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d) 試料を入れたカプセルを黒鉛るつぼに投入し,通電してガス抽出温度に所定時間加熱し,積算値を読
み取る。
注11) 黒鉛るつぼの温度の調節は,一般に黒鉛るつぼに流れる電流値又は電力値によって行う。こ
れらの相関関係は,あらかじめ求めておくことが望ましい。脱ガス温度は,ガス抽出温度よ
りも高くすることが望ましい。
注12) ガス抽出温度の最適値は,窒素含有率既知の試料を用いてあらかじめ求めておくことが望ま
しい。
注13) 浴金属及びカプセルの最適使用量は,装置によって異なるので,窒素含有率既知の試料を用
いてあらかじめ求めておくことが望ましい。浴金属投入器のある装置では,黒鉛るつぼの脱
ガス後に浴金属を投入し,その脱ガスを行うことが望ましい。
8.3.6 空試験
試料を用いないで8.3.5のc)及びd)の操作を行う。この操作を35回繰り返して得た値の平均を求める。
8.3.7 検量係数の算出
検量用試料として窒素含有率既知の窒化物試料を用いる(8.2の測定によって窒素量を求めた窒化けい素
を用いてもよい。)。ただし,測定試料と酸素含有量とが大きく異なる窒化物試料では,誤差を生ずる場合
があるので検量用試料としてはならない。検量用試料を用いて8.3.5のc)及びd)の操作を行う。この操作
を35回繰り返して得た値を平均し,次の式によって検量係数を算出する。
G P/ 100
K
A1 A2
ここに, K : 検量係数(g/積算値)
G : 検量用試料のはかりとり量 (g)
P : 検量用試料の窒素含有率[%(質量分率)]
A1 : 検量用試料の積算値
A2 : 8.3.6の積算値
8.3.8 計算
試料中の全窒素含有率を,次の式によって算出する14)。
A1 A2 K
T.N 100
m
ここに, T.N : 全窒素含有率[%(質量分率)]
A1 : 8.3.5 d)の積算値
A2 : 8.3.6の積算値
K : 検量係数(g/積算値)
m : 試料のはかりとり量 (g)
注14) 市販の装置は,空試験値,検量係数などを自動的に記憶し,試料のはかりとり量を登録してお
くと,窒素含有率を表示する。
9 アルミニウム,鉄及びカルシウムの定量方法
9.1 定量方法
アルミニウム,鉄及びカルシウムの定量方法は,加圧酸分解−ICP発光分光法による。この方法は,ア
ルミニウム,鉄含有率0.001 %(質量分率)以上,0.6 %(質量分率)以下に,カルシウム含有率0.001 %
(質量分率)以上,0.03 %(質量分率)以下に適用する。
――――― [JIS R 1603 pdf 16] ―――――
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9.2 加圧酸分解-ICP発光分光法
9.2.1 要旨
試料を加圧分解容器中で硝酸及びふっ化水素酸とともに加熱分解し,硫酸を加えて蒸発乾固した後塩酸
に溶解し,ICP発光分光装置を用いて各元素の発光強度を測定する。
9.2.2 試薬
試薬は,次によるほかは,7.2.2に準じる。試薬溶液は,プラスチック瓶に保存する。また,標準液は,
市販の計量標準供給制度(JCSS)適合品又は同等品とし,国際単位系(SI)にトレーサブルなものを使用する。
a) 水 7.2.2 a)による。
b) 硝酸
c) ふっ化水素酸
d) 硫酸 (1+1)
e) 塩酸 (1+1)
f) アルミニウム標準液 (1.0 mg Al/mL)
g) 鉄標準液 (1.0 mg Fe/mL)
h) カルシウム標準液 (1.0 mg Ca/mL)
i) 混合標準溶液 f)の20 mL,g)の20 mL及びh)の1 mLをそれぞれ正しく採って混合し,塩酸(1+1) 4 mL
を加え,水で正しく200 mLに薄めて振り混ぜる。使用の都度調製する。
9.2.3 器具及び容器
7.2.3による。加圧分解容器は,8.2.3 a)と同じ。
9.2.4 試料のはかりとり量
試料のはかりとり量は,0.50 gとする。
9.2.5 操作
定量操作は,次の手順によって行う。
a) 試料を白金るつぼ(20番)15)にはかりとり,樹脂容器内に置き,硝酸1 mL及びふっ化水素酸10 mL
