88
T 9203 : 2016
附属書JC
(規定)
電動車椅子諸元表
JC.1 電動車椅子諸元表
電動車椅子諸元表は,少なくとも表JC.1に示す項目を記載し,使用者及び介助者を含めた一般消費者に
とって分かりやすい内容とする。
表JC.1−電動車椅子の諸元a)
項目 内容
製造事業者の形式 製造する個々の電動車椅子を識別する目的で,ローマ字,数字などを組み合わ
せて表示する。
製品の呼び方 附属書JAによる電動車椅子の形式を記入。
寸法(全長×全幅×全高) 単位はmmとし,小数点第1位を四捨五入して記入。
質量(バッテリ含む。) 単位はkgとし,小数点第1位を四捨五入して記入。
駆動モータ(30分定格出力) 走行用モータの公称電圧,30分定格出力,1台分の個数を記入。
バッテリ バッテリの形式。電圧,5時間率容量及び1台分の個数を記入。
充電器 充電方法などを記入。
前輪 車輪サイズ,プライ数などを記入。
後輪 車輪サイズ,プライ数などを記入。
駆動方式 駆動方法などを記入。
制動方式 制動方法などを記入。
操だ(舵)方式 操だ(舵)方法などを記入。
制御方式 制御方法などを記入。
シート構造及び寸法 シートの構造,シート幅(W1),シート奥行き(L2)及びバックサポート高(H4)
の寸法を記入。
最高速度 前進 最高速度試験の試験法及び速度を記入。切替スイッチがある場合には,それぞ
れの最高速度を記入。
後進 最高速度試験の試験法及び速度を記入。切替スイッチがある場合には,それぞ
れの最高速度を記入。
実用登降坂角度 製造事業者推奨値を記入(箇条7でいう登坂性能とは異なる。)。
連続走行距離 連続走行距離測定試験の連続走行距離を記入。
最小回転半径 電動車椅子を停止せず360°旋回走行させたとき,電動車椅子構造物の最も外
側の軌跡が描く最も小さな半径を記入。
段差乗越高さ 段差乗越試験と同様の方法で,乗り越えられる最大の高さを記入。
溝乗越幅 溝踏破走行性試験と同様の方法で,溝を通常通行できる最大幅を記入。
使用者最大体重(積載物も利用可能な使用者最大体重を記入。
含む。)
注a) 数値の丸め方は,特に規定のない場合は,JIS Z 8401による。
――――― [JIS T 9203 pdf 91] ―――――
89
T 9203 : 2016
附属書JD
(参考)
ハザードリスト
JD.1 電動車椅子に関連して起こる可能性があるハザード及び関連する要因の例
電動車椅子に関連して起こる可能性があるハザード及び関連する要因に関しては,JIS T 14971のハザー
ドリストを参考に,そのリストを示す。ただし,全てを網羅しているわけではなく,ハザードを特定する
手助けとなるものである。
JD.1.1 エネルギーのハザード及び関連する要因
次を含む。
a) 電気
b) 機械的な力
c) 電離放射線
d) 非電離放射線
e) 可動部分(手足及び指の挟み込み)
f) 意図しない動き
g) 懸垂物体
h) 人を支える装置の故障
JD.1.2 生物学的ハザード及び関連する要因
次を含む。
a) 生物的汚染
b) 非生体適合性
c) 不適切な化合物(化学組成)
d) アレルギー誘発性
e) 衛生上の安全を維持できない
JD.1.3 環境的なハザード及び関連する要因
次を含む。
a) 電磁場
b) 電磁干渉の感受性
c) 電磁干渉のエミッション
d) 電力の不適切な供給
e) 指定された環境条件外での保管又は操作
f) 併用を意図した他の機器との不適合性
g) 偶発的な機械的損害
h) 廃棄物及び/又は福祉用具の廃棄による汚染
JD.1.4 エネルギー及び物体の不正出力によるハザード
次を含む。
a) 電気
b) 圧力
――――― [JIS T 9203 pdf 92] ―――――
90
T 9203 : 2016
JD.1.5 福祉用具の使用に関連するハザード及び関連する要因
次を含む。
a) 不適切なラベリング
b) 不適切な操作説明,例えば,
1) 使用前点検の不適切な仕様
2) 複雑すぎる操作説明
3) サービス及び保守の不適切な仕様
c) 合理的に予見できる誤使用
d) 消耗品,附属品,その他の福祉用具との不適合性
e) 鋭い角又は先端
f) 介助者,子供などが手足及び指を挟み込む機構の存在
JD.1.6 不適切,不十分又は複雑すぎるユーザインタフェース(マン−マシンコミュニケーション)
次を含む。
a) うっかりミス,過失及び誤り(精神的又は肉体的)
b) 複雑な又は混乱する制御システム
c) 曖昧又は不明瞭な福祉用具の状態
d) 設定,測定又はその他情報の曖昧若しくは不明瞭な表示
e) 不十分な視認性,可聴性,感触性
f) 動作に対する制御器,又は実際の状態に対する表示情報の分かりにくい配置
