JIS Z 2801:2010 抗菌加工製品―抗菌性試験方法・抗菌効果 | ページ 2

4
Z 2801 : 2010
綿栓 青梅綿を使用したもの,又はシリコン栓,金属栓,モルトン栓など。
白金耳 先端のループが約4 mmのもの。
乾熱殺菌器 温度を160180 ℃に保てるもの。
オートクレーブ 温度121 ℃(圧力103 kPa相当)に保てるもの。
安全キャビネット JIS K 3800又は同等の性能をもつもの。
pH計 JIS Z 8802に規定するpH計
化学はかり JIS K 0050に規定する化学はかり又は同等の性能をもつもの。
クリーンベンチ 微生物試験用のもの。
メスピペット JIS K 0970若しくはJIS R 3505のクラスAに適合又は同等の精度をも
つもの。
培養器 温度±1 ℃に保てるもの。
シャーレ 内径約90 mmのガラス製,又はJIS K 0950に規定する90A号若しく
は90B号に適合するもの。
ストマッカー袋 微生物試験用のもの。
ストマッカー 微生物試験用のもの。
フィルム ポリエチレンフィルムなど微生物の発育に影響を及ぼさず,吸水性が
なく密着性のよい材質を使用する。厚さは特に規定しない。

5.3 殺菌方法

  試験管,メスピペットなどのガラス製器具は,アルカリ又は中性洗剤で十分に洗浄し,水で十分すすい
で乾燥してから乾熱殺菌するか,高圧蒸気殺菌したものを用いる。その殺菌方法は,次のa) 又はb) によ
る。また,白金耳及び試験菅を火炎殺菌する場合は,次のc) による。
a) 乾熱殺菌 殺菌対象物を,乾熱殺菌器中で170 ℃の場合60分以上,160 ℃の場合120分以上の時間
で殺菌する。ただし,乾熱殺菌終了後,殺菌対象物の綿栓,包装紙などが水でぬれたときは,その器
具は用いてはならない。
b) 高圧蒸気殺菌 オートクレーブに水を入れ,金網の棚に殺菌対象物を金網かごに入れて載せる。オー
トクレーブのふたを締めて加熱し,温度121 ℃(圧力103 kPa相当)に1520分間保つ。加熱を止め,
100 ℃以下に自然冷却後,排気弁を開き蒸気を抜き去り,ふたを開け殺菌したものを取り出し,必要
に応じてクリーンベンチ又は安全キャビネット内で冷却する。オートクレーブは,培地,加工薬剤に
よる汚染を防ぎ,清浄に保つため,必要に応じ中性洗剤で洗浄し水で十分にすすぐ。
c) 火炎殺菌 殺菌対象物及び部位をガス又はアルコールの火炎に当てる。白金耳の場合は十分に赤熱し,
試験管の場合は,23秒間火炎に当てる。

5.4 培地など

  培地などは,次に示す組成のものを用いる。また,同一の組成のものであれば,市販品を用いることが
できる。
a) 普通ブイヨン培地[1/500普通ブイヨン培地(1/500 NB)] 精製水又はイオン交換水1 000 mLに対し
て化学はかりで計量した肉エキス3.0 g,ペプトン10.0 g及び塩化ナトリウム5.0 gを加え混合後,溶
解し普通ブイヨン培地を調製する。精製水で普通ブイヨン培地を500倍の量に希釈し,pH計を用い
pH 7.07.2(25 ℃)になるように水酸化ナトリウム溶液又は塩酸溶液で調整し,高圧蒸気殺菌する。
調製後,直ちに使用しないものは510 ℃の温度で保存する。調製後1週間以上過ぎた1/500 NBは
用いてはならない。

