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A 1415 : 2013
6.3 紫外線カーボンアークランプによる暴露試験方法
6.3.1 一般事項
紫外線カーボンアークランプによる暴露試験は,JIS B 7751に規定する試験機を用いて,表7に示す試
験条件によって行う。
表7−紫外線カーボンアークランプによる暴露試験の試験条件
項目 暴露試験方法
WV-A WV-B
カーボンアーク電圧・電流 交流電圧 許容範囲 125 V145 V
設定値 (135±2 %)
交流電流 許容範囲 15 A17 A
設定値 (16±2 %)
フィルタ及びその分光透過率 ガラスグローブ
275 nmで2 %以下,400 nm700 nmで90 %以上
ランプ 2灯 1灯
試験片面の放射照度a) WV-B形の放射照度をもつラン 500±100 W/m2(波長域300 nm
プ2灯を用いる試験片とランプ700 nm)(アーク中心から,水平
との位置関係は,図2によるa)。
方向に254±1 mmの位置)
試験片保持装置 ドラム方式 ラック方式
ドラム内径又は枠外径 ドラム内径 795±10 mm 枠外径 508±3 mm
回転速度 約1 min−1(1 rpm) 約3 min−1(3 rpm)又は
1 min−1(1 rpm)
ブラックパネル温度b) 63±3 ℃
相対湿度 (50±5) % (50±5) %が望ましい。
試験片面への水噴霧サイクルc) 102分間照射後,18分間照射及水噴霧なし
び水噴霧
照射方法 連続照射
注a) 放射照度は,試験片とランプとの距離を一定にすることによって管理する。
b) 受渡当事者間の協定によって,その他の温度に変更してもよい。
c) 受渡当事者間の協定によって,その他のサイクルで実施してもよい。例えば,水噴霧サイクルは
48分間照射後,12分間照射及び水噴霧の条件などがある。
6.3.2 試験装置
6.3.2.1 発光部
発光部は,空気密閉のグローブ形のフィルタを用い,カーボン棒電極間のアークによって,380 nm付近
にピークの波長域のある分光分布をもつものとする。フィルタは,2 000時間以内で交換する。カーボンで
は,20時間以上の運転が可能であり,灰分は有心3.0 %以下,無心0.5 %以下とする。
6.3.2.2 試験槽
試験槽は,耐食性金属で構成され,試験片取付け用ドラム又は枠を装備し,温度調節のために試験片面
上を空気を通過させるための装置をもっているものとする。試験片取付け用ドラム又は枠は,光源の中心
軸(WV-A法では,2灯の中心軸間の中心)に沿って回転するものとする。
6.3.2.3 温度計
温度計は,ブラックパネル温度計を用いる。
6.3.3 操作
操作は,次による。
a) ランプの上部カーボンホルダ及び下部カーボンホルダにカーボンを取り付ける。
――――― [JIS A 1415 pdf 11] ―――――
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A 1415 : 2013
b) 汚れ,破損がなく,洗浄されたフィルタを取り付ける。
c) 測定用ブラックパネル温度計をドラム又は枠に取り付ける。
d) 紫外線カーボンアークランプでは,グローブの紫外線透過率は最初の100時間位までは急激に低下す
るので短時間の試験では,100時間を経過したものを用いる。使用時間は,2 000時間を超えないよう
にする。発光部が2灯の場合は,交換時期をずらし,1 000時間に1灯交換する。再点灯する場合はグ
ローブを十分冷却するか,又は中の空気を入れ替える。グローブは,破損があってはならない。また,
ガスチェックプレートの密着面に,割れ又は欠けがあってはならない。
e) タイムスイッチの時間を設定し,運転を開始する。
f) 放電電流電圧を表6に示すように調節し,試験機内の温度が安定したとき,ブラックパネル温度計が
63±3 ℃であることを確認する。
g) V-A法では,噴霧サイクルを設定し,試料への水噴霧が正常であることを確認する。ただし,受渡
当事者間の協定によって,これと異なったサイクルを用いることができる。
h) 試験片は,定期的(例えば,カーボン取換え時)にその位置を5.9に従って入れ替え,試験片面に照
射する光エネルギーが均等になるようにする。試験片を入れ替え,取り外すときは,試験片を汚損し
たり,有害な外力を与えないようにする。
i) 各製品規格で定める試験時間に達するまで,操作を繰り返す。
