JIS G 0567:2020 鉄鋼材料及び耐熱合金の高温引張試験方法 | ページ 2

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読みに与える影響を最小限にする。試験装置の周りの温度及び通気速度を適切に安定させるのがよい。

9.3 加熱装置

9.3.1 温度の許容範囲
試験片の加熱装置は,試験片を,規定の温度Tに加熱できるものでなければならない。
測定温度Tiは,試験片の平行部の表面で測定し,既知の誤差を補正した温度とする。ただし,温度測定
装置の不確かさは考慮しない。
測定温度Tiと規定温度Tとの許容差,及び試験片内の許容最大温度変化は,表2による。
1 100 ℃を超える規定温度に対しては,許容差は,事前に受渡当事者間で決めなければならない。
表2−TiとTとの許容差及び試験片内の許容最大温度変化
単位 ℃
規定温度 T TiとTとの許容差 試験片内の許容最大温度変化
T≦ 600 ±3 3
600 800 1 0009.3.2 温度測定
標点距離が50 mm未満の場合,平行部の両端の温度をそれぞれ一つの温度センサで測定する。標点距離
が50 mm以上の場合には,3個目の温度センサで,平行部の中心近傍を測定しなければならない。
加熱炉及び試験片の一般的な構成において,試験片の温度が,経験上,9.3.1に規定する許容範囲を超え
ないことが既知な場合には,温度センサの数を減らしてもよい。ただし,少なくとも一つの温度センサで,
直接試験片の温度を測定しなければならない。
温度センサの測温接点は,試験片の表面と熱的によく接触し,加熱炉の炉壁からの放射熱を適切に遮蔽
しなければならない。
9.3.3 温度測定装置の検証
温度測定装置は,少なくとも1 ℃以内の分解能をもち,±0.004T ℃又は±2 ℃のいずれか大きい方を超
えない精度がなければならない。
注記 温度測定装置には,測定系の全ての構成要素(センサ,ケーブル,指示装置及び測温接点)を
含む。
温度測定装置の全ての構成要素は,12か月を超えない期間に検証及び校正をしなければならない。誤差
は,校正報告書に記録しなければならない。温度測定装置は,国家標準にトレーサブルなものを用いる。

10 試験条件

10.1 試験力のゼロ点調整

  試験力の測定装置は,試験装置の組立てが完了し,試験片をつかみ装置に実際にセットする前にゼロ点
調整を行う。ゼロ点調整を行った後は,試験力測定装置は,試験中いかなる変更も加えてはならない。
注記 この方法を用いることで,つかみ装置の質量が試験力の測定に及ぼす影響を相殺し,さらに,
試験片をつかむことによって生じる力が,試験力のゼロ点に影響しないようになる。

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10.2 試験片のつかみ,伸び計の設置及び試験片の加熱

10.2.1 試験片のつかみ方法
試験片をつかむ方法に関する要求事項は,JIS Z 2241の10.2(つかみの方法)による。
加熱及び均熱の間,予備的な試験力(例えば,負荷制御による小さな引張)をかけておくことによって,
熱膨張による圧縮を避けることが可能である。
10.2.2 伸び計の取付け及び標点距離の設定
10.2.2.1 一般
実際には,幾つかの異なる方法が標点距離の設定に用いられる。これによって,試験結果に,僅かな相
違をもたらす可能性がある。用いた方法を試験報告書に記載しなければならない。
10.2.2.2 室温の伸び計標点距離(方法1)
室温で,規定の標点距離の伸び計を試験片に取り付ける。伸び計伸び(%)は,試験温度で測定し,伸
び計伸び(%)は,室温の標点距離に対して計算する。
試験片の熱膨張を考慮しない。
10.2.2.3 試験温度の伸び計標点距離(方法2)
この標点距離は,試験片の熱膨張を含む。
注記 ここでいう試験温度は,規定温度Tを意図している。
10.2.2.3.1 試験温度の伸び計標点距離を用いる方法(方法2a)
試験力を負荷する前に,試験温度になった試験片に規定の標点距離の伸び計を取り付ける。
10.2.2.3.2 室温で標点距離を減じる方法(方法2b)
試験温度になったときに,規定の標点距離になるように,室温であらかじめ熱膨張分を減じた標点距離
で伸び計を試験片に取り付ける。
伸び計伸び(%)の計算には,規定の標点距離を用いる。
10.2.2.3.3 試験温度で標点距離を補正する方法(方法2c)
室温で,規定の標点距離に伸び計を取り付け,伸び計伸び(%)の計算には,試験温度で補正した標点
距離(室温での標点距離+熱膨張分)を用いる。
10.2.3 試験片の加熱
試験片を規定の温度Tに加熱し,試験力を負荷する前に少なくとも10分間その温度に保持しなければ
ならない(均熱時間)。材料の断面全体を規定の温度まで加熱するには,更に長い時間が必要な場合がよく
ある。試験力の負荷は,伸び計の出力が一定値(熱膨張が完了)になってから開始しなければならない。
加熱中,試験片の温度は,受渡当事者間の特別な協定のない限り,規定温度の許容差の範囲を超えては
ならない。

