JIS Z 8734:2021 音響―音圧法による騒音源の音響パワーレベル及び音響エネルギーレベルの測定―残響室における精密測定方法 | ページ 4

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L pm(pre) : 騒音源が作動している間の,6点で測定した1/3オクタ
ーブバンド時間平均音圧レベルの算術平均値(dB)
NM(pre)=6(最初に設定したマイクロホン位置の数)
8.4.2.3 設定するマイクロホン位置の数
式(10)で計算した時間平均音圧レベルの標準偏差sMが,一つ又はそれ以上の1/3オクターブバンドで1.5
dBを超えている場合,測定対象騒音源は離散周波数成分を含む音を放射していると考えられる。その場合
には,残響室及び試験条件を変更して附属書Dに規定する特性となるようにするか,又は音響パワーレベ
ルの算出に必要となる残響室内の時間平均音圧レベルの平均値(計算は9.1.3による。)を求めるために必
要なマイクロホン位置の数NMを,表3から求める。
マイクロホントラバースによる場合には,トラバース経路の最短の長さは,次の二つの値のうちの小さ
い方にする。
l NM
2 (11)
l 10.3
ここに, l : マイクロホントラバース経路の長さ(m)
測定周波数帯域の中心周波数の音の波長(m)
NM : 表3に示すマイクロホン位置の数
マイクロホン位置の数が多数必要な場合には,マイクロホントラバースの方法を推奨する。
表3−時間平均音圧レベル測定のためのマイクロホン位置の最少の数
1/3オクターブバンド中心周波数 標準偏差sM
Hz dB
sM≦1.5 1.53
NMの最小値
100,125,160 6 6 6
200,250,315 6 12
400,500,630 12 24
≧800 15 30
注記 回転拡散翼を用いた場合,固定マイクロホン位置の数を少なくし,またマイクロホントラバー
スによる場合には,その経路を短くすることが可能である。
8.4.2.4 音源位置の追加の必要性評価
8.4.2.2に規定した手順で計算した時間平均音圧レベルの標準偏差sMが,一つ又はそれ以上の1/3オクタ
ーブバンドで1.5 dBを超えている場合には,測定対象騒音源は,強い離散周波数成分を含む音を放射して
いると考えられる。その場合には,残響室又は試験条件を変更して附属書Dに規定する特性となるように
するか,又は音源の位置の数NSを,式(12)及び表4から求める。
2
T60 1000 1
NS≧KS (12)
V f NM
ここに, KS : 該当する1/3オクターブバンドに対して表4に示す値
T60 : 残響室の1/3オクターブバンドごとの残響時間(s)
V : 残響室の容積(m3)
f : 1/3オクターブバンドの中心周波数(Hz)

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NM : 該当する1/3オクターブバンドについて,表3に示す時
間平均音圧レベルの測定に必要なマイクロホン位置の数
表4−時間平均音圧レベル測定のための音源位置の最小の数及びKSの数値
1/3オクターブバンド中心周波数 標準偏差 : sM
Hz dB
sM<1.5 1.53
KS
100,125,160 2.5 5
200,250,315 5 10

400,500,630 10 20
≧800 12.5 25
NSの最小の数 1 式(12)による。
回転拡散翼を用いれば,追加する音源の設置位置の数を減らすことが可能である(附属書B参照)。
モードの重なりを増やすために残響時間を短くすることによっても,追加する音源の位置の数を減らす
ことが可能である。中心周波数が1 000 Hz未満の1/3オクターブバンドについては,残響時間T60(秒)が
次の不等式を満たすようにすることを推奨する。
2
V f
T60<
1000
ここに, V : 残響室の容積(m3)
f : 1/3オクターブバンドの中心周波数(Hz)
8.4.2.5 音響パワーレベルを求めるための測定
固定マイクロホン位置で行った測定の結果を,8.4.2.3及び8.4.2.4によって評価し,マイクロホン位置又
は音源位置を追加する必要がないと判定された場合には,8.4.1による最初の6点の固定測定点における測
定を,最終結果としてよい。8.4.2.3による評価で,マイクロホン位置又はトラバースを追加することが必
要となった場合には,必要なマイクロホン位置の数又はマイクロホントラバース経路の長さで追加測定を
行う。8.4.2.4によって音源の位置の数を増やす必要があると評価された場合には,追加した音源位置につ
いて,同じ数のマイクロホン位置又はトラバース経路の長さで測定を行う。その場合,それぞれの音源位
置について,8.4.2.3による評価を繰り返す必要はない。

