JIS R 9101:2018 せっこうの化学分析方法 | ページ 4

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は,JIS K 8001のJA.5による。
e) 0.01 mol/L EDTA標準溶液 12.2.2 h)で調製したもの。
13.2.3 試料はかりとり量
試料は,約1.0 gを0.1 mgまで正しくはかりとる。
13.2.4 操作
定量操作は,次の手順による。
a) 試料をビーカー(200 mL)にはかりとり,塩酸 (1+1) 20 mL及び水約100 mLを加え,数分間煮沸し
て可溶分を溶かした後,ろ紙(5種B)でろ過し3),温水で8回洗浄する。
b) 冷却した後,ろ液及び洗液を500 mLの全量フラスコに移し,水で標線までうすめる。この溶液を試
料溶液(B)とし,酸化カルシウム,酸化マグネシウム及び三酸化硫黄の定量に用いる。
c) 試料溶液(B)から25 mLを分取して,ビーカー(300 mL)に入れ,水を加えて約100 mLとする。
これに,トリエタノールアミン (1+1) 2 mLを加え,適量の水酸化カリウム溶液(200 g/L)を加えて
よくかき混ぜ,pHを12.713.2に調節し,23分間静置する。この溶液に,HSNN希釈粉末約0.1 g
を加え,0.01 mol/L EDTA標準溶液で滴定し,溶液の色が赤紫から赤みが全く消えて鮮明な青となった
点を終点とする。
なお,滴定の終点は,タングステンランプの光を透して見ると分かりやすい。また,マグネシウム
が共存するときは,一度青となっても,放置すると色が戻ることがある。このような場合は,最初に
青になったときを終点とする。
注3) 微粒子がろ紙から漏れるおそれがある場合には,少量の粉末ろ紙を加えて少し煮沸した後,
ろ過する。
13.2.5 計算
試料中の酸化カルシウムの含有率は,次の式によって算出する。
v f .0000 560 8 500
GC = 100
s 25
ここに, GC : 酸化カルシウムの含有率(%)
v : 0.01 mol/L EDTA標準溶液の使用量(mL)
f : 12.2.2 h)の0.01 mol/L EDTA標準溶液のファクター
s : 13.2.3ではかりとった試料の質量(g)

13.3 過マンガン酸カリウム滴定法

13.3.1 要旨
13.2.4 b)で保存した試料溶液(B)を用い,しゅう酸アンモニウムを加えてしゅう酸カルシウムを沈殿さ
せる。この沈殿をろ過した後,硫酸で溶かし,分離したしゅう酸を過マンガン酸カリウムで滴定する。
13.3.2 試薬
試薬は,次のものを用いる。
a) しゅう酸アンモニウム溶液(40 g/L)
b) 酢酸アンモニウム溶液(500 g/L)
c) 硫酸 (1+4)
d) 過マンガン酸カリウム標準溶液 過マンガン酸カリウム2.26 gを水に溶かして1 Lとし,フラスコに
入れて静かに一度煮沸した後,一夜暗所に放置し,ガラスろ過器G4(漏斗形又はブフナー漏斗形)で
ろ過して,褐色瓶に保存する。この溶液1 mLは,約0.002 gの酸化カルシウムに相当する。

――――― [JIS R 9101 pdf 16] ―――――

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この溶液は,次のようにして標定する。
JIS K 8005に規定するしゅう酸ナトリウムを150200 ℃に11.5時間保ち,硫酸デシケーター中
で放冷したものを用いる。このしゅう酸ナトリウム0.2 gを0.1 mgまで正しくはかりとり,ビーカー
(500 mL)に入れ,温水150 mLを加えて溶かし,硫酸 (1+4) 50 mLを加えて約70 ℃に加熱し,熱
いうちに過マンガン酸カリウム標準溶液で滴定し,溶液の微紅色が約10秒間消えなくなったときを終
点とする。次の式によって標準溶液1 mLの酸化カルシウム相当量を算出し,小数点以下5桁に丸め
る。
m .0418 5
E=
v
ここに, E : 過マンガン酸カリウム標準溶液1 mLの酸化カルシウム
相当量(g)
v : 過マンガン酸カリウム標準溶液の使用量(mL)
m : しゅう酸ナトリウムのはかりとった量(g)
13.3.3 操作
定量操作は,次の手順による。
a) 13.2.4 b)で保存した試料溶液(B)から100 mLを分取してビーカー(500 mL)に入れ,加熱後,しゅ
う酸アンモニウム温溶液(40 g/L)30 mLをかき混ぜながら少しずつ加える。続いて酢酸アンモニウ
ム温溶液(500 g/L)20 mLをかき混ぜながら加え,2分間煮沸した後,沈殿するのを待って直ちにろ
紙(6種)でろ過し,温水で8回洗浄する。
b) 沈殿をろ紙とともにビーカー(500 mL)に入れ,ろ紙を開いてビーカーの内側に密着させ,沈殿を洗
い落とす。これに温水約150 mL及び硫酸 (1+4) 50 mLを加え,約70 ℃に加熱して沈殿を溶かし,
熱いうちに過マンガン酸カリウム標準溶液で紅色になるまで滴定する。さらに,ビーカーに付着して
いるろ紙を落として滴定を続け,微紅色が10秒間消えなくなったときを終点とする。
13.3.4 計算
試料中の酸化カルシウムの含有率は,次の式によって算出する。
v E 500
GC = 100
s 100
ここに, GC : 酸化カルシウムの含有率(%)
v : 過マンガン酸カリウム標準溶液の使用量(mL)
E : 過マンガン酸カリウム標準溶液1mLの酸化カルシウム
相当量(g)
s : 13.2.3ではかりとった試料の質量(g)