j) 試験が終了した試験片は,JIS K 7100に規定する状態の暗室又は光の入らない容器内に保存する。
単位 mm
図2−WV-A法のランプの位置
7 評価
7.1 一般条件
試験片は,必要に応じて適切な方法で清浄にするとともに,JIS K 7100に規定する状態下で状態調節を
――――― [JIS A 1415 pdf 12] ―――――
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行う。性能の変化は,必要に応じて保存試験片又は比較試験片と比較して評価する。
7.2 評価項目
試験結果の評価は,各対象材料の製品規格に従って行う。ただし,製品規格に規定がない場合は,次の
項目の中から選び,評価を行う。
なお,試験の目的が製品規格に定める品質又は性能の評価でない場合には,その一部を省略してもよい。
a) 形状・寸法変化
b) 外観変化(色,光沢,光線透過率など)
c) 物性変化(引張強さ,伸び率など)
d) その他
7.3 評価方法
劣化の程度を評価するための試験方法について規定のない場合は,JIS K 7362又は受渡当事者間の協定
による。
8 報告事項
次の事項を記載し,報告する。
a) 試験方法の種類
b) 装置の名称・形式
c) 試験片
1) 名称
2) 寸法(mm)
3) 数量
4) 比較試験片の有無
5) 受渡当事者間の協定によって定めた内容(例えば,形状,材質,採取・作製方法,比較試験片など
の情報)
d) 試験条件
1) 放射照度又は分光放射照度{波長域[W/m2又はW/(m2・nm)]を含むその測定方法}
2) フィルタの使用条件及び種類
3) ブラックパネル温度又はブラックスタンダード温度(℃)
4) 相対湿度(%RH)
5) 水噴霧の有無及び水噴霧サイクル
6) 試験片位置及びその入替えの条件
7) 試験後の試験片処理(水洗など)
8) 槽内温度制御の有無及び槽内温度を制御したときはその温度(℃)
9) 受渡当事者間の協定によって定めた試験条件
e) 評価項目
f) 暴露ステージ{試験時間(h),放射露光量(J/m2)及び分光放射露光量[J/(m2・nm)]}
g) 試験結果(形状・寸法変化,外観変化,物性変化など)
h) 試験年月日及び期間
i) その他必要事項
――――― [JIS A 1415 pdf 13] ―――――
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附属書A
(参考)
キセノンアークランプに用いるガラス製フィルタの分光透過率
キセノンアークランプに用いるガラス製フィルタの種類による分光透過率の例を,表A.1に示す。
なお,フィルタは,製造業者の指定する照射時間で交換する。
注記 キセノンアークランプの装置製造業者は,種々のガラス製フィルタを所有しており,それらを
組み合わせて分光分布を調整している。
表A.1−各種フィルタの種類による分光透過率の一例a)(使用前)
フィルタの種類 分光透過率 % 注記
275 nm 300 nm 320 nm 400 nm 700 nm 1 000 nm
石英ガラス 90以上 90以上 90以上 90以上 90以上 90以上 内側フィルタ
紫外線遮断用ガラ 2以下 35以上 75以上 90以上 90以上 90以上 外側フィルタ
ス製フィルタ(I) (石英ガラスと組み合わ
せて屋外太陽光を模擬)
紫外線遮断用ガラ 0 0 20以下 90以上 90以上 90以上 外側フィルタ
ス製フィルタ(II) (石英ガラスと組み合わ
せて窓ガラス越し状の光
を模擬)
注a) 使用前の分光透過率(常温)を示している。
参考文献
[1] JIS K 0101 工業用水試験方法
[2] JIS K 5600-7-7 塗料一般試験方法−第7部 : 塗膜の長期耐久性−第7節 : 促進耐候性及び促進耐光
性(キセノンランプ法)
[3] CIE No.85:1989,Technical Report−Solar spectral irradiance
[4] ASTM G 155,Standard Practice for Operating Xenon Arc Light Apparatus for Exposure of Non-Metallic
Materials
――――― [JIS A 1415 pdf 14] ―――――
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A 1415 : 2013
附属書B
(参考)
技術上重要な改正に関する新旧対照表
