JIS H 1402:2001 タングステン粉及びタングステンカーバイド粉分析方法

JIS H 1402:2001 規格概要

この規格 H1402は、タングステン粉及びタングステンカーバイド粉中の鉄,モリブデン,カルシウム,けい素,アルミニウム,マグネシウム,酸素,全炭素,遊離炭素,硫黄及び不揮発分の定量方法ついて規定。

JISH1402 規格全文情報

規格番号
JIS H1402 
規格名称
タングステン粉及びタングステンカーバイド粉分析方法
規格名称英語訳
Methods for chemical analysis of tungsten powder and tungsten carbide powder
制定年月日
1967年2月1日
最新改正日
2017年10月20日
JIS 閲覧
‐ 
対応国際規格

ISO

国際規格分類

ICS

77.120.99
主務大臣
経済産業
JISハンドブック
‐ 
改訂:履歴
1967-02-01 制定日, 1970-03-01 確認日, 1972-11-01 確認日, 1975-08-01 改正日, 1979-07-01 改正日, 1984-10-01 確認日, 1990-07-01 改正日, 1992-07-01 改正日, 2001-01-20 改正日, 2006-05-20 確認日, 2006-08-20 改正日, 2012-10-22 確認日, 2017-10-20 確認
ページ
JIS H 1402:2001 PDF [43]
H 1402 : 2001

まえがき

  この規格は,工業標準化法第14条によって準用する第12条第1項の規定に基づき,タングステン・モ
リブデン工業会 (JTMIA) /財団法人日本規格協会 (JSA) から工業標準原案を具して日本工業規格(日本産業規格)を改正
すべきとの申出があり,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が改正した日本工業規格(日本産業規格)である。
これによってJIS H 1402-1992は改正され,この規格に置き換えられる。
今回の改正では,不揮発分を形成するカルシウム,けい素,アルミニウム及びマグネシウム並びに硫黄
の定量方法を追加し,改正を行った。

(pdf 一覧ページ番号 )

――――― [JIS H 1402 pdf 1] ―――――

                                       日本工業規格(日本産業規格)                             JIS
H 1402 : 2001

タングステン粉及びタングステンカーバイド粉分析方法

Methods for chemical analysis of tungsten powder and tungsten carbide powder

1. 適用範囲 この規格は,タングステン粉及びタングステンカーバイド粉中の鉄,モリブデン,カルシ
ウム,けい素,アルミニウム,マグネシウム,酸素,全炭素,遊離炭素,硫黄及び不揮発分の定量方法に
ついて規定する。
なお,それらの定量方法は表1による。
表1 定量方法
成分 定量方法 適用含有率範囲
%(m/m)
鉄 1,10-フェナントロリン吸光光度法 0.001以上 0.5以下
原子吸光法 0.000 5以上0.07以下
誘導結合プラズマ (ICP) 発光分光法 0.000 5以上0.07以下
モリブデン チオシアン酸吸光光度法 0.001以上 0.16以下
原子吸光法 0.001以上 0.02以下
誘導結合プラズマ (ICP) 発光分光法 0.001以上 0.02以下
カルシウム 原子吸光法 0.000 5以上0.01以下
誘導結合プラズマ (ICP) 発光分光法 0.000 1以上0.01以下
けい素 四ふっ化けい素気化分離モリブドけい酸青吸光光度法 0.000 5以上0.005以下
四ふっ化けい素気化分離誘導結合プラズマ (ICP) 発光分光法 0.000 5以上0.005以下
混酸分解誘導結合プラズマ (ICP) 発光分光法 0.001以上 0.02以下
アルミニウム 陽イオン交換分離原子吸光法 0.000 2以上0.01以下
陽イオン交換分離誘導結合プラズマ (ICP) 発光分光法 0.000 1以上0.01以下
混酸分解誘導結合プラズマ (ICP) 発光分光法 0.000 5以上0.01以下
マグネシウム 原子吸光法 0.000 5以上0.005以下
誘導結合プラズマ (ICP) 発光分光法 0.000 1以上0.005以下
酸素 水素還元重量法 0.01以上
酸化重量法 0.01以上
不活性ガス融解−赤外線吸収法 0.01以上 1.2以下
全炭素 焼燃−導電率法 0.001以上
焼燃−電量法 0.001以上
焼燃−熱伝導度法 0.001以上
焼燃−赤外線吸収法(積分法) 0.001以上
焼燃−赤外線吸収法(循環法) 0.001以上
遊離炭素 炭素沈殿分離燃焼−導電率法 0.01以上
炭素沈殿分離燃焼−電量法 0.01以上
炭素沈殿分離燃焼−熱伝導度法 0.01以上
炭素沈殿分離燃焼−赤外線吸収法(積分法) 0.01以上
炭素沈殿分離燃焼−赤外線吸収法(循環法) 0.01以上
硫黄 燃焼−赤外線吸収法(積分法) 0.000 5以上