8.5 時間積分音圧レベルの測定

8.5.1 一般事項
直接法及び比較法のいずれによる場合にも,i番目(i=1,2·NM)のマイクロホン位置で,対象周波数
範囲の1/3オクターブバンドごとに,測定対象騒音源の発生音の時間積分音圧レベルLE,T,i(ST)を測定する。
音の発生ごとに測定する場合には,測定をNe回(Neは最小5)繰り返す。Ne回の音の発生を連続して測定
する方法をとってもよい(その場合にも,Neは最小5)。これらの測定は,回転拡散翼は停止した状態で,
騒音源の作動モードごとに行う(7.5参照)。残響室が附属書Dの条件を満たしていれば,適性試験の際と
同じ数のマイクロホン及び同じマイクロホン位置で測定を行う。残響室が附属書Dの条件を満たしていな
い場合には,8.3で規定したように6点のマイクロホン位置を設定し,評価のための最初の測定位置とする
(8.5.2参照)。繰返し性のない衝撃騒音を発生する騒音源を対象とする場合は,マイクロホンを移動する
方法を用いてはならない。
測定対象騒音源の発生音の測定時間Tは,時間積分音圧レベルへの寄与が無視できない減衰部分も含ま

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れるように,十分な長さとしなければならない。
測定対象騒音源の時間積分音圧レベルの測定の直前又は直後に,1/3オクターブバンドごとの暗騒音の
時間積分音圧レベルLE,T,i(B)を,各マイクロホン位置で測定する。その場合,測定時間Tは,測定対象騒音
源の時間積分音圧レベルの測定と同じとする。
8.5.2 離散周波数成分の測定が保証されていない残響室における追加的評価(附属書D参照)
8.5.2.1 一般事項
マイクロホン及び音源の位置の追加について,8.4.2で規定した手順と同様な評価を行う。ただし,その
場合は,時間平均音圧レベルではなく,時間積分音圧レベルを測定する。
8.5.2.2 音響エネルギーレベルを求めるための測定
8.5.2.1による評価で,マイクロホン位置及び音源の位置を追加する必要がない場合には,六つのマイク
ロホン位置を用いる8.5.1の方法で測定を行い,最終結果としてよい。8.5.2.1による評価で,マイクロホ
ン位置の追加が必要となった場合には,必要とされるマイクロホン位置で測定を繰り返す。8.5.2.1による
評価で,音源位置の数を追加する必要がある場合には,追加したそれぞれの音源位置について,同じ数の
マイクロホン位置で測定を行う。

8.6 比較法における基準音源による時間平均音圧レベルの測定

8.6.1 基準音源の設置位置
基準音源は,残響室の床の上に,壁から1.5 m以上離して置く。基準音源を対象とした測定の間も,測
定対象騒音源は残響室内に置いておく。騒音源の移動が難しい場合には,基準音源は騒音源から1.5 m以
上離れて,なるべく騒音源に近い位置に置く。8.4.2又は8.5.2で,複数の音源位置が必要と評価された場
合でも,基準音源の設置は1か所でよい。
基準音源の設置位置は,測定対象騒音源を設置する位置に一致させることが望ましい。測定対象騒音源
を複数の位置に設置する必要がある場合には,その中の1か所とする。
8.6.2 基準音源による時間平均音圧レベル
対象周波数範囲の1/3オクターブバンドごとに,8.4.1又は8.5.1に記載した測定対象騒音源の測定の場
合と同じ離散的なマイクロホン位置又はマイクロホントラバース経路で,基準音源による時間平均音圧レ
ベルL p(RSS)を測定する。この測定は,気温,湿度及び気圧が,測定対象騒音源の測定時と5.5に示した範
囲で一致する条件で行う。
注記 基準音源に対する要求事項は,6.1に記載したとおりで,基準音源について8.4.2の評価を行う
必要はない。

8.7 残響時間の測定

  残響室の残響時間T60の測定は,ISO 3382-2によって行う。
測定対象騒音源が残響時間に大きな影響を及ぼす可能性がある場合には,残響時間の測定時に,測定対
象騒音源を残響室内に置いておく。中心周波数が6 300 Hz10 000 Hzの1/3オクターブバンドの残響減衰
の測定回数は,中心周波数が5 000 Hzの1/3オクターブバンドについてと同じとする。

8.8 気象条件の測定

  騒音源の測定時に,その周辺の気象条件(気温,静圧及び相対湿度)を測定する。そのためには,5.5
の要求事項を満たしていることを調べることができる精度をもつ測定機器を使用する。