14 酸化マグネシウムの定量方法

14.1 方法の区分

  酸化マグネシウムの定量は,次のいずれかの方法による。
a) 原子吸光分析法
b) CP発光分光分析法
c) DTA滴定法

14.2 原子吸光分析法

14.2.1 要旨
10.5 d)で保存した試料溶液(A)を用い,原子吸光分析装置によってマグネシウムの吸光度を測定し,

――――― [JIS R 9101 pdf 17] ―――――

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酸化マグネシウムの含有率を求める。
14.2.2 試薬
試薬は,次のものを用いる。
a) マトリックス溶液-III 12.4.2 e)で調製したマトリックス溶液-I及び12.4.2 f)で調製したマトリックス
溶液-IIを同量分取し,水で25倍にうすめる。
b) マグネシウム標準原液(1 000 mg/L)
14.2.3 装置
装置は,原子吸光分析装置を用いる。
14.2.4 操作
定量操作は,次の手順による。
10.5 d)で保存した試料溶液(A)の一部を分取し,水を加えて50倍にうすめ,その一部を原子吸光分析
装置のアセチレン・空気フレーム中に噴霧し,マグネシウム用光源ランプを用いて,波長285.2 nmにおけ
る吸光度を測定する。
14.2.5 検量線の作成
14.2.2 b)のマグネシウム標準原液(1 000 mg/L)を水で正しく1 000倍にうすめ,その050 mL(マグネ
シウムとして00.050 mg)を100 mLの全量フラスコに段階的にとり,水を加えて約50 mLとする。これ
に14.2.2 a)のマトリックス溶液-III 10 mLを加え,水で標線までうすめる。これらの標準溶液を原子吸光
分析装置のアセチレン・空気フレーム中に噴霧し,波長285.2 nmにおける吸光度を測定し,吸光度とマグ
ネシウム濃度との関係線を作成して検量線とする。
14.2.6 計算
14.2.5で作成した検量線を用い,14.2.4で測定した吸光度からマグネシウムの濃度を求め,次の式によっ
て試料中の酸化マグネシウムの含有率を算出する。
C 103 250 50
GM = 100 .1658 4
s 100
ここに, GM : 酸化マグネシウムの含有率(%)
C : 吸光度から求めたマグネシウムの濃度(mg/100 mL)
s : 10.4ではかりとった試料の質量(g)
1.658 4 : マグネシウムから酸化マグネシウムへの換算値

14.3 ICP発光分光分析法

14.3.1 要旨
10.5 d)で保存した試料溶液(A)を用い,ICP発光分光分析装置によってマグネシウムの発光強度を測定
し,酸化マグネシウムの含有率を求める。
14.3.2 試薬
試薬は,次のものを用いる。
a) マトリックス溶液-III 14.2.2 a)で調製した溶液。
b) マグネシウム標準原液(1 000 mg/L)
14.3.3 装置
装置は,JIS K 0116によるICP発光分光分析装置を用いる。
14.3.4 操作
定量操作は,次の手順による。

――――― [JIS R 9101 pdf 18] ―――――

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10.5 d)で保存した試料溶液(A)の一部を分取し,水を加えて50倍にうすめ,その一部をICP発光分光
分析装置の発光部に導入し,波長279.553 nmにおける発光強度を測定する。
14.3.5 検量線の作成
14.3.2 b)のマグネシウム標準原液(1 000 mg/L)を水で正しく1 000倍にうすめ,その050 mL(マグネ
シウムとして00.050 mg)を100 mLの全量フラスコに段階的にとり,水を加えて約50 mLとする。これ
に14.3.2 a)のマトリックス溶液-III 10 mLを加え,水で標線までうすめる。これらの標準溶液をICP発光
分光分析装置を用いて,波長279.553 nmで各々の溶液の発光強度を測定し,発光強度とマグネシウム濃度
との関係線を作成して検量線とする。
14.3.6 計算
14.3.5で作成した検量線を用い,14.3.4で測定した発光強度からマグネシウムの濃度を求め,次の式によ
って試料中の酸化マグネシウムの含有率を算出する。
C 103 250 50
GM = 100 .1658 4
s 100
ここに, GM : 酸化マグネシウムの含有率(%)
C : 発光強度から求めたマグネシウムの濃度(mg/100 mL)
s : 10.4ではかりとった試料の質量(g)
1.658 4 : マグネシウムから酸化マグネシウムへの換算値

