JIS K 0095:1999 排ガス試料採取方法 | ページ 3

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a) 除湿器 計測器内部に試料ガス中の水分が凝縮しない程度に除湿を行うもので,除湿方式は自然空冷
式,強制空冷式,水冷式,電子冷却式及び半透膜気相除湿方式とする。図5に除湿方式の例を示す。
除湿器の選択は,試料ガス中の湿度,分析計の特性,要求測定精度などに応じて,これらの方法の
いずれかを単独又は組み合わせて用いる(6),(7)。
b) 気液分離器 冷却除湿を行うとき,凝縮水を試料ガスから速やかに分離させるためのもので,除湿器
の後段に接続し,気液分離管及び凝縮水トラップ(8)からなる。図6に気液分離器の例を示す。
分析対象成分が水溶性の場合は,その溶解損失を減少させるために,気液分離管における凝縮水と
試料ガスとの接触時間及び接触面積をできるだけ小さくしなければならない。一方,凝縮水の排出が
速やかに行われるように排出管の内径は6mm以上とする。図6 a)の場合,気液分離管が負圧になると
凝縮水の水位が凝縮水トラップの水面より上昇するため,l1の長さは気液分離管へ水位が達しない程
度に大きくとる。また,l2は,凝縮水の水量の変動によって水封が破れないよう大きくとる。ただし,
l1>l2とする。
図5 除湿方式の例

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図7 安全トラップの例
a) 自動排出式凝縮トラップの場合 b) 間けつ(歇)式凝縮トラップの場

図6 気液分離器の構成例
c) 安全トラップ 図6 a)において,凝縮水トラップ中の水が計測器内部の配管への流入を防ぐため,必
要に応じて凝縮水トラップの排出管に安全トラップを接続する。図7に安全トラップの例を示す。
排出弁を用いて凝縮水を排出する場合,吸い込み空気が計測器の内部に吸い込まれないようにl3を
十分大きくとる。
d) 二次ろ過材 採取管に装着したろ過材を通過したダスト,又は配管内で発生したミストを除去し,分
析計,流量計,ポンプなどを保護するためのもので,ろ紙,合成高分子多孔膜などを用いる(9)。
e) 吸引ポンプ 計測器の感度及び応答速度に対して所定流量を保証する能力(10)をもち,試料ガスに接触
する部分には,測定対象成分に対して不活性で,かつ,試料ガスに対して汚染源にならない材質のも
のを用いる。
f) 真空計 多成分同時測定用の吸引ポンプに附属されている真空計(11)又は同等品。
g) 試料ガス分岐管 同一採取管多成分同時測定のとき用いるもので,分岐管は,それぞれの計測器に接
続する導入口をもち,すべての計測器が必要とする試料ガス量を通過させる大きさと,同時に試料ガ
スの滞留時間を極端に小さくする工夫が必要である。
なお,必要に応じて加熱することもある。
h) その他
1) 校正用ガスの導入又は多点採取における試料ガスの切り替えには,手動弁又は電動弁,電磁弁,空
気弁などの自動弁を用いる。
2) 流量計の材質は,試料ガス成分と反応せず,かつ,耐食性のものを用いる。
3) 乾燥剤を用いる場合は,分析対象成分の吸着・脱離などの影響を考慮して,適切なものを選択する。
また,性能劣化には十分注意する。
注(6) 水分による干渉を受ける分析計では,前処理部を出たガスの露点を一定に保持する電子冷却式
を用いる。水分による干渉を受けない分析計では,いずれを用いてもよい。ただし,半透膜式
の場合は,除湿器内に凝縮水が流入しないように除湿器の前段に気液分離管を設置する。

