JIS K 5663:2003 合成樹脂エマルションペイント及びシーラー | ページ 2

4
K 5663 : 2003
7.3.2.4 試験片周辺の塗り包み 7.10,7.11,7.13及び7.14の試験では,試験板の裏面及び周辺を前もっ
て同種の塗料で23回塗り包んでおく。

7.4 容器の中での状態

 容器の中での状態の試験は,JIS K 5600-1-1の4.1.2a)(液状塗料の場合)による。

7.5 塗装作業性

 塗装作業性の試験は,JIS K 5600-1-1の4.2.3b)(2回塗りの場合)によるほか,次によ
る。
7.5.1 試験板 試験板は,表面調整をした繊維強化セメント板 (500×200×3mm) を用いる。
7.5.2 試料の塗り方・乾燥方法 試験板の平滑な片面を上向きにして水平に置き,試料をはけで一様に塗
る。試験板1枚当たりの塗付け量は,1回目は1013mlの範囲ではけの運びが容易になる量とし,2回目
は911mlの範囲の適切な量とする。1回目が塗り終わってから2回目を塗るまでの乾燥方法は,試験板
の長辺を水平に短辺を水平面に対し約85度の角度で立て掛け,標準条件の雰囲気の中に6時間置いて行う。
7.5.3 判定 2回目を塗るときのはけの運びが困難でないときは,“2回塗りで塗装作業性に支障がな
い。”とする。

7.6 低温安定性

 低温安定性の試験は,JIS K 5600-2-7の4.による。ただし,試験板,塗装作業性の試験,
塗膜の外観の試験及び判定は,次による。
7.6.1 試験板 表面調整をした繊維強化セメント板 (500×200×3mm) を用いる。
7.6.2 塗装作業性の試験 7.5と同じ方法による。ただし,1回目に塗る試料は,低温恒温器に入れる前
のものとし,2回目に塗る試料は,低温と室温の保持操作を3回繰り返した後のものとする。
7.6.3 塗膜の外観の試験 7.6.2の試験が終わったものを24時間乾燥して試料の試験片とし,見本品の試
験片も同様にして作製し,7.8によって塗膜の外観の試験を行う。
7.6.4 判定 試料が容易に一様になり,塗装作業性と塗膜の外観の試験結果に異常がなければ,“−5℃に
冷やしたとき変質しない。”とする。

7.7 乾燥時間

 乾燥時間の試験は,JIS K 5600-3-2によるほか,次による。
7.7.1 試験片の作製 溶剤洗浄によって調整したガラス板 (200×100×2mm) の片面に,すき間100
フィルムアプリケータを用いて試料を塗ったものを試験片とする。
備考 ガラス板は,JIS R 3202に規定するフロート板ガラス及び磨き板ガラスとする。
7.7.2 操作 乾燥は,JIS K 5600-1-1の4.3.4a)(常温乾燥)及び4.3.4b)(低温乾燥)とし,常温乾燥では
標準状態で2時間後に,低温乾燥の場合は5±1℃で4時間後に取り出して標準状態で20分放置した後に,
表面乾燥状態の試験を行う。
7.7.3 判定 判定は,表面乾燥状態の評価によって行い,塗膜が表面乾燥しているとき,表面乾燥時間は
それぞれ“2時間以内”,又は“4時間以内”とする。

7.8 塗膜の外観

 塗膜の外観の試験は,JIS K 5600-1-1の4.4による。ただし,7.5の試験が終わった試
験片を一般状態に24時間置いた後,拡散昼光の下で塗面を目視によって調べ,見本品に比べてはけ目の程
度が大きくなく,穴及びたるみがなく,一様な塗膜で,JIS K 5600-4-3によって見本品と比べて色の差異
が少ないときは,“塗膜の外観が正常である。”とする。

7.9 隠ぺい率

 隠ぺい率の試験は,JIS K 5600-4-1の方法B(隠ぺい率試験紙)によるほか,次による。
7.9.1 試験片の作製 隠ぺい率試験紙を平らなガラス板の上に水平に固定し,その上にすき間150
フィルムアプリケータによって試料を塗り,塗面を上向きに水平にして,24時間乾燥したものを試験片と
する。試験片は,1枚作製する。
7.9.2 操作 試験片の白地と黒地の上の塗膜の各4か所以上について,三刺激値Yを測定し,それぞれの
平均値YW(白地上)とYB(黒地上)を求める。

