この規格ページの目次
- 4 性能
- 4.1 直線性
- 4.2 エネルギー特性
- 4.3 方向特性
- 4.4 指示値変動
- 4.5 応答時間
- 4.6 ドリフト
- 4.7 オーバロード特性
- 4.8 警報レベルの誤差
- 4.9 警報レベルの安定性
- 4.10 温度特性
- 4.11 湿度特性
- 4.12 電源電圧・周波数の変動に対する安定性
- 4.13 放射無線周波数電磁界に対するイミュニティ特性
- 4.14 電源周波数磁界イミュニティ特性
- 4.15 静電気放電イミュニティ特性
- 4.16 無線周波電磁界によって誘導する伝導妨害に対するイミュニティ特性
- 4.17 サージイミュニティ特性
- 4.18 耐インパクト特性
- 4.19 耐衝撃特性
- 5 構造
- 5.1 一般
- 5.2 検出部
- 5.3 指示部
- 5.4 警報部
- 5.5 電源部
- 5.6 測定範囲
- 6 試験
- 6.1 試験条件
- 6.2 試験方法
- JIS Z 4344:2017の国際規格 ICS 分類一覧
- JIS Z 4344:2017の関連規格と引用規格一覧
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Z 4344 : 2017
3.9
有効測定範囲(effective range of measurement)
この規格で規定される性能に適合する測定値の範囲。
3.10
有効測定範囲の下限値,H0(lowerlimit of effective range of measurement)
有効測定範囲の最小の線量率。
3.11
デカード(decade)
対数目盛又はこれに準じる目盛(以下,対数目盛という。)の目盛範囲を表す単位。例えば,二つの目盛
値の比の常用対数がDであるとき,この2目盛間の目盛範囲をDデカードという。
3.12
レスポンス,R(response)
正味の指示値(G)の線量率の取決め真値(Ht)に対する比。レスポンスは,次の式によって求められ
る。
R=G/Ht
3.13
基準レスポンス,R0(reference response)
基準となる条件下で得られた正味の指示値(Gr,0)の線量率の取決め真値(Hr,0)に対する比。基準レス
ポンスは,次の式によって求められる。
R0=Gr,0/Hr,0
3.14
相対レスポンス,r(relative response)
特定の試験条件で得られたレスポンス(R)の基準レスポンス(R0)に対する比。相対レスポンスは,
次の式によって求められる。
r=R/R0
3.15
据置形(installed instrument)
使用する場所に永続的に据え付けられた装置。
3.16
可搬形(transportable instrument)
異なる場所に移動できる装置。ただし,移動中は測定を実施しない。
4 性能
4.1 直線性
直線性は,6.2.2によって試験したとき,相対レスポンスの許容範囲は,(0.7−urel)(1.3+urel)とす
る。
注記 4.1において,urelは,直線性試験における基準となる線量率の,試験点における線量率に対す
る比の拡張不確かさ(包含係数k=2)である。
4.2 エネルギー特性
エネルギー特性は,6.2.3によって試験したとき,80 keV1.5 MeVのエネルギー範囲について,137Csか
――――― [JIS Z 4344 pdf 6] ―――――
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らのγ線のレスポンスに対する比の許容範囲は,(0.4−urel)(2.5+urel)とする。80 keV未満及び1.5 MeV
を超えるエネルギー範囲を測定対象とするモニタについては,80 keV1.5 MeV以外のエネルギー範囲に
おける許容範囲は受渡当事者間の協議による。
注記 4.2において,urelは,エネルギー特性試験における137Csからのγ線による線量率の,他の試験
エネルギーのX線又はγ線による線量率に対する比の拡張不確かさ(包含係数k=2)である。
4.3 方向特性
