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表1−許容差
単位 %(質量分率)
定量方法 亜鉛含有率の区分 許容差
イオン交換分離EDTA滴定法 2 以上 10 未満 0.100
共存元素分離EDTA滴定法 10 以上 30 未満 0.200
30 以上 62 以下 0.300
チオシアン酸錯体抽出EDTA 11 以上 30 未満 0.200
滴定法 30 以上 62 以下 0.300
原子吸光分析法 0.1 未満
0.01 以上 0.005
ICP発光分光分析法 0.1 以上 0.3 未満 0.015
0.3 以上 1 未満 0.025
1 以上 3 以下 0.075
7 定量方法
7.1 定量方法の区分
鉱石中の亜鉛定量方法は,次のいずれかによる。
a) イオン交換分離EDTA滴定法 イオン交換分離EDTA滴定法は,亜鉛含有率2 %(質量分率)62 %
(質量分率)の試料に適用する。
b) 共存元素分離EDTA滴定法 共存元素分離EDTA滴定法は,亜鉛含有率2 %(質量分率)62 %(質
量分率)の試料に適用する。ただし,この方法は,ニッケル含有率及びコバルト含有率が0.03 %(質
量分率)以下,及び/又は銅含有率が30 %(質量分率)以下の試料に適用する。
c) チオシアン酸錯体抽出EDTA滴定法 チオシアン酸錯体抽出EDTA滴定法は,亜鉛含有率11 %(質
量分率)62 %(質量分率)及びコバルト含有率が0.05 %(質量分率)以下の試料に適用する。
d) 原子吸光分析法 原子吸光分析法は,亜鉛含有率0.01 %(質量分率)3 %(質量分率)の試料に適用
する。
e) ICP発光分光分析法 ICP発光分光分析法は,亜鉛含有率0.01 %(質量分率)3 %(質量分率)の試
料に適用する。
7.2 イオン交換分離EDTA滴定法
7.2.1 要旨
試料を塩酸及び硝酸で分解し,硫酸を加え,加熱して硫酸の白煙を発生させ,鉛を硫酸鉛として沈殿さ
せる。水で可溶性塩を溶解し,不溶解残物及び硫酸鉛をろ過して,ろ液を主液とする。ろ紙上の不溶解残
物及び硫酸鉛については,鉛を多く含む試料では,硫酸鉛の沈殿を酢酸アンモニウムで溶解して取り除く。
不溶解残物は,硫酸,硝酸及びふっ化水素酸で処理し,二酸化けい素を揮散除去して,主液へ合併する。
この液に塩酸を加え,陰イオン交換カラムに通して亜鉛を吸着させる。次に,塩酸を通して銅,鉄などを
除去した後,アンモニア-塩化アンモニウムを通して亜鉛を溶離する。これに塩酸,酢酸及び酢酸アンモニ
ウムを加えて,溶液のpH値を約5.6に調節した後,ふっ化アンモニウム及びチオ硫酸ナトリウムを加え
て,アルミニウム,銅などをマスキングし,キシレノールオレンジを指示薬として,エチレンジアミン四
酢酸二水素二ナトリウム(以下,EDTA2Naという。)溶液で滴定する。試料中にカドミウムを含む場合に
は,原子吸光分析法又はICP発光分光分析法によってカドミウムを定量し,補正する。
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7.2.2 試薬
試薬は,次による。
a) 塩酸
b) 塩酸(1+1,1+5)
c) 硝酸
d) 硝酸(1+1)
e) ふっ化水素酸
f) 臭化水素酸
g) 硫酸(1+1,1+100)
h) 臭素
i) 塩酸-L(+)-アスコルビン酸溶液 塩酸(1+5)100 mLにL(+)-アスコルビン酸0.25 gを加え,溶解し
たもの。この溶液は,使用の都度,調製する。
j) アンモニア-塩化アンモニウム溶液 アンモニア水(7+100)1 000 mLに塩化アンモニウム20 gを加
え,溶解したもの。この溶液は,ポリエチレンなどの樹脂製瓶に保存する。
k) ふっ化アンモニウム溶液(50 g/L)
l) チオ硫酸ナトリウム溶液 チオ硫酸ナトリウム五水和物100 gを水に溶解して1 000 mLとしたもの。
m) 酢酸アンモニウム溶液(250 g/L)
n) 酢酸-酢酸アンモニウム緩衝液 酢酸アンモニウム250 g及び酢酸25 mLを水に溶解して1 000 mLと