――――― [JIS K 5663 pdf 6] ―――――

                                                                                              5
K 5663 : 2003
7.9.3 計算 平均値YWとYBから試験片の隠ぺい率を求める。YB/YWを百分率で計算し,JIS Z 8401によ
って整数2けたに丸める。

7.10 耐水性

 耐水性の試験は,JIS K 5600-6-1の7.[方法1(浸せき法)]によるほか,次による。
7.10.1 試験片の作製 試験板は,繊維強化セメント板を用いその片面に,7.3.2の方法によって試料を6
時間間隔で2回塗って5日間乾燥し,次に試験板の裏面及び周辺を融解したパラフィン(4),又はそれに代
わる物で被覆したものを試験片とする。試験片は2枚作製する。
注(4) IS K 2235に規定するパラフィンワックスで融点5565℃のものとする。
7.10.2 操作 操作は手順Aとし,容器の中に深さ約150mmまで脱イオン水を入れて,試験片を糸でつる
して深さ約120mmまで浸す。浸せき温度は23±1℃,浸せき時間は96時間とする。
7.10.3 判定 試験片2枚について,試験片を取り出した直後と2時間後の観察で,塗面にしわ,膨れ,割
れ及びはがれを認めず,かつ,2時間後の観察で,浸した部分と浸さない部分との間に色及びつやの差異
が大きくないときは,“水に浸したとき異常がない。”とする。

7.11 耐アルカリ性

 耐アルカリ性の試験は,JIS K 5600-6-1の7.によるほか,次による。
7.11.1 試験片の作製 試験板は,繊維強化セメント板を3枚用い,7.10.1の方法で作製する。うち1枚は
原状試験片とする。
7.11.2 試験液 JIS K 8575に規定する水酸化カルシウムを用いて調製した水酸化カルシウム飽和溶液を
用いる。
7.11.3 操作 操作は,手順Aとし,容器の中に深さ約150mmまで水酸化カルシウム飽和溶液を入れて,
試験片を糸でつるして深さ約120mmまで浸す。浸せき温度は23±1℃,浸せき時間は,1種の場合48時
間,2種の場合18時間とする。
7.11.4 判定 試験片2枚について,試験片を取り出した直後と2時間後の観察で,塗面に膨れ,割れ,は
がれ,穴及び軟化を認めず,更に原状試験片と比べて,色及びつやの変化が大きくないときは,“アルカリ
に浸したとき異常がない。”とする。

7.12 耐洗浄性

 耐洗浄性の試験は,JIS K 5600-5-11によるほか,次による。
7.12.1 装置・器具 装置は,JIS K 5600-5-11の6.3の湿潤摩耗試験装置(5)の機能をもち,試験槽(6),石け
ん液槽(7),ブラシ(8)などから構成し,試験片の塗膜上をブラシが往復するもの。装置例を図1に示す。ブ
ラシの構造は,図2に示す。

――――― [JIS K 5663 pdf 7] ―――――

6
K 5663 : 2003
図 1 洗浄試験機の一例
注(5) 架台,モータ,駆動装置,しゅう(摺)動アーム,カウンタなどから構成し,カウ
ンタは4けた以上あるもの。
(6) US27又は黄銅クロムめっき製の槽で,430×170×15mm以上の大きさで排水口が
付き,試験片を固定できるもの。
(7) US27又は黄銅クロムめっき製の槽で,液ろ過用金網と滴下バルブが付き,試験片
の上に石けん液を滴下できるもの。
(8) ブラシは,90×38mmの広さの台に直径3mmの穴を均等に開け,それぞれの穴に
黒豚のかたい毛を均等に植え,長さ19mmに毛先を直角に平らに切りそろえたも
の。台は,厚さ25mmのきめ細かい堅い木又は厚さ13mmのアルミニウム製のもの。
乾燥したブラシの総質量は,450±1gとする。

