この規格ページの目次
4
K 5668 : 2003
7.5 塗装作業性
塗装作業性の試験は,JIS K 5600-1-1の4.2.3a)(1回塗りの場合)によるほか,次によ
る。
7.5.1 試験板 試験板は,表面調整をした繊維強化セメント板(2)(500×200×3mm)を用いる。
7.5.2 試料の塗り方・乾燥方法 吹付け塗り,ローラ塗り,スチップル塗りなど製造業者の指定する方法
で,製造業者が指定した規定の塗付け量になるように塗り,7.3.2.4によって乾燥する。
7.5.3 判定 製造業者の指定する方法で塗って,塗装作業が困難でないときは,“塗装作業に支障がな
い。”とする。
7.6 低温安定性
低温安定性の試験は,JIS K 5600-2-7の4.(低温安定性)によるほか,次による。
7.6.1 試験板 試験板は,表面調整をした繊維強化セメント板(2)(500×200×3mm)を用いる。
7.6.2 試料の塗り方・乾燥方法 7.5.2と同じ塗り方で塗り,7.3.2.4によって乾燥する。
7.6.3 判定 試料が容易に一様になり,塗装作業性と塗膜の外観の試験結果に異常がなければ,“安定で
ある。”とする。
7.7 乾燥時間
乾燥時間の試験は,JIS K 5600-3-2によるほか,次による。
7.7.1 試験片の作製 溶剤洗浄によって調整したガラス板(200×100×2mm)の片面に,すき間500±5
のフィルムアプリケータを用いて試料を塗ったものを試験片とする。
備考1. ガラス板は,JIS R 3202に規定するフロート板ガラス及び磨きガラスとする。
2. フィルムアプリケータの例は,JIS K 5960の附属書Bに示す。
7.7.2 操作 乾燥は,JIS K 5600-1-1の4.3.4a)(常温乾燥)とし,1種の場合は16時間後に,2種の場合
は8時間後に,3種の場合は4時間後に,表面乾燥状態の試験を行う。
7.7.3 判定 判定は,表面乾燥状態の評価によって行い,表面乾燥しているとき,1種の場合は“16時間
以内”,2種の場合は“8時間以内”,3種の場合は“4時間以内”とする。
7.8 塗膜の外観
塗膜の外観の試験は,JIS K 5600-1-1の4.4(塗膜の外観)によるほか,次による。
7.8.1 試験片の作製 7.5の試験が終わった試験片を,標準状態で塗面を水平にし,48時間おいたものを
試験片とする。
7.8.2 判定 拡散昼光のもとで,試料を塗った試験片の塗面を目視によって調べ,見本品と比べて色及び
模様の差異が大きくないときは,“塗膜の外観が正常である。”とする。
7.9 耐水性
耐水性の試験は,JIS K 5600-6-1の7.[方法1(浸せき法)]によるほか,次による。
7.9.1 試験片の作製 試験板は,表面調整をした繊維強化セメント板(2)(150×70×3mm)を3枚用い,
その平滑な片面に試料をすき間0.8mmのスペーサーで一様に塗る(5)。この場合,塗りにくいときは,容量
割合5%以下の水で薄めてもよい。7日間乾燥後に試験片の裏面・小口側面・塗膜の周辺5mmは,融解し
たパラフィン(6)で塗り包む。試験片のうちの1枚は,7.10と共通の原状試験片とする。
注(5) IS H 3100に規定する厚さ0.8±0.05mmのC2801P銅板,又は,JIS G 4305に規定するSUS304
ステンレス鋼板の平らな板の中央を,各辺がそれぞれ試験板の寸法より約10mm短い長方形に
切り抜き,これを試験板の上に置き,試験板の上に適量の試料を載せ,まっすぐなへら又は丸
棒で試料を平らにしごいて平滑に塗る。
(6) IS K 2235に規定する石油ワックスで,融点5565℃のものとする。
7.9.2 操作 操作は,JIS K 5600-6-1の7.4[手順A(単一の液相を使用)]とし,容器の中に約150mm
の深さまで脱イオン水を入れて,試験片を垂直に,必要ならば適切な支持具を用いて保持する。浸せき温
度は23±1℃,浸せき時間は96時間とする。
――――― [JIS K 5668 pdf 6] ―――――
5
K 5668 : 2003
7.9.3 判定 試験片を水浴から取り出した直後及び2時間おいた後の観察で,試験片2枚について,塗面
にしわ・膨れ・割れ・はがれを認めず,更に2時間放置した後,原状試験片と比べてつやの変化・変色の
程度が大きくないときは,表1の耐水性の規定に適合するものとする。
7.10 耐アルカリ性
耐アルカリ性の試験は,JIS K 5600-6-1の7.によるほか,次による。
