程度(4.4参照)
e) 鋼種SFA590Qの車軸の場合,表3Aにおいて任意となっている検査項目の要否。
f) 防せい方法(8.1参照)
表1−Aシリーズ車軸の鋼種,化学成分,出荷時の熱処理及び機械的性質
鋼種 化学成分a) % 最大 熱処理 機械的性質c)
記号b) Re d) Rm A KU
C Si Mn P S Cr Cu Mo V MPa g) MPa % J
最小 最小 最小e)
A1 f) 0.40 0.50 1.20 0.04 0.04 0.30 0.30 0.08 0.05N 300 520650 22 25
T 350 550700 24 40
A2 0.50 0.50 1.20 0.04 0.04 0.30 0.30 0.08 0.05N 360 600750 17 20
T 390 620770 19 25
A3 0.40 0.50 1.60 0.04 0.04 0.50 0.30 0.40 0.10T 420 650800 19 40
A4 0.30 0.50 0.80 0.04 0.04 1.20 0.30 0.35 0.10T 420 650800 19 40
注a) 5.1 a) 1)参照。
b) : 焼ならし又は焼ならし焼戻し,T : 焼入焼戻し[4.3の注1)参照]。
c) e : 耐力,Rm : 引張強さ,A : 破断後の伸び率(Lo=5.65
So Lo : 試験片の標点間距離,So : 試験片
の平行部の断面積),KU : 20 ℃でのISO-Uノッチ試験片衝撃吸収エネルギー(ISO 83:1976参照)。
d) eの要求は,次の場合,合格とする : 上部降伏点ReH又は0.2 %耐力Rp0.2,又は測定値が600 MPa未
満である場合の0.5 %全ひずみ応力のいずれかの値が,Reの規定値に等しいかより大きいとき。
e) 3個の平均値の最小値を示す。個々の値については,3個のうち2個がこの規定値以上で,かつ,残
り1個がこの規定値の70 %以上であれば,合格とする。
f) この鋼種が,未熱処理(熱間圧延又は熱間鍛造のまま)の状態で注文される場合は,鋼種をA1の代
わりにA0とし,熱処理された試験片に対する試験を行う必要はなく,納入条件として次の機械的性
質を規定する。
Re : 280 MPa 以上,Rm : 500650 MPa,A : 20 %最小,KU : 20 J最小
g) 1 MPa=1 N/ mm2

――――― [JIS E 4502-1 pdf 6] ―――――

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表1A−Sシリーズ車軸の鋼種,化学成分,熱処理,機械的性質及び用途
鋼種 対応する 化学成分 熱処理 機械的性質b) 主
旧鋼種a) 降伏 引張 伸 絞 曲げ試験 衝撃吸 シ な
ョ 用
点 強さ び り 条件 収エネ 途
P S ア
曲げ 内側 ルギーc)硬 例
角度 半径 (参考)さ
% MPa % 度 mm J
最大 最小 最小 − − 最小
SFA540 SFA 55A, 焼ならし 275 540 23 35 180 16 39 −従
SFA 55B 又は 軸
焼ならし
SFA590 SFA 60A, 295 590 20 30 180 22 31 −動
焼戻し
SFA 60B 軸

SFA640 SFA 65A, 0.035 0.040 焼入焼戻し 345 640 23 45 180 16 39 − び
SFA 65B 従

SFA590Q SFA QA, 焼入焼戻し 295 590 20 30 180 22 31 55d)
SFA QB 後に
高周波焼入
焼戻し
注a) 引き続き,旧鋼種を使用してもよい。
b) 鋼種SFA590Qの機械的性質は,焼入焼戻し後,高周波焼入れ前の値である。
c) 衝撃試験は,参考として実施し,表中の数値は目標値である。
d) 鋼種SFA590Qの硬さの規定値は,高周波焼入れ部分の表面に対する値である。
表2−Aシリーズ車軸の溶鋼分析規定値及び製品分析値の許容誤差
単位 %
元素 溶鋼分析に指定された最大値 製品分析における許容誤差
C 0.30 0.40 0.50 +0.03
Si 0.50 +0.04
Mn 0.80 +0.06
1.20 +0.08
1.60 +0.10
P 0.04 +0.005
S 0.04 +0.005

