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炭素の定量方法は,次のいずれかによる。
a) 燃焼(抵抗加熱)−赤外線吸収法 : この方法は,炭素含有率0.01 %(質量分率)以上,6 %(質量分
率)以下に適用する。
b) 燃焼(高周波加熱)−赤外線吸収法(又は熱伝導度法) : この方法は,炭素含有率0.01 %(質量分率)
以上,6 %(質量分率)以下に適用する。
11.2 燃焼(抵抗加熱)-赤外線吸収法
11.2.1 要旨
試料を助燃剤とともに酸素気流中で抵抗加熱によって燃焼させ,生成した二酸化炭素(及び一酸化炭素)
を,酸素とともに赤外線分析計に送り,赤外線吸収量の変化を測定する。
11.2.2 材料及び試薬
材料及び試薬は,次による。
a) 酸素 99.9 %(体積分率)以上
b) 助燃剤 すず,切粉状。
c) 燃焼ボート 一般に,化学分析用磁器燃焼ボートCB 1,13.5×10×80 mmを用いる。あらかじめ
1 350 ℃で空焼きしておく。
d) 炭酸カルシウム 99.9 %(質量分率)以上。500550 ℃で2時間加熱し,デシケーター中で放冷す
る。
11.2.3 装置
装置は,炭素定量装置を用いる。装置は,酸素清浄部,試料燃焼部,燃焼ガス精製部,ガス測定部など
で構成する。その概念図を図7に示す。
a : 酸素ボンベ b : 電気炉付き酸化管 c : 二酸化炭素吸収管
d : 脱水管 e : 燃焼管 f : 収じん管
g : 二酸化硫黄吸収管 h : 赤外線分析計
図7−炭素定量装置概念図 燃焼(抵抗加熱)−赤外線吸収法
a) 酸素清浄部 電気炉付き酸化管(酸化銅),二酸化炭素吸収管(ガス分析用水酸化ナトリウム粒),脱
水管(乾燥用過塩素酸マグネシウム)などで構成する19)。
b) 試料燃焼部 管状電気抵抗炉,磁器燃焼管などで構成する。
管状電気抵抗炉は,燃焼管の中央部150 mm以上を1 350 ℃に保持できるものとする。
c) 燃焼ガス精製部 収じん管(グラスウール),二酸化硫黄吸収管(二酸化マンガン),電気炉付き酸化
管(酸化銅),脱水管(乾燥用過塩素酸マグネシウム)などで構成する20)。
d) ガス測定部 二酸化炭素用赤外線分析計,その他で構成する。
二酸化炭素用赤外線分析計は,二酸化炭素による試料セルと参照セルとの間の赤外線吸収量の差を
検出器によって電気信号として取り出し,直線化回路及び積分回路によって炭素量に対応する値に変
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換し,積算計に表示する21)。
注19) 酸素清浄部のない装置もある。
注20) 二酸化硫黄吸収管及び酸化管のない装置もある。
注21) 二酸化炭素及び一酸化炭素による赤外線吸収量を別々に測定し,両者を炭素量に換算して合
算する装置もある。
11.2.4 試料のはかりとり量
試料のはかりとり量は,0.50 gとする。
11.2.5 操作
定量操作は,次の手順によって行う。
a) 装置の電源を入れ,燃焼管を1 350 ℃に昇温させ,ガス測定部が安定するのを待つ。酸素を所定の圧
力,流量で流し,気密試験を行う。気密試験,その他の細かな操作手順は,装置の取扱説明書の指示
に従う。
b) 試料を燃焼ボートにはかりとって一様に広げ,その上をすず2 gで一様に覆うか,試料とすずとを混
合して一様に広げるか,試料をすずl gずつの間に挟むように(サンドイッチ形)に広げる。
c) 燃焼管の入口の栓を開き,試料及び助燃剤を入れたボートを燃焼管の中央部まで挿入し,直ちに気密
に栓をして酸素を流す。所定時間後に積算値を読み取る。
11.2.6 空試験
試料を用いないで11.2.5の操作を行う。
11.2.7 検量係数の算出
炭酸カルシウム0.250 g又は全炭素含有率既知の試料(検量用試料)0.500 gを用いて11.2.5の操作を行
い,次の式によって検量係数を算出する。ただし,炭酸カルシウムを用いる場合には,すずは加えなくて
もよい。検量用試料としては,燃焼に要する時間が測定対象試料と大きく異ならないものを用いる。
a) 炭酸カルシウムを用いる場合
G .01200
K
A1 A2
ここに, K : 検量係数(g/積算値)
G : 炭酸カルシウムのはかりとり量(g)
