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10.5 全標準偏差σtot及び拡張測定不確かさU
全標準偏差及び拡張測定不確かさは,それぞれ式(28)及び式(29)によって計算する。
例 包含係数k=2,A特性音圧レベルの測定結果LpA=82 dB,不確かさの標準偏差σomc=2.0 dBとす
る。機械特有のσR0が求まっていない場合には,表1から読み取る(σR0=0.5 dB)。式(28)及び式(29)
から,次の結果となる。
U 2 0.52 2.02 4.1 (dB)
σtotの計算値の例は,I.3に示されている。
注記 この規格で示す拡張測定不確かさには,ISO 4871[9]で用いられているような一群の機械の騒音
表示のための製品の標準偏差は含まれていない。
11 記録事項
11.1 一般事項
この規格によって行った全ての測定に関し,可能であれば11.211.5に挙げた事項をまとめて記録する。
11.2 測定対象騒音源
次の事項を記録する。
a) 測定対象騒音源に関する記載(製造業者,型式,技術データ,寸法,シリアルナンバー及び製造年を
含む。)
b) 測定のための附属装置の取扱いに関する記載
c) 測定の際の運転方法及び測定時間
d) 据付け条件
e) 試験室内における測定対象騒音源の設置位置
11.3 試験室
次の事項を記録する。
a) 自由音場又は半自由音場の試験室の区別,試験室の寸法(m),壁·床·天井の表面の仕上げ並びに騒
音源の位置,及び試験室内の内容物を示す図
b) 試験室の音響特性に関する記載,及び適性試験に附属書A又は附属書Bのいずれを適用したかの記載
c) 測定時の試験室内の気温(℃),相対湿度(%)及び静圧(kPa)
11.4 測定器
次の事項を記録する。
a) 測定に用いた計器(名称,型式,シリアル番号及び製造業者名を含む。)
b) 6.1に従って行った音響校正器の校正及び測定システムの校正の検証の方法,日付及び場所
11.5 音響データ
次の事項を記録する。
a) 測定を行ったマイクロホン位置又はトラバースの経路。必要に応じてスケッチも付ける。
測定時の騒音源の作動モードごとに,次の事項を記録する。
b) 測定対象騒音源による試験室内における時間平均音圧レベル(9.4.1参照)又は時間積分音圧レベル
(9.5.1参照)の測定結果(dB)
c) 暗騒音補正値(9.4.2又は9.5.2参照)(dB)
d) 面上時間平均音圧レベル(9.4.3参照)又は面上時間積分音圧レベル(9.5.3参照)の計算結果(dB)
e) 1/3オクターブバンドごとの音響パワーレベル又は音響エネルギーレベル,及びA特性音響パワーレ
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ベル又はA特性音響エネルギーレベルで,小数点以下1桁に丸めた値(dB)。測定結果を表す図も付
けることが望ましい。
f) 測定結果の拡張測定不確かさ(dB)。包含係数及び包含確率も付ける。
g) 必要に応じて,最大の指向性指数及び指向性の方向(3.23参照)
h) 必要に応じて,測定半径における面上音圧レベル不均一指数(3.24参照)
i) 測定を行った日時
12 試験報告書
測定の目的のために必要な記録データ(箇条11参照)だけを報告する。試験報告書には,この規格の幾
つかの箇条で説明が要求されている事項も加える。報告する音響パワーレベル又は音響エネルギーレベル
がこの規格の要求事項を全て満たして求めたものであれば,その旨を記載する。そうでない場合には,こ
の規格に適合したと記載又は暗示してはならない。一つ又は少数の点で,報告する結果とこの規格の要求
事項とに不一致がある場合には,報告の中に“·を除いて,この規格の要求事項を満たしている。”と記載
し,その不一致を明記する。
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附属書A
(規定)
無響室及び半無響室の適性評価の一般的方法
A.1 一般事項
この附属書は,この規格による騒音源の音響パワーレベル又は音響エネルギーレベルの測定で使用する
無響室又は半無響室の適性を調べるための一般的試験方法を規定したISO 3745:2012/Amd 1:2017/Annex A
(normative) eneral procedures for qualification of anechoic and hemi-anechoic roomsに基づいている。
無響室又は半無響室の性能は,試験用音源からの放射音の音圧の空間中での減衰特性を,真の自由音場
における減衰特性と比較することによって評価する。その具体的方法は,ISO 26101:2017による。このISO
