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6.3 デジタル画像における溶接継手の位置
デジタル画像において溶接継手が明確にならない場合,高密度材によるマーカ(例えば,鉛マーク)を
溶接継手近傍に置かなければならない。
6.4 デジタル画像の識別
デジタル撮影を行う溶接継手の各部分に,鉛マークを置かなければならない。これらの鉛マークの画像
は,デジタル画像において関心領域の外側に表示され,かつ,当該部分が明確に特定されなければならな
い。
6.5 マーキング
各デジタル画像の位置を正確に特定するために,溶接継手に容易に消失しないマーキング(例えば,基
準点,方向,識別及び位置)を施さなければならない。
材料の特性及びその使用条件の両方又は一方の理由によって,容易に消失しないマーキングが実施でき
ない場合,その場所を正確な略図又は写真で記録してもよい。
6.6 画像のオーバラップ
ある部分を二つ以上の別々の検出器(IP)を用いてデジタル撮影しなければならない場合,全ての関心
領域がデジタル撮影されるように,それらの検出器による撮影範囲は十分なオーバラップをもたせなけれ
ばならない。このオーバラップは,各デジタル画像において試験体表面の高密度材によるマーカ(例えば,
鉛マーク)によって確認しなければならない。デジタル画像が連続して撮影される場合,高密度材による
マーカは,各デジタル画像において確認されなければならない。
6.7 像質計及び透過度計の種類及び配置
像質は,JIS Z 2307に基づく像質計及びJIS Z 2306に基づく透過度計を使用して確認する。
附属書Cに記載した手順に従い,参照画像によってデジタル検出器システムのSRbを確認する。システ
ムのハードウェアが表B.13及び表B.14に指定された要求事項を満たしているかどうかを確認するために,
SRb又は複線形像質計のIQI値が決定されなければならない。この場合,複線形像質計は,デジタル検出器
の上に直接配置されなければならない。
製品のデジタル撮影への複線形像質計(JIS Z 2307)の使用は,必須ではない。製品のデジタル撮影に
おいて針金形透過度計に加えて複線形像質計を使用することは,契約当事者間の合意の一部であってもよ
い。製品のデジタル撮影に使用する場合,複線形像質計は,試験体の上に配置する。
デジタル画像(附属書C参照)において測定された基本空間分解能(SRb画像)は,透過厚さ(表B.13
又は表B.14)の関数として指定された最大値を超えてはならない。
単壁撮影の場合,透過厚さは,管の呼び厚さtとする。
二重壁両面撮影(図11又は図12)において,複線形像質計を管の線源側に配置する場合,表B.13及び
表B.14に示されるSRb画像の要求値の決定に用いる透過厚さは,外径Deを用いる。二重壁両面撮影の
SRb検出器の要求値は,表B.13及び表B.14に示される透過厚さとして管の呼び厚さtの2倍の値を用いて選
択した値とする。
幾何学的拡大率νが1.2を超えて幾何学的拡大撮影技法(7.7参照)を適用する場合,複線形像質計(JIS
Z 2307)は,全ての製品のデジタル撮影に使用する。
複線形像質計は,デジタル画像の水平方向又は垂直方向に対し数度(25°)傾けて配置しなければな
らない。
なお,SRbは大きい方の値とする。また,複線形像質計をデジタル画像の水平方向又は垂直方向に対し
て45°傾けて配置する場合は,複線形像質計のIQI値を,例えば,D11をD10とするように,一つ減少さ
――――― [JIS Z 3110 pdf 11] ―――――
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せる。
デジタル画像のコントラスト感度は,個々の用途に応じて,表B.1表B.12及び表B.15表B.18にお
いて規定されるIQI値を用いて確認する(JIS Z 2306参照)。
使用する針金形透過度計,有孔形透過度計又は有孔階段形透過度計は,試験体の線源側,溶接線近傍の
母材上における試験対象範囲の中心に配置する。透過度計は,試験体の表面に密着させ,その場所は,均
一な厚さの部分で,デジタル画像において均一なGVを示さなければならない。
使用する透過度計によって,次のa)及びb)を考慮する。
a) 針金形透過度計は,溶接線に対して垂直に置き,針金長の少なくとも10 mmは,通常,溶接線に隣接
する母材部で,均一なGV又はSNRNを示す領域に配置する。二重壁両面撮影(7.1.6及び7.1.7)の透
過度計は,配管軸に直交して配置し,針金像が溶接線の像と重ならないようにする。
b) 有孔形透過度計及び有孔階段形透過度計を使用する場合,識別されなければならない孔は,溶接線に
近接して配置する。
二重壁両面撮影(7.1.6及び7.1.7)では,透過度計を線源側に配置する。線源側に配置することができな
い場合は,透過度計を検出器側に配置してよいが,少なくとも1回は線源側に置いた透過度計と検出器側
に置いた透過度計とを同一条件で比較撮影して像質を決定しなければならない。フィルタを検出器の前で
使用する場合,透過度計はフィルタの前に配置する。
透過度計を検出器側に配置する二重壁撮影については,上記の試験は必要ない。ただし,この場合は,
透過度計を検出器側に置いた場合の対応表を参照する(表B.9表B.12及び表B.18)。
透過度計を検出器側に配置する場合は,鉛文字Fを透過度計の近くに配置し,試験報告書に記載する。
識別番号及び鉛文字Fを使用する場合には,幾何学的配置が実際的でない場合を除き,試験対象範囲内
にこれらを配置してはならない。
類似した溶接継手及び撮影個所について,同じ撮影条件及び処理技術で,像質に差異がない場合には,
デジタル画像ごとに像質を確認する必要はない。像質の確認の程度は,契約当事者間の合意の対象とする
のが望ましい。
直径200 mm以上の管に対して,線源を管の中心に置いて撮影を行う場合,少なくとも三つの透過度計
を周囲に等間隔に配置するのが望ましい。これらの透過度計の画像から円周溶接継手の全ての範囲の像質