A1 : 炭酸カルシウムの積算値
A2 : 11.2.6の積算値
b) 検量用試料を用いる場合
G P/ 100
K
A1 A2
ここに, K : 検量係数(g/積算値)
G : 検量用試料のはかりとり量 (g)
P : 検量用試料の全炭素含有率[%(質量分率)]
A1 : 検量用試料積算値
A2 : 11.2.6の積算値
11.2.8 計算
試料中の炭素含有率を,次の式によって算出する22)。
(A A1 ) K
C 100
m
ここに, C : 炭素含有率[%(質量分率)]
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A : 11.2.5 c)の積算値
A1 : 11.2.6の積算値
K : 検量係数(g/積算値)
m : 試料のはかりとり量 (g)
注22) 市販の装置は,空試験値,検量係数などを自動的に記憶し,試料のはかりとり量を登録してお
くと,炭素含有率を表示する。
11.3 燃焼(高周波加熱)-赤外線吸収法(又は熱伝導度法)
11.3.1 要旨
試料を助燃剤とともに高周波加熱によって燃焼させ,生成した二酸化炭素を酸素とともに捕集管に送り,
二酸化炭素を吸着させる23)。次に捕集管を加熱して二酸化炭素を脱着させ,酸素とともに赤外線分析計に
送り,赤外線吸収量の変化を測定する24)。
注23) 捕集管に吸着させず直接赤外線分析計に送り,赤外線吸収量の変化を測定する装置もある。
24) 熱伝導度法の装置では脱着させた二酸化炭素を酸素とともに熱伝導度分析計に送り,熱伝導度
の変化を測定する。
11.3.2 材料及び試薬
材料及び試薬は,次による。
a) 酸素 11.2.2 a)と同じ。
b) 助燃剤 銅,鉄又はタングステン。切粉状。
c) 燃焼るつぼ及び受台 通常,高周波るつぼFC 2 26 mm及び受台FCB 1を用いる。
11.3.3 装置
装置は,炭素定量装置を用いる。酸素清浄部,試料燃焼部,燃焼ガス精製部,ガス測定部などで構成す
る。装置の概念図を図8に示す。
a : 酸素ボンベ b : 電気炉付き酸化管 c : 二酸化炭素吸収管
d : 脱水管 e : 燃焼管 f : 収じん管
g : 二酸化硫黄吸収管 h : 流路変換器 i : 二酸化炭素捕集管
j : 赤外線分析計
図8−炭素定量装置概念図 燃焼(高周波加熱)−赤外線吸収法
a) 酸素清浄部 11.2.3 a)と同じ。
b) 試料燃焼部 高周波加熱炉,高周波発信器などで構成する。
高周波加熱炉は,加熱コイル,石英ガラス燃焼管などで構成する。
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燃焼るつぼは,燃焼管内の受台の上に置き,支持棒によってコイルの中央部に保持する。
c) 燃焼ガス精製部 11.2.3 c)と同じ。
d) ガス測定部 流路変換器,二酸化炭素捕集管(合成ゼオライト),赤外線分析計(又は熱伝導度分析計)
などで構成する。
流路変換器は,二酸化炭素の捕集時と放出時とで,酸素流路に切り換える。
二酸化炭素捕集管は,恒温槽に入れ,捕集時には50 ℃以下に,放出時には300 ℃に保持できる。
赤外線分析計は,試料セルと参照セルとの間の二酸化炭素による赤外線吸収量の差を検出器によっ
て電気信号として取り出し,直線化回路及び積分回路によって炭素量に対応する値に変換し,積算計
に表示する。熱伝導度分析計を用いる装置においては,二酸化炭素による試料セルと参照セルとの間
の電気抵抗の差を検出回路によって取り出し,直線化回路及び積分回路によって炭素量に対応する値
に変換し,積算計に表示する。
11.3.4 試料のはかりとり量
試料のはかりとり量は,0.50 gとする。
11.3.5 操作
定量操作は,次の手順によって行う。
a) 装置の電源を入れ,各部を所定の条件に設定する。各部が安定するのを待ち,気密試験を行う。気密
試験,その他の細かな操作手順は,装置の取扱説明書の指示に従う。
b) 試料を燃焼るつぼにはかりとり,その上に銅1 g及び鉄1 gを加えるか,又は銅1 g及びタングステン
1 gを加える。燃焼るつぼを受台の上に置き,支持棒を用いて所定の位置に保持し,酸素を所定の圧力
及び流量で流す。高周波炉を所定の時間作動させ,燃焼ガスを酸素とともに捕集管に送り25),二酸化