26101:2017で規定している自由音場特性の試験方法及びそれに用いる試験用音源の要求事項を附属書JA
に規定する。
試験室の性能の点検は,試験室の吸音調整を済ませた後に行い,また5年を超えない間隔で定期的に行
うことを推奨する。
A.2 適性評価基準
A.2.1 一般事項
この規格による測定のために必要な無響又は半無響の音場とみなせる音響性能をもつ空間に関して,次
に示す基準と試験パラメータを用いて,音場の適性評価を行う。無響又は半無響空間の適性評価の測定は,
測定対象騒音源のスペクトル特性に応じて,広帯域音又は純音を用いて行う。
A.2.2 逆2乗則からの偏差の最大許容値
A.3.3に規定するマイクロホントラバース経路上の離散点における音圧レベル分布の逆2乗則からの偏
差を,JA.4に規定する方法によって測定する。その結果は,表A.1に示す値を超えてはならない。
注記 逆2乗則とは,自由音場で音波が球面状に伝搬することによって,直線経路上の音の強さ(音
圧の2乗に比例)が音源からの距離の2乗の逆数に比例することをいう。
表A.1−音圧レベルの測定値の逆2乗則に基づく理論値からの偏差の許容値
試験室のタイプ 1/3オクターブバンド中心周波数 偏差の許容値
Hz dB
無響室 ≦630 ±1.5
(自由音場) 8005 000 ±1.0
≧6 300 ±1.5
半無響室 ≦630 ±2.5
(半自由音場) 8005 000 ±2.0
≧6 300 ±3.0
A.2.3 適性評価を行うべき周波数範囲
この附属書に従って適性評価を行う測定の周波数範囲は,少なくとも100 Hz10 000 Hzとする。表A.1
の性能を満足する試験室については,試験用音源がA.3.1に規定する要求事項を満たし,測定器が拡張し
た周波数範囲で十分な性能をもっている場合には,周波数範囲を拡張して評価してもよい。125 Hzより低
い周波数帯域及び4 000 Hzより高い周波数帯域では,逆2乗則からの偏差を,1/3オクターブバンド中心
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周波数ごとに調べる。125 Hz4 000 Hzの範囲は,オクターブバンド中心周波数に相当する周波数につい
て試験すればよい。
100 Hz10 000 Hzより狭い周波数範囲で試験を行った場合(3.11参照)には,その試験室は,この規格
に完全に合致していることにはならない。狭くした周波数範囲で試験室の適性試験を行った場合,次の条
件を満たしていれば,その試験室における測定は,この規格によったとしてよい。
a) 狭くした周波数範囲で,1/3オクターブバンドが連続している場合。
b) 報告に狭くした周波数範囲を明記する場合。
c) “JIS Z 8732に完全によった”ということを,表示又は暗示しない場合。
A.2.4 最大保証半径
最大保証半径とは,A.3.3に示す全てのトラバース経路について,A.2.3に記載した周波数範囲にわたっ
て,A.2.2の要求事項を満たしたマイクロホントラバースの起点からの最大の距離をいう。
A.2.5 半無響室の反射面の特性
反射面の吸音率は,特性を評価する周波数範囲全体にわたって,0.06を超えてはならない。
注記 空気だ(溜)まり及び対象周波数範囲で構造的な共振をもたない密閉したコンクリート構造又
は面密度が20 kg/m2以上の密閉軽量構造がこの条件に適合する。
反射面の寸法は,その上に設定する半球測定面の投影面より対象周波数範囲の最低周波数の音の波長の
1/4以上,かつ,0.75 m以上大きくなければならない。
A.3 試験用音源とマイクロホントラバース経路の設定
A.3.1 試験用音源の要求事項
試験用音源は,試験機関又は特性試験を行う専門家の責任において設計又は選択する。試験用音源は,
JA.3に規定する要求事項を満たしていなければならない。試験用音源の指向特性は,特性試験の対象とし
ている無響又は半無響空間の中で行ってもよい。
注記 無響又は半無響の空間の自由音場特性の試験に適した音源の例が,参考文献[34],[35],[36]及
び[37]に示されている。
A.3.2 試験用音源の設置
A.3.2.1 一般事項
試験用音源は,測定対象騒音源を設置する位置に置く。無響空間では,試験室の中心にするのがよい。
半無響空間では,反射性の床の中心点の上とするのがよい。
A.3.2.2 半無響室における試験用音源の設置位置
半無響室の適性試験では,試験用音源を床上150 mm以内に置き,その音響中心ができるだけ反射面の
近くになるようにする。そのためには,可能であれば,反射面の中心に試験用音源を設置できるように,
あらかじめ小さな空洞を設けておくとよい。