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(7) 除湿能力が不足すると考えられる場合又は分析対象成分が水溶性のため一段冷却では溶解損失
が大きい場合には,前段に自然空冷式,強制空冷式,水冷式などを組み合わせる。
(8) 凝縮水の水位が観察できるような材質及び構造とする。特に図6 b)の場合には,水面監視及び
排水を怠ってはならない。
(9) 試料ガス成分,特に分析対象成分と反応性のないものとし,孔径の選択に注意する。例えば,
二酸化窒素を測定する場合は,これと反応するセルロース繊維製ろ紙は用いてはならない。
(10) 分析計への所定流量を保証する以外に,応答を迅速にするために,分析計直前における大気開
放量までを考慮した能力とする。
(11) 8.3の漏れ試験及びろ過材の目詰まりによる清掃及び交換時期の指標とする。
6.10 希釈
6.10.1 希釈の目的 試料ガスの希釈は,次の目的で行う。
a) 測定対象ガス濃度を計測器の測定範囲まで低下させる。
b) 試料ガス中の水分を乾燥した希釈ガスで希釈することによって,水の露点を低下させる。
c) 試料ガス中に存在し,除去が困難なある種の化合物の濃度の相対的ばらつきを減少することによって,
それによる干渉を最小限に止める。例えば,試料ガス中の酸素濃度のばらつきが,他の成分の測定誤
差を生じる場合は,乾燥空気によって希釈する。
なお,希釈率は一定に保つ必要がある。
6.10.2 希釈方法及び装置 希釈方法及び装置は,次による。
a) 校正された細孔口。例えば,毛細管,音響ノズル,ニードル弁。
b) 容積又は質量による流量計。
c) 圧力又は流量の調整器。
なお,希釈用ガス中には,測定対象成分が存在しないこと及び測定対象成分並びに共存成分と反応
してはならない。
希釈採取管の例を図8に示す。
ここに,
1 : 試料管用くぼみ
2 : 希釈試料 (Q1+Q2)
3 : 希釈ガス (Q1)
4 : 校正・空気放出
Q2
希釈比
Q1 Q2
Q1 Q2
発生源濃度 測定濃度
Q2
図8 希釈採取管の例
7. 化学分析による場合の試料採取
7.1 吸収瓶法[試料ガス量をガスメーターで計測する(図2 a)場合)]

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7.1.1 採取管,導管の取付け
a) 採取管の適切な位置にろ過材を装着する。ろ過材に無アルカリガラスウール,シリカウールなどを用
いる場合には,充てんの長さを50150mm程度とする。ダクト内が負圧のときは排ガス流へ,吸引
流量が大きいときには管側へ,ろ過材が吸い込まれないように注意する(12)。
b) 採取管は排ガス流に対して直角に挿入し,取付け具で採取口に固定する。
c) 導管は,できるだけ短くすること。やむを得ず長くしたときは,支持金具などで固定する。
d) 採取管と導管,導管と捕集部などの接続には,共通球面すり合せ接手管などを用いる。
注(12) ろ過材には,成形品を用いてもよい。その場合は孔径に注意する。
7.1.2 吸収瓶,洗浄瓶などの準備 吸収瓶,洗浄瓶などの準備は,次による。
a) 吸収瓶は,個別規格に規定するものを用意し,規定する吸収液の規定量を入れる。
b) 洗浄瓶には,個別規格に規定する溶液の規定量を入れる。
c) 必要に応じて吸収瓶用冷却槽を用意する。
7.1.3 捕集部の組立て 捕集部の組立ては,次の手順で行う。
a) 所定の本数の吸収瓶及び洗浄瓶を木箱などに格納し,吸収瓶などを固定する。
b) 図2 a)に示すように流路切換弁Pを介して吸収瓶及び洗浄瓶を接続する。この接続には,共通球面す
り合せ接手管,シリコーンゴム管などを用いる。さらに,吸収瓶及び洗浄瓶に流路切換弁Qを介して
水銀マノメーターを接続する。
c) 水銀マノメーターの後に乾燥管,吸引ポンプ及びガスメーター(13),(14),(15),(16)を接続する。
d) 補集部は,なるべく試料採取位置の近くに置き,吸収瓶は必要に応じて冷却槽に入れ,冷却する。
注(13) 湿式ガスメーターを移動・運搬するとき及び長時間用いないときは,必ず水を抜いておく。
(14) ガスメーターは,大気圧に対してその圧力差が±1.0kPa以内で用いる。
(15) 湿式ガスメーターを長時間用いるときは,試料ガスの性状によって水位の変化がみられるから,
必要に応じて,所定の水位を保たせる。
(16) ガスメーターは,精度維持のため,必要に応じて器差を求めておく。
7.1.4 試料採取装置の組立て 試料採取装置の組立ては,次の手順で行う。
a) 採取管から吸収瓶に至るまでは,直線上に組み立てる。直線上に組むことが困難なときは,L字形導
管などを用いて,操作のしやすいように組み立てる。
b) 採取管又は導管の接手管と流路切換弁Pの接手管との高さが一致するように,吸収瓶の高さを伸縮架
台などを用いて調節する。
c) 採取管又は導管と捕集部を接続する前に,7.1.5によって捕集部の漏れ試験を行う。
d) 漏れ試験終了後,採取管又は導管と捕集部を接続する(17)。
e) 分析対象成分に応じて,採取口から吸収瓶に至るまでを加熱する(18)。
注(17) 共通球面すり合せ接手管には,グリースを用いてはならない。また,採取管と捕集部の接続に
は,シリコーンゴム管の使用は避ける。
(18) 所定の温度に達するまで,バイパスを用いて採取管から捕集部までを試料ガスで置換しておく。
7.1.5 漏れ試験 漏れ試験は,次の手順で行う。
a) あらかじめ,所定の吸引流量における捕集部内の負圧(大気圧との差圧(19)を水銀マノメーターで測定
する。
b) 流路切換弁Pを閉じ (),流路切換弁Qを開き (),吸引ポンプの流量調節弁を操作し,吸収瓶側を
負圧(所定の吸引流量における捕集部内の負圧の2倍程度)にし,ポンプ直前の弁を閉じる(20)。