炭素を捕集管に吸着させる。
c) 酸素流路を切り換え25),捕集管を所定時間加熱して二酸化炭素を放出させ,酸素とともに赤外線分析
計(又は熱伝導度分析計)に送り,積算値を読み取る。
注25) 市販の装置は,タイマーの設定によって,これらの操作を自動的に行う。
11.3.6 空試験
11.2.6に準じる。
11.3.7 検量係数の算出
11.2.7に準じる。
11.3.8 計算
11.2.8に準じる。
12 ふっ素の定量方法
12.1 定量方法の区分
ふっ素の定量方法は,次のいずれかによる。
a) 熱加水分解分離−イオンクロマトグラフ法 : この方法は,ふっ素含有率0.001 %(質量分率)以上,
0.2 %(質量分率)以下に適用する。
b) 熱加水分解分離−吸光光度法 : この方法は,ふっ素含有率0.003 %(質量分率)以上,0.025 %(質
量分率)以下に適用する。
12.2 熱加水分解分離-イオンクロマトグラフ法
12.2.1 要旨
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試料を酸素及び水蒸気気流中で加熱分解し,試料中のふっ素をアルカリ溶液に捕集して試料溶液を調製
する。次いで,イオンクロマトグラフを用いて,ふっ化物イオンを測定する。
12.2.2 試薬
試薬は,次によるほかは,7.2.2に準じる。また,標準液は,市販の計量標準供給制度(JCSS)適合品又は
同等品とし,国際単位系(SI)にトレーサブルなものを使用する。
a) 水 7.2.2 a)による。
b) 水酸化ナトリウム溶液 (0.1 g/L)
c) ふっ化物イオン標準液 (1.0 mg F−/mL)
d) ふっ化物イオン標準溶液 (0.1 mg F−/mL) 使用の都度,c)の10 mLを全量ピペットを用いて100 mL
ガラス製全量フラスコに採取し,水で標線まで薄め,振り混ぜて調製する。
e) 溶離液 イオンクロマトグラフ及び分離カラムの取扱説明書を参照して,適切なものを用いる。
12.2.3 装置及び器具
装置及び器具は,次による。
a) 熱加水分解装置 管状炉,反応管,水蒸気発生器,受器などで構成する。熱加水分解装置の一例を図
9に示す。
図9−熱加水分解装置例
1) 管状炉 1 0001 200 ℃に加熱調節できるもので,加熱部の長さ300 mm程度のもの。
2) 反応管 石英製又はムライト製(一例として,外径30×内径24×長さ600 mm)で,放出管と一体
化したもの,又は放出管とすり合わせジョイントによって結合することができるもの26)。
3) 水蒸気発生器 1 L程度の丸底フラスコに入れた水を90100 ℃に加熱して,酸素とともに水蒸気
を反応管に送入できるもので,温度計,温度調節装置,酸素用の流量調節器などを備えたもの。
4) 燃焼ボート 白金製,石英製又はムライト製(一例として,CB 5 16×12×80 mm)のいずれかを
――――― [JIS R 1603 pdf 25] ―――――
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JIS R 1603:2007の国際規格 ICS 分類一覧
- 81 : ガラス及びセラミック工業 > 81.060 : セラミックス > 81.060.10 : セラミック原材料
JIS R 1603:2007の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISK0050:2019
- 化学分析方法通則
- JISK0115:2004
- 吸光光度分析通則
- JISK0115:2020
- 吸光光度分析通則
- JISK0116:2014
- 発光分光分析通則
- JISK0127:2013
- イオンクロマトグラフィー通則
- JISK0557:1998
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- 試薬試験方法通則
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- 高純度試薬試験方法通則
- JISR6003:1998
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- 数値の丸め方