――――― [JIS H 1402 pdf 2] ―――――

2
H 1402 : 2001
成分 定量方法 適用含有率範囲
%(m/m)
不揮発分 揮発分分離重量法 0.002以上
2. 引用規格 次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成す
る。これらの引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。
JIS K 0016 鉄標準液
JIS K 0037 標準物質−標準液−マグネシウム
JIS K 0038 標準物質−標準液−カルシウム
JIS K 0050 化学分析方法通則
JIS K 0115 吸光光度分析通則
JIS K 0116 発光分光分析通則
JIS K 0121 原子吸光分析通則
JIS Z 2613 金属材料の酸素定量方法通則
JIS Z 2615 金属材料の炭素定量方法通則
JIS Z 2616 金属材料の硫黄定量方法通則
JIS Z 8401 数値の丸め方
3. 一般事項 分析方法に共通な一般事項は,JIS K 0050,JIS K 0115,JIS K 0116,JIS K 0121,JIS Z 2613,
JIS Z 2615及びJIS Z 2616による。
4. 試料の採り方及び取扱い方
4.1 試料の採り方 試料の採り方は,同一製造ロットにつき採取箇所2か所以上をランダムに選び,図1
に示すパイプ形試料採取器を用いて開放部を下に向け,少し傾斜させて容器の底部に達するまで差し込み,
半回転させ,パイプの内部に入った粉末を採取する。
図1 パイプ形試料採取器

――――― [JIS H 1402 pdf 3] ―――――

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H 1402 : 2001
4.2 試料の取扱い方 試料の取扱い方は,4.1で採取した試料を十分に混合し分析に必要な量を取り,酸
化及び吸湿を防止するために適切な容器に入れ密封し,分析用試料とする。
4.3 試料のはかり方 酸素定量用の試料は,分析用試料開封後速やかにはかり取る。
5. 分析値のまとめ方
5.1 分析回数 通常,同一試料について2回行う。
5.2 空試験 分析に当たっては,空試験を行い,測定値を補正する。
5.3 分析値の表示 分析値は,質量百分率で表し,表1の適用含有率範囲に規定されている定量範囲の
最下位の次のけたまで算出し,JIS Z 8401によって定量範囲の最下位のけたに丸める。ただし,丸めた結
果,小数点以下の有効数字が3けた以上になる場合は,小数点以下有効数字2けたに丸める。
6. 安全衛生に関する注意 分析操作を行うには,常に安全及び衛生に注意しなければならないが,特に
次の事項に注意する。
a) 分析に使用する試薬は,労働安全衛生法有機溶剤中毒予防規則,労働安全衛生法特定化学物質等障害
予防規則並びに毒物及び劇物取締法の基準に従い操作など十分に注意する。
b) 原子吸光法,誘導結合プラズマ (ICP) 発光分光法,並びに酸素,炭素及び硫黄の定量方法における高
圧ガスの取扱いにおいては,高圧ガス取締法及びそれに関連する諸法令の基準に従い,また,運搬,
設置,操作などに十分注意し,火気に十分気をつける。
c) 原子吸光法においては,フレームの点火及び消火に注意し,特に一酸化二窒素・アセチレンフレーム
を使用する場合には逆火及び爆発に注意する。
d) 誘導結合プラズマ (ICP) 発光分光法においては,高電圧,高温,高周波及び強い光が関係する装置の
ため,測定者に対して危険及び健康を阻害する可能性がある。したがって安全機構,危険防止,測定
室環境などに配慮が必要である。
e) 酸素,炭素及び硫黄の燃焼操作においては,高温に加熱されたボート又はるつぼの取扱いは必ずるつ
ぼ挟みなどを使用して火傷などをしないように注意しなければならない。また,火災などが起きない
ように,あらかじめ対策を考慮した所定の場所に置き,十分に冷却したことを確かめてから廃棄する。
f) 不揮発分の定量に,液化塩化水素ボンベを使用するときは,取扱いに十分注意する。また,塩化水素
は十分に処理して排出する。
7. 鉄定量方法
7.1 定量方法の区分 鉄の定量方法は,次のいずれかによる。
a) 1,10-フェナントロリン吸光光度法 この方法は,鉄含有率0.001% (m/m) 以上0.5% (m/m) 以下の試料
に適用する。
b) 原子吸光法 この方法は,鉄含有率0.000 5% (m/m) 以上0.07% (m/m) 以下の試料に適用する。
c) 誘導結合プラズマ (ICP) 発光分光法 この方法は,鉄含有率0.000 5% (m/m) 以上0.07% (m/m) 以下
の試料に適用する。
7.2 1,10-フェナントロリン吸光光度法
7.2.1 要旨 試料を適切な試薬で分解し,酒石酸を加えて,タングステン,鉄などを錯塩とした後pHを
調節し,L (+) -アスコルビン酸で鉄(III)を鉄(II)に還元し,1,10-フェナントロリンを加えて1,10-フェナント
ロリン・鉄(II)錯体を生成させ,光度計を用いてその吸光度を測定する。
7.2.2 試薬 試薬は,次による。