4 等級

4.1 共通

  車軸は,使用する鋼種,納入時の熱処埋条件,仕上げの程度及び要求される任意の試験検査(表3の第
4列又は表3Aの第3列参照)を,注文書又はその附属文書で指定する。

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表3−Aシリーズ車軸の試験種別及び供試数
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10
ロット当たりの 車軸1本
− 納入時の 試験又は検査の種類 適用 試験ロットe) 供試車軸本数 当たりの
熱処理条件a) ロット内の車軸本数 供試数
b) c) d)
≦100 >100
f) f) f)
1 全て 化学成分f) m a − c
2 N,T 引張試験 m b h c,h 1 2 1
3 − 引張試験
− 鋼種A0に対してg) m b f c 1 2 1
− 鋼種A1A4に対してh) m b h c 1 2 1
4 N,T 衝撃試験(KU) m b h c,h 1 2 3
5 − 衝撃試験(KU)
− 鋼種A0に対してg) m b f c 1 2 3
− 鋼種A1A4に対してh) o b h c 1 2 3
6 N,T ミクロ組織検査 m a h c,h 1 2 1
7 − ミクロ組織検査 o a h c 1 2 1
8 全て マクロ組織検査 o a h p 7.7.1 c) 5) 参照 1
9 全て 超音波探傷試験 o a h p 1
10 全て 磁粉探傷試験 o a h p 1
11 全て 外観 m a f p 100 % 100 %
注a) : 焼ならし又は焼ならし焼戻し,T : 焼入焼戻し,− : 非熱処理[4.3 a)参照]
b) : 必須,o : 任意(注文書又はその附属文書に指示されている場合に実施する。)
c) 試験検査は,次のように実施する。
a : 製造業者の認定部門へ委任(JIS G 0404参照)
b : 発注者の立会いの下
d) : 指定された熱処理前に実施しない。
f : 最終納入状態で実施する。
e) : 同一溶解からの車軸
c,h : 同一溶解,同一熱処理ロットからの車軸
p : 車軸自体が試験ロット
f) 5.1 a)及び7.7.1 c) 1)参照。
g) 表1の注f)参照。
h) 納入状態での試験及びこの鋼種に指定された熱処理を行った参考試験[7.7.1 b)の第2段落及び4.3 a)の注1)参
照]。

――――― [JIS E 4502-1 pdf 8] ―――――

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表3A−Sシリーズ車軸の試験及び検査項目並びに供試数
1 2 3 4 5 6 7
鋼種 試験・検査項目 適用a) 試験 試験 1ロット当たり 車軸1本当たりの
ロットb) 工程c) 供試車軸数 試験片数
全て 化学成分(溶鋼) m c h − −
引張試験 m c,h h 1 1
曲げ試験 m c,h h 1 1
衝撃試験 md) c,h h 1 1
磁粉探傷試験 m p h 100 % −
超音波探傷試験 m p h 100 % −
外観 m p f 100 % −
SFA590Q 硬さ試験 m c,h h e) 1 −
断面マクロ組織 o 特に必要のある場合,受渡当事者間の協定に従 1
断面硬さ分布 o って実施する。 1
断面ミクロ組織 o 1
残留応力分布 o 1
注a) : 必須,o : 任意(注文書又はその附属文書に指示されている場合に実施する。)
b) : 同一溶解,c,h : 同一溶解,同一熱処理,p : 車軸自体が1ロット
c) : 指定された熱処理施工前に実施してはならない。
f : 最終納入状態
d) 試験の実施は必須であるが,結果は,参考であって,合否判定を行わない。
e) 高周波焼入焼戻し後

4.2 鋼種

  鋼種は,シリーズ車軸ごとに次による。
a) シリーズ車軸の場合 Aシリーズ車軸の場合は,次による。
1) 非合金鋼 表1の鋼種A1及びA2
2) 合金鋼 表1の鋼種A3及びA4
b) シリーズ車軸の場合 Sシリーズ車軸の場合は,表1Aの全鋼種

