JIS M 8126:1994 鉱石中のニッケル定量方法

JIS M 8126:1994 規格概要

この規格 M8126は、鉱石中のニッケル定量方法について規定。ニッケル定量方法が規定されている鉱石には適用しない。

JISM8126 規格全文情報

規格番号
JIS M8126 
規格名称
鉱石中のニッケル定量方法
規格名称英語訳
Ores -- Methods for determination of nickel
制定年月日
1952年6月21日
最新改正日
2019年10月21日
JIS 閲覧
‐ 
対応国際規格

ISO

国際規格分類

ICS

73.060.01
主務大臣
経済産業
JISハンドブック
金属分析 II 2019
改訂:履歴
1952-06-21 制定日, 1955-06-21 確認日, 1958-06-21 確認日, 1961-06-21 確認日, 1962-08-01 改正日, 1965-11-01 確認日, 1969-05-01 確認日, 1971-03-01 改正日, 1974-06-01 確認日, 1977-05-01 確認日, 1980-06-01 確認日, 1985-10-01 確認日, 1988-03-01 改正日, 1994-07-01 改正日, 1999-11-20 確認日, 2005-02-20 確認日, 2009-10-01 確認日, 2014-10-20 確認日, 2019-10-21 確認
ページ
JIS M 8126:1994 PDF [14]
                                       日本工業規格(日本産業規格)                             JIS
M 8126-1994

鉱石中のニッケル定量方法

Ores−Methods for determination of nickel

1. 適用範囲 この規格は,鉱石中のニッケル定量方法について規定する。ただし,他の日本工業規格(日本産業規格)で
ニッケル定量方法が規定されている鉱石には適用しない。
備考 この規格の引用規格を,次に示す。
JIS K 0050 化学分析方法通則
JIS K 0115 吸光光度分析通則
JIS K 0116 発光分光分析方法通則
JIS K 0121 原子吸光分析通則
JIS K 8001 試薬試験方法通則
JIS M 8083 ばら積み非鉄金属浮選精鉱のサンプリング方法
JIS M 8101 非鉄金属鉱石のサンプリング,試料調製及び水分決定方法
JIS M 8109 けい苦土ニッケル鉱石のサンプリング方法及び水分決定方法
JIS Z 8401 数値の丸め方
2. 一般事項 定量方法に共通な一般事項は,JIS K 0050,JIS K 0115,JIS K 0116及びJIS K 0121によ
る。
3. 分析試料の採り方及び取扱い方
3.1 試料の採取と調製 試料の採取と調製は,JIS M 8083,JIS M 8101及びJIS M 8109による。
3.2 試料のはかり方 試料のはかり方は,次による。
(1) 試料のはかり採りに際しては,試料をよくかき混ぜて平均組成を表すように注意し,また,異物が混
入していないことを確かめなければならない。
(2) 試料は,105±5℃に調節されている空気浴に入れて乾燥し,2時間ごとに空気浴から取り出し,デシ
ケーター中で常温まで放冷する。乾燥は,乾燥減量が2時間につき0.1% (m/m) 以下になるまで繰り
返す。ただし,硫化物などを含有するため変質しやすい試料の乾燥条件(温度,時間など)は,受渡
当事者間の協議による。
(3) 試料のはかり採りには,原則として化学はかりを用いる。
4. 分析値の表し方及び操作上の注意
4.1 分析値の表し方 分析値の表し方は,次による。
(1) 分析値は質量百分率で表し,JIS Z 8401によって小数点以下第3位に丸める。
(2) 分析は,同一分析室において2回繰り返して行い,これらの差が室内許容差(以下,許容差という。)