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c) 吸収瓶に泡が出続ければ,その前の部分に空気の漏れがあるとみなす。また,流路切換弁Qを閉じ ()
たとき,水銀マノメーターの差圧が小さくなれば,ポンプ直前の部分に漏れがあるとみなす。
d) 漏れ部分があれば捕集部を組み直し(21),漏れのないことを再度確認する。
e) バイパス側の洗浄瓶についても流路切換弁Qをバイパス側に開き () 漏れ試験を行う。
注(19) 試料採取のとき,吸引ポンプの流量調節弁を操作して,このとき測定した差圧に調節すれば,
直ちに一定流量で試料採取が可能となる。
なお,差圧が増加したにもかかわらず,ガスメーターの指針の回転速度が遅くなったときは,
ろ過材の交換時期を示す。
(20) このとき,差圧の変化が1分間に1mm以下のときは,漏れがないとみなす。
(21) 吸収瓶などのすり合せ部分は,12滴の水で潤し,漏れを防ぐ。
7.1.6 試料ガスの採取
a) 吸引ポンプを作動させ,バイパス側に流路を切り替え [P (),Q () ],配管内を試料ガスで十分置換
した後,吸引ポンプを停止し,ガスメーターの指示を記録する。
b) 流路切換弁P及びQを操作し, [P(),Q () ] 試料ガスを吸収瓶に導入する。この場合,吸引ポン
プの流路調節弁を操作して所定の流量(22)で試料ガスを採取する。試料ガスの吸引流量及び採取ガス量
は個別規格に従う。
c) 吸引停止後,流路切換弁Pを閉じる ()。ガスメーターの指示を記録する。
なお,ガスメーターの温度 (t) 及び圧力 (Pm) 並びに大気圧 (Pa) は採取中に測定記録する。
d) 吸引ポンプの流量調節弁を開き,水銀マノメーターの差圧が平衡に達した後,試料採取装置から吸収
瓶を取り外す。
e) 試料ガス中の水分の量は,必要に応じてJIS Z 8808の7.(排ガスの流速及び流量の測定)に準じて測
定する。
注(22) 水銀マノメーターの差圧を,あらかじめ測定しておいた所定の流量のときの値に調節するとよ
い。
7.1.7 試料ガス採取量 試料ガス採取量は,次の式によって標準状態 (0℃,101.32kPa) の乾きガス量
(VSD) 又は湿りガス量 (VSW) として算出する。
a) 乾きガス量で求める場合
1) 湿式ガスメーターを用いたとき
273.15 Pa Pm Pv
VSD V 22.41 a b
273.15 t 101.32
2) 乾式ガスメーターを用いたとき
273.15 Pa Pm
VSD V 22.41 a
273.15 t 101.32
b) 湿りガス量で求める場合
1) 湿式ガスメーターを用いたとき
273.15 Pa Pm Pv
VSW V 22.41 a b
273.15 t 101.32
2) 乾式ガスメーターを用いたとき
273.15 Pa Pm
VSW V 22.41 a b
273.15 t 101.32

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JIS K 0095:1999の引用国際規格 ISO 一覧

  • ISO 10396:1993(MOD)

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