方向特性は,6.2.4によって試験したとき,指示値の変化の許容範囲は,±20 %とする。ただし,製造業
者は±90°における指示値の変化を明示することとし,許容範囲は指定しない。
4.4 指示値変動
指示値変動は,6.2.5によって試験したとき,変動係数は,直線目盛及び対数目盛の場合,0.2未満とす
る。デジタル式の場合,0.1未満とする。
4.5 応答時間
応答時間は,レートメータ方式のモニタの場合,6.2.6によって試験したとき,60秒未満とする。ただし,
4.4の規定を満足させるために60秒以上の応答時間が必要な場合には,4.4を優先する。また,計数値積
算方式のモニタについては,この試験を適用しないが積算時間を明示する。
4.6 ドリフト
ドリフトは,6.2.7によって試験したとき,指示値の変化の許容範囲は次のとおりとする。
a) 直線目盛の場合,最大目盛の±2 %。
b) 対数目盛の場合,基準値の±5 %又は±0.02 Dデカード。
c) デジタル式の場合,基準値の±5 %。
注記 ここで,Dデカードは,モニタの表示範囲の最小値と最大値との目盛範囲である。
4.7 オーバロード特性
オーバロード特性は,6.2.8によって試験したとき,6.2.8 b) の場合に高線量率側の目盛範囲外であるこ
とを表示するか,又はオーバスケールを表示していなければならない。オーバロードを起こさせる照射を
停止した後,指示値はオーバスケールの状態から10分以内に有効測定範囲に復帰しなければならない。有
効測定範囲に復帰した後の指示値の変化の許容範囲は,±10 %とする。
4.8 警報レベルの誤差
警報レベルの誤差は,6.2.9によって試験したとき,±30 %とする。
4.9 警報レベルの安定性
警報レベルの安定性は,6.2.10によって試験したとき,表1のとおりでなければならない。
表1−警報レベルの安定性試験
測定項目 動作内容
警報レベルの90 %の信号入力 警報は動作しない。
警報レベルの110 %の信号入力 60秒以内に警報が動作する。
4.10 温度特性
温度特性は,6.2.11によって試験したとき,指示値の変化の許容範囲は,±15 %とする。各部を分割し
て試験を実施する場合は,各部の出力の変化を積み上げた指示値の変化の許容範囲は,±15 %とする。
――――― [JIS Z 4344 pdf 7] ―――――
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Z 4344 : 2017
4.11 湿度特性
湿度特性は,6.2.12によって試験したとき,指示値の変化の許容範囲は,±15 %とする。各部を分割し
て試験を実施する場合は,各部の出力の変化を積み上げた指示値の変化の許容範囲は,±15 %とする。
4.12 電源電圧・周波数の変動に対する安定性
電源電圧・周波数の変動に対する安定性は,6.2.13によって試験したとき,指示値の変化の許容範囲は,
±10 %とする。
4.13 放射無線周波数電磁界に対するイミュニティ特性
放射無線周波数電磁界に対するイミュニティ特性は,6.2.14によって試験したとき,指示値の変化の許
容範囲は,0.7H0以下とする。
4.14 電源周波数磁界イミュニティ特性
電源周波数磁界イミュニティ特性は,6.2.15によって試験したとき,指示値の変化の許容範囲は,0.7H0
以下とする。
4.15 静電気放電イミュニティ特性
静電気放電イミュニティ特性は,6.2.16によって試験したとき,指示値の変化の許容範囲は,0.7H0以下
とする。
4.16 無線周波電磁界によって誘導する伝導妨害に対するイミュニティ特性
無線周波電磁界によって誘導する伝導妨害に対するイミュニティ特性は,6.2.17によって試験したとき,
指示値の変化の許容範囲は,0.7H0以下とする。装置に妨害電磁界を結合させる伝導ケーブル(例えば,電
源線又は信号線)をもたないモニタについては,この試験を適用しない。
4.17 サージイミュニティ特性
サージイミュニティ特性は,6.2.18によって試験したとき,指示値の変化の許容範囲は,0.7H0以下とす
る。また,電源線をもたないモニタについては,この試験を適用しない。
4.18 耐インパクト特性