g) 既存の装置と比べ問題を引き起こしやすいモード又は配置
JD.1.7 機械的故障,保守及び老朽化によってもたらされるハザード及び関連する要因
次を含む。
a) 保守後の機能点検を含めた保守仕様の欠如又は不適切さ
b) 不適切な保守
c) 福祉用具の寿命が適切に決められていない
d) 電気的及び/又は機械的な完全性の喪失
e) 不適切なこん包(汚染及び/又は劣化)
f) 反復使用による機能の劣化
参考文献 JIS K 6253-3 加硫ゴム及び熱可塑性ゴム−硬さの求め方−第3部 : デュロメータ硬さ
JIS T 9201 手動車椅子
JIS T 9208 ハンドル形電動車椅子
JIS T 14971 医療機器−リスクマネジメントの医療機器への適用
――――― [JIS T 9203 pdf 93] ―――――
91
T 9203 : 2016
附属書JE
(参考)
JISと対応国際規格との対比表
JIS T 9203:2016 電動車椅子 対応国際規格の番号及び英文名称は,この表の注記3による。
(I) JISの規定 (II) (III)国際規格の規定 (V) JISと国際規格との技術的差
(IV) JISと国際規格との技術的差異の箇条ごと
国際規 の評価及びその内容 異の理由及び今後の対策
格番号
箇条番号 内容 箇条 内容 箇条ごと 技術的差異の内容
及び題名 番号 の評価
1 適用範囲 座位変換形含む製 ISO 一部を除き試験方法を 追加 JISは要求性能を含む製品規格とし製品規格はISOにないのでJISを
品規格 7176 規定。 た。 制定した。試験方法は可能な限り
ISO規格に準拠する。
3 用語及び 座位変換関係を中 ISO 用語及び定義 追加 座位変換の機構関係を追加した。 現在ISOへ提案中
定義 心に追加 7176-26
4 種類及び 速度による区分を − − − 追加 実質的に差異はない。
記号 した。
5 各部の名 標準形及び簡易形 ISO 変更 図を用いて説明した。 差異はない。
称 7176-26
6 リスクマ リスクマネジメン − − − 追加 JISは,この規格の中で品質管理と安全確保の必要上,規定。
ネジメント トによる設計を規 そのリスクの軽減を目指す。
による設計 定。
7 性能 要求性能を規定 − − − 追加 製品JISとするため要求値を規定 JISマーク貼付に必要
した。
8 構造 身体支持部,駆動部− − − 追加 製品JISとするため要求値を規定 JISマーク貼付に必要
8.18.3 及び制御部の構造 した。
について規定。
8.5 ブレーキ ISO 8.12.1 ブレーキの性能 変更 ISO規格は単一故障状態を規定。 実質的に差異はない。
7176-14
T9
8.6,8.7 ねじ,附属品 − − − 追加 ISO規格が規定しない充電器の構 安全確保の必要上,規定。
20
造を規定。
3 : 2
8.8.1 バッテリ ISO 6.2 電圧を規定 変更 JISは製造事業者の指定品とし,短実質的に差異はない。
0
8.8.7 7176-14 14.1.3 絡保護装置の位置を規定した。
16
6
――――― [JIS T 9203 pdf 94] ―――――
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T 9203 : 2016
T9
6
(I) JISの規定 (II) (III)国際規格の規定 (V) JISと国際規格との技術的差
(IV) JISと国際規格との技術的差異の箇条ごと
2
国際規 の評価及びその内容 異の理由及び今後の対策
03
格番号
: 2
箇条番号 内容 箇条 内容 箇条ごと 技術的差異の内容
0
及び題名 番号 の評価
16
8.8.10 充電器の構造を規 − − − 追加 ISO規格が規定しない充電器の構 安全確保の必要上,規定。
8.8.15 定 造を規定。
9 寸法及び 測定箇所及び主要 ISO 4 用語及び定義 追加 JISは,ISO規格が定義する寸法の JISは,設計及びカタログ上で必
角度 寸法最大値を規定 7176-26 要となる寸法項目に限定して値を
うち,全長,全幅及び全高の値を規
定。 規定。ISO規格は寸法の測定方法
を規定している。
10 外観 外装の状態を規定 − − − 追加 − 安全確保の必要上,規定。
11 試験条 a) 特に指定のない ISO 6.3 温度は,20±5 ℃で実 変更 − JISは,試験室の温度を必要最小
件 限り,温度は,20±7176-14 施。 限に緩和した。
15 ℃で実施。
d) 充電量 − − − 追加 JISは電池の充電量及びタイヤの空実質的に差異はない。
e) タイヤの空気圧 気圧を規定した。