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9 音響パワーレベル及び音響エネルギーレベルの算出

9.1 音響パワーレベルの算出

9.1.1 複数の音源位置を設定する場合の時間平均音圧レベルの測定
8.4.2.4の評価によって,複数の音源位置について測定を行った場合には,設定した測定対象騒音源の作
動条件ごとに,それぞれの音源位置について,i番目のマイクロホン位置又はi番目のマイクロホントラバ
ースで1/3オクターブバンドごとの時間平均音圧レベルLpi(ST)を測定する。
9.1.2 暗騒音の補正
j番目の音源位置に置いた測定対象騒音源が作動している間に,i番目(i=1,2·NM)のマイクロホン
pi(ST) ] jと暗騒音の時間平均音
位置又はi番目のマイクロホントラバースで測定した時間平均音圧レベル [L
圧レベルLpi(B)との差ΔLpiから,a) c)によって暗騒音補正値K1i(dB)を1/3オクターブバンドごとに算定
する(図1参照)。
a) ΔLpi≧20 dBの場合は,K1iは0 dBとする。
b) 10 dB≦ΔLpi<20 dBの場合は,式(13)によってK1iを計算する。
ΔLpi /10
K1i 10log10110 (13)
pi(ST) ] j−Lpi(B)
ここに, ΔLpi=[L
c) ΔLpi<10 dBの場合は,K1iは0.46 dB(ΔLpi=10 dBの場合の値)とする。この場合には,それらの周波
数帯域で測定対象騒音源の音響パワーレベルの上限値であることを試験報告書に記載する。
図1−暗騒音の補正
a) c)によって求めたK1iを用いて,式(14)によって暗騒音補正をした [Lpi(ST) ] jを求める。
[Lpi(ST) j
['
L pi(ST) j
K1i (14)
9.1.3 残響室内の時間平均音圧レベルの平均値の計算
式(14)で求めた [Lpi(ST) ] jを全ての音源位置についてエネルギー平均した値Lpi(ST)を,式(15)によって計算

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する。
NS
1 [ Lpi(ST) /10
j
Lpi(ST)
10log10 10 (15)
NS j 1
ここに, NS : 音源位置の数
式(15)で求めたLpi(ST)を全てのマイクロホン位置又はマイクロホントラバースについてエネルギー平均
して,測定対象騒音源が作動している間の時間平均音圧レベルの残響室内の平均値 Lp(ST) を,式(16)によっ
て計算する。
NM
1 L (ST)/10
Lp(ST)10log10 10pi (16)
NM i 1
ここに, NM : マイクロホン位置の数又はマイクロホントラバースの回

9.1.4 基準音源による残響室内の時間平均音圧レベルの平均値の計算
8.6.2によって測定した基準音源(RSS)による1/3オクターブバンド時間平均音圧レベルに9.1.2と同様
に暗騒音補正をして求めたLpi(RSS)を,全てのマイクロホン位置又はマイクロホントラバースについてエネ
ルギー平均して,残響室内の平均値 Lp(RSS) を式(17)によって計算する。
NM
1 L (RSS)/10
Lp(RSS)10log10 10pi (17)
NM i 1
pi(RSS)−K1i(RSS)
ここに, Lpi(RSS)=L
ただし,L pi(RSS) : i番目のマイクロホン位置又はi番目のマイクロホントラ
バースで測定した基準音源による1/3オクターブバンド
時間平均音圧レベル(dB)
K1i(RSS) : i番目のマイクロホン位置又はi番目のマイクロホントラ
バースで測定した基準音源による1/3オクターブバンド
時間平均音圧レベルに対する暗騒音補正値(dB)で,式
(13)の [L pi(RSS)に置き換えて計算する。
pi(ST) ] jをL
NM : マイクロホン位置の数又はマイクロホントラバースの回

9.1.5 残響室の等価吸音面積を用いた音響パワーレベルの算出(直接法)
基準気象条件における測定対象騒音源の1/3オクターブバンド音響パワーレベルLW(dB)を,式(18)に
よって計算する。
A A Sc
LW Lp(ST)10log10 4.34 10log101 C1 C2 6 (18)
A0 S 8Vf
ここに, Lp(ST) : 測定対象騒音源が作動している間の,暗騒音補正をした
1/3オクターブバンド時間平均音圧レベルの室内平均値
(dB)で,式(16)による。
A : 残響室の等価吸音面積(m2)で,次の式による。
55.26V
A
cT60

――――― [JIS Z 8734 pdf 20] ―――――

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JIS Z 8734:2021の引用国際規格 ISO 一覧

  • ISO 3741:2010(MOD)

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JIS Z 8734:2021の関連規格と引用規格一覧