JIS G 0587:2007 炭素鋼鍛鋼品及び低合金鋼鍛鋼品の超音波探傷試験方法

JIS G 0587:2007 規格概要

この規格 G0587は、厚さ20mm以上及び外径部の曲率半径が50mm以上の炭素鋼及び低合金鋼の鍛鋼品の,パルス反射法を用いた基本表示の超音波探傷器による超音波探傷試験方法について規定。

JISG0587 規格全文情報

規格番号
JIS G0587 
規格名称
炭素鋼鍛鋼品及び低合金鋼鍛鋼品の超音波探傷試験方法
規格名称英語訳
Method for ultrasonic examination for carbon steel and low alloy steel forgings
制定年月日
1987年11月1日
最新改正日
2016年10月20日
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対応国際規格

ISO

国際規格分類

ICS

77.140.20, 77.140.85
主務大臣
経済産業
JISハンドブック
鉄鋼 I 2021, 鉄鋼 II 2021, 熱処理 2020, 非破壊検査 2020
改訂:履歴
1987-11-01 制定日, 1993-05-01 確認日, 1995-07-01 改正日, 2000-10-20 確認日, 2005-07-20 確認日, 2007-01-20 改正日, 2011-10-20 確認日, 2016-10-20 確認
ページ
JIS G 0587:2007 PDF [26]
                                                                                   G 0587 : 2007

pdf 目 次

ページ

  •  序文・・・・[1]
  •  1 適用範囲・・・・[1]
  •  2 引用規格・・・・[1]
  •  3 用語及び定義・・・・[1]
  •  4 試験技術者・・・・[2]
  •  5 超音波探傷装置・・・・[2]
  •  5.1 超音波探傷器・・・・[2]
  •  5.2 垂直探触子・・・・[2]
  •  6 試験の方法及び準備・・・・[3]
  •  7 試験の条件・・・・[3]
  •  8 減衰係数の測定・・・・[4]
  •  9 探傷感度の調整・・・・[5]
  •  9.1 一般事項・・・・[5]
  •  9.2 底面エコー方式・・・・[5]
  •  9.3 試験片方式・・・・[7]
  •  10 きずの記録及び評価方法・・・・[9]
  •  10.1 記録しなければならない試験結果・・・・[9]
  •  10.2 きずの評価方法・・・・[9]
  •  11 報告・・・・[10]
  •  11.1 一般事項・・・・[10]
  •  11.2 試験期日及び試験技術者・・・・[10]
  •  11.3 鍛鋼品・・・・[10]
  •  11.4 探傷装置・・・・[11]
  •  11.5 試験条件・・・・[11]
  •  11.6 試験結果・・・・[11]
  •  附属書A(規定)鍛鋼品の斜角探傷試験方法・・・・[21]
  •  附属書B(規定)垂直探傷試験によるきずの分類方法・・・・[23]

(pdf 一覧ページ番号 1)

――――― [JIS G 0587 pdf 1] ―――――

G 0587 : 2007

まえがき

  この規格は,工業標準化法第14条によって準用する第12条第1項の規定に基づき,社団法人日本非破
壊検査協会(JSNDI)及び財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格(日本産業規格)を改正
すべきとの申出があり,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が改正した日本工業規格(日本産業規格)である。
これによってJIS G 0587:1995は改正され,この規格に置き換えられた。
この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。
この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権又は出願公開後の実用新案登録出願に
抵触する可能性があることに注意を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許
権,出願公開後の特許出願,実用新案権又は出願公開後の実用新案登録出願に係る確認について,責任は
もたない。

(pdf 一覧ページ番号 2)

――――― [JIS G 0587 pdf 2] ―――――

                                       日本工業規格(日本産業規格)                             JIS
G 0587 : 2007

炭素鋼鍛鋼品及び低合金鋼鍛鋼品の超音波探傷試験方法

Method for ultrasonic examination for carbon steel and low alloy steel forgings

序文

  この規格は,1987年に制定され,その後2回の改正を経て今日に至っている。前回の改正は1995年に
行われたが,その後精度の向上したDGS線図の採用,感度校正用人工きずの規定付加のため改正した。
なお,対応国際規格は現時点で制定されていない。

1 適用範囲

  この規格は,厚さ20 mm以上及び外径部の曲率半径が50 mm以上の炭素鋼及び低合金鋼の鍛鋼品(以
下,鍛鋼品という。)の,パルス反射法を用いた基本表示の超音波探傷器による超音波探傷試験(以下,試
験という。)方法について規定する。
なお,ステンレス鋼鍛鋼品については,超音波の減衰を考慮した上で,試験要領について受渡当事者間
で合意した場合は,この規格を準用して探傷することができる。

2 引用規格

  次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの
引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。
JIS B 0601 製品の幾何特性仕様(GPS)−表面性状 : 輪郭曲線方式−用語,定義及び表面性状パラメ
ータ
JIS G 0431 鉄鋼製品の非破壊試験技術者の資格及び認証
JIS K 2238 マシン油
JIS Z 2300 非破壊試験用語
JIS Z 2305 非破壊試験−技術者の資格及び認証
JIS Z 2345 超音波探傷試験用標準試験片
JIS Z 2352 超音波探傷装置の性能測定方法

