JIS M 8702:2019 鉄鉱石―サンプリング及び試料調製方法 | ページ 16

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た品位変動区分を適用し,速やかにJA.3.3によって品位変動区分変更の妥当性を検討する。
b) 品位変動区分が変化しない場合は,そのままの品位変動区分とし,更に5年間有効とすることができ
る。
c) 品位変動区分が小さい方に変化した場合(大→中,大→小,又は 中→小)は,従来の品位変動区分を
適用し,速やかにJA.3.3によって品位変動区分変更の妥当性を検討する。
JA.3.3 品位変動区分の変更
JA.3.2によって,a) 又はc) に該当し,品位変動区分変更の妥当性を検討するには,2年以内に4個(JIS
M 8707の方法2の場合は4船)以上の層内変動 地 表2に示す基準によって品位変動区分を変更
しなければならない。ただし,入荷の船数が4船に満たない場合はこの限りではない。変更した品位変動
区分は,5年間有効とすることができる。この場合の品位変動区分確認の方法は,JA.3.2による。
JA.3.4 特別処置
特別処置は,次による。
a) A.3.1,JA.3.2及びJA.3.3の規定にかかわらず,特別な理由(例えば,山元における処理設備の変更・
閉山など)がある場合は,品位変動区分について再検討することができる。
b) ペレット用粉鉱石の品位変動区分は,鉄分の品位変動区分を適用する。
c) 水分に係る品位変動区分は,新規銘柄についてはJA.3.1に基づき品位変動区分を決定する。区分が“小”
の場合,この区分を継続し,以後の実験は省略してよい。

――――― [JIS M 8702 pdf 76] ―――――

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M8
1
表JA.2−報告様式
3
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インクリ 調査 調査 会社名,事業所名
2
銘柄
: 2
メント ロット 方法
01
入荷量 粒度( )a)(%) 水分(%) 鉄分(%)
9
層No 入港月日 船名
(t) A B x R A B x R A B x R
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
平均
D4R

品位変動( の大きさの分類 数値は絶対百分率で示す
注a) ( )内に調査を行った粒度区分を記 品位変動区分
品質特性
入。調査する鉄鉱石類に従って右の 大 中 小
表を参考にし,該当する目開きのふ 全鉄分 最 2.0> 最 1.5
るいを選ぶ。ただし,契約粒度と異 水分 最 2.0> 最 1.5
なる場合は,契約粒度で行う。 最大粒度200 mmの鉱石
10 mmふるい下区分(平均20 %) 最 10> 最 7.5
最大粒度50 mmの鉱石
粒 −31.5+6.3 mm整粒鉱 6.3 mmふるい下区分(平均10 %)
度 最 5> 最 3.75
焼結用粉鉱 6.3 mmふるい上区分(平均10 %)
ペレット用粉鉱 45 μmふるい下区分(平均70 %)
最 3> 最 2.25
ペレット 5 mmふるい下区分(平均5 %)

――――― [JIS M 8702 pdf 77] ―――――

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附属書JB
(参考)
構成インクリメント数の異なる小口試料から
インクリメント縮分によって大口試料を調製する方法
JB.1 概要
小口試料を縮分して大口試料を調製する場合,小口試料が異なる数のインクリメントからなるときには
比例縮分を適用する。通常は,ロータリーコーン,スナイダーなどの機械式によって行われるが,手動イ
ンクリメント縮分を比例縮分として用いる方法を示す。
JB.2 内容
比例縮分形式による手動インクリメント縮分方法は,次による。
基準インクリメント数1) に達しない最後の小口試料から採取する縮分試料は,質量(m')が,式(JB.1)
を満足するように,手動インクリメント縮分を行って採取する。この場合,鉄板上に広げる試料の等分分
割数は4以上とする。
n
m m (JB.1)
n
ここに, m' : 基準インクリメント数に達しない最後の小口試料から
採取する縮分試料の質量
n' : 基準インクリメント数に達しない最後の小口試料を構
成するインクリメント数
n : 基準インクリメント数
m : 最後の小口試料以外の全ての小口試料から採取する縮
分試料の質量
注1) 最後の小口試料以外の全ての小口試料を構成するインクリメント個数で,当初設定した数をい
う。
JB.3 実施例
JB.3.1 例1
前提条件
鉱種 : 最大粒度9 mmの粉鉱石
採取インクリメント数 : 53
小口試料を構成するインクリメント個数 : 9(基準インクリメント数)
最後の小口試料が基準インクリメント数に達しない : 9,9,9,9,9及び8
10Dのインクリメントスコップを用いて採取した1インクリメントの質量 : 250 g
注記 インクリメントスコップによる試料の採取質量は,銘柄,水分含有量,粒度分布などによって
変動するので,あらかじめ把握しておくのがよい。
基準インクリメント数からなる小口試料は,10.4に従ってインクリメント縮分を行う。
10D×12(インクリメント)=250 g×12=3 000 g