――――― [JIS Z 2801 pdf 6] ―――――

                                                                                              5
Z 2801 : 2010
b) 普通寒天培地 精製水又はイオン交換水1 000 mLに対して肉エキス5.0 g,ペプトン10.0 g,塩化ナト
リウム5.0 gを加え混合後,pH 7.07.2(25 ℃)になるように水酸化ナトリウム溶液又は塩酸溶液で
調整し,これに寒天粉末15.0 gを加え,加熱溶解した後,綿栓をして高圧蒸気殺菌する。調製後,直
ちに使用しないものは510 ℃の温度で保存する。調製後1か月以上過ぎた普通寒天培地は用いては
ならない。
c) 標準寒天培地 精製水又はイオン交換水1 000 mLに対して化学はかりで計量した酵母エキス2.5 g,
トリプトン5.0 g,グルコース1.0 g及び寒天粉末15.0 gを加え混合後,加熱溶解した後,pH計を用い
pH 7.07.2(25 ℃)になるように水酸化ナトリウム溶液又は塩酸溶液で調整し,これに寒天粉末15.0
gを加え高圧蒸気殺菌する。調製後,直ちに使用しないものは510 ℃の温度で保存する。調製後1
か月以上過ぎた標準寒天培地は用いてはならない。
d) 斜面培地 試験管にあらかじめ温めて溶解したb) の普通寒天培地を610 mL注ぎ,綿栓をして高圧
蒸気殺菌する。殺菌終了後,清浄な室内に試験管を水平面に対して約15度傾けて置き,内容物を凝固
させる。調製後,直ちに使用しないものは510 ℃の温度で保存する。凝結水がなくなったものは溶
解し,再び凝固させて使用する。調製後1か月以上過ぎた斜面培地は用いてはならない。
e) CDLP培地 精製水又はイオン交換水1 000 mLに対して化学はかりで計量したカゼイン製ペプトン
17.0 g,大豆製ペプトン3.0 g,塩化ナトリウム5.0 g,りん酸水素二カリウム2.5 g,グルコース2.5 g
及びレシチン1.0 gを加え,混合溶解した後,非イオン界面活性剤7.0 gを加えて溶解させる。pH計を
用いpH 6.87.2(25 ℃)になるように水酸化ナトリウム溶液又は塩酸溶液で調整し,高圧蒸気殺菌
する。調製後,直ちに使用しないものは510 ℃の温度で保存する。調製後1か月以上過ぎたSCDLP
培地は用いてはならない。
f) りん酸緩衝液 化学はかりで計量したりん酸二水素カリウム34.0 gに,精製水又はイオン交換水500
mLを加えて混合溶解した後,pH計を用いpH 6.87.2(25 ℃)になるように水酸化ナトリウム溶液
で調整する。さらに,精製水又はイオン交換水を加えて1 000 mLとし,高圧蒸気殺菌する。調製後1
か月以上過ぎたりん酸緩衝液は用いてはならない。
g) りん酸緩衝生理食塩水 f) のりん酸緩衝液を生理食塩水(0.85 %塩化ナトリウム溶液)で800倍に希
釈する。必要に応じて試験管又は三角フラスコに分注し,綿栓をして高圧蒸気殺菌する。調製後,直
ちに使用しないものは510 ℃の温度で保存する。調製後1か月以上過ぎたりん酸緩衝生理食塩水は
用いてはならない。

5.5 細菌の保存

  細菌の移植は,無菌的に行う。必要に応じて安全キャビネットを使用する。片手に元株と移植しようと
する5.4 d) の斜面培地(普通寒天培地)を,もう一方の手に白金耳の柄を持ってその手で綿栓を抜き取り,
試験管の口を火炎殺菌する。白金耳を火炎殺菌し,新しい斜面培地の凝結水のある部分に白金耳の先をつ
けて冷却し,これを用いて元株の菌体を一部かき取り,新しい斜面培地に画線塗抹する。
その方法は,図1のように,白金耳の先を凝結水につけて細菌を分散し,ここから斜面上方まで白金耳
で直線を引くか,又は白金耳の先を再び凝結水につけて蛇行させながら斜面上方まで線を引く。
再び試験管の口を火炎殺菌し,元のように綿栓する。使用した白金耳は火炎殺菌しておく。移植を行っ
た斜面培地を培養器中で温度35±1 ℃で2448時間培養し,その後は,温度510 ℃で保存する。移植
してから1か月以内に次の移植を同様に行い継代培養する。継代回数は,菌株保存機関から分譲された元
株から数えて5回を限度とする。また,移植して1か月以上過ぎたものは,次の移植に用いてはならない。
なお,菌株保存機関から分譲された菌株を,凍結乾燥,凍結などの長期間保存可能な方法で保存した場