10.3 ひずみ速度制御による試験方法(方法A)

10.3.1 一般
この試験方法は,ひずみ速度の影響を受けやすい特性を測定する場合に試験速度の変動を最小化し,試
験結果の測定の不確かさを最小化しようとするものである。
ひずみ速度制御(方法A)による試験速度は,次の要求に従わなければならない。
a) 上降伏応力ReH,耐力(オフセット法)Rp又は耐力(全のび法)Rtの測定を行うまでの範囲では,規
Le 試験速度)参照]を適用する。この範囲では,ひずみ
定ひずみ速度 e
確に制御するため,試験片に取り付けられた伸び計が必要となる。これは,引張試験機の剛性の影響
を除去するためである(ひずみ速度によって試験機が制御できない場合には,平行部の推定ひずみ速

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cLe いる方法でもよい。)。

cLe 照]を適用するの
b) 不連続な降伏を示す間は,平行部の推定ひずみ速度
この間では,伸び計標点距離の外側で局所降伏(local yielding)が起こる可能性があるため,伸び計を
用いたひずみ速度制御が不可能となる。平行部の推定ひずみ速度は,平行部長さから計算したクロス
ヘッド変位速度vc[JIS Z 2241の3.7参照]を一定にすることによって,十分正確に維持することが
できる。平行部の推定ひずみ速度は,式(1)によって求める。
Le
vc Lc c

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                                      Le      平行部の推定ひずみ速度
ここに, c
Lc : 試験片の平行部長さ
c) p,Rt又は降伏の終了以降[JIS Z 2241の3.7参照]は,Lee は
Le
c
罵 してもよい。伸び計標点距
Le 極 するのがよい。
離の外側でネッキングが発生した場合の制御の問題を避けるため, c
10.3.210.3.4によるひずみ速度は,材料の特性を測定する間,保持しなければならない(図1参照)。
他のひずみ速度又は制御モードに移り変わる間,引張強さRm,最大試験力時塑性伸び(%)Ag又は最大
試験力時全伸び(%)Agtの値が,不正確となるような応力−伸び曲線の不連続が生じないようにすること
が望ましい[JIS Z 2241の図10(応力−伸び曲線中の許容できない不連続部の説明図)参照]。この間の
速度を適切に段階的に変化させることによって,この影響は小さくできる。
加工硬化域の応力−伸び曲線の形状も,ひずみ速度によって影響される可能性がある。適用した試験速
度は,記録するとよい。
通常,室温の引張試験で測定する全ての特性を高温引張試験で測定することはない。それゆえ,測定す
る特性に対して適切な試験速度を用いなければならない(図1参照)。
10.3.2 上降伏応力ReH,又は耐力Rp及び要求された場合のRtの測定時のひずみ速度
上降伏応力ReH,又は耐力Rp及び要求された場合のRtを測定するまでの間,ひずみ速度は,できる限り
Le 次の二つのうちのいずれか一つの
一定にしなければならない。これらの材料の測定中,ひずみ速度 e
規定範囲にしなければならない(図1参照)。
範囲1 : Lee 0.000 07 s−1(0.004 2 min−1に相当)±20 %(規定のない限り推奨する範囲)
範囲2 : Lee 0.000 25 s−1(0.015 min−1に相当)±20 %
Le 懿 クロスヘッド
試験機がひずみ速度を直接制御できない場合には,平行部の推定ひずみ速度 c
変位速度を用いなければならない。この変位速度は,式(1)を用いて計算しなければならない。
実際に試験片にかかるひずみ速度は,試験機の剛性を考慮しないので,規定のひずみ速度よりも低くな
る。JIS Z 2241の附属書F(試験機の剛性を考慮したクロスヘッド変位速度の見積り)に,その解説が示
されている。
10.3.3 下降伏応力ReL及び降伏点伸び(%)Aeが要求された場合の測定時のひずみ速度
要求された場合,上降伏応力が現れた後の下降伏応力ReL及び降伏点伸び(%)Aeを測定する平行部の
Le 不連続な降伏が終わるまで次の二つのうちのいずれか一つの規定範囲にしなければ
推定ひずみ速度 c
ならない(図1参照)。
範囲1 : Lec 0.000 07 s−1(0.004 2 min−1に相当)±20 %
範囲2 : Lec 0.000 25 s−1(0.015 min−1に相当)±20 %
クロスヘッド変位速度制御が望ましい。

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10.3.4 引張強さRm,破断伸び(%)A,及び絞り(%)Z,並びに要求された場合の最大試験力時全伸
び(%)Agt,及び最大試験力時塑性伸び(%)Agの測定時のひずみ速度
降伏応力又は耐力の測定の後,引張強さRm,破断伸び(%)A,及び絞り(%)Z,並びに要求された場
合の最大試験力時全伸び(%)Agt,及び最大試験力時塑性伸び(%)Agを測定する平行部の推定ひずみ速
Le 次の規定範囲のうちのいずれか一つに変更しなければならない(図1参照)。
度 c
範囲1 : Lec 0.000 07 s−1(0.004 2 min−1に相当)±20 %
範囲2 : Lec 0.000 25 s−1(0.015 min−1に相当)±20 %
範囲3 : Lec 0.001 4 s−1(0.084 min−1に相当)±20 %(規定のない限り推奨する範囲)
範囲4 : Lec 0.006 7 s−1(0.4 min−1に相当)±20 %
クロスヘッド変位速度制御が望ましい。
引張試験の目的が引張強さだけを測定する場合は,全試験期間を通して,試験片平行部の推定ひずみ速
度を範囲3にしてもよい。