4.3 納入時の熱処理条件

  車軸は,次の状態で供給する。
a) シリーズ車軸の場合 Aシリーズ車軸の場合は,次による。
1) 非熱処理[記号なし1)] : 表1の全鋼種
2) 焼ならし又は焼ならし焼戻し(記号N) : 表1の鋼種A1及びA2
3) 焼入焼戻し(記号T) : 表1の全鋼種
注1) 表1の注f)に規定の例外を除いて,非熱処理条件での注文は,次を適用する。
a) 発注者は成分範囲を指定してもよい。この場合,要求される機械的性質を得る責任は,
熱処理の施工者がもつ。
b) 成分範囲の指定がないときは,製造業者が発注者を満足させるように,以後,熱処理を
施工することで納入する車軸が,表1の規定に合格できることを保証しなければならな
い。
b) シリーズ車軸の場合 Sシリーズ車軸の場合は,次による。
1) 焼ならし又は焼ならし焼戻し : 表1Aの鋼種SFA540及びSFA590
2) 焼入焼戻し : 表1Aの鋼種SFA640

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3) 焼入焼戻しの後,指定箇所を高周波焼入焼戻し : 表1Aの鋼種SFA590Q
c) 注文された熱処埋条件にかかわらず,効果的な脱ガスが行われていない場合は,例えば,徐冷を含む
適切な処理を行い,白点(水素クラック)の形成を避ける。発注者の要求がある場合は,必要とする
処理について通知する。

4.4 仕上げの程度

  納入時の仕上げの程度は,次による。
a) 粗鍛造又は粗圧延 熱間鍛造,又は圧延された車軸で,その後の熱処理が施工されていてもいなくと
もよく,機械加工が未施工の状態。
b) 粗加工 最終仕上げされていない車軸で,加工すべき部分の全て,又はその一部分だけに加工が施さ
れている状態。
c) 半仕上げ 加工すべき部位の一部分に,仕上加工に相当する最終仕上げが施工され,他の箇所は粗加
工で最終仕上加工が施工されていない状態。
d) 仕上げ 仕上げなければならない車軸の全箇所が,最終仕上げされている状態。

5 要求事項

5.1 化学成分

  車軸用鋼種の化学成分は,シリーズ車軸ごとに次による。
a) シリーズ車軸の場合 Aシリーズ車軸の場合は,次による。
1) 各元素の最大含有量を表1に示す。これらの値は溶鋼分析に適用する。Cr,Cu,Mo,Vなどの場合,
値は製品分析に適用するが,これらの元素は通常溶鋼分析によって証明する。
2) 製品分析が必要な場合は,引合いと注文時に指定する。製品分析は表1の要求に対して,表2に示
す値だけ外れてもよい。
b) シリーズ車軸の場合 Sシリーズ車軸の場合は,次による。
1) 及びSの最大含有量を表1Aに示す。これらは,溶鋼分析による。
2) 疑義を生じた場合,製品分析を行う。判定は,JIS G 0404による。

5.2 機械的性質

  熱処理後の車軸の機械的性質は,Aシリーズ車軸は表1に,Sシリーズ車軸は表1Aによる。

5.3 寸法

5.3.1  寸法は,注文書,発注図面又はその附属文書の要求に合致し,寸法公差内でなければならない。
5.3.2 Aシリーズ車軸の寸法公差は,JIS E 4502-2による。Sシリーズ車軸の寸法公差は,受渡当事者間
の協定による。

5.4 健全性

5.4.1  全般
車軸はどの部分も健全で,使用上差し支えるいかなる欠陥もあってはならない。
5.4.2 その他の要求
その他の要求事項は,シリーズ車軸ごとに次による。
a) シリーズ車軸の場合 Aシリーズ車軸の場合は,次による。
1) ミクロ組織検査 焼ならし,焼入焼戻しされた車軸のミクロ組織は,指定された熱処理に対して均
質かつ模範的でなければならない。表1の鋼種に関する粒度は,ISO 643:1983に従って判定し,5
より粗くてはならない。

――――― [JIS E 4502-1 pdf 10] ―――――

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JIS E 4502-1:2015の引用国際規格 ISO 一覧

  • ISO 1005-3:1982(MOD)

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