図 1 ブラシ植毛平面図の一例
7.12.2 0.5%石けん水溶液 JIS K 3302に規定する“無添剤”の石けんを,脱イオン水に溶かして調製し
たもの。

――――― [JIS K 5663 pdf 8] ―――――

                                                                                              7
K 5663 : 2003
7.12.3 試験片の作製 試験板は,JIS K 6734に規定する硬質塩化ビニルシート又はフィルム(9) (430×170
×0.4mm) を用い,すき間150 すき間の幅60mm以上のフィルムアプリケータによって中央部の長辺
の長さ400mmに試料を塗り,塗面を上向きにして水平に保って7日間乾燥したものを試験片とし,2枚作
製する。
注(9) 試料の色が明るいときは黒色のシート又はフィルム,暗い色のときは白色のシート又はフィル
ム。
備考 ガラス板 (430×170×3mm) などに,空気や異物が間に入らないように,耐水性のあるJIS Z
1524又はJIS Z 1525に規定する粘着テープで硬質塩化ビニルシート又はフィルムを固定して,
フィルムアプリケータで試料を塗り,これを固定したものを用いる。
7.12.4 操作 操作は,次による。
a) 試験片を洗浄試験装置の試験槽の試験台に,塗面を上向きにして水平に固定する。
b) あらかじめ処理したブラシ(10)を塗面に載せ,こする面に0.5%石けん水溶液を滴下し,常にぬれた状
態に保ちながら塗面をこする。ブラシを規定回数往復した後,試験片を取り外し水で洗い,乾燥する。
注(10) ブラシは,0.5%石けん水溶液を十分に浸み込ませてから用いる。
c) ブラシの往復回数は,1種では500回,2種では100回とする。
7.12.5 判定 ブラシでこすった跡の中央に当たる長さ100mmの部分の塗膜を拡散昼光の下で目視によっ
て調べ,試験片2枚のうち1枚以上について,塗膜の破れ・摩滅による素地の露出を認めないときは,“洗
浄に耐える。”とする。

7.13 促進耐候性

 促進耐候性の試験は,JIS K 5600-7-7によるほか,次による。
7.13.1 試験片の作製 試験板は,繊維強化セメント板を4枚用い,あらかじめ製造業者の指定する合成樹
脂エマルションシーラー(11)をその塗料に指定された容量割合(3)で水を加えてよくかき混ぜ1回塗りして
おく。次に試料と見本品を,それぞれ別の試験板に1回につき100cm2当たり1.0±0.1mlの割合で,別々
の2枚の試験板にはけで一様に塗る。塗り回数は2回とし,1回塗りと2回塗りとの間は6時間とし,更
に5日間乾燥して試験片とする。試験片は,試料と見本品とについてそれぞれ照射用の試験片と原状試験
片を各1枚とする。
注(11) 合成樹脂エマルションシーラーは,附属書に適合するものを用いること。
7.13.2 操作 促進耐候試験機の試験条件は,JIS K 5600-7-7の6.[方法1(湿潤サイクルA)]による。た
だし,乾燥期間中の相対湿度は (50±5) %とする。照射240時間を経過した後,取り出して室内に1時間
放置し,次の評価を行う。
7.13.3 評価項目・方法 評価項目は,白亜化の等級,膨れ,はがれ,割れの有無及び色の変化の程度とす
る。白亜化の等級は,JIS K 5600-8-6によって行い,その後で試験片を清浄(12)にして乾燥し,外観を目視
によって観察する。色の変化の程度は,試料照射試験片と試料原状試験片とについて及び見本品照射試験
片と見本品原状試験片とについて,目視によって観察し,試料と見本品との変化の差を比較して調べる。
注(12) 水に浸してから十分に柔らかくしたビスコーススポンジ又はポリ塩化ビニルスポンジなどで試
験片の全面をこする。こするときには,常に水を流しかけて付着物などで試験片にきずが付か
ないようにし,付着物を除く。洗い終わった後,試験片は室内の清浄な場所に立て掛けて乾か
す。
7.13.4 判定 白亜化の等級が1以下で膨れ,はがれ及び割れがなく,色の変化の程度が見本品の試験片と
比べて大きくないときは,表1の促進耐候性の規定に適合するものとする。

7.14 屋外暴露耐候性

 屋外暴露耐候性の試験は,JIS K 5600-7-6によるほか,次による。

――――― [JIS K 5663 pdf 9] ―――――

8
K 5663 : 2003
7.14.1 試験片の作製 試験板は,繊維強化セメント板 (300×150×4mm) とし,8枚を用意し7.13.1によ
って塗り付け,2回目の塗り付けが終わってから714日間置いたものを試験片とする。試験片は,見本
品と試料についてそれぞれ4枚ずつとし,4枚のうち3枚について耐候試験を行い,残りの1枚は原状試
験片とする。ただし,耐候試験片ごとの成績にばらつきが少ないことがわかっているときは,試験片は1
枚としても差し支えない。
7.14.2 操作
a) 試験の開始時期は,4月又は10月とする。
b) 試験の期間は,12か月とする。
c) 試験観察の時期は,開始後6か月ごととする。
d) 評価項目と評価方法は,7.13.3と同様に行う。
7.14.3 判定 12か月の試験で,膨れ,はがれ及び割れがなく,色の変化と白亜化の程度が,見本品の試
験片と比べて大きくないときは,表1の屋外暴露耐候性の規定に適合するものとする。
7.14.4 記録の保存期間 5年間とする。
7.14.5 判定を終了した試験片の色差測定と記録
a) 色差の測定は,清浄(12)にして乾燥した試料耐候試験片と試料原状試験片について,JIS K 5600-4-6に
よる。
b) 測定値の記録は,屋外暴露耐候性の判定には用いない。
c) 記録の保管は,JIS K 5600-7-6の附属書1(耐候試験の実施及び管理)による。ただし,記録の保存期
間は5年間とする。