耐インパクト特性は,6.2.19によって試験したとき,指示値の変化の許容範囲は,±15 %とする。また,
試験後に動作に異常があってはならない。
4.19 耐衝撃特性
耐衝撃特性は,6.2.20によって試験したとき,S1形及びS2形共に指示値の変化の許容範囲は,±15 %
とする。また,試験後に動作に異常があってはならない。
5 構造
5.1 一般
構造は,次による。
a) モニタは,検出部,処理部,指示部,警報部及び電源部によって構成する。各部は一体に構成するか,
又はケーブルで接続し,操作及び持ち運びに便利で,かつ,転倒しにくく,堅ろうな構造とすること
を配慮した設計とする。
b) モニタは,必要に応じて,データ記録装置,データ伝送装置などの機器と組み合わせて使用してもよ
い。
5.2 検出部
検出部は,次による。
a) 電離箱,GM計数管,半導体検出器,シンチレーション検出器などの放射線検出器が内蔵され,汚染
――――― [JIS Z 4344 pdf 8] ―――――
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しにくい構造かつ除染又は交換が容易な構造でなければならない。製造業者は,放射線検出器の種類
及びその他の放射線検出器の諸特性を示さなければならない。
b) 測定対象とする放射線以外の放射線の存在する場で用いる場合,それらに対する応答を明示しなけれ
ばならない。
c) 検出部は,中性子の存在する場で用いる場合,放射化の少ない材質で構成することが望ましい。
d) 基準照射方向を示す表示は,検出部表面に明示しなければならない。
5.3 指示部
指示部は,次による。
a) 指示は,アナログ式又はデジタル式とする。アナログ式の場合,直線目盛又は対数目盛で指示する。
b) 対数目盛の場合,1デカード当たりの目盛の長さは20 mm以上であることが望ましい。
c) 直線目盛の場合,隣り合う目盛の最大値の比は,10以下でなければならない。
d) 有効測定範囲は,直線目盛の場合は各レンジの10 %100 %とし,対数目盛の場合は最小指示値の1.5
倍からフルスケールとし,デジタル式の場合は下から2桁目からフルスケールとする。
5.4 警報部
警報部は,次による。
a) 設定値を超える指示に対し,ランプ,ブザーなどによって警報を発しなければならない。
b) 警報は,リセット又は原因の解消まで維持しなければならない。
c) 警報動作をチェックできるテスト機能を設けなければならない。また,警報設定が可変な場合は,警
報設定値を確認できなければならない。
d) 警報設定が可能な範囲は,直線目盛の場合は有効測定範囲の少なくとも10 %100 %とし,対数目盛
の場合は少なくとも最小デカードの50 %からフルスケールとし,デジタル式の場合は有効測定範囲と
することが望ましい。
5.5 電源部
電源部は,次による。
a) 電源部は,外部電源式又は電池式とする。外部電源式の場合は交流電源又は直流電源を用い,電池式
の場合は一次電池又は二次電池を用いる。
b) 使用する電池は,製造業者が指定する。
c) 電池式のモニタは,正常に動作しない電圧に低下したとき,表示又は光によって知らせる機能をもた
なければならない。
d) 一次電池を使用するモニタは,正しい極性で接続できるように明示しなければならない。
e) 一次電池を使用するモニタは,一次電池を容易かつ迅速に交換ができる構造であることが望ましい。
f) 二次電池は,充電時間を取扱説明書に明示しなければならない。
g) 一次電池を使用するモニタは100時間,二次電池を使用するモニタは10時間,それぞれ連続して稼動
できなければならない。
5.6 測定範囲
測定範囲は,次による。
a) エネルギー測定範囲は,少なくとも80 keV1.5 MeVを含むものとする。
b) 有効測定範囲は,受渡当事者間で取決めのない場合は,100 μSv/hを含む3デカード以上とする。
――――― [JIS Z 4344 pdf 9] ―――――
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Z 4344 : 2017