7.10.1 試験片の作製 試験片は,7.9.1によって2枚作製する。原状試験片は,耐水性試験用と共通とす
る。
7.10.2 アルカリ溶液 JIS K 8575に規定する水酸化カルシウムを用いて調製した,水酸化カルシウム飽和
溶液を用いる。
7.10.3 操作 操作は,JIS K 5600-6-1の7.4とし,容器の中に,約150mmの深さまでアルカリ溶液を入れ
て,試験片を垂直に,必要ならば適切な支持具を用いて保持する。浸せき温度は23±1℃,浸せき時間は1
種の場合は48時間,2種の場合は18時間,3種の場合は8時間とする。
7.10.4 判定 試験片をアルカリ溶液から取り出して直ちに流水で静かに洗い,直後及び2時間おいた後の
観察で,試験片2枚について塗膜の膨れ,割れ,はがれを認めず,更に2時間放置した後,原状試験片と
比べて,つやの変化・変色の程度が大きくないときは,表1の耐アルカリ性の規定に適合するものとする。
7.11 耐洗浄性
耐洗浄性の試験は,JIS K 5600-5-11によるほか,次による。
7.11.1 装置・器具 装置は,JIS K 5600-5-11の6.3(湿潤摩耗試験装置)の機能をもち,試験槽,石けん
液槽,ブラシなどから構成し,試験片の塗膜上を往復するものとする。装置例は,JIS K 5660の6.13.1(装
置・器具)による。
7.11.2 0.5%石けん水溶液 JIS K 3302に規定する無添剤の石けんを脱イオン水に溶かして調製したもの
を用いる。
7.11.3 試験片の作製 試験板は,表面調整をした繊維強化セメント板(2)(430×170×3mm)を2枚用い,
1種の場合はJIS K 5663の合成樹脂エマルションペイント1種(7)を,2種及び3種の場合はJIS K 5663の
合成樹脂エマルションペイント2種(7)を,はけで100cm2当たり1.0±0.1mlの割合で一様に塗り5時間お
いた後,試料を7.9.1によって塗り,塗面を上向きにして水平に保って7日間乾燥したものを試験片とする。
注(7) 試料の色が明るいときは,合成樹脂エマルションペイントの暗い色を用い,試料の色が暗いと
きは,合成樹脂エマルションペイントの白を用いる。
7.11.4 操作 操作は,次による。
a) 試験片を,洗浄試験装置の試験槽の試験台に,塗面を上向きにして水平に固定する。
b) あらかじめ処理したブラシ(8)を塗面に載せ,こする面に0.5%石けん水溶液を滴下し,常にぬれた状態
に保ちながら塗面をこする。ブラシを規定回数往復した後,試験片を取り外し水で洗い乾燥させる。
c) ブラシの往復回数は,1種の場合は1 000回,2種の場合は300回,3種の場合は100回とする。
注(8) ブラシは0.5%石けん水溶液を十分に浸み込ませてから用いる。
7.11.5 判定 ブラシでこすった跡の中央に当たる長さ100mmの塗膜を拡散昼光の下で調べ,試験片2枚
のうち1枚以上について,塗膜が破れたり摩滅して合成樹脂エマルションペイントの塗膜が現れていない
ときは,表1の耐洗浄性の規定に適合するものとする。
7.12 耐衝撃性
耐衝撃性の試験は,JIS K 5600-5-3の5.(落球式)によるほか,次による。
7.12.1 試験片の作製 試験板は,表面調整をした繊維強化セメント板(2)(300×150×3mm)を3枚用い,
その平滑な片面に試料を7.9.1によって塗り,塗面を上向きにして水平に保って7日間乾燥したものを試験
片とする。
7.12.2 操作 操作は,次による。
――――― [JIS K 5668 pdf 7] ―――――
6
K 5668 : 2003
a) 塗面を上向きにして鋼製台の上に固定する。
b) おもりは,球状の先端を下にして,おもりの振れ及び回転が停止したのを確認し,高さ500mmから
塗面に落とす。
7.12.3 判定 3枚の試験片のうち2枚以上について,塗膜の割れ,はがれを認めないときは,“衝撃で,
割れ及びはがれができない。”とする。
7.13 促進乾燥性
7.13.1 試験片の作製 試験板は,表面調整をした繊維強化セメント板(2)(300×150×3mm)を1枚用い,
その平滑な片面に試料を7.9.1によって塗る。
7.13.2 装置・器具 装置は,図1に示すもので,風洞本体と試料棚から構成される。風洞は,標準状態の
室内で,日光,暖房器具などからふく(輻)射熱を受けない場所に据え付けて運転する。
7.13.3 操作 操作は,次による。
a) 試料を塗った後,直ちに試料棚に試験片を並べて風洞本体に納める。
