JIS K 0550:1994 規格概要
この規格 K0550は、超純水中の細菌(生菌)数の試験方法について規定。
JISK0550 規格全文情報
- 規格番号
- JIS K0550
- 規格名称
- 超純水中の細菌数試験方法
- 規格名称英語訳
- Testing methods for detection and estimation of micro-biological contaminants in highly purified water
- 制定年月日
- 1988年12月1日
- 最新改正日
- 2015年10月20日
- JIS 閲覧
- ‐
- 対応国際規格
ISO
- 国際規格分類
ICS
- 71.040.40
- 主務大臣
- 経済産業
- JISハンドブック
- 化学分析 2021
- 改訂:履歴
- 1988-12-01 制定日, 1994-03-01 改正日, 2000-01-20 確認日, 2005-06-20 確認日, 2010-10-01 確認日, 2015-10-20 確認
- ページ
- JIS K 0550:1994 PDF [12]
日本工業規格(日本産業規格) JIS
K 0550-1994
超純水中の細菌数試験方法
Testing methods for detection and estimation of micro-biological contaminants in highly purified water
1. 適用範囲 この規格は,超純水中の細菌数の試験方法について規定する。
備考1. この規格の引用規格を,付表1に示す。
2. この規格の中で{}を付けて示してある単位及び数値は,従来単位によるものであって,
参考として併記したものである。
2. 共通事項 共通事項は,次のとおりとする。
(1) 通則 化学分析に共通する一般事項は,JIS K 0050による。
(2) 用語の定義 この規格で用いる主な用語の定義は,JIS K 0101又はJIS K 0102によるほか,次による。
(a) 細菌とは,標準培地(又はM-TGE培地)で培養したとき,培地上に集落を形成した生菌をいい,
従属栄養細菌又は一般細菌をいう。
(3) 水 JIS K 0557に規定するA1,A2又はA3の水。
(4) 試薬 試薬についての共通事項は,次のとおりとする。
(a) 試薬は,該当する日本工業規格(日本産業規格)がある場合には,その種類の最上級又は適切な用途のものを用い,
該当する日本工業規格(日本産業規格)がない場合には,試験に支障のないものを用いる。
(b) 試薬類の溶液の濃度は,一般に質量濃度g/l(化合物の場合は無水物としての質量を用いる。)又は
モル濃度mol/lで示す。
(c) 試薬類の溶液名称の後に括弧で示されている濃度は,概略の濃度であることを意味する。例えば,
水酸化ナトリウム溶液 (0.1mol/l) は約0.1mol/lの水酸化ナトリウム溶液であることを意味する。
(d) 液体試薬の濃度は,水との混合比[試薬 (a+b)]で表す。この表し方は,試薬a mlと水b mlとを
混合したことを示し,JIS K 0050に従い塩酸,硝酸,硫酸,りん酸,アンモニア水,過酸化水素な
どに用いる。ただし,これらの試薬を薄めないで用いる場合は,その試薬名だけで示す。
(e) 試薬類及び廃液などの取扱いについては,関係法令規則などに従い十分に注意すること。
(5) ガラス器具類 ガラス器具類は,原則としてJIS R 3503に規定する硬質1級又は硬質2級を用いる。
(6) 注,備考及び図 注,備考及び図は,各項日ごとに一連番号を付ける。
3. 細菌の捕集 あらかじめ滅菌したろ過材及び捕集装置を用いて,試料採取弁から一定量の試料をろ過
してろ過材上に細菌を捕集する。
3.1 器具及び装置 器具及び装置は,次のとおりとする。
(1) 細菌捕集装置 試料中の細菌を捕集する装置で次のものからなる。その構成の一例を図3.1に示す。
――――― [JIS K 0550 pdf 1] ―――――
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(a) 試料採取弁 試料採取弁は,ステンレス鋼製又は合成樹脂製などの耐食性の材質のものを用い,配
管内に分岐管を設けてその先端に取り付ける。試料採取弁の先端には試料導管が装着できるノズル
を取り付けておく。
(b) 接続具 接続具は,ステンレス鋼製又は合成樹脂製などの耐食性の材質のものを用い,試料採取弁
のノズルに試料導管を取り付けるのに用いる。
(c) 試料導管 軟質の合成樹脂製のもの。例えば,軟質塩化ビニル管。
