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K 2437 : 2008
6 試験方法
6.1 一般事項
試験において共通する一般事項は,JIS K 0050による。
6.2 試料の採取及び調製
6.2.1 試料の採取
試料の採取は,JIS K 2436の附属書Aによって行い,これを代表試料とする。ただし,貯槽などから採
取する場合,内容物が十分に均一になっているときは,いずれか一つのタップから1回採取した試料を代
表試料としてもよい。
6.2.2 試料の調製
代表試料約1 Lを脱水しないまま,よくかき混ぜたものを試験に用いる。
なお,凝固しているものは,あらかじめ温水で融解させる。
6.2.3 脱水試料の調製
試料約300 mLを,共通すり合わせ三角フラスコ500 mLに取り,約50 ℃に加熱し,JIS K 8125に規定
する塩化カルシウム約100 gを加え,栓をする。
次に,約50 ℃に保ちながら5分間以上十分に振り動かした後,30分間静置し,更に同様の操作を2回
繰り返した後,上澄液を採取し,脱水試料とする。
6.3 密度
m-クレゾール酸,クレゾール酸及びキシレノール酸の密度の測定は,次のいずれかの方法による。この
測定に関する一般事項は,JIS K 0061の3.(一般的事項)による。
a) 浮ひょう法 浮ひょう法による測定は,JIS K 0061の7.1(浮ひょう法)による。
浮ひょうは,JIS K 2249に規定するI形-A(15 ℃密度目盛)の9番(1.0001.050)若しくは10番
(1.0501.100),又はJIS B 7525に規定する大形19本組(15/4 ℃比重目盛)の6番(1.0001.060)
若しくは7番(1.0601.120)を使用する1)。
注1) 試料は1020 ℃で測定してもよい。ただし,式 (1) によって補正する。
D Dt .0000 73(t15) (1)
ここに, D : 密度(20 ℃)(g/cm3)
Dt : 測定温度における密度(g/cm3)
t : 測定温度(℃)
0.000 73 : 比重−温度補正係数(1/ ℃)2)
JIS B 7525に規定する大形19本組(15/4 ℃比重目盛)の6番(1.0001.060)又は7番(1.0601.120)
を使用する場合の20 ℃の密度は,式 (2) によって算出する。
D ( 5 .0000 73).0999 97 (2)
ここに, D : 密度(20 ℃)(g/cm3)
d : 比重(15/4 ℃)
0.000 73 : 比重−温度補正係数(1/ ℃)2)
0.999 97 : 4 ℃における水の密度(g/cm3)
注2) この0.000 73の値には,浮ひょう自体の温度補正を含んでいない。
浮ひょうの温度補正値は,0.000 025×4×(15−t) で与えられるが,この補正値はかなり小
さいので無視して差し支えない。
b) 比重瓶法 比重瓶法による測定は,JIS K 0061の7.2(比重瓶法)による。比重から密度への換算は,
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式 (2) による。
c) 振動式密度計法 振動式密度計法による測定は,JIS K 0061の7.3(振動式密度計法)による。
6.4 水分
水分の測定は,JIS K 0068の6.(カールフィッシャー滴定法)による。ただし,0.5 %(質量分率)以上
の水分を測定するときは,JIS K 0068の8.(蒸留法)を用いてもよい。
6.5 凝固点
6.5.1 要旨
試料を試験管に取り,一定温度に保った水浴中で徐々に冷却し,予備試験の凝固点を求めた後,本試験
は,予備試験の凝固点より低い温度の水浴中で同様に操作し,凝固点を求める。
6.5.2 装置及び器具
装置及び器具は,次による。
6.5.2.1 凝固点測定装置 次に示す器具を用い,図1又は図2のように組み立てたもの。
6.5.2.2 試験管 形状及び寸法は,フェノールの場合は図1,o-クレゾールの場合は図2による。
6.5.2.3 温度計 浸線付二重管温度計であって,刻度面は乳白板とし,表2による。
表2−温度計
温度範囲 1545 ℃
液体 水銀
液上に満たす気体 窒素
最小目盛 0.1 ℃
全長 330350 mm
管の外径 67 mm
大水銀球の外径 56 mm
大水銀球の長さ 1015 mm
大水銀球の下端から最低刻度線までの距離 100105 mm
温度計の上端から最高刻度線までの距離 2030 mm
大水銀球の下端から浸線までの距離 100 mm
許容差 0.1 ℃
6.5.2.4 かき混ぜ棒 直径約1 mmの鋼製針金であって,その先端を円形にしたもの。
