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に示す範囲とする。
c) 試験において使用するγ線源は,試験方法に規定がない限り,137Csとする。エネルギー特性試験以外
で60Coを用いる場合は,137Csに対する60Coのレスポンスの比を指示値に乗じて性能評価を行う。
d) 線又はγ線を用いて試験を行う場合,指示値はバックグラウンドの線量率を差し引いた値を用いる。
e) 検出部へのX線又はγ線照射方向は,特に規定のない場合,製造業者が指定する方向とする。
f) デジタル式の場合の試験結果は,デジタル誤差を除くものとする。
6.2.2 直線性試験
直線性試験は,次の方法によって行う。有効測定範囲の下限値の10倍から100倍までの範囲に相当する
線量率で,製造業者が指定する線量率を基準となる線量率とする。標準試験条件で,製造業者が定める手
順に従って,基準レスポンスがほぼ1になるようにモニタを調整する。調整後のモニタを使用して,相対
レスポンスを求める。
a) 形式検査
1) 直線目盛の場合,有効測定範囲の各レンジについて最大目盛の25 %,50 %及び75 %付近の指示値
について,指示値と線量率の取決め真値とからレスポンスを求め,レスポンスと基準レスポンスと
から相対レスポンスを求める。
2) 対数目盛及びデジタル式の場合,有効測定範囲の各デカードごとに,各デカードの最大値の70 %以
上,及び最大値の1/3以下の指示値について,指示値と線量率との取決め真値からレスポンスを求
め,そのレスポンスと基準レスポンスとから相対レスポンスを求める。
b) 受渡検査
1) 直線目盛の場合,有効測定範囲の各レンジについて最大目盛の50 %75 %付近の1点の指示値につ
いて,指示値と線量率との取決め真値からレスポンスを求め,そのレスポンスと基準レスポンスと
から相対レスポンスを求める。
2) 対数目盛及びデジタル式の場合,有効測定範囲の各デカードについて最大目盛の10 %90 %の間の
1点の指示値について,指示値と線量率との取決め真値からレスポンスを求め,そのレスポンスと
基準レスポンスとから相対レスポンスを求める。
受渡検査においては,最大レンジ(又はデカード)の1点及び最小レンジ(又はデカード)の1点
で線源を使った試験を実施すれば,残りは照射にかえて電気信号で行ってもよい。電気信号は検出部
からの信号を可能な限り模擬し,検出部以外のモニタを構成する各部を試験できなければならない。
6.2.3 エネルギー特性試験
エネルギー特性試験は,次の方法によって行う。
受渡当事者間で取決めのない場合は,バックグラウンドの変化及び数え落としの影響が十分無視できる
程度の指示を与える線量率で照射を行い,各核種のγ線エネルギー又はX線の実効エネルギーに対するレ
スポンスを求め,137Csからのγ線のレスポンスに対する比を求める。
6.2.4 方向特性試験
方向特性試験は,検出部基準照射方向を0°とし,照射方向並びに検出部中心軸を含む水平及び垂直の2
平面について,0°,±15°,±30°,±45°,±60°及び±90°方向からバックグラウンドの変化及び数
え落としの影響が十分無視できる程度の指示を与える線量率の137Csからのγ線を照射し,指示値を読み取
る。0°方向の値を基準値とし,各方向に対する指示値から基準値を差し引いた値の基準値に対する百分率
を求める。
6.2.5 指示値変動試験
――――― [JIS Z 4344 pdf 11] ―――――
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指示値変動試験は,次に示す指示値に相当する線量率のγ線を照射し,統計的に独立とみなせる時間間
隔で少なくとも10回指示値を読み取り,変動係数を求める。
a) 直線目盛の場合には,最小レンジの最大目盛の33 %50 %。
b) 対数目盛の場合には,最小デカードの最大目盛の33 %50 %。
c) デジタル式の場合には,最高感度の測定状態において,330500デジット。
6.2.6 応答時間試験
応答時間試験は,モニタに照射する線量率又は検出器からの信号を模擬した電気信号を変化させ,指示
値がNからN' になるとき,指示値がNから次の式で示される値になるまでに要する時間を測定する。
N+0.9 (N'−N)
測定は指示値を増加させる場合と減少させる場合との両方について行い,増加の場合にはN'/Nを,減少
の場合にはN/N' を10以上にする。
6.2.7 ドリフト試験
ドリフト試験は,バックグラウンドの変化及び数え落としの影響が十分無視できる程度の指示を与える