10.4 ひずみ速度範囲を拡大した試験方法(方法B)

10.4.1 一般
この試験方法は,通常のひずみ速度範囲で行うものである。
注記 この試験方法のひずみ速度範囲は,JIS G 0567:1998と同じ速度範囲である。
金属のひずみ速度感受性は,室温よりも,高温の方がより高い可能性があることを考慮するのがよい。
試験速度が,規定範囲内であっても,測定する特性の値に影響を与える場合がある。
10.4.2 降伏強さ又は耐力の測定時の速度
上降伏応力,下降伏応力及び耐力を対象として,測定時の速度を規定する。
試験開始から測定する降伏応力までの試験片の平行部のひずみ速度は,0.000 016 7 s−10.000 083 3 s−1
(0.001 min−10.005 min−1)までの間とする。
試験装置がひずみ速度を表示できない場合は,弾性域の応力増加速度を,ひずみ速度が0.000 05 s−1(0.003
min−1)未満になるように設定しなければならない。いかなる場合も,応力増加速度は,弾性域で5 MPa·
s−1(300 MPa·min−1)を超えてはならない。
10.4.3 引張強さの測定時の速度
引張強さだけを測定する場合には,試験片のひずみ速度は,0.000 33 s−10.003 3 s−1(0.02 min−10.20
min−1)までの間とする。
降伏応力も同じ試験片で測定する場合には,10.4.2に規定する試験速度からの変化は,滑らかで,かつ,
規定のひずみ速度を超えない(オーバーシュートしない)ようにしなければならない。

10.5 方法及び速度の選択

  受渡当事者間の協定のない限り,方法A又は方法B,及び試験速度の選択は,この規格の要求に適合す
るように,製造業者又は製造業者によって指名された試験室が任意に行う。

10.6 選択した試験条件の記録

  試験の制御モード及び試験速度を簡略化した様式で記録するために,次の略号を用いてもよい。
JIS G 0567 Annn,又はJIS G 0567 Bn
ここで,“A”は方法A(ひずみ速度制御)を表し,“B”は方法B(拡大したひずみ速度範囲)を表す。
方法Aでは,図1で定義しているように,“nnn”は,試験の各段階で用いた速度を参照する三つまでの一

――――― [JIS G 0567 pdf 9] ―――――

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連の数字である。また,方法Bでは,“n”は,選択したひずみ速度(s−1)に対応する数字である。
例1 JIS G 0567 A 113は,図1 a) に示す範囲1,範囲1及び範囲3を順に適用したひずみ速度制御に
よる試験を表す。
例2 JIS G 0567 Bは,10.4.2に従った,拡大したひずみ速度範囲又は拡大した応力増加速度による
試験を表す。

11 特性値の測定及び計算

  JIS Z 2241に従って行う。

12 試験報告書

  試験報告書が必要な場合には,受渡当事者間の協定のない限り,少なくとも次の事項を含まなければな
らない。
なお,受渡当事者間の協定によって,次の項目の一部を省略してもよい。
a) この規格で試験をした旨及び10.6に規定する試験条件の表示 : 例えば,JIS G 0567 A113
b) 試験片の識別
c) 材料の種類(分かっている場合)
d) 試験片の形状
e) 試験片の採取位置及び採取方向(分かっている場合)
f) 10.3及び10.4に規定する推奨試験方法及び推奨速度と異なる場合,試験の制御,及び試験速度又は試
験速度範囲(10.6参照)。
g) 均熱時間
h) 試験温度
i) 伸び計標点距離Leの設定方法
j) 試験結果
試験結果は,材料規格に規定のない限り,次に示す精度以上に,JIS Z 8401の規則Aに従って丸めるこ
とが望ましい。
− 強度値 : MPaの整数
− 降伏点伸びAe : 0.1 %
− 破断伸びA : 1 %
− その他の全ての伸び : 0.5 %
− 絞りZ : 1 %

13 測定の不確かさ

  測定の不確かさに関する要求事項は,JIS Z 2241の箇条23(測定の不確かさ)による。また,参考情報
を附属書Bに示す。

14 図

  JIS Z 2241の図1図8及び図10図15は,そのまま有効である。ただし,JIS Z 2241の図9(ReH,ReL,
Rp,Rt,Rm,Ag,Agt,A,At及びZを測定する場合の試験中に使用するひずみ速度の説明図)を,次の図1

――――― [JIS G 0567 pdf 10] ―――――

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JIS G 0567:2020の引用国際規格 ISO 一覧

  • ISO 6892-2:2018(MOD)

JIS G 0567:2020の国際規格 ICS 分類一覧

JIS G 0567:2020の関連規格と引用規格一覧