――――― [JIS M 8702 pdf 78] ―――――

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基準インクリメント数に達しない小口試料の縮分は,
m'=8/9×3 000=2 667 g
2 667/10D=2 667/250=10.6→11(インクリメント)
となり,したがって,10Dインクリメントスコップで当該小口試料から,11インクリメントを採取する。
11インクリメントの採取方法は,次による。
当該小口試料を横長の直方体に広げて11等分し,10Dインクリメントスコップを用いて各区分から1
インクリメントずつ採取し,これらを集めて縮分(後)試料とする(10D×11=250 g×11=2 750 g)。
JB.3.2 例2
前提条件
鉱種 : 最大粒度9 mmの粉鉱石
採取インクリメント数 : 65(計画63,採取65)
小口試料を構成するインクリメント個数 : 9(基準インクリメント数)
最後の小口試料が基準インクリメント数に達しない : 9,9,9,9,9,9,9及び2
注記1 最後の二つの小口試料は,10インクリメントずつ集めて調製するか,又は最後に残った11
インクリメントを集めて小口試料とするのが通常であるが,採取したインクリメントは,9
インクリメントずつ集めて小口試料を調製してしまっており,2インクリメントだけが残っ
た場合の例を示す。
基準インクリメント数からなる小口試料は,10.4に従ってインクリメント縮分を行う。
10D×12(インクリメント)=250 g×12=3 000 g
基準インクリメント数に達しない小口試料の縮分は,
m'=2/9×3 000=667 g
667/10D=667/250=2.6→3(インクリメント)
となり,インクリメント個数が4に満たないため,1段下の5Dインクリメントスコップを用いる。ただし,
5Dインクリメントによる採取量は140 gであり,
667/5D=667/140=4.7→5(インクリメント)
5Dインクリメントスコップで当該小口試料から5インクリメント採取する。インクリメントの採取方法
は,次による。
当該小口試料を横長の直方体に広げて5等分し,5Dインクリメントスコップを用いて各区分から1イン
クリメントずつ採取し,これらを集めて縮分(後)試料とする(5D×5=140 g×5=700 g)。
注記2 10.6の注記3では,水分試験試料の調製の場合,対応するインクリメントスコップよりも1,
2段小さいインクリメントスコップを使用してもよい,とある。スコップの幅が最大粒度の3
倍の場合は,1段小さいインクリメントスコップを用いても縮分精度に大きな差がないと考
えられ,水分試験試料以外の試料の調製にも準用した。

――――― [JIS M 8702 pdf 79] ―――――

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附属書JC
(参考)
JISと対応国際規格との対比表
JIS M 8702:2019 鉄鉱石−サンプリング及び試料調製方法 ISO 3082:2017,Iron ores−Sampling and sample preparation procedures
(I) JISの規定 (II) (III)国際規格の規定 (V) JISと国際規格との技術的差
(IV) JISと国際規格との技術的差異の箇条ごと
国際規 の評価及びその内容 異の理由及び今後の対策
格番号
箇条番号 内容 箇条 内容 箇条ごと 技術的差異の内容
及び題名 番号 の評価
3 用語及び − 3 用語及び定義 変更 用語の定義で引用したJIS M 8700 ISO規格に規定されている用語の
定義 中でISO 11323と重複している用
と重複する用語は全て削除し,層別
サンプリングだけを規定した。 語を削除することを,ISOに提案
する。
5 サンプリ 5.3 品位変動 5 5.3 品位変動 追加 附属書JAを引用するため,“品位 −
ング及び試 変動区分の決定方法は,附属書JA
料調製の基 による。”を追加した。
本事項 5.4.1 質量基準サン 変更
5.4.1 質量基準サンプリ 式(8)のインクリメント個数を確保国内の状況から,厳格な処置を求
プリング ング できない場合の処置は,ISO規格でめISOに提案する。
は“条件はないが,処置内容を報告
書に明記する”と規定しているが,
JISでは“受渡当事者間の協定によ
って実施”に変更した。処置内容を
記録保存するのが最低要件であり,
その意味ではISO規格と大差ない。
JISではより厳格化し,安易な処置
に歯止めをかけた。
7 鉱石流か 7.7.3 縮分機 7 7.7.3 縮分機 追加 7.7.3で縮分機の例として,スナイ日本国内では,広く使われている
らの試料採 ダ形縮分機及びメカニカルチャー 縮分機である。
M8
取 ジリッフルを追加した。
702 : 201
1
9
3

――――― [JIS M 8702 pdf 80] ―――――

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JIS M 8702:2019の引用国際規格 ISO 一覧

  • ISO 3082:2017(MOD)

JIS M 8702:2019の国際規格 ICS 分類一覧

JIS M 8702:2019の関連規格と引用規格一覧