したもの。
o) 亜鉛 亜鉛[99.99 %(質量分率)以上]を塩酸(1+9)に1分間浸せき(漬)して表面を清浄にした
後,水,アセトンの順で3回4回洗浄し,50 ℃に調節してある空気浴に入れて乾燥したもの。
p) 0.1 mol/L EDTA2Na溶液A EDTA2Na二水和物37.2 gを水に溶解して1 000 mLとしたもの。この溶
液1 mLは,亜鉛約0.006 5 gに相当するが,その標定は,次による。
1) 亜鉛[o)参照]を用い,採取した試料中の予想される亜鉛量に相当する量を0.1 mgの桁まで3個は
かりとり,それぞれ別のビーカー(500 mL)に移し入れる。
2) 時計皿で覆い,塩酸(1+1)15 mLを加えて,穏やかに加熱して分解した後,時計皿の下面を少量
の水で洗浄して時計皿を取り除き,洗液は,試料を分解した溶液に加え,室温まで放冷する。
3) アンモニア-塩化アンモニウム溶液[j)参照]150 mLを加えた後,7.2.5のd) 1)によって,3回繰り返
して滴定を行い,0.1 mol/L EDTA2Na溶液Aの1 mLに相当する亜鉛量を,式(1)によって算出する。
fax=mx
Vx x=13 (1)
ここで, fax : 個々の滴定によって得た0.1 mol/L EDTA2Na溶液Aの1 mL
に相当する亜鉛量(g/mL)
mx : 個々の滴定によってはかりとった亜鉛の質量(g)
Vx : 個々の滴定によって得た0.1 mol/L EDTA2Na溶液Aの使用
量(mL)
fa1fa3の各算出値の範囲が0.000 01 g/mLを超える場合には,標定をやり直す。各算出値の範囲が
0.000 01 g/mL以下の場合には,0.1 mol/L EDTA2Na溶液Aの1 mLに相当する亜鉛量を,式(2)によっ
て求める。
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fa=fa1+fa2+fa3
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ここで, fa : 0.1 mol/L EDTA2Na溶液Aの1 mLに相当する亜鉛量
(g/mL)
q) 0.05 mol/L EDTA2Na溶液B EDTA2Na二水和物18.6 gを水に溶解して1 000 mLとしたもの。この溶
液1 mLは,亜鉛約0.003 3 gに相当するが,その標定は,次による。
1) 亜鉛[o)参照]0.1 gを0.1 mgの桁まで3個はかりとり,それぞれ別のビーカー(500 mL)に移し入
れる。
2) 時計皿で覆い,塩酸(1+1)15 mLを加えて,穏やかに加熱して分解した後,時計皿の下面を少量
の水で洗浄して時計皿を取り除き,洗液は,試料を分解した溶液に加え,室温まで放冷する。
3) アンモニア-塩化アンモニウム溶液[j)参照]150 mLを加えた後,7.2.5のd) 2)によって,3回繰り返
して滴定を行い,0.05 mol/L EDTA2Na溶液Bの1 mLに相当する亜鉛量を,式(3)によって算出する。
fbx=mx
Vx x=13 (3)
ここで, fbx : 個々の滴定によって得た0.05 mol/L EDTA2Na溶液Bの1 mL
に相当する亜鉛量(g/mL)
mx : 個々の滴定によってはかりとった亜鉛の質量(g)
Vx : 個々の滴定によって得た0.05 mol/L EDTA2Na溶液Bの使用
量(mL)
fb1fb3の各算出値の範囲が0.000 01 g/mLを超える場合には,標定をやり直す。各算出値の範囲が
0.000 01 g/mL以下の場合には,0.05 mol/L EDTA2Na溶液Bの1 mLに相当する亜鉛量を,式(4)によっ
て求める。
fb=fb1+fb2+fb3
(pdf 一覧ページ番号 )
3
ここで, fb : 0.05 mol/L EDTA2Na溶液Bの1 mLに相当する亜鉛量
(g/mL)
r) p-ニトロフェノール溶液(2 g/L)
s) キシレノールオレンジ溶液(1 g/L) 褐色ガラス製瓶に保存する。
7.2.3 器具
器具は,次による。