――――― [JIS M 8126 pdf 1] ―――――

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以下のとき,その平均値を求め,JIS Z 8401によって小数点以下第2位に丸めて報告値とする。
(3) 2回繰り返して行った分析値の差が許容差を超えるときは,改めて2回の分析をやり直す。
(4) 許容差は,表1による。
表1 許容差(1)
単位 % (m/m)
許容差
定量方法 ニッケル含有率の区分
(繰り返し)
0.5 以上 1未満 0.025
1 以上 5未満 0.050
ジメチルグリオキシム
5 以上 15未満 0.100
重量法
15 以上 30未満 0.150
30 以上 70以下 0.200
0.5 以上 1未満 0.025
1 以上 5未満 0.050
ジメチルグリオキシム
5 以上 15未満 0.100
分離EDTA2Na滴定法
15 以上 30未満 0.150
30 以上 70以下 0.200
0.01 以上 0.05 未満 0.005
ジメチルグリオキシム
未満
0.05 以上 0.1 0.010
吸光光度法
0.1 以上 0.5以下 0.020
0.01 以上 0.05 未満 0.005
原子吸光法 0.05 以上 0.05 未満 0.010
0.1 以上 0.5以下 0.020
0.01 以上 0.05 未満 0.005
誘導結合プラズマ発光分光分
未満
0.05 以上 0.1 0.010
析法
以下
0.1 以上 0.5 0.020
注(1) 2個の分析値が二つのニッケル含有率の区分にまたがるときは,2個の分析値
の平均値の該当する区分の許容差を適用する。
4.2 分析操作上の注意 分析に当たっては,原則として全操作を通じて空試験を行い,測定値を補正す
る。
5. 定量方法
5.1 定量方法の区分 鉱石中のニッケル定量方法は,次のいずれかによる。
(1) ジメチルグリオキシム重量法 この方法は,ニッケル含有率0.5% (m/m) 以上70% (m/m) 以下の試料
に適用する。
(2) ジメチルグリオキシム分離EDTA2Na滴定法 この方法は,ニッケル含有率0.5% (m/m) 以上70%
(m/m) 以下の試料に適用する。
(3) ジメチルグリオキシム吸光光度法 この方法は,ニッケル含有率0.01% (m/m) 以上0.5% (m/m) 以下
の試料に適用する。
(4) 原子吸光法 この方法は,ニッケル含有率0.01% (m/m) 以上0.5% (m/m) 以下の試料に適用する。
(5) 誘導結合プラズマ発光分光分析法 この方法は,ニッケル含有率0.01% (m/m) 以上0.5% (m/m) 以下
の試料に適用する。
5.2 ジメチルグリオキシム重量法

――――― [JIS M 8126 pdf 2] ―――――

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5.2.1 要旨 試料を塩酸,硝酸及び過塩素酸で分解し,加熱して濃縮し,過塩素酸の白煙を発生させる。
塩類を塩酸と水とで溶解した後,ろ過する。ろ液に酒石酸を加え,アンモニア水を加えて弱アルカリ性と
し,ジメチルグリオキシムを加えてニッケルを沈殿させる。沈殿をガラスろ過器でこし分け,乾燥してそ
の質量をはかる。
5.2.2 試薬 試薬は,次による。
(1) 塩酸
(2) 塩酸 (1+1,1+9)
(3) 硝酸
(4) 過塩素酸
(5) ふっ化水素酸
(6) 硫酸 (1+1)
(7) アンモニア水
(8) アンモニア洗浄液 温水約100mlにアンモニア水1,2滴を加える。この溶液は,使用の都度調製す
る。
(9) 二硫酸ナトリウム
(10) 酒石酸溶液 (400g/l)
(11) ジメチルグリオキシム・エタノール溶液 ジメチルグリオキシム [(CH3)2C2(NOH)2] 1gをエタノール
(95) 100mlに溶解する。
(12) 標準ニッケル溶液 (40 最一椀一 ‰ ッケル[99.9% (m/m) 以上]1.000gを硝酸 (1+1) 20mlで分解し
冷却後,1 000mlの全量フラスコに移し入れ,水で標線まで薄めて原液とする。この原液を使用の都
度,必要量だけ水で正しく25倍に薄めて,標準ニッケル溶液とする。
調製方法は,JIS K 8001の4.4(指示薬)による。
(13) ブロモチモールブルー (C27H28Br2O5S) 溶液 (1g/l)
5.2.3 試料はかり採り量 試料はかり採り量は,表2による。
表2 試料はかり採り量(2)
ニッケル含有率 試料はかり採り量
% (m/m) g
0.5以上 5未満 12
5以上 15未満 0.51.5
15以上 30未満 12
30以上 70以下 0.51
注(2) 試料は,ニッケル含有率15% (m/m) 以上の場合には,ニッケル量
が300600mgとなるようにはかり採り,ニッケル含有率が5%
(m/m) 以上15% (m/m) 未満の場合には,ニッケル量が60120mg
となるようにはかり採る。
また,ニッケル含有率が5% (m/m) 未満の場合には,なるべくニ
ッケル量が40mg以上となるようにはかり採ることが望ましい。
5.2.4 操作 定量操作は,次の手順による。
(1) 試料をはかり採り,ビーカー (200300ml) に移し入れ,時計皿で覆い,塩酸1020mlを加え,加熱
して液量が約5mlとなったとき硝酸5ml及び過塩素酸2030mlを加え,引き続き加熱して分解し,
過塩素酸の白煙を十分に発生させ,液量が約20ml以下となるまで濃縮する。
(2) 放冷した後,塩酸 (1+1) 20ml及び水約50mlを加え,穏やかに加熱して可溶性塩を溶解した後,ろ紙
(5種B)を用いてろ過し,残さは塩酸 (1+9) で3,4回洗浄し,次いで温水で十分に洗浄する(3)。