6 試験
6.1 試験条件
6.1.1 共通試験条件
6.2の試験方法における基準条件は,表2の第2欄による。特に,使用者の指示がない限りこの規格にお
ける試験は,表2の第3欄に示す標準試験条件で行う。
標準試験条件で行えない場合は,温度,気圧及び湿度を指定し,必要に応じて基準条件の指示値に補正
する。各部をケーブルで接続するモニタについては,そのケーブルの長さは製造業者が定める最大ケーブ
ル長で試験する。
表2−共通試験条件
項目 基準条件 標準試験条件
(製造業者の指定がない場合) (製造業者の指定がない場合)
137Cs 137Cs a)
線源
予熱時間 分 30 30以上
環境温度 ℃ 20 1822
相対湿度 % 65 5075
気圧b) kPa 101.3 86106
電源電圧 定格電源電圧 ±1 %
電源周波数c) 定格電源周波数 ±1 %
電源波形 正弦波 正弦波からのひずみ5 %以下
γ線バックグラウンド μGy/h 空気カーマ率 空気カーマ率
0.1以下 0.25以下
外部電磁波 無視できるレベル 影響の認められるレベル以下
外部磁気誘導 無視できるレベル 地球磁界の2倍以下
基準照射方向 製造業者が指定 ±10°
装置の制御 通常使用状態 通常使用状態
放射性物質による汚染 無視できるレベル 無視できるレベル
137Csを用いることができない試験には,60Coを用いてもよい。60Coを用いる場合は,137Csに対す
注a)
る60Coのレスポンスの比を指示値に乗じて性能評価を行う。
b) 気圧の変化に敏感な装置を用いる場合は,基準圧力の±5 %の範囲に制限する。
c) 直流電源を使用する場合は,適用しない。
6.1.2 基準放射線
個々の試験方法で特に指定のない限り,放射線による試験は,表2の線源(核種)を用い,JIS Z 4511
又はISO 4037-1ISO 4037-4に規定するX線及び/又はγ線で行う。試験に用いるX線及びγ線は,国家
標準1) とのトレーサビリティが明確なものとする。また,その不確かさは,10 %以内であることが明示さ
れていることが望ましい。
注1) IS Z 8103に規定された国が認める計量標準。
6.2 試験方法
6.2.1 一般
試験方法一般は,次による。
a) 全ての試験は,30分間以上の予熱時間が経過した後に実施する。このとき,使用者が操作するゼロ調
整機能をもっているモニタは,ゼロ調整を行った後に実施する。
b) 試験条件のうち一つ又は複数の項目を変化させ試験する場合,その項目以外の条件は,表2の第3欄
――――― [JIS Z 4344 pdf 10] ―――――
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JIS Z 4344:2017の国際規格 ICS 分類一覧
- 13 : 環境.健康予防.安全 > 13.280 : 放射線防護
JIS Z 4344:2017の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISC60068-2-75:2019
- 環境試験方法―電気・電子―第2-75部:ハンマ試験(試験記号:Eh)
- JISC61000-4-2:2012
- 電磁両立性―第4-2部:試験及び測定技術―静電気放電イミュニティ試験
- JISC61000-4-3:2012
- 電磁両立性―第4-3部:試験及び測定技術―放射無線周波電磁界イミュニティ試験
- JISC61000-4-5:2018
- 電磁両立性―第4-5部:試験及び測定技術―サージイミュニティ試験
- JISC61000-4-6:2017
- 電磁両立性―第4-6部:試験及び測定技術―無線周波電磁界によって誘導する伝導妨害に対するイミュニティ
- JISC61000-4-8:2016
- 電磁両立性―第4-8部:試験及び測定技術―電源周波数磁界イミュニティ試験
- JISZ4001:1999
- 原子力用語
- JISZ4324:2017
- X線及びγ線用据置形エリアモニタ
- JISZ4511:2018
- X線及びγ線用線量(率)測定器の校正方法
- JISZ8103:2019
- 計測用語