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(e) 80100℃の乾燥器中で5分間乾燥する。
(2) 浸せき処理用化成処理剤の処理試験片の作製
(2.1) 装置 装置は,次のとおりとする。
(a) 浸せき式化成処理装置 JIS G 4305に規定するオーステナイト系ステンレス鋼製で加熱可能な容量
10l以上で,図3に一例を示す。
なお,処理には装置例A及び装置例Bを用いるが,化成処理液が2種及び3種の場合は装置例B
を用いることが望ましい。
(b) 乾燥器 80100℃に調整できるもの。
図3 浸せき式化成処理装置の一例
(2.2) 処理液 処理液は,次のとおりとする。
(a) 脱脂液 (1.2)(a)による。
(b) 表面調整液 (1.2)(b)による。
(c) 化成処理液 (1.2)(c)による。
(2.3) 操作 操作は,次のとおり行う。
(a) 5.2.2で調整した試験片5枚をプラスチック製の糸又はひもで,互いに3cm以上の間隔を保って,接
触しないように垂直につるし,(2.2)(a)で調整した脱脂液を用いて脱脂し,水道水で水洗する。
(b) 必要に応じて(2.2)(b)で調整した表面調整液を用いて表面調整を行う。この処理を行うか否かは当事
者間の協定による。
(c) (2.2)の処理液を満たした(2.1)(a)のステンレス鋼製容器中(図3)に所定時間浸せきする。この際,
処理液をかき混ぜるか否かは当事者間の協定による。
(d) 化成処理を終えた試験片は水道水で手早く水洗し,続いて電気伝導度5 下の脱イオン水で洗浄
する。
(e) 80100℃の乾燥器中で5分間乾燥する。
5.3 外観 外観は,処理試験片の皮膜を拡散昼光の下で目視によって観察する。
5.4 色 色は,処理試験片の皮膜を拡散昼光の下で目視によって観察する。
――――― [JIS K 3151 pdf 6] ―――――
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5.5 皮膜質量
5.5.1 要旨 処理試験片のりん酸塩皮膜を除膜液ではく(剥)離して,前後の質量差から算出する。
5.5.2 試薬 試薬は,次のとおりとする。
三酸化クロム JIS K 1402に規定する三酸化クロム又はそれと同等の純度以上のもの。
5.5.3 装置及び器具 装置及び器具は,次のとおりとする。
(1) 容器 ステンレス鋼製のもの。
(2) 乾燥器 80100℃に調整できるもの。
5.5.4 操作 操作は,次のとおり行う。
(1) 5.2.3によって,処理試験片3枚をそれぞれ0.1mgのけたまで量る。
(2) 試験片の各3枚を接触しないように同時に75±5℃に加温した除膜液(1)中に約15分間浸せきして皮膜
を除去する。
注(1) 除膜液は,蒸留水に三酸化クロム50gを加え,全量を1lにする。
また,除膜液は,2回以上使用しないのが望ましい。
(3) 皮膜を除去した各試験片は手早く水洗し,続いて沸騰水中ですすぎ,清浄なガーゼなどで軽くぬぐっ
て80100℃で510分間乾燥する。
(4) はく離した試験片1枚ずつの質量を,0.1mgのけたまで正確にひょう量する。
5.5.5 皮膜質量の計算 皮膜質量は次の式によって算出し,その平均値をとる。
W1 W2
W 10
A
ここに, W : 皮膜質量 (g/m2)
W1 : 処理後の試験片質量 (mg)
W2 : 皮膜除去後の試験片質量 (mg)
A : 試験片の表面積 (cm2)
5.6 皮膜組成
5.6.1 要旨 処理試験片の皮膜組成を,X線回折装置によって測定したピークの角度から同定し,測定さ
れたピークのX線強度から皮膜組成の構成状態を判定する。
5.6.2 試験片の作製 5.2.3によって,処理試験片を30×50mm又は45mm 断若しくは打ち抜きで作
製する。
5.6.3 装置 X線回折装置
5.6.4 測定条件 測定条件は,次のとおりとする。
X線管球 Cr
X線管電圧 40kV
X線管電流 30mA
X線フィルタ K 戰 ィルタ (V)
発散スリット 1°
散乱スリット 1°
受光スリット 0.15mm
検出器 光電子増幅管
波高分析器 CrK 愀
スキャニング2 1416°
――――― [JIS K 3151 pdf 7] ―――――
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走査速度 1°/min以下
5.6.5 操作 操作は,次のとおり行う。
(1) 線回折装置を5.6.4の測定条件に調整する。
(2) 線回折装置に試験片をセットして,皮膜組成のピークの角度 (2 びX線強度 (CPS) を測定する。
5.6.6 判定 判定は,次のとおり行う。
(1) 皮膜組成の同定方法 ピークの角度 (2 ‰ 殊 載のりん酸塩皮膜の各種皮膜組成の2 °) の対
比から,りん酸塩皮膜の皮膜組成種類を同定する。
表3 各種皮膜組成のX線回折ピーク角度 (2
皮膜組成の種類 理論値 参考
2 °)結晶面 格子間距離 (Å)
