JIS Z 8733:2000 音響―音圧法による騒音源の音響パワーレベルの測定方法―反射面上の準自由音場における実用測定方法 | ページ 6

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補正を行わない。 その測定はこの規格に従うものとして
る(表0.1参照)。
6dBと15dBの間の 歛地 式(7)に従って補正を行う。たとえ,ある周波数バンドにおいて,
その測定が有効でないとしても, 艙 慎 としてA特性値に対しては適合した
ものとできる。ここに, LpA
L pA
値と との値の差である。
その結果の精度は低下する。このような測定に対し適用される最大の補正
値は1.3dBである。しかしながら,その結果は報告してもよく,測定対象機器の音響パワーレベルの上限
を算出するには便利であろう。そのようなデータが報告されるときは,図及び表によることはもちろんの
こと,この規格の暗騒音の要件を満足しなかったことを報告書に言葉で明示しなければならない。

8.4 試験環境に対する補正

  附属書Aに規定する手順の一つを使い,(A特性又は周波数バンドごとの)環境補正値K2を算出する。
K2A2dBのとき,A特性に対し,そして,K2j2dBのとき,j番目の周波数バンドに対し,この規格に従
う測定として有効なものとなる(表0.1参照)。
備考27.
K2が2dBよりも大きいときは,環境的な基準を満足しておらず,その測定結果の精度は低下する。し
かしながら,この規格に規定する測定方法を使うことが許される。ただし,この場合,結果を報告す
るときには,2dBの最大補正値を適用し,その音響パワーレベルがそのようにして算出されたもの以
下であることを明記しなければならない。又は,補正を最大限適用できるが,その場合,ISO 3746を
引用しなければならない。

8.5 表面音圧レベルの計算

  補正項K1,K2及び次の式を使い, L p   の値に対し暗騒音及び反射音の補正を行うことにより表面音圧レ
ベル Lpf を算出する。
Lpf = Lp −K1−K2 dB (8)
参考 この規格の前版では,K1,K2に対応するものとして音場補正値を規定していたが,その場合,
負の値(マイナス)を加算したのに対し,この版では原国際規格にならい正の値(プラス)を
除算していることに注意する。

8.6 音響パワーレベルの計算

  音響パワーレベルLWは,次のように計算する。
S
LW Lpf 10 log10 dB (9)
S0
ここに, Lpf : 式(8)によるA特性又はバンド表面音圧レベル (dB)
S : 測定表面の面積 (m2)
S0=1 (m2)

8.7 追加的な量の算出

  特定の種類の機器のための個別規格によって,次の追加的な量が要求されることがある。
a) 附属書Dのいずれか一つの方法に従って得られる騒音の衝撃性に関する情報及び/又は試聴による離
散純音の有無
b) 測定表面上のある点におけるものか又は測定表面上で平均した音圧スペクトル

――――― [JIS Z 8733 pdf 26] ―――――

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c) 附属書Eによる指向指数
d) 定義されたあるマイクロホン位置におけるもの及び測定表面上の複数のマイクロホン位置におけるA
特性音圧レベルの時間変化
e) 測定表面上のマイクロホン位置ごとの,異なる時間重み特性及び/又は異なる周波数重み特性での音
圧レベル

9. 記録事項

  この規格に従って行われるすべての測定に対し,適用可能なときには,9.19.5で列挙する情報を収集,
記録する。

9.1 測定対象機器

a) 次を含む,測定対象機器の詳細
− 型式
− 技術仕様
− 寸法
− 製造業者名
− 機械の製造番号,及び
− 製造年
b) 試験中の作動条件(該当する個別規格があるときはそれに従い,又は製造業者の指示書に従うものと
する。)
c) 据付け条件

9.2 音響環境

a) 試験環境の記述
− 屋内のときは,壁,天井及び床の物理的な処理,並びに測定対象機器及び室内にあるものの配置を示
すスケッチ
− 屋外のときは,試験環境の物理的特性を含め,周囲の地形に対する測定対象機器の配置を示すスケッ

b) 附属書Aによる試験環境の音響的な検定結果
c) 気温 (℃),気圧 (kPa) 及び相対湿度 (%)

9.3 測定器

a) 試験に使用した機器の名称,型番,製造番号及び製造業者名
b) マイクロホン及び他のシステム要素の校正を点検するために使った方法,校正の日付,場所及びその
結果
c) (使用したときは)風防の特性