――――― [JIS M 8126 pdf 3] ―――――

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(3) ろ液及び洗液は,ビーカー (500ml) に受け,常温まで冷却する。さらに,ニッケル含有率15% (m/m)
以上の試料については,ろ液及び洗液を250mlの全量フラスコに移し入れ,水で標線まで薄めた後,
50mlを分取し,ビーカー (500ml) に移し入れる。
(4) この溶液に,酒石酸溶液25mlを加え,水を加えて液量を約300mlとする。ブロモチモールブルー溶
液2,3滴を指示薬として加え,溶液をかき混ぜながら,アンモニア水を溶液の色が黄色から緑色に変
わるまで滴加し,更に過剰に5mlを加える(4)。
(5) この溶液を加熱して液温を約70℃とし(5),溶液をかき混ぜながら,溶液中のニッケルとコバルトとの
合量10mgにつきジメチルグリオキシム・エタノール溶液4mlの割合で加え,更に過剰に20mlを加え
る(6)。次いで,溶液を約30秒間激しくかき混ぜた後,引き続き加熱して液温を約70℃に約10分間保
ち,更に室温に約2時間放置して,ニッケルジメチルグリオキシムの沈殿を熟成する(7)。
(6) 沈殿は,あらかじめ110120℃で乾燥して恒量としたガラスろ過器 (IG4) を用いてこし分け,アンモ
ニア洗浄液でよく洗浄する(8)。
(7) 沈殿は,ガラスろ過器とともに110120℃で乾燥して恒量とし,デシケーター中で常温まで冷却した
後,その質量をはかる。
注(3) 残さ中にニッケルが含まれる場合には,残さをろ紙とともに白金るつぼ(30番)に移し入れ,
乾燥した後,穏やかに加熱して灰化する。放冷した後,硫酸 (1+1) 数滴及びふっ化水素酸3
5mlを加え,加熱して二酸化けい素を揮散させ,蒸発乾固する。これに,二硫酸ナトリウム2
3gを加え,穏やかに加熱して融解する。放冷した後,融成物を少量の温水及び塩酸約1mlで溶
解し,ろ紙(5種B)を用いてろ過し,温水で3,4回洗浄した後,ろ液及び洗液を主液に合わせ
る。
(4) この溶液のpHは,約9.0である。
(5) この溶液中に沈殿が生成した場合及び銅1mg,鉛10mg,亜鉛50mg又はマンガン100mg以上を
含む場合には,ニッケルジメチルグリオキシムの沈殿中に含まれる不純物の量が多くなるので,
5.2.4(5)の操作を行った後,注(7)の操作を行う。
(6) 空試験においては,ジメチルグリオキシム・エタノール溶液の添加量は20mlとする。
(7) 生成したニッケルジメチルグリオキシムの沈殿に,不純物を含むおそれがある場合には,沈殿
をろ紙(5種A)を用いてこし分け,アンモニア洗浄液で洗浄し,沈殿を温水で元のビーカー
に洗い移し,塩酸20ml及び硝酸10mlを加え,加熱して分解した後,5.2.4(4)及び(5)の操作(た
だし,酒石酸溶液は10mlとし,ジメチルグリオキシム・エタノール溶液の過剰は5mlとする。)
を繰り返してニッケルジメチルグリオキシムを再沈殿する。注(8)によってろ液及び洗液中のニ
ッケルを定量するときには,このろ液及び洗液は保存する。
(8) ニッケル含有率が15% (m/m) 以上の試料の場合,及びニッケル含有率が15% (m/m) 未満の試料
で,更に試料はかり採り量が1g未満の場合には,このろ液及び洗液を保存し,次の方法によっ
てろ液及び洗液中のニッケルを定量する。
保存したろ液及び洗液をビーカー (5001 000ml) に移し入れ,注(7)を適用したときは,更に
そのろ液及び洗液を合わせ,加熱蒸発して液量が約100mlとなるまで濃縮し,塩酸50mlを加え
る。常温まで冷却した後,水を用いて200mlの全量フラスコに移し入れ,水で標線まで薄め,
5.5.4(3)の手順に従って操作して吸光度を測定し,次の操作で作成した検量線からニッケル量を
求める。
数個のビーカー (200300ml) を準備し,それぞれに酒石酸溶液25ml[注(7)を適用したとき