a) イオン交換樹脂 強塩基性陰イオン交換樹脂(Cl型,粒径150 μm300 μm,交換容量1.4 meq/mL以
上のもの)とする。
なお,イオン交換樹脂の種類によって,吸着,溶離などの状況が幾分異なるので,あらかじめ7.2.5
のc)によって,鉄,銅などの洗浄除去が可能なことを確認するとともに,溶離曲線を求めて,亜鉛の
吸着及び溶離状況を把握し,所定量のアンモニア-塩化アンモニウム溶液で,亜鉛が定量的に溶離する
ことを確認しておく。
b) イオン交換カラム ガラス製クロマトグラフ管(内径10 mm12 mm)に水でほぐした脱脂綿又はガ
ラス綿を約5 mmの厚さに緩く詰め,一晩水に浸して膨潤したイオン交換樹脂[a)参照]約16 mLを
スラリー状にして流し入れ,沈降させた後,その上に水でほぐした脱脂綿又はガラス綿を約5 mmの
厚さに緩く詰め,塩酸(1+5)100 mLを流して,イオン交換カラムを満たしておく。ただし,イオン
交換カラム中に空気が混入した場合には,イオン交換樹脂を全量取り出し,再度詰め直す。
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なお,流出液の流速は,毎分5 mLとなるように調節する。
イオン交換カラムの二つの例を,図1に示す。
単位 mm
図1−イオン交換カラムの例
7.2.4 分析試料はかりとり量
分析試料はかりとり量は,0.5 gとし,0.1 mgの桁まではかる。
7.2.5 操作
操作は,次による。
a) 試料溶液の調製 試料溶液の調製は,次による。
1) 分析試料をはかりとり,ビーカー(300 mL)に移し入れ,時計皿で覆い,塩酸25 mLを加え,穏や
かに5分間加熱して硫黄を硫化水素として追い出す。ただし,銅,鉛及び鉄の硫化物を多量に含む
場合など,硝酸分解が適している試料については,分析試料をはかりとった後,時計皿で覆い,硝
酸10 mL30 mLを加え,穏やかに加熱して分解してもよい。
2) 時計皿の下面を水で洗浄し,洗液は,試料を分解した溶液に加え,時計皿を取り除く。次に,ビー
カーの壁面を少量の水で洗浄した後,硝酸(1+1)20 mL及び硫酸(1+1)15 mLを加える。ただ
し,硫化鉱などのように遊離硫黄の粒が発生する場合には,更に少量の臭素を加えてもよい。
3) 加熱蒸発して,硫酸の白煙を発生させ,約5 mLになるまで濃縮する。ただし,試料中に多量[約
0.5 %(質量分率)以上]のひ素,アンチモン,すず又はセレンを含む場合には,放冷した後,水約
5 mL及び臭化水素酸5 mL10 mLを加え,加熱蒸発して硫酸の白煙を発生させる。放冷した後,
硫酸(1+1)5 mL10 mL及び臭化水素酸5 mL10 mLを加え,再び加熱して硫酸の白煙を発生さ
せ,約5 mLになるまで濃縮する。
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4) 放冷した後,水約50 mLを突沸に注意しながら加え,沸騰させて可溶性塩を溶解する。室温まで放
冷した後,ろ紙(5種B)を用いてろ過し,ビーカー及びろ紙を硫酸(1+100)で3回4回洗浄す
る。ろ液及び洗液は,別のビーカー(300 mL)に受け,主液として保存する。
5) ろ紙上の不溶解残物を少量の水を用いて,4)とは別のビーカー(300 mL)に洗い移し,酢酸アンモ
ニウム溶液[7.2.2 m)参照]15 mLを加えて,加熱して硫酸鉛の沈殿を溶解する。室温まで放冷した
後,元のろ紙を用いてろ過し,ビーカー及びろ紙を温水で3回4回洗浄し,ろ液及び洗液は捨て
る。ただし,試料中の鉛含有率が40 %(質量分率)未満の場合には,この操作を省略してもよい。
6) 4)又は5)によって得たろ紙上の不溶解残物中に亜鉛が含まれる場合は,不溶解残物をろ紙とともに,
b)によって処理する。
7) 4)によって得た溶液を加熱して,液量が60 mL80 mLとなるまで濃縮し,放冷した後,塩酸16 mL
を加え,水を加えて液量を100 mLとする。
b) 不溶解残物の処理 不溶解残物の処理は,次のいずれかによる。