9.4 音響データ

a)   特性音響パワーレベル,及び必要であれば周波数バンドごとの音響パワーレベル
備考28.
ISO 9296では,コンピュータ及び事務機器のA特性音響パワーレベルを,恒等式1B=10dBを使い,
単位をベル (B) として表現することを要求している。
b) 測定表面の形状,測定半径,並びにマイクロホン位置又は経路の配置及び向き
c) 測定表面の面積S

――――― [JIS Z 8733 pdf 27] ―――――

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d) 表面音圧レベルに対する(A特性又は周波数バンドごとの)暗騒音補正値K1
e) (A特性又は周波数バンドごとの)環境補正値K2及びそれを算出した附属書Aの手順
f) 測定点iにおける(A特性又は周波数バンドごとの)音圧レベルLpi
g) (A特性又は周波数バンドごとの)表面音圧レベル Lpf ,(ここに,xは,測定距離d又は測定半径r
x
である。)
h) 試験を行った場所,日時及び試験責任者の名前
i) A特性値を算出するために使った方法(直読か,周波数バンドデータからの合成かを明記。後者の場
合、周波数バンド幅と対象周波数範囲も明記。)
参考 上記i)は,原国際規格にはない要求であるが,JISとして追加した。また,直読にするか,周
波数バンドデータからの合成で求めるかは,特定の種類の機器のための個別規格で規定するこ
とが望ましい。

9.5 追加データ

a) 音響パワースペクトル,又は暗騒音及び環境的な影響に対し補正された音圧スペクトル
b) 附属書Dのいずれか一つの方法に従って得られる衝撃音に関する情報及び/又は試聴による離散純音
の有無
c) 音圧レベルの時間に対する変動
d) 附属書Eに従いもとめた,対象としているマイクロホン位置の,その方向での指向指数(半球測定表
面の場合だけ)
e) 測定表面上の,ある規定したマイクロホン位置における,異なる時間重み特性及び/又は異なる周囲
数重み特性での音圧レベル
f) 風速及び風向
g) 再現性の標準偏差 刀
h) 個別規格で要求するすべてのデータ

10. 報告事項

  記録事項(9.参照)のうち,その測定の目的に対して要求されているもの(ISO 4871を参照)だけを報
告する。
試験報告書には,報告された音響パワーレベルがこの規格に完全適合して得られたものであるかどうか
を,明記しなければならない。
測定対象機器の音響パワーレベルは,最も近い0.5dB単位で報告する。

――――― [JIS Z 8733 pdf 28] ―――――

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附属書A(規定) 音響環境の検定手順

A.1 一般事項

  この規格に従う測定では,反射面上のほぼ完全な自由音場を提供する環境を使用する。次に規定する要
件を満足するとき,半無響室,屋外空間又は通常の室を使うことが許される。
試験室は,十分に大きく,かつ,実際的である限りにおいて,反射面以外から反射の影響がないものと
する。
試験室とは,次のようなところにある測定表面を提供するものとする。
a) 室の境界又は近くにある物体からの望ましくない反射が本質的にない音場の内側にあり,かつ,
b) 測定対象機器による近傍音場の外側
音源の中心と,それよりも低いところにある測定位置との最大距離の3倍以内に音を反射する物体がな
く,アスファルトやコンクリートのように硬く平坦な地表面からなる屋外の試験サイトに対しては,環境
補正値K2は0.5dB以下と想定されており,したがって,無視することができる。
JIS Z 8732に適合する半無響室で行われる測定に対しても,環境補正値K2は,無視できるものと想定さ
れる。
参考 結果的に,JIS Z 8732に従って,1度半無響室の検定を行えば,環境補正値K2=0となる。
備考29.
(例えば,柱及び支持部材の直径のように)音源の近傍にある物体の幅が基準箱からの距離の10分の
1を超えるとき,その物体は音を反射するものと考えられる。
環境補正値K2の値を算出するために使われる二つの方法のうち,どちらか一方を選択し,環境による影
響を数値化する。望ましくない環境の影響の有無を判断し,この規格に従って実際の測定対象機器に対し
て使う測定表面を検定するため,これらの手順を使う。
1番目の検定試験(絶対比較試験,A.3参照)は,基準音源を使って行われ,屋外でも,屋内でも使うこ
とができる。
周波数バンドデータが必すなとき,こちらの方は,特に望ましい方法である。
2番目の検定試験(室吸収に基づく方法,A.4参照)は,残響時間測定を実測するか又は平均吸音率を推
定することによって,室の等価吸音面積Aを算出することを必要とする。この試験手順は,室がほぼ直方
体をしており,室内に音源以外のものが実質的に何もなく,かっ,室の境界面において吸音効果があるこ
とを前提としている。このような条件の下,測定対象機器が移動できないとき及びその寸法が大きいとき
には,これは望ましい方法である。
環境補正値K2の値が2dB以下のときだけ,その試験環境内における測定表面において,この規格に適
合する測定を行うことができる。環境補正値K2が2dBを超えるときは,測定表面を小さくするか又は試
験環境を改善するかして,その手順を繰り返さなければならない。
備考30.
試験環境を改善することが実際的でないときは,ISO 3746の方法を使って測定対象機器の音響パワー
レベルを算出する方が適当なことがある。