を確認することができる。
6.8 最小のIQI値
金属材料の最小のIQI値は,表B.1表B.18による。
なお,金属材料の放射線の減弱が透過度計のそれと異なる場合には,IQI値の要求事項は,ISO 19232-4
に従って契約当事者間の合意によるとしてもよい。
192Ir又は75Seが使用される場合には,表B.1表B.12及び表B.15表B.18に記載されているものより
低いIQI値は,契約当事者間の合意に基づき次によってもよい。
二重壁両面撮影方法,クラスA及びBの両方(透過厚さwは,呼び厚さtの2倍とする。)
− wが10 mmを超え25 mm以下 192Irについては,識別できる最小の線径又は識別できる最小の孔径を
1ランク大きくする
− wが5 mmを超え12 mm以下 75Seについては,識別できる最小の線径又は識別できる最小の孔径を
1ランク大きくする
単壁撮影方法(内部線源撮影方法及び内部検出器撮影方法)及び二重壁片面撮影方法,クラスA :
− wが10 mmを超え24 mm以下 192Irについては,識別できる最小の線径又は識別できる最小の孔径を
――――― [JIS Z 3110 pdf 12] ―――――
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2ランク大きくする
− wが24 mmを超え30 mm以下 192Irについては,識別できる最小の線径又は識別できる最小の孔径を
1ランク大きくする
− wが5 mmを超え24 mm以下 75Seについては,識別できる最小の線径又は識別できる最小の孔径を
1ランク大きくする
単壁撮影方法(内部線源撮影方法及び内部検出器撮影方法)及び二重壁片面撮影方法,クラスB :
− wが10 mmを超え40 mm以下 192Irについては,識別できる最小の線径又は識別できる最小の孔径を
1ランク大きくする
− wが5 mmを超え20 mm以下 75Seについては,識別できる最小の線径又は識別できる最小の孔径を
1ランク大きくする
6.9 技術者の資格
この規格に従い,放射線透過試験を行う技術者は,JIS Z 2305又は同等の規定に従って関連する工業分
野における放射線透過試験の適切なレベルの資格をもち,かつ,デジタル工業用放射線試験における教育
及び訓練を受けなければならない。
7 デジタル撮影のための推奨技法
図1図19の記号の定義は,表1による。
7.1 撮影配置
7.1.1 一般事項
デジタル撮影の配置として,通常,7.1.27.1.9が使用される。
溶接継手の幾何学的形状,材料厚の差異などの理由から,撮影配置について,契約当事者間で合意して
もよい。7.1.27.1.8以外の例としての撮影技法を7.1.9に示す。さらに,同じ材料による厚さの補償くさ
びを適用することができる。
幾何学的拡大撮影技法を用いない場合,検出器をできるだけ試験体に近づけて配置する。
7.1.2 基本的な撮影
図1−溶接継手に対する検出器及び線源の配置
――――― [JIS Z 3110 pdf 13] ―――――
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7.1.3 外部線源−内部検出器撮影方法の配置(図2図4参照)
図2 b)に示すようにハードカセット又は平面DDAを使用する場合,線源−検出器間距離SDDは呼び厚
さt,溶接継手の試験体−検出器間距離bにおける最大距離及び線源寸法dから,7.6の式(3)及び式(4)に規
定するように算出しなければならない。
配管における突合せ継手の全周を試験する場合,デジタル撮影の最低必要枚数は,附属書Aによる。
a) 曲率検出器の場合 b) 平面検出器の場合
図2−曲面溶接継手の単壁撮影配置
図3−曲面溶接継手の単壁撮影配置(差込形溶接継手)
図4−曲面溶接継手の単壁撮影配置(突当形溶接継手)
7.1.4 内部線源撮影方法(全周同時撮影)の配置(図5図7参照)
配管における突合せ継手の全周を試験する場合,デジタル撮影の最低必要枚数は,附属書Aによる。
――――― [JIS Z 3110 pdf 14] ―――――
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図5−曲面溶接継手の単壁撮影配置(平面検出器は適用不可)
図6−曲面溶接継手の単壁撮影配置(差込形溶接継手)
図7−曲面溶接継手の単壁撮影配置
7.1.5 内部線源撮影方法(分割撮影)の配置(図8図10参照)
図8 b)に示すようにハードカセット又は平面DDAを使用する場合,線源−検出器間距離SDDは呼び厚
さt,溶接継手の試験体−検出器間距離bにおける最大距離及び線源寸法dから,7.6の式(3)及び式(4)に規
定するように算出しなければならない。
配管における突合せ継手の全周を試験する場合,デジタル撮影の最低必要枚数は,附属書Aによる。
a) 曲率検出器の場合 b) 平面検出器の場合
図8−曲面溶接継手の単壁撮影配置
――――― [JIS Z 3110 pdf 15] ―――――
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JIS Z 3110:2017の引用国際規格 ISO 一覧
- ISO 17636-2:2013(MOD)
JIS Z 3110:2017の国際規格 ICS 分類一覧
- 25 : 生産工学 > 25.160 : 溶接,ろう付け及びはんだ付け > 25.160.40 : 溶接継手及び溶接部分
JIS Z 3110:2017の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISZ2300:2009
- 非破壊試験用語
- JISZ2300:2020
- 非破壊試験用語
- JISZ2305:2013
- 非破壊試験技術者の資格及び認証
- JISZ2306:2015
- 放射線透過試験用透過度計
- JISZ2307:2017
- 放射線透過試験用複線形像質計による像の不鮮鋭度の決定
- JISZ4615:2007
- 工業用X線装置の実効焦点寸法測定方法