JIS K 6385:2012 防振ゴム―試験方法 | ページ 3

8
K 6385 : 2012
i) 静的ばね定数K
j) 試験年月日
k) その他必要な事項

7 動的特性試験

7.1 一般

  この試験は,正弦波振動状態における防振ゴムの動的性質,正弦波振動又は衝撃振動状態における動吸
振器の共振周波数及び緩衝ゴムの緩衝特性を測定するために行う。ここで動的特性とは,貯蔵ばね定数,
損失ばね定数,絶対ばね定数,減衰係数,損失係数,損失角などを総称していう。
なお,ねじり又はこじりを扱う場合には,“力(荷重)”,“変位”又は“たわみ”と書いてある部分をそ
れぞれ“トルク”,“ねじり角”又は“こじり角”と読み替える。

7.2 動的性質測定試験

7.2.1  試験装置
試験装置は,周波数を表示又は記録する測定器を備えるものとして,詳細はJIS K 6394の5.(試験装置)
による。
注記 ねじり又はこじりの試験装置の例を,図6に示す。
1 試料又は試験片 5 トルクセンサー
2 加振機 6 反力架台
3 恒温槽 7 架台
4 角度センサー
図6−ねじり又はこじりの試験装置の例
7.2.2 試料又は試験片の状態調節
試料又は試験片は,試験開始前,少なくとも3時間以上,試験室の標準温度下に置かなければならない。
また,標準温度下での測定においては,静的ばね特性試験後に連続して動的特性試験を実施してもよい。
7.2.3 試験条件
力(荷重)又はたわみを加える方法又は方向,平均力(平均荷重)又は平均たわみ,たわみ振幅,周波
数及び試験温度は,受渡当事者間で指定がない場合は,表2によって行う。ただし,試料又は試験片が実

――――― [JIS K 6385 pdf 11] ―――――

                                                                                              9
K 6385 : 2012
使用を想定して与える力(荷重)又は実使用を想定して与えるたわみが不明な場合に限り,平均たわみゼ
ロ又は2 mmにて行う。
表2−試験条件
負荷方法 圧縮方法,引張方法及びせん断方法
平均力
(平均荷重)
試料又は試験片が実用される力(荷重)
N
又は実用されるたわみ
平均たわみ
mm
たわみ振幅
±0.5 ±0.05
mm
周波数
15 100
Hz
試験温度
標準温度

7.2.4 試験方法
試験方法は,次のa)(非共振方法)又はb)(共振方法)による。同一試料又は試験片で各種の条件の試
験を行う場合は,試験による履歴の影響をできるだけ避けるため,温度特性を測定する場合は,低温から
高温の順で行い,平均力(平均荷重)及び平均たわみ特性を測定する場合は,小から大の順で行う。
a) 非共振方法 非共振方法は,次による。
1) 力波形(荷重波形)及びたわみ波形による場合 JIS K 6394の7.(試験方法)によって実施し,附
属書1の1.(荷重及びたわみの時間波形による方法)を参照する。
2) 力(荷重)−たわみのヒステリシス曲線による場合 JIS K 6394の7.(試験方法)によって実施し,
附属書1の2.(荷重−たわみのヒステリシス曲線による方法)を参照する。
b) 共振方法 試料又は試験片の一端を規定振幅 数fを変化させながら加振し,他端に付加した
質量mの振幅x0を測り,共振曲線を記録する。振幅 こ びx0は,変位振幅,速度振幅又は加速度振
幅のいずれかとする。
なお,例えば 地 位振幅を選択した場合は,x0も変位振幅とする。x0が最大になるときの周
波数(共振周波数)fn及び付加質量mの振幅x0 maxを図7から求める。これらの測定から,共振倍率μ
を求め,次の式(2)式(6)によって算出する。
共振倍率 μ=x0 max/ξ0 (2)
貯蔵ばね定数 K'=4π2mfn2 (3)
損失係数 Lf =/1μ2−1= tanδ (4)
損失ばね定数 K''=K'・Lf (5)
減衰係数 c=K''/ωn(ただし,ωn=2πfnは角周波数) (6)
ここに, 共振倍率
x0 : 付加質量mの振幅
加振振幅
fn : 共振周波数
K' : 貯蔵ばね定数(N/mm)又は(Nm/rad)
Lf : 損失係数
K'' : 損失ばね定数(N/mm)又は(Nm/rad)

――――― [JIS K 6385 pdf 12] ―――――

10
K 6385 : 2012
c : 減衰係数(Ns/mm)
なお,共振方法による場合には,試験時間を短縮するため,あらかじめ試験振幅よりも小さな振幅
で共振点を探しておくことが望ましい。
図7−共振曲線
7.2.5 記録
次の事項を記録する。
a) 試料又は試験片の数,形状及び寸法
b) 試験方法の種類
c) 試験装置の名称
d) 平均力(平均荷重)又は平均たわみの方向及び大きさ
e) 動的力(動的荷重)又は動的たわみの方向及び大きさ(非共振方法の場合)
f) 加振振幅の方向及び大きさ(変位,速度又は加速度のいずれか)(共振方法の場合)
g) 試験周波数(共振方法の場合には,共振周波数)
h) 試験温度,必要な場合は試験湿度
i) 動的性質として,貯蔵ばね定数K',損失ばね定数K'',絶対ばね定数|K*|,減衰係数c,損失係数
Lf及び損失角δのうち必要なもの
j) 試験年月日
k) その他必要な事項