線量率のγ線を照射させ,30分間モニタを動作させる。30分間モニタを動作させた後に測定した指示値を
基準とする。その後,モニタを24時間連続動作させ,指示値を1時間ごとに記録し,指示値の変化を求め
る。
a) 直線目盛の場合は,記録したそれぞれの指示値から基準値を差し引いた値の最大目盛に対する百分率
を指示値の変化とする。
b) 対数目盛の場合は,記録したそれぞれの指示値から基準値を差し引いた値の基準値に対する百分率又
は記録したそれぞれの指示値を基準値で除した値の常用対数を指示値の変化とする。
c) デジタル式の場合は,記録したそれぞれの指示値から基準値を差し引いた値の基準値に対する百分率
を指示値の変化とする。
6.2.8 オーバロード特性試験
オーバロード特性試験は,次による。
a) 直線目盛及び対数目盛の場合には,有効測定範囲の各レンジについて,デジタル式の場合には,有効
測定範囲について,それぞれバックグラウンドの変化及び数え落としの影響が十分無視できる程度の
指示を与えるX線又はγ線を照射し,このときの指示値を基準とする。
b) 線又はγ線によって,直線目盛及び対数目盛の場合には,各レンジ,最大目盛値の約10倍の線量率
を,また,デジタル式の場合には,有効測定範囲の最大目盛の約10倍の線量率を,それぞれ5分間以
上照射する。
c) オーバロードを起こさせる照射を停止し,10分を超えない時間内に有効測定範囲内に復帰することを
確認する。有効測定範囲内に復帰した後,a) と同じ条件で測定し,指示値を読み取る。この指示値か
ら基準値を差し引いた値の基準値に対する百分率を求める。
6.2.9 警報レベルの誤差試験
警報レベルの誤差試験は,警報設定点を設定範囲の最大値及び最小値としたときについて実施する。パ
ルス信号発生器又は電流源を用いて,警報設定値を下回る指示値に相当する信号をモニタに与える。与え
る単位時間当たりのパルス数又は電流量を少しずつ増やし,警報が発生したときの指示値を読み取り,こ
の指示値から警報設定点を差し引いた値の警報設定点に対する百分率を求める。
6.2.10 警報レベルの安定性試験
警報レベルの安定性試験は,次による。
――――― [JIS Z 4344 pdf 12] ―――――
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a) 6.2.9で警報が発生したときのモニタの指示値の90 %の指示値に相当する信号を処理部に60秒間与
え,警報の動作有無を確認する。
b) 6.2.9で警報が発生したときのモニタの指示値の110 %の指示値に相当する信号を処理部に与え,60秒
間以内に警報が発生することを確認する。
c) 24時間モニタを動作させた後に,6.2.9で警報が発生したときのモニタの指示値の90 %に相当する信
号を処理部に60秒間与え,警報の発生しないことを確認する。
d) 24時間モニタを動作させた後に,6.2.9で警報が発生したときのモニタの指示値の110 %の指示値に相
当する信号を処理部に与え,60秒以内に警報が発生することを確認する。
6.2.11 温度特性試験
温度特性試験は,モニタ全体を恒温槽内に設置し,バックグラウンドの変化及び数え落としの影響が十
分無視できる線量率のX線又はγ線を照射して行う。周囲温度20 ℃に30分以上又は温度平衡に達するま
で放置し,指示値を記録する。周囲温度5 ℃及び40 ℃でそれぞれ少なくとも4時間放置し,指示値を記
録する。20 ℃における指示値を基準値とし,周囲温度5 ℃及び40 ℃における指示値から基準値を差し引
いた値の基準値に対する百分率を求める。
なお,温度変化率は1時間当たり10 ℃以下とし,湿度は相対湿度65 %未満が望ましい。検出部に温度
調節機能をもつモニタの場合は,これを動作させた状態で試験する。必要に応じてモニタを構成する各部
を別々に試験してもよく,検出部以外の各部を試験するときには,X線又はγ線の照射ではなく電気信号
で代替してもよい。
6.2.12 湿度特性試験
湿度特性試験は,モニタ全体を恒温槽内に設置し,バックグラウンドの変化及び数え落としの影響が十
分無視できる線量率のX線又はγ線を照射して行う。周囲温度20 ℃,相対湿度65 %に30分以上又は十
分な時間放置し,指示値を記録する。周囲温度35 ℃に上昇させ,相対湿度93 %に16時間以上及び相対
湿度40 %に2時間以上放置し,指示値を記録する。相対湿度65 %における指示値を基準値とし,それぞ
れの相対湿度における指示値から基準値を差し引いた値の基準値に対する百分率を求める。