f) 調節機能のある ISO 6.2.3 追加
シート角度,バックサポ セットアップ基準としてISO規格 JISは安全確保に必要なため,追
ものの標準状態 7176-22 変更
ート角度,及びシート角 は体重区分によってレベル区分を 加。
度を規定。 行っているが,JISは単一レベルを
使用。
g) 予備走行 − − − 追加 JISは必要に応じ予備走行を実施。 実質的に差異はない。
12.1.1 最高10 mの同一測定区 ISO 6 変更
1.5 kmの予備走行後,平 JISは平たん路の試験とした。 道路交通法の規定の趣旨に合わせ
速度試験 間を2往復し,平均 7176-6 たん路,3°及び6°の た試験とした。
所要時間から最高 斜面において5分以内
速度を求める。 に最高速度を3回測定
し,平均値を求める。
12.1.2 登坂性能試験 − − − 追加 − 安全確保の必要上,規定。
12.1.3 降坂性能試験 − − − 追加 − 安全確保の必要上,規定。
12.1.4 制動性能試験 ISO 7.3 緊急ブレーキなどの試 変更 JISは正常操作の自動ブレーキだけ安全確保の必要上,規定。
7176-3 験を規定。 の試験を採用。
12.1.5 傾斜停止力試験 − − − 追加 − 安全確保の必要上,規定。
12.1.6 静的安定性試験 ISO 11 変更
転倒防止装置について, JISは転倒防止装置を装備した状態安全上実質的に差異はない。
7176-1 静的安定性試験を規定。 で試験。座位変換を追加。
12.1.8 溝踏破走行性試験 − − − 追加 − 安全確保の必要上,規定。
――――― [JIS T 9203 pdf 95] ―――――
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JIS T 9203:2016の引用国際規格 ISO 一覧
- ISO 7176-10:2008(MOD)
- ISO 7176-11:2012(MOD)
- ISO 7176-13:1989(MOD)
- ISO 7176-14:2008(MOD)
- ISO 7176-15:1996(MOD)
- ISO 7176-1:2014(MOD)
- ISO 7176-22:2014(MOD)
- ISO 7176-26:2007(MOD)
- ISO 7176-2:2001(MOD)
- ISO 7176-3:2012(MOD)
- ISO 7176-4:2008(MOD)
- ISO 7176-6:2001(MOD)
- ISO 7176-8:2014(MOD)
JIS T 9203:2016の国際規格 ICS 分類一覧
- 11 : 医療技術 > 11.180 : 心身障害者用の介護用具 > 11.180.10 : 移動用介護用具
JIS T 9203:2016の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISB0205-1:2001
- 一般用メートルねじ―第1部:基準山形
- JISB0205-2:2001
- 一般用メートルねじ―第2部:全体系
- JISB0205-3:2001
- 一般用メートルねじ―第3部:ねじ部品用に選択したサイズ
- JISB0205-4:2001
- 一般用メートルねじ―第4部:基準寸法
- JISB0209-1:2001
- 一般用メートルねじ―公差―第1部:原則及び基礎データ
- JISB0209-2:2001
- 一般用メートルねじ―公差―第2部:一般用おねじ及びめねじの許容限界寸法―中(はめあい区分)
- JISB0209-3:2001
- 一般用メートルねじ―公差―第3部:構造体用ねじの寸法許容差
- JISB0209-4:2001
- 一般用メートルねじ―公差―第4部:めっき後に公差位置H又はGにねじ立てをしためねじと組み合わせる溶融亜鉛めっき付きおねじの許容限界寸法
- JISB0209-5:2001
- 一般用メートルねじ―公差―第5部:めっき前に公差位置hの最大寸法をもつ溶融亜鉛めっき付きおねじと組み合わせるめねじの許容限界寸法
- JISC0920:2003
- 電気機械器具の外郭による保護等級(IPコード)
- JISD0203:1994
- 自動車部品の耐湿及び耐水試験方法
- JISD5500:1995
- 自動車用ランプ類
- JISD9452:2018
- 自転車―リフレックスリフレクタ
- JISK7222:2005
- 発泡プラスチック及びゴム―見掛け密度の求め方
- JIST0102:2011
- 福祉関連機器用語[支援機器部門]
- JISZ8401:2019
- 数値の丸め方
- JISZ9117:2011
- 再帰性反射材