JIS M 8702:2019 鉄鉱石―サンプリング及び試料調製方法 | ページ 8

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物理試験試料の最小質量は,対象とする物理特性及び冶金特性並びにその試験方法によって異なる。一
般に,かさ密度試験用試料を除いて,物理試験試料は500 kg以上必要である。ISO 3852の方法1でのかさ
密度試験を行う場合は,物理試験試料の質量は,600 kg以上でなければならない。
物理特性及び冶金特性の試験における試料の調製・測定精度( 戀 は,表6の値を満たさなければなら
ない。

10.1.7 試料の兼用及び重用

  ロットから採取した試料は,幾つかの特性を決定するために必要な基準を満足すれば,水分用,粒度用,
化学分析用及び物理試験用の試料を得るために兼用又は重用してもよい(詳細は,図13参照)。

10.2 小口試料又は大口試料の調製方法

10.2.1 一般

  特性を測定するための条件によって,ロットのための大口試料にまとめるか,ロットの別々の部分のた
めの小口試料にまとめる。さらに,試料調製についての要求条件によるが,初めに小口試料を作り,次に
大口試料にまとめることが必要な場合もある。

10.2.2 質量基準サンプリングの場合

10.2.2.1 インクリメントから小口試料又は大口試料を調製する方法
インクリメント質量の変動係数が20 %未満の場合,採取したままのインクリメント又は適切な段階まで
定量縮分若しくは比例縮分によって別々に調製したインクリメントを集めて,小口試料又は大口試料にし
てもよい。
しかし,インクリメント質量の変動係数が20 %以上の場合,採取したままのインクリメントを集めて,
小口試料又は大口試料にしてはならない。ある段階であらかじめ定量縮分によって個々に調製したインク
リメントは,次の適切な段階で小口試料又は大口試料にまとめてもよい。このようにする代わりに,各イ
ンクリメントごとに品質測定を行う試験試料を調製してもよい。
10.2.2.2 小口試料からの大口試料の調製方法
10.2.2.1によって調製した小口試料は,まとめて大口試料にしてもよい。
各小口試料を縮分して大口試料にまとめる場合の縮分は,次による。
a) 小口試料が同数のインクリメントからなっている場合は,定量又は比例縮分を適用する。
b) 小口試料が異なる数のインクリメントからなっている場合は,比例縮分だけを適用する。
注記 比例縮分は,機械式で行うのが一般的であるが,手動インクリメント縮分による方法例を附
属書JBに示す。

――――― [JIS M 8702 pdf 36] ―――――

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表6−物理試験の試料調製・測定精度
単位 質量分率(%)
物理特性 規格番号 精度 戀
ペレット 焼結鉱 塊鉱石
摩耗強度指数AI(%) JIS M 8712 0.4 0.5 0.5
回転強度指数TI(%) 0.5 0.5 0.6
ISO 3852
かさ密度(ISO 3852の方法1)
ρap(kg/m3) 0.1 0.2 0.2
還元速度指数 ISO 4695
Rt[(%)/min] 0.05 0.1 0.1
低温還元粉化指数 ISO 4696-1
RDI-1−3.15(%) 3.0 4.0 4.0
低温還元粉化指数 JIS M 8720
RDI-2−2.8(%) 3.0 4.0 4.0
膨れ指数a) JIS M 8715
VFS(%) 3.0 − −
圧潰強度 JIS M 8718
CS(daN) 27.0 − −
到達JIS還元率 JIS M 8713
R180(%) 3.0 3.0 5.0
荷重還元指数 ISO 7992
Δp80(kPa) 6.0 − 6.0
熱割れ指数 ISO 8371
DI−6.3(%) − − 5.0
クラスタリング指数 ISO 11256
CI(%) 3.0 − −
低温還元粉化指数RDIDR(%)ISO 11257 1.5 − 3.0
金属化率M(%) 2.0 − 2.5
還元率 ISO 11258
R90[(%)/min] 2.5 − 4.0
低温還元粉化指数 ISO 13930
LTD+6.3(%) 3.0 − 3.5
LTD−0.5(%) 1.0 − 2.0
“−”は,試料の適用がないことを示す。
この表にない物理特性の精度は,規定しない。
注a) 膨れ指数VFS(%)だけ体積分率を示す。