フォスフォフィライト 14.88 100 8.84
Zn2Fe (PO4) 2・4H2O
ホパイト 14.55 020 9.04
Zn3 (PO4) 2・4H2O
ショルツァイト 15.45 100 8.84
Zn2Ca (PO4) 2・2H2O
(2) 皮膜組成の構成状態 X線強度 (CPS) から,表2記載のりん酸塩皮膜の皮膜組成の構成状態を測定す
る。
備考1. 試験片は5.2.2のりん酸塩皮膜処理後100℃以上で乾燥すると,フォスフォフィライト,ホパイ
トの結晶水の脱水が起こり,脱水を起こしたZn2Fe (PO4) 2・2H2Oは回折のピークが観察でき
ず,また,Zn3 (PO4) 2・2H2Oは2 °) が16.80と変化する。
2. りん酸塩皮膜の各種皮膜組成のフォスフォフィライト,ホパイト及びショルツァイトのピー
クの分離が不明確なときは,次による。
参考図1に示すとおり,フォスフォフィライト又はホパイトのピークが低いと,高いピー
クに埋もれた状態のピークを示す。したがって,このような場合もフォスフォフィライト,
ホパイトのいずれのピークも同定されると判定する。
――――― [JIS K 3151 pdf 8] ―――――
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参考図1
5.7 含有元素
5.7.1 要旨 化成処理した試験片を蛍光X線で測定し,ピークの角度から皮膜成分に含有されるNi,Co
及びMnを同定する。
5.7.2 試験片の作製 5.2.3によって,化成処理した試験片を30×50mm又は45mm 断又は打ち抜き
で作製する。
5.7.3 装置 蛍光X線分析装置(波長分散方式)
5.7.4 測定条件 測定条件は,次のとおりとする。
X線管球 W又はRh
X線管電圧 50kV以上
X線管電流 50mA以上
分光結晶 LiF(200面)
検出器 比例計数管
走査速度 4°/min以下
走査幅 ピークトップのゴニオ2 1°とする
5.7.5 操作 操作は,JIS K 0119に準じ,次のとおり行う。
――――― [JIS K 3151 pdf 9] ―――――
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(1) 装置を5.7.4の測定条件に調整する。
(2) 試験片をセットして,Ni,Co及びMnの元素のK 愀 2(一次線)を測定する。
5.7.6 判定 元素の存在の有無の判定は,用いた試験片と同一のりん酸塩化成処理しない試験片で目的と
する元素のゴニオ2 ークのX線強度 (CPS) を測定し,りん酸塩化成処理された試験片でのピーク
のX線強度 (CPS) がそれ以上であれば目的の元素が存在すると判定する。
表4 元素のピーク角度
元素 ピークトップのゴニオ2
Mn 62.97°
Co 52.80°
Ni 48.67°
備考1. 蛍光X線分析装置によって,バックグラウンドのピーク強度の差し引き法が自動的に実施さ
れる機種と実施されない機種の2種類がある。
バックグラウンドのピーク強度の差し引きが実施されない機種は測定元素のピークプロフ
ィルを描き,バックグラウンドのピーク強度を差し引く必要がある。
2. 素材 (SPCC-SD) に測定する元素のMnが含有されている場合は,素材のMnのピーク強度を
測定し,化成処理した試験片のMnのピーク強度から,差し引く必要がある。
6. 包装 貯蔵及び輸送中に,製品に悪影響を与えないような包装とする。
7. 表示 1包装単位ごとの容器には,見やすいところに次の事項を表示しなければならない。
(1) 塗装下地用りん酸塩化成処理剤
(2) 種類又はその記号
(3) 製造業者名又はその略号
(4) 製造年月又はその略号
(5) 製造番号又はその略号
ただし,タンクローリー車の場合は,当事者間の協定による。
――――― [JIS K 3151 pdf 10] ―――――
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JIS K 3151:1996の国際規格 ICS 分類一覧
JIS K 3151:1996の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISG3141:2017
- 冷間圧延鋼板及び鋼帯
- JISG3141:2021
- 冷間圧延鋼板及び鋼帯
- JISG4305:2012
- 冷間圧延ステンレス鋼板及び鋼帯
- JISG4305:2021
- 冷間圧延ステンレス鋼板及び鋼帯
- JISK0050:2019
- 化学分析方法通則
- JISK0119:2008
- 蛍光X線分析通則
- JISK1402:1992
- 三酸化クロム
- JISK2201:1991
- 工業ガソリン
- JISK5500:2000
- 塗料用語
- JISZ0103:1996
- 防せい防食用語
- JISZ0701:1977
- 包装用シリカゲル乾燥剤
- JISZ8401:2019
- 数値の丸め方