A.3.3 マイクロホントラバース経路
マイクロホントラバースは,少なくともa) e)に規定する5本(最大で8本)の直線経路に沿って行う。
全ての経路の起点は同一とし,試験用音源の物理的な体積内になるように設定する。
トラバース経路は,次の要領で設定する。
a) 少なくとも一つのトラバース経路は,音響的仕上げの吸音特性が一様で,自由音場特性となりやすい
試験室の二つの面が交わるりょう(稜)線の方向へ設定する。
b) 少なくとも一つのトラバース経路は,音響的仕上げの吸音特性が一様で,自由音場特性となりやすい
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試験室の三つの面が交わる隅の方向へ設定する。
c) 少なくとも一つのトラバース経路は,音響的仕上げの吸音特性が一様で,自由音場特性となりやすい
試験室の境界面の中心の方向へ設定する。
d) 少なくとも一つのトラバース経路は,最も近い試験室の境界面の方向へ設定する。
e) 少なくとも一つのトラバース経路は,音響的仕上げが特殊又は不均一で,音場に対して最も影響が大
きい室境界面(例えば,ドア,監視用窓,換気口及び遮音測定用開口などを含む壁面)の方向へ設定
する。
A.4 試験の手順
A.4.1 分析バンド幅
一般に,試験室は,離散周波数の測定にも十分な性能を備えていなければならない。離散周波数に対す
る性能は,単一の純音又は重畳した純音を音源として,周波数帯域ごとに分割して分析する方法によって
調べる。測定対象の個々の周波数では,測定バンド幅は1/3オクターブバンド又はそれより狭いバンド幅
とし,それぞれの分析バンド内の純音は,一つに限る[37]。測定対象騒音源が広帯域騒音を放射している
場合には,離散周波数に対する性能評価の代わりに,広帯域の性能評価を行ってもよい。その場合,予備
測定によって,測定対象騒音源の放射音に卓越した離散周波数の成分が含まれていないことを確認してお
く。
A.4.2 試験音の放射
A.3.1の要求事項に適合した試験用音源から,純音,重畳純音,帯域制限ノイズ又は広帯域ノイズを放射
する。
離散周波数による適性評価として純音又は重畳純音を用いる場合には,適性試験の対象としている周波
数以外の周波数成分が15 dB以上減衰するようにフィルタリングを行う。広帯域評価又は離散周波数によ
る評価のために試験信号として広帯域ノイズを用いる場合には,試験信号としてランダムノイズ又はラン
ダムノイズから得られる広帯域試験信号を用いる。
A.4.3 測定点の空間的分割配置
A.3.3に記載したマイクロホントラバース経路上の等間隔の測定点で,周波数ごとに音圧レベルを測定す
る。最大保証半径(A.2.4参照)内の合計で最少50点,各トラバース経路上で最少10点の測定点が必要で
ある。測定点間の距離は,250 Hz以下では測定対象周波数の音の波長の1/10以下,250 Hzより高い周波
数では100 mmを超えないようにする。
離散周波数信号に対しては,マイクロホンをトラバース経路に沿ってゆっくりと連続的に移動させなが
ら音圧レベルを記録する方法をとってもよい。距離に対する音圧レベルのデータは,離散点に対するのと
同じ方法で,値を空間的にサンプリングして読み取る。
A.5 記録及び報告事項
A.5.1 記録事項
この附属書に従って行った試験について,次の事項を記録する。
a) 測定の日時
b) 測定及び計算に責任をもつ者の名前
c) 性能試験の対象とした試験室の諸元及び壁·天井·床の仕上げ
d) 試験用音源の設置位置,試験室の特徴的な箇所及び不均一性のある場所のスケッチ
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JIS Z 8732:2021の引用国際規格 ISO 一覧
- ISO 3745:2012(MOD)
- ISO 3745:2012/AMENDMENT 1:2017(MOD)
JIS Z 8732:2021の国際規格 ICS 分類一覧
- 17 : 度量衡及び測定.物理的現象 > 17.140 : 音響及び音響測定 > 17.140.01 : 音響測定及び雑音除去一般
JIS Z 8732:2021の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISC1508:2000
- 騒音計のランダム入射及び拡散音場校正方法
- JISC1509-1:2017
- 電気音響―サウンドレベルメータ(騒音計)―第1部:仕様
- JISC1513-1:2020
- 電気音響―オクターブバンド及び1/Nオクターブバンドフィルタ(分析器)―第1部:仕様
- JISC1515:2020
- 電気音響―音響校正器