7.3 共振周波数測定試験(動吸振器)

7.3.1  試験装置
試験装置は,加振振幅及び加振力を検出するセンサーを備えた加振機又はインパルスハンマー,及び計
測処理できる測定器を備えたものとする。
7.3.2 試料又は試験片の状態調節
試料又は試験片は,試験開始前,少なくとも3時間以上,試験温度下に置かなければならない。
7.3.3 試験条件
試験温度は,受渡当事者間で指定がない場合は標準温度とする。
7.3.4 試験方法

――――― [JIS K 6385 pdf 13] ―――――

                                                                                             11
K 6385 : 2012
試験は,次のa)又はb)のいずれかの方法によって行う。
a) 定常加振による方法 試料又は試験片の一端を規定振幅ξ0で周波数を変化させながら加振し,他端の
動吸振器質量mの振幅x0を測り,共振曲線を記録する。加振を加える方向及び大きさは,試料又は試
験片の実使用条件とする。振幅ξ0及びx0は変位振幅,速度振幅又は加速度振幅のいずれかとする。
なお,例えば 地 位振幅を選択した場合は,x0も変位振幅とする。共振周波数fnは,x0が最
大になるときの周波数で,図7から求める。
b) 衝撃加振による方法
1) 加振 試料又は試験片の一端を固定し,加振力を検出するセンサーを備えたインパルスハンマーで,
動吸振器質量mをたたいて加振する(図8参照)。
なお,1回の衝撃加振でハンマーが二度以上たたかないように注意する。二度以上たたいていな
いか確認するために,加振力の時間波形を表示することが望ましい。また,加振は何回か繰り返し,
データの平均化処理を行う。
2) 測定 動吸振器質量mの応答(変位,速度又は加速度のいずれか)及び加振力を測定し,コンプラ
イアンスHを求める。コンプライアンスHは,変位を用いて,式(7)によって算出するか,又はモ
ビリティーHv若しくはイナータンスHaを測定して,式(8)によって算出してもよい。
H=X ( 一
ここに, 角周波数
X( 動吸振器質量mの変位の複素フーリエ成分
F( 加振力の複素フーリエ成分
H=Hv /(i Ha /(i (8)
ここに, Hv=V ( 一
V( 速度の複素フーリエ成分
Ha=A ( 一
A( 加速度の複素フーリエ成分
3) 共振周波数の求め方 共振周波数fnは,コンプライアンス|H|が最大になるときの周波数で,図9
から求める。
図8−衝撃加振の方法及び加振力の時間波形 図9−共振時のコンプライアンス特性
7.3.5 記録
次の事項を記録する。
a) 試料又は試験片の数,形状及び寸法

――――― [JIS K 6385 pdf 14] ―――――

12
K 6385 : 2012
b) 試験方法の種類
c) 試験装置の名称
d) 加振振幅の方向及び大きさ(変位,速度又は加速度のいずれか)
e) 共振曲線
f) 共振周波数
g) 試験温度,必要な場合は試験湿度
h) 試験年月日
i) その他必要な事項

7.4 緩衝特性試験(緩衝ゴム)

7.4.1  試験装置
試験装置は,重すいの衝突速度又は加速度を記録する装置,及び試料又は試験片の衝撃力(衝撃荷重)
を記録する装置を備えるものとする。
なお,試験装置は,衝撃に耐える剛性をもち,試料又は試験片以外の摩擦をできる限り小さくする。
7.4.2 試料又は試験片の状態調節
試料又は試験片は試験開始前,少なくとも3時間以上,試験温度下に置かなければならない。
7.4.3 試験条件
試験条件は,次による。
a) 試験温度は,受渡当事者間で指定がない場合は標準温度とする。
b) 衝撃を加える方向,重すいの質量,重すいの形状,衝突速度又は加速度は実使用を想定した条件とす
る。
7.4.4 試験方法
試験方法は,規定の重すいを規定の衝突速度又は加速度で,通常水平又は鉛直に試料又は試験片に衝突
させる。試料又は試験片は,力(荷重)検出装置を介して強固な固定壁に取り付けるものとする。試験方
法の例を,図10及び図11に示す。
なお,鉛直方向に落下衝突させる場合には,衝撃力のほかに重力が作用して,水平衝突の場合と比較し
て,衝突力(衝撃荷重)及び衝撃たわみに差を生じるため,防振ゴムが実用上鉛直上方から衝撃を受ける
場合以外は,鉛直落下の方法は用いない。

――――― [JIS K 6385 pdf 15] ―――――

次のページ PDF 16

JIS K 6385:2012の国際規格 ICS 分類一覧

JIS K 6385:2012の関連規格と引用規格一覧