A.2 環境条件

――――― [JIS Z 8733 pdf 29] ―――――

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A.2.1 反射面の特性

  次の環境において測定を行うことが許される。
− 一つの反射面上の屋外
− 吸音性の壁及び天井,音を反射する床,並びに更にもう2面までの床に直角な反射面をもつ室内反射
面が床面でないか又は試験室の表面の一部分でないときは,その平面が振動によって,認識できるほ
ど大きな音を放射していないことを確保するため,特段の注意を払うべきである。
A.2.1.1 形及び大きさ
反射面は,測定表面の投影よりも少なくとも 一 ,外側まで広がっているものとする。ここに,
対象周波数範囲の最低周波数での波長である。
A.2.1.2 吸音率
反射面の吸音率(JIS A 1409参照)は,対象周波数範囲で0.06未満であることが望ましい。コンクリー
トや滑らかにシールしたアスファルトならば,この要件を満足のできるものと考えられる(表A.1も参照)。

A.2.2 屋外測定に関する注意事項

  対象周波数範囲の音の伝搬,又は測定中の暗騒音に対し,(例えば,温度,湿度,風,降雨のような)望
ましくない気象条件の影響を最小にするために注意を払わなければならない。
風の影響からマイクロホンをシールドするために,何らかの装置を使うときは,測定した音圧レベルに
対し適切な補正をする。

A.3 絶対比較試験

  測定対象機器が試験サイトから移動可能なとき,この手順を使うことが望ましい。

A.3.1 手順

  ISO 6926の要件を満足する特性をもつ基準音源を,原則として,試験環境内の測定対象機器のそれと同
じ位置に据え付ける。環境補正値K2を使わずに,7.及び8.の手順に従って基準音源の音響パワーレベルを
算出する(すなわち,最初はK2=0と想定する)。測定対象機器の測定に使われるそれと同じ測定表面を使
う。
(A特性又は周波数バンドごとの)環境補正値K2は,次で与えられる。
K2=L*W−LWr (A.1)
ここに, L*W : K2の値に0を使い,7.及び8.に従って算出した,環境補正して
いない基準音源の音響パワーレベル。単位はデシベル (dB),
基準パワーは1pW (10−12W)。
LWr : 基準音源の校正済み音響パワーレベル。単位はデシベル (dB),
基準パワーは1pW (=10−12W)。
備考31.
この方法は,直接測定したA特性レベルと周波数バンドレベルの両方に適用可能である。測定対象機
器のスペクトルが基準音源のそれと大きく異なるときは,K2Aを周波数バンドレベルから算出するこ
とが望ましい。

A.3.2 試験環境内の基準音源の配置

  測定対象機器が試験環境から移動可能なとき,手持ち形機器のような特殊な場合を除き,測定対象機器
の高さに関係なく,反射床の上に基準音源を置く。
備考32.
基準音源が反射床面の上方や他の反射面の近傍に置かれるとき,それは同様の位置で校正されている

――――― [JIS Z 8733 pdf 30] ―――――

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JIS Z 8733:2000の引用国際規格 ISO 一覧

  • ISO 3744:1994(MOD)

JIS Z 8733:2000の国際規格 ICS 分類一覧

JIS Z 8733:2000の関連規格と引用規格一覧