b) 気流が6070mm/sとなるように電動ファンで排気し,24時間乾燥させる。
7.13.4 判定 塗膜の割れ及びはがれを認めないときは,“風洞中で乾燥させたとき,割れ及びはがれがで
きない。”とする。
図 1 風洞
――――― [JIS K 5668 pdf 8] ―――――
7
K 5668 : 2003
7.14 促進耐候性
促進耐候性の試験は,JIS K 5600-7-7によるほか,次による。
7.14.1 試験片の作製 試験板は,表面調整をした繊維強化セメント板(2)(150×70×3mm)を4枚用いる。
試験板は,試料を塗り付ける前に,裏面をa)の方法で12回塗り包んでおく。試験片の塗装系は,次の
生地押さえ塗り,下塗り及び上塗りとする。試験片の枚数は,試料と見本品についてそれぞれ2枚とし,2
枚のうち1枚を原状試験片とする。
a) 生地押さえ塗りは,平滑な試験板の片面に,JIS K 5581に規定する塩化ビニル樹脂ワニスを,はけで
100cm2当たり1.0±0.1mlの割合で一様に塗り,5時間以上おいた後,下塗りを行う。また,小口面も
塗り包む。
b) 下塗りは,生地押さえが終わった後,JIS K 5663に規定する合成樹脂エマルションペイント1種を,
はけで100cm2当たり1.0±0.1mlの割合で一様に塗り,5時間以上おいた後,上塗りを行う。また,小
口面も塗り包む。
c) 上塗りは,下塗りが終わった後,試料及び見本品を7.3.2によって一様に塗り,714日間乾燥して試
験片とする。
7.14.2 操作 促進耐候試験機の試験条件は,方法1の湿潤サイクルAによる。ただし,乾燥期間中の相
対湿度は,(50±5)%とする。照射240時間を経過した後,取り出して室内に1時間おいて,白亜化の等
級及び塗膜の外観の変化を調べる。
a) 白亜化の等級は,JIS K 5600-8-6によって調べる。
b) 塗膜の外観の変化は,白亜化の等級を調べた後,促進耐候試験片を清浄(9)にして,膨れ,割れ及びは
がれを原状試験片と比較して調べる。
注(9) 水に浸してから十分に柔らかくしたビスコーススポンジ,ポリ塩化ビニルスポンジなどで,試
験片の全面をこする。こするときには,常に水を流しかけて付着物などで試験片にきずが付か
ないようにし,付着物を除く。洗い終わった後,試験片は室内の清浄な場所に立て掛けて乾か
す。
c) 色の変化の程度は,試料促進耐候試験片と試料原状試験片及び見本品促進耐候試験片と見本品原状試
験片について,目視によって観察し,試料と見本品との差を直接比較して調べる。
7.14.3 判定 白亜化の等級が1以下で,膨れ,割れ及びはがれがなく,色の変化の程度が見本品に比べて
大きくないとき,表1の促進耐候性の規定に適合するものとする。
7.15 屋外暴露耐候性
屋外暴露耐候性の試験は,JIS K 5600-7-6によるほか,次による。
7.15.1 試験片の作製 試験板は,表面調整をした繊維強化セメント板(2)を6枚用いる。試験板は,試料を
塗り付ける前に,裏面を7.14.1a)の方法で12回塗り包んでおく。試験片は,7.14.1a) c)によって塗り付
け,714日間乾燥したものを試験片とする。試験片の枚数は,試料と見本品についてそれぞれ3枚とし,
3枚のうち1枚を原状試験片とする。耐候試験片ごとの成績にばらつきが少ないことが分かっているとき
は,耐候試験片は1枚としてもよい。
7.15.2 操作 操作は,次による。
a) 試験の開始時期は,4月又は10月とする。
b) 試験の期間は,12か月とする。
c) 試験・観察の時期は,開始後6か月ごととする。
d) 評価項目は,白亜化の等級及び塗膜の外観の変化とする。
e) 白亜化の等級は,JIS K 5600-8-6によって調べる。
――――― [JIS K 5668 pdf 9] ―――――
8
K 5668 : 2003
f) 塗膜の外観の変化は,白亜化の等級を調べた後,耐候試験片を清浄(9)にして,膨れ,割れ及びはがれ
を原状試験片と比較して調べる。
g) 色の変化の程度は,試料耐候試験片と試料原状試験片とについて,及び見本品耐候試験片と見本品原
状試験片とについて,目視によって観察し,試料と見本品との差を直接比較して調べる。
h) 耐候試験片の表面に,外部からの物質の付着及び損傷によって,汚れ,変色,割れなどの欠陥が認め
られたときは,その状態を記録して最終評価のときに参考にする。
7.15.3 判定 白亜化の等級が3以下で,膨れ,割れ及びはがれがなく,色の変化の程度が見本品に比べて
大きくないとき,表1の屋外暴露耐候性の規定に適合するものとする。