10.2.3 時間基準サンプリングの場合

10.2.3.1 インクリメントから小口試料又は大口試料を調製する方法
採取したインクリメントは,その質量の変動の程度にかかわらず,まとめて小口試料又は大口試料にし
てよい。各インクリメントを縮分し,縮分したインクリメントをまとめて小口試料又は大口試料にする場
合は,その縮分は比例縮分で行う。
10.2.3.2 小口試料からの大口試料の調製方法
10.2.3.1によって調製した小口試料は,その質量の変動の程度にかかわらず,まとめて大口試料にしてよ
い。しかし,小口試料を縮分し,縮分した小口試料をまとめて大口試料にする場合,各小口試料の縮分は
比例縮分で行う。

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10.2.4 水分試験用試料についての特別な手順

  水分試験用試料の調製及び採取は,水分の変化を最小にして行う。そのために,気象(温度,湿度及び
降雨)及び時間(蒸発)の影響を最小化する対策を講じ,特別な試料容器などによって保管してもよい。
この手順によって,総合精度(サンプリング,試料調製及び水分測定を含む。)は向上し,偏りが最小とな
る。
表7−水分試験用小口試料調製のための,ロットに応じた部分の最小数及び小口試料当たりの
測定試料の数
ロットの質量 ロットに応じた 小口試料当たり 最小測定
t 部分の最小数 測定試料の数 数
超 以下
340 000 − 20 1 20
270 000 340 000 16 1 16
210 000 270 000 10 1 10
150 000 210 000 8 1 8
100 000 150 000 4 2 8
70 000 100 000 4 2 8
− 70 000 2 4 8
ロットの荷役に長時間を要する場合,8時間を超えない単位でロットを部分に分け,各部分を代表する
ようにインクリメントを水分試験用小口試料にまとめ,小口試料ごとに水分を測定する。このような部分
への分割は,激しい降雨,高温などの天候及び荷役のときの条件又は状況に応じて行う。
ただし,試料の容器及び保管条件によって水分試験用試料の水分の変化を防止することができる場合は,
全ロットについて1水分試験用大口試料を調製してもよい。
もう一つの方法として,大形のロットについて水分を測定する場合,ロットを表7に示す数の部分に分
け,水分用に各部分を代表する水分用小口試料を別々に調製することが望ましい。これは,水分用小口試
料の処理時間を短縮し,試料から水分の蒸発を最小限にとどめるためである。
水分決定のための小口試料又は大口試料は,10.2.2又は10.2.3による方法によってまとめる。

10.3 機械式縮分方法

10.3.1 機械によるインクリメント縮分方法

10.3.1.1 一般
10.3.1.210.3.1.6の条件を満たす場合は,カッタ形縮分機を用いた機械式インクリメント縮分方法によ
って粒度用試料,水分用試料,化学分析用試料及び物理試験用試料を縮分してよい。
10.3.1.2 インクリメント(カット)の質量
カットの質量は均一でなければならない。このため,縮分する試料の流量は均一で,カッタの開口幅及
びカッタの速度は一定でなければならない。
注記1 均一なカットを採取する他の方式としては,試料の切出し量の変化とカッタの速度の変化と
を組み合わせる方式がある。
カッタの開口幅は,縮分する試料の最大粒度の3倍又は10 mmのいずれか大きい方以上でなければなら
ない。
注記2 インクリメント(カット)の質量は,計算によって求まるが,化学分析試験室試料又は粒度