現行規格(JIS A 1415:2013) 旧規格(JIS A 1415:1999) 改正理由
箇条番号 内容 箇条番号 内容
及び題名 及び題名
1 適用範囲 1. 適用範囲
この規格は,高分子系建築材料でプラス 適用範囲の改正点は,次の2点である。
この規格は,高分子系建築材料でプラス
チック及び/又はエラストマーからな チック及び/又はエラストマーからなa) 光源のうち,“キセノンアーク光源”について,
る材料を対象とした実験室光源(キセノ る材料を対象とした実験室光源(キセノ 引用規格のJIS K 7350-2の改正に伴い,“キセノ
ンアークランプ,オープンフレームカー ンアーク光源,紫外線蛍光ランプ,オー ンアークランプ”へ光源の名称を変更した。
ボンアークランプ及び紫外線カーボン プンフレームカーボンアークランプ及b) 紫外線蛍光ランプについては,引用規格のJIS K
アークランプ)による暴露試験方法につ び紫外線カーボンアークランプ)による 7350-3のほか,JIS K 5600-7-8が制定され,関連
いて規定する。 暴露試験方法について規定する。 規格へ適切に引用されていた。このため,この
規格で規定されていた紫外線蛍光ランプは,他
のJISへ引用されていないことが確認されたた
め,この規格から削除した。
4 4.
“試験方法(光源)”として,“キセノン 試験方法(光源)の改正点は,次の2点である。
“試験方法(光源)”として,“キセノン
表1 試験方法 表1 試験方法
アークランプ”,“オープンフレームカ アーク光源”,“紫外線蛍光ランプ”, a) 試験方法(光源)の名称について,箇条1と同
の種類 の種類
ーボンアークランプ”及び“紫外線カー “オープンフレームカーボンアークラ 様に,“キセノンアーク光源”を“キセノンアー
ボンアークランプ”を規定。 ンプ”及び“紫外線カーボンアークラン クランプ”へ変更した。
プ”を規定。 b) 紫外線蛍光ランプについて,箇条1と同様に削
除した。
“概要”のうち,紫外線カーボンアーク 紫外線カーボンアークランプに関する試験方法の種
“概要”のうち,紫外線カーボンアーク
ランプについて,“WV-A”として“照射 ランプについて,“WV-A”として,”直
類について,直接屋外暴露と窓ガラスを透過した場
及び水噴霧のサイクル試験による”と規 合を規定していた。しかし,これら二つの試験方法
接屋外暴露のシミュレーションによる”
定。 と規定。 に用いるフィルタは同一であり,試験方法の違いは
“WV-B”として,“水噴霧なしの連続照 水噴霧の有無によることから,規定内容を変更した。
“WV-B”として,“窓ガラスを透過した
射試験による”と規定。 太陽光のシミュレーションによる”と規
定。
A1
5.1 一般条件 この規格で規定する試験条件以外の共 − − 旧規格の附属書について,記述内容の多くはJIS K
415
通事項は,JIS K 7350-1による。 7350-1と重複するものであった。このため,試験全
: 2
体の共通事項はJIS K 7350-1に従う旨をこの箇条へ
01
規定し,附属書から重複部分を削除した。
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――――― [JIS A 1415 pdf 15] ―――――
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JIS A 1415:2013の国際規格 ICS 分類一覧
JIS A 1415:2013の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISB7751:2007
- 紫外線カーボンアーク灯式の耐光性試験機及び耐候性試験機
- JISK7100:1999
- プラスチック―状態調節及び試験のための標準雰囲気
- JISK7350-1:1995
- プラスチック―実験室光源による暴露試験方法 第1部:通則
- JISK7350-1:2020
- プラスチック―実験室光源による暴露試験方法―第1部:通則
- JISK7350-2:2008
- プラスチック―実験室光源による暴露試験方法―第2部:キセノンアークランプ
- JISK7350-4:2008
- プラスチック―実験室光源による暴露試験方法―第4部:オープンフレームカーボンアークランプ
- JISK7362:1999
- プラスチック―アンダーグラス屋外暴露,直接屋外暴露又は実験室光源による暴露後の色変化及び特性変化の測定方法
- JISZ8703:1983
- 試験場所の標準状態