を加える。内ぶたをして耐圧容器に入れ,均衡板及び外ぶたをはめジグを用いてねじをきつく締め付
け,160 ℃の空気浴中で約16時間加熱する16)。
b) 冷却後,外ぶた,均衡板及び内ぶたを取り除き,プラスチックピンセットを用いて白金るつぼを取り
出し,内溶液を白金皿(例えば100番)に移し入れ,白金るつぼ,ピンセット,内ぶた及び樹脂容器
内壁を少量の水で洗浄し,洗液も白金皿に加える。
c) 白金皿に硫酸(1+1) 2 mLを加えて砂浴上で加熱し,蒸発乾固する。塩酸(1+1) 4 mL及び水約20 mL
を加え,水浴上で加熱溶解する。冷却後,100 mLの全量フラスコに移し入れ,水で標線まで薄めて振
り混ぜる。
d) )の溶液の一部を,ICP発光分光装置のアルゴンプラズマ中に噴霧し,例えば,次の波長における発
光強度を測定する。
Al : 396.15 nm,Fe : 259.94 nm,Ca : 393.37 nm
注15) 白金るつぼを用いなくても問題のないことが確認できれば,白金るつぼを使用しなくてもよ
い。
注16) 損失及び汚染なしに試料が完全分解されることが確認できれば,加圧分解容器に代えてマイ
クロ波加熱分解装置を用いて試料を分解してもよい。その場合,白金るつぼは使用できない。
9.2.6 空試験
――――― [JIS R 1603 pdf 17] ―――――
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試料を用いないで9.2.5の操作を行う。
9.2.7 検量線の作成
混合標準溶液から正しく030 mLを数個の100 mLの全量フラスコに段階的に加え,それぞれに塩酸
(1+1) 4 mLずつを加え,水で標線まで薄めて振り混ぜる。これらの検量線用溶液を用いて9.2.5 d)の操作
を行い,各元素の発光強度と各元素量との関係線を作成し,原点を通るように平行移動して検量線とする。
9.2.8 計算
9.2.5 d)及び9.2.6で得た発光強度と9.2.7で作成した検量線とから各元素量を求め,試料中の各元素の含
有率を,次の式によって算出する。
A1 A2
Al 100
m
A3 A4
Fe 100
m
A5 A6
Ca 100
m
ここに, Al : アルミニウム含有率[%(質量分率)]
Fe : 鉄含有率[%(質量分率)]
Ca : カルシウム含有率[%(質量分率)]
A1 : 9.2.5 d)のアルミニウム量 (g)
A2 : 9.2.6のアルミニウム量 (g)
A3 : 9.2.5 d)の鉄量 (g)
A4 : 9.2.6の鉄量 (g)
A5 : 9.2.5 d)のカルシウム量 (g)
A6 : 9.2.6のカルシウム量 (g)
m : 試料のはかりとり量 (g)
10 酸素の定量方法
10.1 定量方法
酸素の定量方法は,不活性ガス融解−赤外線吸収法による。この方法は,酸素含有率0.05 %(質量分率)
以上,5 %(質量分率)以下に適用する。
10.2 不活性ガス融解-赤外線吸収法
10.2.1 要旨
試料を浴金属とともに不活性ガス気流中で,黒鉛るつぼを用いるインパルス方式によって加熱融解し,
酸素を一酸化炭素として他のガスとともに抽出する。抽出ガスをそのまま又は一酸化炭素を二酸化炭素に
酸化した後,不活性ガスとともに赤外線分析計に送り,一酸化炭素又は二酸化炭素による赤外線吸収量の
変化を測定する。
10.2.2 材料及び試薬
材料及び試薬は,次による。
a) へリウム17) 99.99 %(質量分率)以上。
b) カプセル 8.3.2 b)と同じ。
c) 浴金属 8.3.2 c)と同じ。
d) 黒鉛るつぼ 8.3.2 d)と同じ。
――――― [JIS R 1603 pdf 18] ―――――
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e) 酸化イットリウム 99.99 %(質量分率)以上。1 000±25 ℃で2時間加熱した後,デシケーター中で
放冷する。
注17) 酸素定量専用装置には,窒素又はアルゴンを用いるものがある。
10.2.3 装置
装置は,酸素定量装置を用いる。装置は,不活性ガス清浄部,ガス抽出部,ガス精製部又はガス転換部,