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試験試料を調製する場合で,最大粒度10 mmの試料を縮分する場合は,表8の基準を目安と
するのがよい。この場合,JIS M 8709によって,機械式インクリメント縮分装置と手動式イ
ンクリメント縮分方法との間に偏りがないことを確認するのが望ましい。
10.3.1.3 インクリメント(カット)の数
インクリメント,小口試料及び大口試料を縮分するときのカットの数niは,縮分する鉱石流の品位変動
( 圀槿 及び特定の試料採取段階(i)の必要試料採取精度( 戀槿 から,式(21)を用いて実験によって求める。
2
in 2 Wi
= (21)
Si
特定の試料採取段階における品位変動について情報が得られない場合は,出発点として次のカット数を
用いてもよい。
a) 大口試料の縮分 20以上。
b) 小口試料の縮分 定量縮分の場合は,10以上。比例縮分の場合は,小口試料の平均質量に対して10
以上。
c) 個々のインクリメントの縮分 定量縮分の場合は,4以上。比例縮分の場合は,インクリメントの平
均質量に対して5以上。
10.3.1.4 カットの間隔
定量縮分を適用する場合のカット間隔は,縮分する試料の質量に応じて変えなければならない。
比例縮分を適用する場合のカット間隔は,縮分する試料の質量の変動にかかわらず一定でなければなら
ない。
10.3.1.5 偏りの回避
縮分する各試料についての最初のカットは,偏りを避けるため,最初の採取間隔内でランダムに採取す
る。
10.3.1.6 縮分試料の質量
縮分試料の最小質量は,10.1.6による。

10.3.2 機械による他の縮分方法

10.3.2.1 一般
カッタ形縮分機以外の機械式縮分機(10.1.5.4参照)を用い,10.1.6の縮分方法及び縮分限界に従って粒
度用試料,水分用試料,化学分析用試料及び物理試験用試料を縮分してよい。
10.3.2.2 縮分試料の質量
縮分試料の最小質量は,10.1.6,10.5及び10.6による。

10.4 手動による縮分方法

10.4.1 一般

  手動による粒度用試料,水分用試料,化学分析用試料及び物理試験用試料の縮分は,最大粒度が40 mm
以下の鉱石についてだけ行う。

10.4.2 手動によるインクリメント縮分方法

10.4.2.1 一般
手動によるインクリメント縮分は,最大粒度が40 mm以下の鉱石について,図8及び表8に示す形状及
び寸法のインクリメント縮分用スコップを用いて行う。スコップの底は平面のものを使用し,曲面のもの
は使用しない。手動によるインクリメント縮分は,ペレット又は整粒鉱のように,転がりやすい及び/又

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は粒度が容易に偏析する鉱石には適用しないほうがよい。ペレットが十分に細かく破砕された場合は,こ
の方法も十分に適用できる。
10.4.2.2 インクリメントの質量
各インクリメントの質量は,表8の基準を目安とする。
10.4.2.3 インクリメント個数
手動によるインクリメント縮分方法で採取するインクリメント個数は,表9による。
10.4.2.4 縮分試料の質量
縮分試料の最小質量は,10.1.6,10.5及び10.6による。
ad : 表8のインクリメントスコップの寸法
図8−インクリメント縮分用スコップの例
表8−手動インクリメント縮分の最大粒度,広げた試料の厚さ,
スコップの寸法及びインクリメントの質量
最大粒度 広げた スコップ インクリメントスコップのインクリメント
mm 試料の 番号 寸法 の質量
厚さ mm kg
超 以下 mm a b c d
31.5 40 80 40D 220 160 220 200 16.3
22.4 31.5 65 31.5D 180 120 180 150 9.0
16 22.4 50 22.4D 120 100 120 100 3.6
10 16 40 16D 100 70 100 80 1.6
6.3 10 30 10D 75 40 75 60 0.5
2.8 6.3 20 6.3D 50 30 50 40 0.16
1 2.8 15 2.8D 40 25 40 30 0.10
0.5 1 10 1D 25 20 25 20 0.03
0.1 0.5 8 0.5D 15 10 15 12 0.006
− 0.1 5 0.1D 10 6 10 8 0.001 5
表9−手動インクリメント及び手動ストリップ縮分のインクリメント個数
試料 インクリメント個数
大口試料 20
小口試料 12
インクリメント 4

――――― [JIS M 8702 pdf 40] ―――――

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