6.5.2.5 大形試験管 形状及び寸法は,図1又は図2による。
6.5.2.6 ビーカー 1 500 mLのもの。
単位 mm 単位 mm
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図1−フェノールの凝固点測定装置 図2−o-クレゾールの凝固点測定装置
6.5.3 操作
操作は,次による。
a) 試料15 mLを試験管に取り,図1又は図2のとおり,温度計の水銀球が試験管内の試料の中央に位置
するように,温度計及びかき混ぜ棒を差し込んだコルク栓を取り付ける。
b) 試験管3) を大形試験管の内壁に触れないように,図1又は図2の位置に取り付け,予備試験で求めた
凝固点より,フェノールでは約5 ℃低く,o-クレゾールでは約10 ℃低く保った4) 冷却水を入れたビ
ーカー(1 500 mL)中に差し込み,2秒間に1回の割合でかき混ぜながら冷却する。
c) 試料がo-クレゾールの場合は,温度計の示度が,予備試験で求めた凝固点より35 ℃低い温度に達
したとき,同一試料の凝固した結晶の少量を,枝管を通じてかき混ぜ棒の先端に付着させ,静かに試
料中に入れてかき混ぜる5)。
d) 試料が凝固し始めると同時に温度計の示度が上昇し,全部が凝固し終わったとき,温度の上昇が止ま
り,再び,下降し始める。このときの温度計の最高示度を凝固点とする。
注3) -クレゾールの場合の試験管は,あらかじめこれを別の冷却器の中でその内容物を静かにか
き混ぜながら,予備試験では2728 ℃に,本試験では予備試験で求めた凝固点より0.51.0
℃低く冷却しておく。
4)
予備試験の場合は,フェノールでは約30 ℃,o-クレゾールでは約20 ℃に保つ。
5)
予備試験の場合は,この操作を省略してもよい。
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6.6 ガスクロマトグラフ分析法による各成分の定量
6.6.1 要旨
水素炎イオン化検出器を備えたガスクロマトグラフを用い,試料をカラムで各々の成分に分離した後,
補正面積百分率法によって,フェノール類の各成分を定量する。この試験方法に共通する一般事項は,JIS
K 0114による。
6.6.2 装置及び器具
装置及び器具は,次による。
6.6.2.1 ガスクロマトグラフ
a) 検出器 検出器は,水素炎イオン化検出器を使用し,0.01 %(質量分率)のフェノールを含む溶液0.3
0.5 μLを注入したとき,フェノールのピーク高さは,ノイズレベルの2倍以上である。
注記 検出器は,分析の目的を満足するものであれば,熱伝導度検出器を使用してもよい。
b) カラム用管 内径3 mm,長さ3 mのステンレス鋼管,銅管又はほうけい酸ガラス管。
c) カラム 6.6.3.1に規定する担体と6.6.3.4に規定する固定相液体とを,JIS K 0114に規定する担持率が
530 %(質量分率)となるように担持して充てん剤とし,これを6.6.2.1 b) に規定するカラム用管に
充てんしたもの。
注記1 カラムは,充てん剤を詰めた市販品を使用できる。自ら充てんカラムを作製して,分析に
使用する場合には,JIS K 0114の7.2 e)(充てん方法)による。具体例を附属書Aに示す。
注記2 充てんカラムは,各成分が十分に分離するものであれば,この規定以外のものを用いても
よい。
注記3 分離能に優れたキャピラリーカラムを用いてもよい。ただし,キャピラリーカラムを用い
る場合は,充てんカラムに関する規定を除いて適用する。
d) 試料導入部 液体試料注入口及び気化器を備えたもの。
6.6.2.2 化学はかり 1 mgのけたまではかれるもの。
6.6.2.3 マイクロシリンジ 容量110 μL。
6.6.2.4 データ処理装置
6.6.3 担体,試薬及びキャリヤーガス
担体,試薬及びキャリヤーガスは,次による。
6.6.3.1 担体 粒度150180 μm,又は180250 μmのけい藻土を酸洗浄後,シラン処理したもの。
注記 処理した担体には,ユニポートHPなどがある。
6.6.3.2 検量用試薬 純度99.0 %(質量分率)以上で,定量する成分に対応するものを用いる。
6.6.3.3 調製用試薬
a) アセトン JIS K 8034に規定するもの。
b) クロロホルム JIS K 8322に規定するもの。
6.6.3.4 固定相液体 固定相液体は,a),b) の混合液相又はc) 若しくはd) を用いる。
a) ラノリン
b) ジメチルジオクタデシルアンモニウム・ベントナイト
c) メチルシリコーン
d) りん酸エステル
注記1 ジメチルジオクタデシルアンモニウム・ベントナイトには,ベントン34などがある。また,