なお,相対湿度の変化率は,1時間当たり10 %以下とする。必要に応じてモニタを構成する各部を別々
に試験してもよく,検出部以外の各部を試験するときには,X線又はγ線の照射ではなく電気信号で代替
してもよい。
6.2.13 電源電圧・周波数の変動に対する安定性試験
電源電圧・周波数の変動に対する安定性試験は,次による。
a) 交流電源を用いるモニタの場合
1) 次に示す指示値に相当する線量率のX線又はγ線を照射して行う。
− 直線目盛の場合には,最小レンジの最大目盛の33 %50 %。
− 対数目盛の場合には,最小デカードの最大目盛の33 %50 %。
− デジタル式の場合には,最高感度の測定状態において,3350デジット。
2) 電源周波数を定格周波数とし,電源電圧を定格電圧値の90 %,100 %及び110 %にした場合の指示
値を読み取る。
3) 定格電圧における指示値を基準値とし,各電圧における指示値から基準値を差し引いた値の基準値
に対する百分率を求める。
4) 電源電圧を定格電圧とし,電源周波数を定格周波数が60 Hzの場合は57 Hz,60 Hz及び63 Hzにし,
50 Hzの場合は47 Hz,50 Hz及び53 Hzにした場合の指示値を読み取る。
――――― [JIS Z 4344 pdf 13] ―――――
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5) 定格周波数における指示値を基準値とし,各周波数における指示値から基準値を差し引いた値の基
準値に対する百分率を求める。
b) 直流電源を用いるモニタ
1) 次に示す指示値に相当する線量率のX線又はγ線を照射して行う。
− 直線目盛の場合には,最小レンジの最大目盛の33 %50 %。
− 対数目盛の場合には,最小デカードの最大目盛の33 %50 %。
− デジタル式の場合には,最高感度の測定状態において,3350デジット。
2) 電源電圧を定格電圧値の90 %,100 %及び110 %にした場合の指示値を読み取る。
3) 定格電圧における指示値を基準値とし,各電圧における指示値から基準値を差し引いた値の基準値
に対する百分率を求める。
c) 電池を用いるモニタ
1) 新しい一次電池又は完全に充電された二次電池を用いる。
2) 次に示す指示値に相当する線量率のX線又はγ線を照射したときの指示値を読み取り,その値を基
準とする。
− 直線目盛の場合には,最小レンジの最大目盛の33 %50 %。
− 対数目盛の場合には,最小デカードの最大目盛の33 %50 %。
− デジタル式の場合には,最高感度の測定状態において,3350デジット。
3) 次に,製造業者が定める稼働時間の間,モニタを連続稼動した後の指示値を読み取る。
4) この指示値から基準値を差し引いた値の基準値に対する百分率を求める。
6.2.14 放射無線周波数電磁界イミュニティ特性試験
放射無線周波数電磁界イミュニティ特性試験は,JIS C 61000-4-3によって試験する。ただし,電磁界強
度,周波数及び指示値の読取り時間は,次による。
a) 試験装置内にモニタを設置し,指示値を読み取り,その値を基準とする。
b) 次に,強度10 V/m,周波数80 MHzの環境下にモニタを60秒間又は6.2.6で求めた応答時間のうち一
番長い時間放置し,指示値を記録する。
c) その後,80 MHz1 000 MHz,及び1.4 GHz2.4 GHz,周波数を1 %ステップで変化させ同様に試験
し,各周波数における指示値を記録する。
d) 各周波数における指示値から基準値を差し引いた値を求める。
6.2.15 電源周波数磁界イミュニティ特性試験
電源周波数磁界イミュニティ特性試験は,JIS C 61000-4-8によって試験する。ただし,電源周波数磁界
強度,周波数及び指示値の読取り時間は,次による。
試験装置内にモニタを設置し,指示値を読み取り,その値を基準とする。次に,強度100 A/m,周波数
50 Hz又は60 Hzの環境下で,モニタを60秒間又は6.2.6で求めた応答時間のうち一番長い時間の間放置
し,指示値を記録する。指示値から基準値を差し引いた値を求める。
6.2.16 静電気放電イミュニティ特性試験
静電気放電イミュニティ特性試験は,JIS C 61000-4-2によって試験する。ただし,放電電圧は,次によ
る。
モニタの指示値を読み取り,その値を基準とする。次に,モニタを操作するときにユーザが触れる箇所
のうち,導電表面部には±6 kVによる接触放電を,絶縁表面部には±8 kVによる気中放電を,それぞれ1
か所当たり10回以上与え,放電中の指示値を記録する。指示値から基準値を差し引いた値を求める。