――――― [JIS M 8126 pdf 4] ―――――

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は35ml]を加え,注(3)を適用した場合には,更に二硫酸ナトリウム23gを加えて溶解し,ア
ンモニア水を加えて中和し,塩酸50mlを加え,放冷した後,それぞれ少量の水を用いて200ml
の全量フラスコに移し入れる。次いで,標準ニッケル溶液の各種液量(ニッケルとして01mg)
を段階的にそれぞれの200mlの全量フラスコに採り,水で標線まで薄める。以下,5.5.4(3)の手
順に従って試料と同様に操作し,試料と並行して測定した吸光度とニッケル量との関係線を作
成して検量線とする。
5.2.5 計算 試料中のニッケル含有率を,次の式によって算出する(9)。
(1) 5.2.4(3)で分取しない場合
W1 W2 .0203 2
Ni 100
m
ここに, Ni : ニッケル含有率 [% (m/m) ]
W1 : ニッケルジメチルグリオキシムの入っているガラスろ過器の質量 (g)
W2 : ガラスろ過器の質量 (g)
m : 試料はかり採り量 (g)
(2) 5.2.4(3)で分取した場合
W1 W2 .0203 2
Ni 100
50
m
250
ここに, Ni : ニッケル含有率 [% (m/m) ]
W1 : ニッケルジメチルグリオキシムの入っているガラスろ過器の質量 (g)
W2 : ガラスろ過器の質量 (g)
m : 試料はかり採り量 (g)
注(9) 注(8)によってろ液及び洗液中のニッケル量を求めた場合には,そのニッケル量を加算する。
5.3 ジメチルグリオキシム分離EDTA2Na滴定法
5.3.1 要旨 試料を塩酸及び過塩素酸で分解し,加熱して濃縮し,過塩素酸の白煙を発生させる。塩類を
塩酸と水とで溶解した後,ろ過する。ろ液に酒石酸を加えた後,アンモニア水を加えて弱アルカリ性とし,
ジメチルグリオキシムを加えてニッケルを沈殿させ,こし分ける。沈殿を硝酸と硫酸とで分解し,酒石酸
を加え,アンモニア水で弱アルカリ性とし,ムレキシド又はCu-PAN,又はキシレノールオレンジを指示
薬としてEDTA2Na標準溶液で滴定する。
5.3.2 試薬 試薬は,次による。
(1) 塩酸
(2) 塩酸 (1+1,1+9)
(3) 硝酸
(4) 硝酸 (1+1)
(5) 過塩素酸
(6) ふっ化水素酸
(7) 硫酸 (1+1)
(8) アンモニア水
(9) アンモニア水 (1+1)
(10) アンモニア洗浄液 5.2.2(8)による。
(11) 二硫酸ナトリウム

――――― [JIS M 8126 pdf 5] ―――――

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