3 用語及び定義

  この規格で用いる主な用語及び定義は,JIS Z 2300によるほか,次による。
3.1
Q値
使用する超音波探傷器と超音波探触子とを組み合わせた状態で,周波数分析を行い,測定された中心周

――――― [JIS G 0587 pdf 3] ―――――

2
G 0587 : 2007
波数を帯域幅で除した値。

4 試験技術者

  鍛鋼品の試験に従事する技術者は,JIS G 0431,JIS Z 2305若しくはそれらと同等の規格によって資格
付けられる者,又はそれに相当する十分な知識,技能及び経験をもつ者で,かつ,試験の対象となる鍛鋼
品の製造方法,発生するきずの性状及びその探傷について十分な知識及び経験をもつ者でなければならな
い。

5 超音波探傷装置

5.1 超音波探傷器

  試験に用いる超音波探傷器は,次による。
a) 超音波探傷器は,パルス反射法による基本表示の表示器をもつものとし,1 MHz5 MHzの範囲の周
波数で使用できるものとする。
b) 増幅直線性は,JIS Z 2352の4.1(増幅直線性)によって測定し,最大偏差が±3 %以内とする。
c) 時間軸直線性は,JIS Z 2352の4.2(時間軸直線性)によって測定し,最大誤差が±1 %以内とする。
d) ゲイン調整器は,1ステップが2 dB以下で,合計の調整量が70 dB以上のものとする。
e) 表示器は,表示される探傷図形が,明るい場所でも観察に支障のないように鮮明で,エコーの立上が
り及び頭部は,特に鮮明で見やすいものとする。
f) 探傷器に取り付ける補助目盛板は,容易に着脱でき,視差による測定誤差が小さいものとする。
補助目盛板を必要としないデジタル探傷器においては,この限りではない。

5.2 垂直探触子

  試験に用いる垂直探触子は,次による。
a) 振動子の形状は円形とし,公称直径は探触子の公称周波数に応じ,表1のものとする。ただし,( )
内の範囲に示す公称直径の振動子を使用することができる。
表1−垂直探触子の公称周波数及び振動子の公称直径
公称周波数 MHz 公称直径 mm
1 20,24,28,30 (2030)
2又は2.25 20,24,28,30 (1030)
4又は5 10,14,20,24 (1025)
b) 試験周波数は,公称周波数の85 %115 %の範囲とする。
c) 探触子のQ値は,使用する超音波探傷器と探触子との組合せで,1.83.3の範囲とする。
d) 感度余裕値は,JIS Z 2352の4.3(垂直探傷の感度余裕値)によって測定し,30 dB以上とする。
e) 遠距離分解能は,JIS Z 2352の4.4(垂直探傷の遠距離分解能)に規定する垂直探傷の遠距離分解能測
定用試験片RB−RA形試験片を用いて表示し,2 MHz以上の周波数において9 mm以下とする。
f) 軟質保護膜は,試験周波数に適合したものとする。

――――― [JIS G 0587 pdf 4] ―――――

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G 0587 : 2007

6 試験の方法及び準備

  試験の方法及び準備は,次による。
a) 試験は,パルス反射法の直接接触法による垂直探傷試験とする。ただし,リング状又は円筒状で外径
対内径の比が1.4以下で軸方向の長さが50 mmを超える鍛鋼品について特に指定された場合は,附属
書Aによる斜角探傷試験を行う。
b) 試験は,きずをきずエコー高さで評価する場合には,底面エコー方式又は試験片方式のいずれかで行
う。きずを底面エコーの低下量で評価する場合は,底面エコー方式とする。
c) 探傷時期は,熱処理後で,溝,テーパ,穴などの加工前とする。ただし,熱処理後の形状が探傷に適
切でない場合は,熱処理前でもよい。この場合,熱処理後にもできる限りの範囲について再度探傷を
行う。
d) 探傷面は,JIS B 0601に規定する粗さ25 μmRZ以下に仕上げ,試験の支障となる,むしれ,異物など
が付着していないものとする。
e) 接触媒質は,JIS K 2238のISO VG46100マシン油又はこれと同等品を用いる。ただし,受渡当事者
間で協定した場合には,グリセリンペースト,グリセリン水溶液又はそれらに相当する接触媒質を用
いてもよい。

7 試験の条件

  試験を行うときの条件は,次による。
a) 探傷方向は,鍛鋼品の製造形態に応じ,図1に示す基本的探傷方向とする。補助的探傷方向は,必要
に応じて実施する。
b) 探傷範囲は,検出しなければならないきずの種類,方向,大きさ及び使用上の影響度を考慮して,全
範囲又はある特定の範囲とする。

――――― [JIS G 0587 pdf 5] ―――――

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JIS G 0587:2007の国際規格 ICS 分類一覧

JIS G 0587:2007の関連規格と引用規格一覧