――――― [JIS Z 4344 pdf 14] ―――――
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6.2.17 無線周波電磁界によって誘導する伝導妨害に対するイミュニティ特性試験
無線周波電磁界によって誘導する伝導妨害に対するイミュニティ特性試験は,JIS C 61000-4-6によって
試験する。ただし,電圧,周波数及び印加時間は,次による。
試験装置内にモニタを設置し,指示値を読み取り,その値を基準とする。次に,電圧10 V(140 dBμV),
周波数150 kHzの妨害信号を電源線,信号線及び設置線に印加し,60秒間又は6.2.6で求めた応答時間の
うち一番長い時間の間放置し,指示値を記録する。その後,150 kHz80 MHz,周波数を1 %ステップで
変化させ同様に試験し,各周波数における指示値を記録する。各周波数における指示値から基準値を差し
引いた値を求める。
6.2.18 サージイミュニティ特性試験
サージイミュニティ特性試験は,JIS C 61000-4-5によって試験する。ただし,開回路試験電圧は,次に
よる。
試験装置内にモニタを設置し,指示値を読み取り,その値を基準とする。次に,開回路試験電圧±2 kV
のサージを電源ケーブルに10回印加し,印加中の指示値を記録する。指示値から基準値を差し引いた値を
求める。
6.2.19 耐インパクト特性試験
耐インパクト特性試験は,次による。
バックグラウンドの変化及び数え落としの影響が十分無視できる線量率のX線又はγ線を照射し,モニ
タの指示値を読取り基準とする。モニタを動作させた状態で,JIS C 60068-2-75に規定されるスプリング
ハンマなどを用いて1 Jの衝突エネルギーを与える。試験は,モニタの処理部及び検出部を保護するきょ
う(筐)体上の任意の6か所に対して実施する。衝撃を与えた後,基準値を読み取ったときと同じ条件で
測定し,指示値を記録する。指示値から基準値を差し引いた値の基準値に対する百分率を求める。
6.2.20 耐衝撃特性試験
耐衝撃特性試験は,次による。
バックグラウンドの変化及び数え落としの影響が十分無視できる線量率のX線又はγ線を照射し,モニ
タの指示値を読取り基準とする。モニタの電源を切った状態で,3直交方向に,表3に示すピーク加速度
をもち公称パルスの作用時間が11 msとなる正弦半波の衝撃を10回与える。衝撃を与えた後,基準値を読
み取ったときと同じ条件で測定し,指示値を記録する。指示値から基準値を差し引いた値の基準値に対す
る百分率を求める。
表3−ピーク加速度
種類 ピーク加速度 m/s2
S1形 500
S2形 150
7 検査
7.1 一般
モニタの検査は,形式検査2) と受渡検査3) とに区分し,箇条6に規定する方法で行い,箇条4の規定に
適合したものを合格とする。
なお,形式検査は,設計段階で一つ以上のモニタに対して行う。受渡検査の抜取検査の方式は,受渡当
事者間の協定による。
――――― [JIS Z 4344 pdf 15] ―――――
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JIS Z 4344:2017の国際規格 ICS 分類一覧
- 13 : 環境.健康予防.安全 > 13.280 : 放射線防護
JIS Z 4344:2017の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISC60068-2-75:2019
- 環境試験方法―電気・電子―第2-75部:ハンマ試験(試験記号:Eh)
- JISC61000-4-2:2012
- 電磁両立性―第4-2部:試験及び測定技術―静電気放電イミュニティ試験
- JISC61000-4-3:2012
- 電磁両立性―第4-3部:試験及び測定技術―放射無線周波電磁界イミュニティ試験
- JISC61000-4-5:2018
- 電磁両立性―第4-5部:試験及び測定技術―サージイミュニティ試験
- JISC61000-4-6:2017
- 電磁両立性―第4-6部:試験及び測定技術―無線周波電磁界によって誘導する伝導妨害に対するイミュニティ
- JISC61000-4-8:2016
- 電磁両立性―第4-8部:試験及び測定技術―電源周波数磁界イミュニティ試験
- JISZ4001:1999
- 原子力用語
- JISZ4324:2017
- X線及びγ線用据置形エリアモニタ
- JISZ4511:2018
- X線及びγ線用線量(率)測定器の校正方法
- JISZ8103:2019
- 計測用語