8. 検査

 検査は,7.によって試験し,表1に適合しなければならない。ただし,屋外暴露耐候性試験は,
過去に生産された製品について,JIS K 5600-7-6の附属書1によって品質の長期管理が行われ,その耐候
性試験の成績が適切であるときは,現在の製品が適合するものとする。

9. 表示

 合成樹脂エマルションペイントの容器には,容易に消えない方法で,次の事項を表示しなけれ
ばならない。
a) 名称
b) 種類
c) 正味質量又は正味容量
d) 製造業者名又はその略号
e) 製造年月又はその略号
f) 製造番号又はロット番号
g) 薄め方(水と塗料の割合)
h) ホルムアルデヒド放散等級分類記号(F☆☆☆☆)
参考 F☆☆☆☆は,塗装から7日後におけるJIS K 5601-4-1の3.(デシケータ法)による放散量が
0.12mg/L以下であることを示す。

――――― [JIS K 5663 pdf 10] ―――――

次のページ PDF 11

JIS K 5663:2003の国際規格 ICS 分類一覧

JIS K 5663:2003の関連規格と引用規格一覧

規格番号
規格名称
JISA5430:2018
繊維強化セメント板
JISK2235:1991
石油ワックス
JISK3302:1985
固形洗濯石けん
JISK5500:2000
塗料用語
JISK5600-1-1:1999
塗料一般試験方法―第1部:通則―第1節:試験一般(条件及び方法)
JISK5600-1-2:2002
塗料一般試験方法―第1部:通則―第2節:サンプリング
JISK5600-1-3:2015
塗料一般試験方法―第1部:通則―第3節:試験用試料の検分及び調製
JISK5600-1-4:2004
塗料一般試験方法―第1部:通則―第4節:試験用標準試験板
JISK5600-1-5:1999
塗料一般試験方法―第1部:通則―第5節:試験板の塗装(はけ塗り)
JISK5600-1-6:1999
塗料一般試験方法―第1部:通則―第6節:養生並びに試験の温度及び湿度
JISK5600-1-8:1999
塗料一般試験方法―第1部:通則―第8節:見本品
JISK5600-2-7:1999
塗料一般試験方法―第2部:塗料の性状・安定性―第7節:貯蔵安定性
JISK5600-3-2:1999
塗料一般試験方法―第3部:塗膜の形成機能―第2節:表面乾燥性(バロチニ法)
JISK5600-3-4:1999
塗料一般試験方法―第3部:塗膜の形成機能―第4節:製品と被塗装面との適合性
JISK5600-4-1:1999
塗料一般試験方法―第4部:塗膜の視覚特性―第1節:隠ぺい力(淡彩色塗料用)
JISK5600-4-3:1999
塗料一般試験方法―第4部:塗膜の視覚特性―第3節:色の目視比較
JISK5600-4-6:1999
塗料一般試験方法―第4部:塗膜の視覚特性―第6節:測色(色差の計算)
JISK5600-5-11:2014
塗料一般試験方法―第5部:塗膜の機械的性質―第11節:耐洗浄性
JISK5600-6-1:2016
塗料一般試験方法―第6部:塗膜の化学的性質―第1節:耐液体性(一般的方法)
JISK5600-7-6:2002
塗料一般試験方法―第7部:塗膜の長期耐久性―第6節:屋外暴露耐候性
JISK5600-7-7:2008
塗料一般試験方法―第7部:塗膜の長期耐久性―第7節:促進耐候性及び促進耐光性(キセノンランプ法)
JISK5600-8-6:2014
塗料一般試験方法―第8部:塗膜劣化の評価―欠陥の量,大きさ及び外観の変化に関する表示―第6節:白亜化の等級(テープ法)
JISK5601-1-1:1999
塗料成分試験方法―第1部:通則―第1節:試験一般(条件及び方法)
JISK6734:2000
プラスチック―硬質ポリ塩化ビニルシート―タイプ,寸法及び特性―第2部:厚さ1mm未満のシート
JISK8575:2018
水酸化カルシウム(試薬)
JISR3202:2011
フロート板ガラス及び磨き板ガラス
JISZ1524:2009
包装用布粘着テープ
JISZ1525:2004
包装用ポリ塩化ビニル粘着テープ
JISZ8401:2019
数値の丸め方
JISZ8721:1993
色の表示方法―三属性による表示