(d) ろ過器 分離形の合成樹脂製又はステンレス鋼製のもので(1)(2),直径3755mmのろ過材が装着で
き,試料導管が接続できるもの。使用時に4.1(3)(b)の高圧蒸気滅菌を行う。
(e) ろ過材 孔径0.45 直径3755mmの有機性のろ過材に方眼紙と同様な画線が印刷されたもの(3)。
ろ過材の取扱いには,ピンセットを用いる。
(2) ピンセット 先端がなめらかなもの。使用直前に4.1(3)(d)の火炎滅菌する。
(3) 注射筒 容量10mlのもの。
(4) 超音波洗浄器 ろ過器,注射筒などが洗浄できるもの(周波数2550kHzのもの)。
(5) クリーンベンチ 移動式のもの。JIS B 9922に規定する清浄度3より清浄な環境(作業空間)が得ら
れるもの。又はこれと同等の性能をもつクリーンルームを用いてもよい。
注(1) 滅菌済みの市販品を用いてもよい。
(2) ろ過材の直径に合ったものを用いる。
(3) 硫酸紙などに包み,ガラス製ペトリ皿に入れて,4.1(3)(b)の高圧蒸気滅菌を行ったもの。又は滅
菌済みの市販品を用いてもよい。
図3.1 細菌捕集の一例
3.2 器具類の洗浄 ろ過器,注射筒などは,次の順序に従って洗浄する。
(1) 柔らかいブラシと界面活性剤を用いて洗浄する。
(2) 水で十分にすすぎ洗いする。
(3) 超音波洗浄器の洗浄槽に入れ,完全に水に浸るようにし,約15分間超音波洗浄する。
(4) 水で十分にすすぎ洗いする。
――――― [JIS K 0550 pdf 2] ―――――
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(5) ろ過器,注射筒は,4.1(3)(b)の高圧蒸気滅菌を行う。
3.3 操作 操作は,次のとおり行う。
(1) 試料採取弁を閉じ,試料採取弁のノズルの内外を火炎滅菌(4)した後,試料採取弁を全開した状態で約
5分間放流する(5)。引き続き約1l/minで30分間以上放流する。
(2) 細菌を捕集しやすい流量(6)に試料採取弁を調節して,15分間以上放流する。
(3) 試料採取弁のノズルに4.1(3)(b)の高圧蒸気滅菌した試料導入管を取り付け,15分間以上放流する。
(4) その先端にろ過材を装着したろ過器を取り付け(7),試料を流してろ過器内の空気を除去する(8)。
(5) 一定量(9)(10)の試料をろ過する。
(6) ろ過が終了したら,ろ過器を取り外す。
(7) クリーンベンチ内で,ろ過器内のろ液を出口側から注射器で吸引して(11)抜き取った後,直ちに試験を
行う。直ちに試験ができない場合には,ろ過材をろ過器に装着したまま15℃の暗所に保存(12)し,9
時間以内に試験する。
注(4) 試料採取弁の材質が合成樹脂製の場合には,火炎滅菌の代わりに過酸化水素水 (1+10) 又はエ
タノール (80vol%) で試料採取弁の内外をよくぬぐって消毒する。
(5) 主管路から試料採取弁まで,試料導管の距離が長い場合には,試料導管の容量の5倍量以上の
水を流出させてから,引き続き約5分間放流する。試料採取弁から常時約1l/minの割合で試料
を流出しておくことが望ましい。
(6) 配管の圧力と細菌の捕集に用いるろ過材の孔径によって流出量が異なるので,あらかじめろ過
器にろ過材を装着して流出量を確認しておくことが望ましい。
(7) 移動形のクリーンベンチを作動させながら操作する。
(8) ろ過器の出口を上に向けるなど適当な方法で除去する。
また,ろ過器を取り付けた後は,管路の急激な圧力変動が生じないように流量に注意する。
(9) 試料のろ過量のおおよその目安として,培養後の集落数が30300個になるようにする。
(10) ろ液をメスシリンダー1 000ml又は2 000mlに受けてその体積を測定して試料の体積とする。又
は質量既知の試料容器にろ液を受け,ろ過が終了したときの試料容器の質量を1gのけたまで測
定し,試料の体積を求める。
(11) クリーンベンチを使用しない場合には,ろ過器の入口側に0.45 アフィルターを
取り付けてから吸引する。
(12) ろ過器の入口側及び出口側に専用のキャップ又は0.45 湟 粒子を除去できるエアフィルタ
を取り付けるなどして汚染を防ぐ。
備考1. 捕集装置を用いて細菌をろ過材に直接捕集できない場合又は細菌数が比較的多い試料の場合
には,次のように操作する。
3.3の(1)(3)の操作を行った後,試料導管の先端が,あらかじめ滅菌した試料容器(容量
1l)の試料の底面に接するようにし,試料容器の容量の約5倍量の試料を流出させた後,試
料導管を抜き出し,栓を十分に洗浄した後,密栓する。
次に,クリーンベンチ内で,分離形のろ過装置〔JIS K 0101の16.1(1)(a)[ろ過器(分離形)]