ガス測定部などで構成する。その概念図を図5及び図6に示す。
a) 一酸化炭素用赤外線分析計を用いる装置(図5)。
a : ヘリウムボンベ b : 電気炉付き脱酸素管 c : 二酸化炭素吸収管
d : 脱水管 e : インパルス炉 f : 収じん管
g : 赤外線分析計
図5−酸素定量装置概念図 不活性ガス融解−一酸化炭素赤外線吸収法
1) 不活性ガス清浄部 8.3.3 a)と同じ。
2) ガス抽出部 8.3.3 b)と同じ。
3) ガス精製部 収じん管(グラスウール),その他で構成する。
不活性ガスとして窒素を用いる場合には,脱シアン管(ソーダ石灰)を追加する。
4) ガス測定部 一酸化炭素用赤外線分析計,その他で構成する。
一酸化炭素用赤外線分析計は,一酸化炭素による試料セルと参照セルとの間の赤外線吸収量の差
を,検出器によって電気信号として取り出し,直線化回路及び積分回路によって酸素量に対応する
値に変換し,積算計に表示する。
b) 二酸化炭素用赤外線分析計を用いる装置(図6)。
a : ヘリウムボンベ b : 電気炉付き脱酸素管 c : 二酸化炭素吸収管
d : 脱水管 e : インパルス炉 f : 収じん管
g : 電気炉付き h : 赤外線分析計
図6−酸素定量装置概念図 不活性ガス融解−二酸化炭素赤外線吸収法
――――― [JIS R 1603 pdf 19] ―――――
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1) 不活性ガス清浄部 a) 1)と同じ。
2) ガス抽出部 a) 2)と同じ。
3) ガス転換部 収じん管(グラスウール),電気炉付き酸化管(酸化銅)などで構成する。
4) ガス測定部 二酸化炭素用赤外線分析計,その他で構成する。
二酸化炭素用赤外線分析計は,二酸化炭素による吸収量を測定するほかはa) 4)と同じ。
10.2.4 試料のはかりとり量
試料のはかりとり量は,0.020.04 gとする。
10.2.5 操作
8.3.5に準じて積算値を読み取る。
10.2.6 空試験
8.3.6に準じて積算値を読み取る。
10.2.7 検量係数の算出
酸化イットリウム0.010 g又は酸素含有率既知の試料(検量用試料)0.030 gを用いて8.3.5のc)及びd)
の操作を行う。この操作を35回繰り返し,得た値を平均し,次の式によって検量係数を算出する。
a) 酸化イットリウムを用いる場合
G .02126
K
A1 A2
ここに, K : 検量係数(g/積算値)
G : 酸化イットリウムのはかりとり量 (g)
A1 : 酸化イットリウムの積算値
A2 : 10.2.6の積算値
b) 検量用試料を用いる場合
G P/ 100
K
A1 A2
ここに, K : 検量係数(g/積算値)
G : 検量用試料のはかりとり量 (g)
P : 検量用試料の酸素含有率[%(質量分率)]
A1 : 検量用試料の積算値
A2 : 10.2.6の積算値
10.2.8 計算
試料中の酸素含有率を,次の式によって算出する18)。
A1 A2 K
O 100
m
ここに, O : 酸素含有率[%(質量分率)]
A1 : 10.2.5の積算値
A2 : 10.2.6の積算値
K : 検量係数(g/積算値)
m : 試料のはかりとり量 (g)
注18) 市販の装置は,空試験値,検量係数などを自動的に記憶し,試料のはかりとり量を登録してお
くと,酸素含有率を表示する。
11 炭素の定量方法
11.1 定量方法の区分
――――― [JIS R 1603 pdf 20] ―――――
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JIS R 1603:2007の国際規格 ICS 分類一覧
- 81 : ガラス及びセラミック工業 > 81.060 : セラミックス > 81.060.10 : セラミック原材料
JIS R 1603:2007の関連規格と引用規格一覧
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- 化学分析方法通則
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