14.4 EDTA滴定法

14.4.1 要旨
13.2.4 b)で保存した試料溶液(B)を用い,塩酸ヒドロキシルアミンを加えて鉄を還元し,トリエタノー
ルアミン及び硫化ナトリウムを加えて妨害イオンをマスキングした後,緩衝溶液を加えてpHを約10に調
節する。エリオクロムブラックT溶液を指示薬として,試料溶液中のカルシウムとマグネシウムとをEDTA
標準溶液で滴定する。この滴定量からカルシウム分として13.2.4 c)によるEDTA標準溶液の滴定量を差し
引いて,酸化マグネシウムの含有率を求める。
14.4.2 試薬
試薬は,次のものを用いる。
a) 緩衝溶液(pH10) 12.2.2 f)で調製したもの。
b) 塩酸ヒドロキシルアミン溶液(50 g/L)
c) エリオクロムブラックT溶液 12.2.2 e)で調製したもの。
d) トリエタノールアミン (1+1)
e) 硫化ナトリウム溶液 硫化ナトリウム九水和物10 gを水に溶かして100 mLとする。使用の都度調製
するのが望ましい。
f) 0.01 mol/L EDTA標準溶液 12.2.2 h)で調製したもの。
14.4.3 操作
定量操作は,次の手順による。
a) 13.2.4 b)で保存した試料溶液(B)から25 mLを分取してビーカー(300 mL)に入れ,水を加えて,
約100 mLとする。
塩酸ヒドロキシルアミン溶液(50 g/L)5 mL,トリエタノールアミン (1+1) 2 mL及び硫化ナトリ
ウム溶液1 mLを加え,次に緩衝溶液(pH10)を加えてpHを9.810.2に調節する。
b) エリオクロムブラックT溶液2,3滴を加え,0.01 mol/L EDTA標準溶液で滴定し,溶液の色が赤紫か

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ら赤みが全く消えて鮮明な青となった点を終点とする。
14.4.4 計算
試料中の酸化マグネシウムの含有率は,次の式によって算出する。
GM v2 v1 f .0000 4031 500
= 100
s 25
ここに, GM : 酸化マグネシウムの含有率(%)
v1 : 13.2.4 c)の0.01 mol/L EDTA標準溶液の使用量(mL)
v2 : 14.4.3 b)の0.01 mol/L EDTA標準溶液の使用量(mL)
f : 12.2.2 h)の0.01 mol/L EDTA標準溶液のファクター
s : 13.2.3ではかりとった試料の質量(g)

15 三酸化硫黄の定量方法

15.1 方法の区分

  三酸化硫黄の定量は,質量法による。

15.2 要旨

  13.2.4 b)で保存した試料溶液(B)を用い,塩化バリウム溶液を加えて,硫酸バリウムを沈殿させる。沈
殿はろ過し,加熱して質量をはかる。
試料に亜硫酸カルシウムを含有する場合には,試料を別途にはかりとり,亜硫酸カルシウム分を過酸化
水素で酸化した後,これを試料溶液として,全三酸化硫黄を求め,16.6で得られる二酸化硫黄の量を差し
引いて求める。

15.3 試薬

  試薬は,次のものを用いる。
a) 塩化バリウム溶液(50 g/L) 塩化バリウム二水和物60 gを水に溶かして1 Lとする。
b) 過酸化水素水 (1+9) 過酸化水素水(30 %)を水でうすめる。
c) 緩衝溶液(pH4) 酢酸ナトリウム75 gを酢酸 (1+2) 500 mLに溶かす。
d) 塩酸 (1+1)

15.4 試料はかりとり量

  試料に亜硫酸カルシウムを含有する場合には,試料0.2 gを0.1 mgまで正しくはかりとる。

15.5 操作

15.5.1 試料に亜硫酸カルシウムを含有しない場合
操作は,次の手順による。
a) 13.2.4 b)で保存した試料溶液(B)から200 mLをビーカー(500 mL)に分取し,水を加えて全量を約
300 mLとする。
b) 加熱して煮沸しながら塩化バリウム温溶液(50 g/L)25 mLを少しずつ約10分間かけて滴下し,沈殿
物が成長して溶液が清澄するまで煮沸を続ける。
c) これを煮沸に近い温度で約3時間静置する。この間,溶液の量がほぼ300 mLに保たれるように注意
し,必要ならば適宜温水を加える。
d) 沈殿をろ紙(6種,11 cm)でろ過し,温水で810回洗浄する。
e) 沈殿をろ紙とともに磁器るつぼに入れて乾燥し,緩やかに加熱して炎の出ないように注意しながらろ
紙を灰化し,800±50 ℃に調節した電気炉で30分間均熱保持し,冷却した後沈殿の質量をはかる。

――――― [JIS R 9101 pdf 20] ―――――

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