――――― [JIS H 1402 pdf 4] ―――――

4
H 1402 : 2001
a) ほう酸溶液 (50g/L)
b) 混酸A(硝酸1,ふっ化水素酸1,水3)
c) 混酸B(塩酸15,硝酸5,硫酸2)
d) アンモニア水
e) 水酸化ナトリウム溶液 (100g/L)
f) 過酸化水素
g) 酢酸
h) 酒石酸溶液 (500g/L)
i) L (+) -アスコルビン酸溶液 (50g/L)使用の都度調製する。
j) 1,10-フェナントロリン溶液 塩化1,10-フェナントロリニウム一水和物0.2gを水に溶解し,水で液量
を100mlとする。
k) 標準鉄溶液 (20 攀一 ─ m/m) 以上]1.000gをはかり取ってビーカー (200m
れ,時計皿で覆い,塩酸(1+1)20mlを加え,穏やかに加熱して分解する。過酸化水素1mlを加え,煮
沸して鉄を酸化するとともに,過剰の過酸化水素を分解する。常温まで冷却した後,時計皿の下面を
水で洗浄して時計皿を取り除き,溶液を1 000mlの全量フラスコに水を用いて移し入れ,水で標線ま
で薄めて原液 (1 000 最 攀一 ‰ は,JIS K 0016に規定する鉄標準液のFe 1 000を原液とする
この原液を使用の都度,必要量だけ水で正しく50倍に薄めて標準鉄溶液とする。
l) p-ニトロフェノール溶液 (4g/L)
7.2.3 試料はかり取り量 試料はかり取り量は,1.0gとし,10mgのけたまではかる。
7.2.4 操作
7.2.4.1 試料溶液の調製 試料溶液の調製は,次のいずれかの手順によって行う。
a) 過酸化水素による分解(1)
注(1) タングステンカーバイド粉には適用しない。
1) 試料をはかり取ってビーカー (100200ml) に移し入れる。
2) 数mlの水で試料を湿らせ時計皿で覆い,過酸化水素510mlを加え,放置又は加熱して分解し液
量が約5mlになるまで加熱して蒸発した後,水で薄めて液量を約20mlとする。
3) 室温まで冷却した後,水酸化ナトリウム溶液15mlを加え,数分間放置する。激しい発泡が終わっ
た後,液量が1020mlになるまで煮沸し,過剰の過酸化水素を分解し,酒石酸溶液10mlを加え,
煮沸する。
4) 室温まで冷却した後,時計皿の下面を水で洗浄して時計皿を取り除き,水で液量を約60mlとする。
b) 混酸Aによる分解
1) 試料をはかり取って白金血(75番又は90番),四ふっ化エチレン樹脂ビーカー (100200ml) 又は
ポリエチレンビーカー (100200ml) に移し入れる。
2) 白金ふた,四ふっ化エチレン樹脂時計皿又はポリエチレン時計皿で覆い,混酸A10mlを少量ずつ加
え,穏やかに加熱して分解する(2)。引き続き加熱して窒素酸化物などを追い出す。
注(2) ポリエチレンビーカーを用いる場合は,加熱による容器の変形が起こらないように,水浴上又
は水浴中で加熱しながら分解する。
3) 室温まで冷却した後,ふた又は時計皿の下面を水で洗浄してふた又は時計皿を取り除き,酒石酸溶
液10m1及びほう酸溶液20mlをかき混ぜながら加え(3),水で液量を約60mlとする。
注(3) 遊離炭素が認められたときは,ろ紙(5種A)を用いてろ過し,水で3,4回洗浄し,ろ液と洗液

――――― [JIS H 1402 pdf 5] ―――――

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