7.15.4 試験結果の記録 記録の保管は,JIS K 5600-7-6の附属書1(耐候試験の実施及び管理)による。
ただし,記録の保存期間は5年間とする。
8. 検査
検査は,7.によって試験し,表1に適合しなければならない。ただし,屋外暴露耐候性の試験
は,過去に生産された製品について,JIS K 5600-7-6の附属書1によって品質の長期管理が行われ,その
耐候試験の成績が適切であるときは,現在の製品が適合するものとする。
9. 表示
合成樹脂エマルション模様塗料の容器には,容易に消えない方法で,次の事項を表示しなけれ
ばならない。
a) 名称
b) 種類
c) 正味質量又は正味容量
d) 製造業者名又はその略号
e) 製造年月又はその略号
f) 製造番号又はロット番号
g) 薄め方(水と塗料の割合)
h) 塗り方
i) 標準塗付量
j) ホルムアルデヒド放散等級分類記号(F☆☆☆☆)
参考 F☆☆☆☆は,塗装から7日後におけるJIS K 5601-4-1の3.(デシケータ法)による放散量が
0.12mg/L以下であることを示す。
――――― [JIS K 5668 pdf 10] ―――――
次のページ PDF 11
JIS K 5668:2003の国際規格 ICS 分類一覧
- 83 : ゴム及びプラスチック工業 > 83.140 : ゴム及びプラスチック製品 > 83.140.99 : その他のゴム及びプラスチック製品
JIS K 5668:2003の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISA1408:2017
- 建築用ボード類の曲げ及び衝撃試験方法
- JISA5430:2018
- 繊維強化セメント板
- JISG4305:2012
- 冷間圧延ステンレス鋼板及び鋼帯
- JISG4305:2021
- 冷間圧延ステンレス鋼板及び鋼帯
- JISH3100:2018
- 銅及び銅合金の板及び条
- JISK2235:1991
- 石油ワックス
- JISK3302:1985
- 固形洗濯石けん
- JISK5500:2000
- 塗料用語
- JISK5600-1-1:1999
- 塗料一般試験方法―第1部:通則―第1節:試験一般(条件及び方法)
- JISK5600-1-2:2002
- 塗料一般試験方法―第1部:通則―第2節:サンプリング
- JISK5600-1-3:2015
- 塗料一般試験方法―第1部:通則―第3節:試験用試料の検分及び調製
- JISK5600-1-4:2004
- 塗料一般試験方法―第1部:通則―第4節:試験用標準試験板
- JISK5600-1-6:1999
- 塗料一般試験方法―第1部:通則―第6節:養生並びに試験の温度及び湿度
- JISK5600-1-8:1999
- 塗料一般試験方法―第1部:通則―第8節:見本品
- JISK5600-2-7:1999
- 塗料一般試験方法―第2部:塗料の性状・安定性―第7節:貯蔵安定性
- JISK5600-3-2:1999
- 塗料一般試験方法―第3部:塗膜の形成機能―第2節:表面乾燥性(バロチニ法)
- JISK5600-4-3:1999
- 塗料一般試験方法―第4部:塗膜の視覚特性―第3節:色の目視比較
- JISK5600-5-11:2014
- 塗料一般試験方法―第5部:塗膜の機械的性質―第11節:耐洗浄性
- JISK5600-6-1:2016
- 塗料一般試験方法―第6部:塗膜の化学的性質―第1節:耐液体性(一般的方法)
- JISK5600-7-6:2002
- 塗料一般試験方法―第7部:塗膜の長期耐久性―第6節:屋外暴露耐候性
- JISK5600-7-7:2008
- 塗料一般試験方法―第7部:塗膜の長期耐久性―第7節:促進耐候性及び促進耐光性(キセノンランプ法)
- JISK5600-8-6:2014
- 塗料一般試験方法―第8部:塗膜劣化の評価―欠陥の量,大きさ及び外観の変化に関する表示―第6節:白亜化の等級(テープ法)
- JISK5601-1-1:1999
- 塗料成分試験方法―第1部:通則―第1節:試験一般(条件及び方法)
- JISK5660:2008
- つや有合成樹脂エマルションペイント
- JISK5663:2003
- 合成樹脂エマルションペイント及びシーラー
- JISK5960:2003
- 家庭用屋内壁塗料
- JISK8575:2018
- 水酸化カルシウム(試薬)
- JISR3202:2011
- フロート板ガラス及び磨き板ガラス