1) 白金るつぼによる処理 白金るつぼによる処理は,次による。ただし,この方法は,不溶解残物中
に鉛を含む場合には適用しない。
1.1) ろ紙とともに不溶解残物を白金るつぼ(30番)に移し入れ,乾燥した後,約800 ℃で加熱してろ
紙を灰化した後,放冷する。
1.2) 硫酸(1+1)2 mL,硝酸2 mL及びふっ化水素酸2 mLを加え,加熱して硫酸の白煙を発生させ,
塩類が析出し始めるまで濃縮する。放冷した後,少量の水を加え,加熱して可溶性塩を溶解する。
室温まで放冷した後,水を用いてa) 4)によって得た主液と合わせる。
1.3) 不溶解残物が残る場合は,ろ紙(5種B)を用いてろ過し,温水で3回4回洗浄し,洗液は,ろ
液に合わせ,水を用いてa) 4)によって得た主液と合わせる。不溶解残物及びろ紙は,捨てる。
2) 四ふっ化エチレン樹脂ビーカーによる処理 四ふっ化エチレン樹脂ビーカーによる処理は,次によ
る。
2.1) ろ紙上の不溶解残物を少量の水を用いて四ふっ化エチレン樹脂ビーカー(100 mL)に洗い移す。
ろ紙は,JIS R 1301に規定する磁器るつぼ(PC1B形,30 mL)に移し入れる。ろ紙を600 ℃
700 ℃で加熱して灰化し,放冷した後,少量の水を用いて四ふっ化エチレン樹脂ビーカーに合わ
せる。ただし,ろ紙に亜鉛が含まれないことを確認した場合には,ろ紙の灰化操作を省略してもよ
い。
2.2) 1.2)及び1.3)による。
c) 亜鉛の分離 亜鉛の分離は,次による。
1) a) 7)によって得た溶液を毎分5 mLの流速で,イオン交換カラムに通す。樹脂上に溶液がなくなっ
た後,塩酸(1+5)100 mLを数回に分けて用い,ビーカーを洗浄し,洗浄の都度,洗液をカラムに
通し,更に塩酸-L(+)-アスコルビン酸溶液[7.2.2 i)参照]100 mL及び塩酸(1+5)100 mLを順次カ
ラムに通す。これまでの流出液は,全て捨てる。
2) アンモニア-塩化アンモニウム溶液[7.2.2 j)参照]180 mLを毎分5 mLの流速で通し,亜鉛を溶離さ
せ,溶出液は,ビーカー(500 mL)に受ける。
なお,イオン交換カラムは,水約100 mLを通して,塩酸(1+5)約100 mLを通した後,再使用
することが望ましい。
d) 滴定 滴定は,次のいずれかによる。ただし,試料中にカドミウムを0.01 %(質量分率)以上含む場
合には,別に試料をはかりとり,JIS M 8135によって,試料中のカドミウムを定量する。
1) 亜鉛含有率が10 %(質量分率)以上,62 %(質量分率)以下の場合は,次による。
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JIS M 8124:2021の引用国際規格 ISO 一覧
- ISO 12739:2006(MOD)
- ISO 13291:2006(MOD)
- ISO 13658:2000(MOD)
JIS M 8124:2021の国際規格 ICS 分類一覧
- 73 : 鉱採及び鉱物 > 73.060 : 金属鉱物及びそれらの濃縮物 > 73.060.99 : その他の金属鉱石
JIS M 8124:2021の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISK0050:2019
- 化学分析方法通則
- JISK0116:2014
- 発光分光分析通則
- JISK0121:2006
- 原子吸光分析通則
- JISK0211:2013
- 分析化学用語(基礎部門)
- JISK0212:2016
- 分析化学用語(光学部門)
- JISM8083:2001
- 銅,鉛及び亜鉛硫化精鉱―サンプリング及び水分決定方法
- JISM8135:1994
- 鉱石中のカドミウム定量方法
- JISM8135:2021
- 鉱石中のカドミウム定量方法
- JISR1301:1987
- 化学分析用磁器るつぼ
- JISZ8401:2019
- 数値の丸め方
- JISZ8402-1:1999
- 測定方法及び測定結果の精確さ(真度及び精度)―第1部:一般的な原理及び定義