参照〕に孔径0.45 り付け,吸引ろ過して細菌を捕集する。
2. 試料が容器に入れられている場合には,あらかじめ4.1(3)(b)の高圧蒸気滅菌した試料導管を
容器に挿入してサイホンとし,試料導管の容量の約5倍量を流出させた後,試料導管の先端
をあらかじめ滅菌した試料容器(容量1l)の底面に接するようにし,約1.5lを流出させた後,
――――― [JIS K 0550 pdf 3] ―――――
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試料導管を取り出し,栓を十分に洗浄した後密栓する。以下,備考1.と同様に操作してろ過
材に細菌を捕集する。
また,容器の容量(5l未満)が少ないときは,クリーンルーム内で備考1.と同様に操作し
てろ過材に細菌を直接捕集する。
4. 試験方法 超純水中の細菌数試験は,短時間培養での細菌数試験と長時間培養での細菌数試験に区分
する。
4.1 短時間培養での細菌数試験 細菌を捕集したろ過材をM-TGE液体培地又は標準液体培地を含んだ
吸収パッドに密着して36±1℃で24±2時間培養し,ろ過材上に形成された集落を計数して短時間培養で
の細菌数を試料1l中の個数で表示する。
(1) 試薬 試薬は,次のものを用いる。
(a) 水 A2又はA3の水 この試験に用いる試薬及び培地の調製にはこの水を用いる。
(b) 希釈水 生理食塩液[塩化ナトリウム溶液 (8.5g/l)]又はりん酸塩緩衝液(1)を三角フラスコなどに入
れ,(3)(b)の高圧蒸気滅菌を約15分間行ったもの。
(c) 染色液 JIS K 8102に規定するエタノール (95) [エチルアルコール (95)]230mlにJIS K 8897に
規定するメチレンブルー[3,7−ビス(ジメチルアミノ)フェノチアジン−5−イウムクロリド]2.3g
を加えて溶かし,水酸化ナトリウム溶液 (0.1g/l) を加えて液量を1lとする。
(d) -TGE液体培地(2) ペプトン(カゼインのパンクレアチン水解物のペプトンを用いる。)10.0g,肉
エキス6.0g及びJIS K 8824に規定するD(+)−グルコース2.0gを水1lに加え,加熱して溶かし,
滅菌後のpHが7.0±0.1になるように調節する(3)。三角フラスコに移し入れ,(3)(b)の高圧蒸気滅菌
を約15分間又は(3)(c)の蒸気滅菌を行い,冷暗所に保存する。
(e) 標準液体培地(2) ペプトン(カゼインのパンクレアチン水解物のペプトンを用いる。)5g,酵母エキ
ス2.5g及びJIS K 8824に規定するD(+)−グルコース1.0gを水1lに加え,加熱して溶かし,滅
菌後のpHが7.0±0.1になるように調節する(3)。三角フラスコに移し入れ,(3)(b)の高圧蒸気滅菌を
約15分間行うか,(3)(c)の蒸気滅菌を行い,冷暗所に保存する。
注(1) IS K 9007に規定するりん酸二水素カリウム8.5gを水約500mlに溶かし,これに水酸化ナトリウ
ム溶液 (1mol/l) を滴加して,pHを7.2に調節し,水を加えて全量を1lとする。
この溶液5mlをとり水を加えて1lとし,三角フラスコに移し入れ,(3)(b)の高圧蒸気滅菌を
約15分間行う。
(2) 市販の液体培地(又は粉末培地を溶かしたもの。)を使用してもよい。
(3) 培地は滅菌するとpHが低下することが多い。通常,滅菌によるpHの低下は0.10.2であるが,
ときには0.4に達することがある。このため滅菌前のpHは,所定のpHより0.10.2高く調節
しておく。滅菌後のpHが所定の範囲にないときは,改めて調製し直す。
pHの調節には,水酸化ナトリウム溶液 (4g/l) 又は塩酸 (1+100) などを用いる。
備考1. 培地の取扱い
(1) 調製した培地の保存及び無菌試験 滅菌した培地は,水分の蒸発を防いで冷暗所に保存す
る。長時間経過したものは用いない。使用前に一夜培養器に入れ,雑菌が混入していない
ことを確認する。
(2) 使用済み培地の処理 細菌培養後の使用済み培地は,必ずペトリ皿のまま,(3)(b)の高圧蒸
気滅菌してから廃棄する。ペトリ皿は,培地を捨ててからよく水洗する。
――――― [JIS K 0550 pdf 4] ―――――
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(2) 器具及び装置 器具及び装置は,次のとおりとする。
(a) ピンセット 3.1(2)による。
(b) 双眼実体顕微鏡 双眼実体顕微鏡は倍率が680倍のもの。又はコロニーカウンター(4)。
(c) ろ過器(分離形) JIS K 0101の16.1(1)(a)による。ろ過装置の各部を硫酸紙などに包んで,材質に