メチルシリコーンには,シリコーンOV-101などがあり,りん酸エステルにはクレゾール
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PXなどがある。
注記2 試料がm-クレゾール酸1号の場合,ラノリンとジメチルジオクタデシルアンモニウム・ベ
ントナイトとの混合液相では,m-クレゾール及びo-エチルフェノール並びにo-クレゾール
及び2,6-キシレノールとは分離しない。これらを分離するためには,りん酸エステルを用
いるとよい。
6.6.3.5 キャリヤーガス 純度99.99 %(体積分率)以上のヘリウム又は窒素。
注記 熱伝導度検出器を使用する場合は,純度99.99 %(体積分率)以上のヘリウム又は水素を用い
る。
6.6.4 検量
検量は,次による。
a) 検量用標準試料の調製 検量用試薬を用いて,試料の被検成分に近い段階的な3種類の濃度のものを
調製し,次に試料と同一希釈割合となるようにアセトン又はクロロホルムを用いて希釈し,調製する。
b) 相対感度の求め方 a) で調製した検量用標準試料を0.31.0 μL導入し,クロマトグラムを記録して,
ピーク面積を測定する。ピーク面積の測定は,JIS K 0114の11.3 a)(半値幅法)の半値幅法,又はJIS
K 0114の11.3 b)(データ処理装置を用いる方法)のデータ処理装置を用いる。測定したピーク面積か
ら,各成分の相対感度を,式 (3) によって算出し,JIS Z 8401によって小数点以下2けたに丸める。
Ai Ws
Fi (3)
Wi As
ここに, Fi : i成分の相対感度
Ai : i成分のピーク面積
Wi : i成分の混合質量(g)
Ws : 基準成分の混合質量(g)
As : 基準成分のピーク面積
6.6.5 操作
操作は,検量時と同じ分析条件で行う。ただし,分析条件は機器によって異なるので,操作は使用する
機器の最適条件のもとで行う。
分析条件の例を表3 (1) 及び表3 (2) に,そのクロマトグラムの例を図3 (1) 及び図3 (2) に示す。
注記1 メチルシリコーンとしてシリコーンOV-101を充てん剤に用いて,フェノール及びo-クレゾ
ールを分析する場合は,溶媒にクロロホルムを用いるとテーリングが少なく,低沸点物の分
離が容易である。
注記2 試料導入量によって,m-クレゾールとp-クレゾールとの分離が悪くなるので,希釈割合は必
要に応じて1040倍とする。
6.6.6 計算
JIS K 0114の11.3(ピーク面積の測定)によってピーク面積を測定した後,各成分の含量は,式 (4) によ
って算出し,JIS Z 8401によって小数点以下1けたに丸める。
Ai
Fi
Ci n
(100 R W) (4)
Ai
i1
Fi
ここに, Ci : i成分の含量 %(質量分率)
――――― [JIS K 2437 pdf 10] ―――――
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JIS K 2437:2008の国際規格 ICS 分類一覧
JIS K 2437:2008の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISB7525:1997
- 密度浮ひょう
- JISK0050:2019
- 化学分析方法通則
- JISK0061:2001
- 化学製品の密度及び比重測定方法
- JISK0067:1992
- 化学製品の減量及び残分試験方法
- JISK0068:2001
- 化学製品の水分測定方法
- JISK0114:2012
- ガスクロマトグラフィー通則
- JISK0557:1998
- 用水・排水の試験に用いる水
- JISK2249:1995
- 原油及び石油製品―密度試験方法及び密度・質量・容量換算表
- JISK2436:2007
- 工業用ナフタレン
- JISK8034:2006
- アセトン(試薬)
- JISK8101:2006
- エタノール(99.5)(試薬)
- JISK8125:1994
- 塩化カルシウム(水分測定用)(試薬)
- JISK8155:2017
- 塩化バリウム二水和物(試薬)
- JISK8295:2020
- グリセリン(試薬)
- JISK8322:2020
- クロロホルム(試薬)
- JISK8374:2007
- 酢酸鉛(II)三水和物(試薬)
- JISK8576:2019
- 水酸化ナトリウム(試薬)
- JISK8951:2006
- 硫酸(試薬)
- JISP3801:1995
- ろ紙(化学分析用)
- JISZ8401:2019
- 数値の丸め方