――――― [JIS Z 2801 pdf 7] ―――――

6
Z 2801 : 2010
合は,保存菌株を作成するために元株から培養した継代回数を保存菌株の継代回数とする。この保存菌株
を試験に用いる場合は,5回から保存菌株の継代回数を引いた回数を使用限度とする。
図1−細菌の移植

5.6 試験操作

  細菌の取扱いは,無菌的に行うとともに試験実施者,器具及び作業環境の細菌汚染に注意する。必要に
応じて安全キャビネットを使用し,次による。
a) 試験菌の前培養 5.5の保存菌株から5.4 d) の斜面培地に1白金耳量移植し,培養器中で温度35±1 ℃
で1624時間培養する。さらに,この培養菌から新たな斜面培地に1白金耳量移植し,培養器中で温
度35±1 ℃で1620時間培養する。
b) 試験片の調製 試験片の調製は,次による。
1) 製品の平らな部分を50±2 mm角(厚さ10 mm以内)の正方形に切り取り,これを標準の大きさの
試験片とする。ただし,この正方形に切り取ることが困難又は不可能な場合,表面積4001 600 mm2
のフィルムをかぶせることが可能な試験片の形状及び大きさであれば,この形状及び大きさ以外の
試験片を使用してもよい。
2) 無加工試験片は,抗菌無加工製品又はフィルムから切り取ったものとし,無加工試験片6個のうち,
3個は試験菌液接種直後の生菌数測定用に,残りの3個は24時間培養後の生菌数測定に用いる。
3) 無加工試験片が準備できない場合は,5.2のフィルムを使用してもよい。試験片の調製に当たっては
微生物汚染,製品間の相互汚染及び汚れに十分注意する。試験片は,製品そのものから採取するこ
とが望ましいが,製品の形状から試験片の調製が困難な場合は,同じ原材料及び加工方法で別途平
板状に加工したものから試験片を調製してもよい。
4) 無加工試験片を所定枚数準備できない場合で,半数(3個)準備できる場合には,24時間培養後の
生菌数測定用として無加工試験片3個を使用し,試験菌液接種直後の生菌数測定用にはフィルムを
代用する。半数(3個)準備できない場合は,すべてフィルムを使用する。
c) 試験片の清浄化 b) の試験片の全面を,エタノールを吸収させた局方ガーゼ又は脱脂綿で軽く23
回ふいた後,十分に乾燥する。
これらの処理をすることによって,試験片の軟化,表面の塗装の溶解,成分の溶出などの変化が起
こり,これらが原因で試験結果に影響を及ぼすと判断される場合においては,他の適切な方法を用い
て清浄化するか,又は清浄化せずにそのまま試験に用いる。
d) 試験菌液の調製 a) で前培養した試験菌の菌体1白金耳量を,少量の5.4 a) の1/500 NBに均一に分
散させ,顕微鏡による直接観察又はその他の適切な方法によって菌数を推定する。この菌液を1/500
NBを用いて適宜希釈し,菌数が2.5×10510×105個/mLとなるように調整し,これを試験菌液とす