適した滅菌をしておく。
(d) 吸収パッド ろ過材(有機性)と同じ直径の円形の厚形ろ紙で,液体培地1.82.2mlを含むことが
できるもの。ろ過材と同様に滅菌する。滅菌済みの市販品を用いてもよい。
(e) 小形ペトリ皿 吸収パッド及びろ過材を入れて培養するもの。内径5060mmで,底部は吸収パッ
ドが密着できるように平らで,水分の蒸発を防ぐため,ふたと底皿はできるだけ密着するものがよ
い。ペトリ皿は滅菌器に入れて(4)(a)の乾熱滅菌をしておく。又はJIS K 0950に規定するプラスチ
ック製滅菌シャーレの60。
(f) 培養器(ふ卵器) JIS T 1702に規定するもので,36±1℃に調節できるもの。
(g) 乾熱滅菌器 100200℃に調節できるもの。
(h) 高圧蒸気滅菌器 JIS T 7322又はJIS T 7324に規定するもので,121℃に加熱でき,196kPa [{2kgf/cm2}]
の器内圧力で使用できるもの。
(i) 平圧蒸気滅菌器 100℃に加熱でき,大気圧 (101.325kPa) で使用できるもの。(h)の高圧蒸気滅菌器
を100℃,大気圧で使用してもよい。
注(4) コロニーカウンターは倍率1.5倍以上のもの。
(3) 器具などの滅菌操作 滅菌操作は,次のとおり行う。
(a) 乾熱滅菌 乾熱滅菌には乾熱滅菌器を用い,170℃で1時間滅菌する。ガラス器具類の滅菌は,この
方法による。
(b) 高圧蒸気滅菌 高圧蒸気滅菌には高圧蒸気滅菌器を用い,特に記載のないものは121℃で約30分間
滅菌する。培地,希釈水,使用済みの培地などの滅菌は,この方法による。
(c) 蒸気滅菌 蒸気滅菌には平圧蒸気滅菌器を用い,大気圧で100℃で1530分間1日1回の滅菌を3
回(3日間)繰り返す。これを間欠滅菌という。加熱によって変化しやすい糖類を加えた培地など
高圧蒸気滅菌ができない場合に用いる。
また,高圧蒸気滅菌器を備えていない場合にも利用できる。
(d) 火炎滅菌 希釈水及び培地を入れた試験管,フラスコの口部の滅菌に用いる。試験管及びフラスコ
の綿栓を抜いた直後及び培養の操作を終わって綿栓をする直前に試験管,フラスコを斜めに持って
回しながら口部を火炎の中にしばらく入れて滅菌する。
(4) 消毒操作 消毒操作は,次のとおり行う。
(a) 試験操作の前後には手指や実験台を消毒する。手指の消毒にはクレゾール石けん溶液 (1g/4g/l),消
毒用アルコール[エタノール (80vol%)],陽性石けん溶液 (110g/l) を用いる。
実験台は,陽性石けん溶液 (10g/l) ,フェノール溶液 (3050g/l) などを噴霧するか,これらを布
に含ませてぬぐって消毒する。
(b) 使用済みのピペット,試料容器,三角フラスコなどの器具はクレゾール石けん溶液 (3050g/l) な
どの消毒液中に1日間浸した後,消毒液が完全に除去されるまで,よく水洗する。
(c) 培養試験後のペトリ皿類は,培地ごと(3)(b)の高圧蒸気滅菌した後,培地を捨ててからよく水洗する。
(5) 操作 操作は,次のとおり行う。
(a) ピンセットを用いて,吸収パッドを1枚ずつ小形ペトリ皿に入れ,吸収パッドが,M-TGE液体培地
――――― [JIS K 0550 pdf 5] ―――――
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JIS K 0550:1994の国際規格 ICS 分類一覧
JIS K 0550:1994の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISB9922:2001
- クリーンベンチ
- JISK0050:2019
- 化学分析方法通則
- JISK0101:1998
- 工業用水試験方法
- JISK0102:2016
- 工場排水試験方法
- JISK0557:1998
- 用水・排水の試験に用いる水
- JISK0950:1988
- プラスチック製滅菌シャーレ
- JISK8102:2012
- エタノール(95)(試薬)
- JISK8263:2020
- 寒天(試薬)
- JISK8824:2020
- D(+)-グルコース(試薬)
- JISK8897:2012
- メチレンブルー(試薬)
- JISK9007:2008
- りん酸二水素カリウム(試薬)
- JISP3801:1995
- ろ紙(化学分析用)
- JISR3503:1994
- 化学分析用ガラス器具
- JIST1702:1997
- ふ(孵)卵器
- JIST7322:2005
- 医療用高圧蒸気滅菌器
- JIST7324:2005
- 医療用小型高圧蒸気滅菌器