JIS K 2514-1:2013 潤滑油―酸化安定度の求め方―第1部:内燃機関用潤滑油酸化安定度 | ページ 3

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9 試験の手順

  試験の手順は,次による。この規格において,酸化試験の温度及び時間は,165.5 ℃及び24時間とする。
なお,個別製品規格,受渡当事者間の取決めなどによる場合は,その温度及び時間とする。
a) 試料の酸化 試料の酸化は,次による。
1) 図7に示すように触媒を入れた2個の試験容器に,同一試料を室温でそれぞれ試料250 mLを入れ,
これらを恒温槽の試験容器保持具に固定する。次に,試験容器の蓋に,試料かき混ぜ棒を通して蓋
をし,その羽根の下端が試験容器底部から10 mm上になるように回転子に取り付けた後,ワニス棒
を取り付ける。このとき,試料かき混ぜ棒及びワニス棒の試料に浸る部分には,直接,手を触れて
はならない。
なお,2個の試験結果の粘度比及び酸価の増加が,箇条11に示す許容差を超えず,ラッカー度の分
類が同じであることをあらかじめ確認している場合,かつ,受渡当事者間の合意がある場合,試験
容器(酸化試験用試料)は,1個でもよい。
図7−試験容器及び触媒の組み立て方
2) 試料かき混ぜ棒を毎分1 300回転±15回転で試料を押し下げる方向に回転させて,試料をかき混ぜ
る。試料かき混ぜ棒を回転させたときを試験開始時間とし,その時刻を記録する。
3) 24時間経過後,試験容器を恒温槽から取り出して,ワニス棒を取り外し,触媒を清浄なピンセット
で取り出した後,試験容器内の酸化油を室温まで放冷する。個別製品規格に規定のある場合は,そ
の時間とする。
b) 試料の測定 未酸化油,酸化油及びワニス棒について,速やかに次の試験を行う。
1) 未酸化油及び酸化油の40 ℃における動粘度をJIS K 2283の規定によって測定する。
2) 未酸化油及び酸化油の酸価をJIS K 2501の規定によって測定する。
3) ワニス棒をヘキサンですすぎ,酸化油を除いた後,乾燥する。ラッカー状物質又はスラッジの付着
の有無を調べ,付着物がある場合は,カラースケールと比較して,ワニス棒の着色程度に相当する
カラースケールNo.を求め,ラッカー度として記録する。

――――― [JIS K 2514-1 pdf 11] ―――――

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10 計算方法

  粘度比及び酸価の増加は,次の式によって算出する。
a) 粘度比
D2
R
D1
ここに, R : 粘度比
D1 : 未酸化油の40 ℃における動粘度(mm2/s)
D2 : 酸化油の40 ℃における動粘度(mm2/s)
b) 酸価の増加
S E2 E1
ここに, S : 酸価の増加(mg KOH/g)
E1 : 未酸化油の酸価(mg KOH/g)
E2 : 酸化油の酸価(mg KOH/g)

11 結果の表し方

  結果の表し方は,次による。
a) 粘度比 JIS Z 8401の規定によって丸めの幅0.01に丸める。規定条件(165.5 ℃,24時間)によって
求めた2個の試験結果の差が平均値の14 %を超えない場合は,その平均値を粘度比とする。2個の試
験結果の差が平均値の14 %以上の場合は,JIS Z 8402-6の規定によって処理する。
b) 酸価の増加 JIS Z 8401の規定によって有効数字3桁に丸める。ただし,1 mg KOH/g未満の場合は,
JIS Z 8401の規定によって丸めの幅0.01に丸める。規定条件(165.5 ℃,24時間)によって求めた2
個の試験結果の差が表1の許容差を超えない場合は,その平均値を酸価の増加とする。2個の試験結
果の差が表1の許容差を超える場合は,JIS Z 8402-6の規定によって処理する。
表1−酸価の増加の許容差
単位 mg KOH/g
酸価の増加 許容差
0.05以上 1.0以下 0.3
1.0を超え 5.0以下 1
5.0を超え 20以下 4
c) ラッカー度 ワニス棒に対するラッカー状物質又はスラッジの付着状態を表2に従って分類し,結果
をラッカー度として表す。
なお,規定条件(165.5 ℃,24時間)によって求めた2個の試験結果が一致しない場合は,カラー
スケールNo.の大きい方のワニス棒によって求めたラッカー度とする。
表2−ラッカー度の分類
ラッカー度 摘要
付着物なし ワニス棒に付着物を認めない又はワニス棒の着色程度がカ
ラースケールNo.1よりも小さい。
付着物(薄) ワニス棒の着色程度がカラースケールNo.12に相当する。
付着物(中) ワニス棒の着色程度がカラースケールNo.35に相当する。
付着物(濃) ワニス棒の着色程度がカラースケールNo.69に相当する。

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12 試験結果の報告

  試験結果の報告には,次の事項を記載する。
a) 試料名,採取場所及び採取年月日
b) この規格の番号(JIS K 2514-1)
c) 試験条件(温度,時間)及び結果(箇条11の表し方による)
d) 試験年月日
e) 特記事項
参考文献 JPI-5S-15 陸用ディーゼルエンジンピストン評価法(公益社団法人石油学会規格)

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附属書A
(参考)
試験方法の種類
A.1 試験方法の種類
JIS K 2514の規格群には,表A.1に示す試験方法がある。
表A.1−試験方法の種類
規格番号 試験方法 試験方法の略称 適用油種例
K 2514-1 内燃機関用潤滑油酸化安定度 ISOTa) 内燃機関用潤滑油(エンジン油)
K 2514-2 タービン油酸化安定度 TOSTb) タービン油,油圧作動油
K 2514-3 回転圧力容器式酸化安定度 RPVOTc) タービン油,油圧作動油,空気圧縮機油
注a) ndiana Stirring Oxidation Testの略称。
b) urbine oil Oxidation Stability Testの略称。
c) otating Pressure Vessel Oxidation Testの略称。回転ボンベ式酸化安定度試験(Rotating Bomb Oxidation
Test : RBOT)とも呼ばれている。

JIS K 2514-1:2013の国際規格 ICS 分類一覧

JIS K 2514-1:2013の関連規格と引用規格一覧