――――― [JIS Z 2801 pdf 8] ―――――

                                                                                              7
Z 2801 : 2010
る。試験菌液をすぐに使用しない場合は氷冷(0 ℃)保存し,保存後2時間以内に使用する。
e) 試験菌液の接種 試験菌液の接種は,次による。
1) ) の各試験片の試験面を上にして滅菌済シャーレ内に置く。ただし,試験面は抗菌加工が施されて
いる製品の表面とする。内部まで抗菌加工されている製品であっても,切断面は試験面としない。
2) ) の試験菌液をメスピペットで正確に0.4 mL採取し,これをシャーレ内の各試験片に滴下する。
標準の大きさ以外の試験片の接種菌液量は,被覆したフィルムの面積比で案分する。また,標準の
大きさの試験片であっても,規定に基づく菌液量を接種したとき,陶磁器,タイル,ほうろう,ガ
ラスなどのぬれ性が極めて良い試験片では,わずかな傾斜でフィルムが移動したり,フィルムの端
から菌液が漏れ出す場合がある。このような場合は,接種菌液の液量を規定量の1/4を限度に減じ
てもよい。ただし,試験片に接種する菌数は,接種菌液量を少なくした場合においても,6.2×103
2.5×104個/cm2とする。
3) 滴下した試験菌液の上にフィルムをかぶせ,菌液がフィルムの端からこぼれないように注意しなが
ら,試験菌液がフィルム全体に行きわたるように軽く押さえつけた後,シャーレのふたをする(図
2参照)。フィルムの大きさは,40±2 mm角の正方形を標準とする。試験片が標準の大きさ以外の
場合は,フィルムの四方の端が試験片より2.5 mm5.00 mm以内となるように大きさを調整する。
ただし,フィルムの大きさは400 mm2より小さくしてはならない。また,試験片の形状が平面でな
くてフィルムを密着させることが困難な場合,親水性があってフィルムを被覆しなくても菌液が試
験片全体に拡散する場合などにおいては,フィルムをかぶせる操作を省略することができる。フィ
ルムをかぶせる操作を省略した場合は,5.6 b) 1)において調製する試験片の大きさは40±2 mm角
(厚さ10 mm以内)を標準の大きさとする。
なお,試験菌液の接種に当たって,親水性が高い表面をもつ試料など,どうしても試験菌液がフ
ィルムの端から漏れてしまう場合は,菌液量を0.1 mLを限度として減量して接種する。この場合に
は,通常量の接種菌液を適用する場合又は同数の細菌個数を提供するために菌液中の細菌数の濃度
を高める。

――――― [JIS Z 2801 pdf 9] ―――――

8
Z 2801 : 2010
単位 mm
図2−試験片への菌液の滴下及びフィルムの被覆
f) 試験菌液を接種した試験片の培養 試験菌液を接種した試験片(無加工試験片3個及び抗菌加工試験
片3個)の入ったシャーレを培養器中で温度35±1 ℃,相対湿度90 %以上で24±1時間培養する。
注記 製品の抗菌効果は,ここで規定する培養温度で試験して得られた抗菌活性値から判断される
が,すべての当事者が合意する場合は,抗菌加工製品が実際に使用される温度を考慮した温
度(室温など)も合わせて試験してもよい。
g) 接種した試験菌の洗い出し 接種した試験菌の洗い出しは,次による。
1) 試験菌液接種直後の試験片 試験菌液を接種した直後の無加工試験片3個について,被覆フィルム
及び試験片をそれぞれ菌液がこぼれないように注意しながらそれぞれ別のシャーレに置く。シャー
レ内に5.4 e) のSCDLP培地10 mLを加え,メスピペットで無加工試験片上の試験菌を最低4回洗
い出し菌液を完全に回収する。この洗い出し液は,速やかに生菌数測定に供する。
2) 培養後の試験片 f) の培養後の試験片について,1) と同様に試験菌を洗い出す。この洗い出し液は,
速やかに生菌数測定に供する。
3) 試験菌の洗い出しについては,被覆フィルム及び試験片をそれぞれ菌液がこぼれないように注意し
ながら滅菌したピンセットを用いて滅菌済ストマッカー袋内に入れ,これにメスピペットで5.4 e)
のSCDLP培地10 mLを加え,手又は微生物試験用の抽出装置(ストマッカーなど)で試験片及び
被覆フィルムを十分にもみ,試験菌を洗い出す方法も適用できる。また,これらの方法と同等又は
それ以上の回収率が認められる方法であれば他の方法を用いてもよい。試験片の大きさ及び特性上
SCDLP培地10 mLで洗い出しが困難な場合は,液量を増やしてもよい。

――――― [JIS Z 2801 pdf 10] ―――――

次のページ PDF 11

JIS Z 2801:2010の引用国際規格 ISO 一覧

  • ISO 22196:2007(MOD)

JIS Z 2801:2010の国際規格 ICS 分類一覧

JIS Z 2801:2010の関連規格と引用規格一覧