JIS A 7502-2:2015 下水道構造物のコンクリート腐食対策技術―第2部:防食設計標準 | ページ 2

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3) 接着安定性 : コンクリートとの一体性。
b) 防食被覆工法ごとに必要な性能
1) 塗布型ライニング工法及びシートライニング工法 : 防食被覆層の施工後の外観が良好なこと,並び
にコンクリートのアルカリ成分によって,ぜい(脆)化又は溶出などの劣化がなく,接着安定性及
び遮断性を維持できる耐アルカリ性。
2) モルタルライニング工法 : 防食被覆層としてのモルタルの硬化後の強度,及び収縮,膨張による長
さ変化が少なく,防食被覆層の性能に有害なひび割れなどの発生を抑制する寸法安定性。

4.5 防食被覆工法の選定及び設計

  防食被覆工法の選定は,4.2及び4.3によって特定された腐食環境に対し,4.4.2に規定する要求性能ごと
に設定される要求値を満足する防食被覆工法とする。
防食被覆工法の設計は,対象施設の構造及び形状,施工環境,施工時期,維持管理などの総合的な検討
を実施し,対象施設に適した防食被覆層の品質,施工方法などを考慮する。

5 品質及び試験

5.1 品質

  防食被覆層の品質は,5.2によって試験したとき,4.4.2に規定する要求性能ごとに設定される要求値を
満足しなければならない。

5.2 試験

5.2.1  試験項目
防食被覆層の試験は,防食被覆工法ごとの4.4.2に規定する要求性能に応じた評価項目を選定し,その評
価項目が防食被覆工法ごとに確認できる試験方法とする。防食被覆工法ごとの評価項目及び試験項目は,
表1表3による。
表1−塗布型ライニング工法の評価項目及び試験項目
要求性能 評価項目 試験項目
基本的な性能 耐硫酸性 硫酸水溶液浸せき後の被覆層の外観 浸せき試験
遮断性 硫黄侵入深さ 浸せき試験
透水性 透水試験
接着安定性 コンクリートとの一体性 接着強さ試験
塗布型ライニ 外観性 被覆層の外観 外観試験
ング工法に必 耐アルカリ性 アルカリ水溶液浸せき後の被覆層の外観 浸せき試験
要な性能 外観試験
表2−シートライニング工法の評価項目及び試験項目
要求性能 評価項目 試験項目
基本的な性能 耐硫酸性 硫酸水溶液浸せき後の被覆層の外観 浸せき試験
遮断性 硫黄侵入深さ 浸せき試験
透水性 透水試験
接着安定性 コンクリートとの一体性 固着強さ試験
シートライニ 外観性 被覆層の外観 外観試験
ング工法に必 耐アルカリ性 アルカリ水溶液浸せき後の被覆層の外観 浸せき試験
要な性能 外観試験

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表3−モルタルライニング工法の評価項目及び試験項目
要求性能 評価項目 試験項目
基本的な性能 耐硫酸性 質量変化率 浸せき試験
遮断性 硫酸浸透深さ 浸せき試験
接着安定性 コンクリートとの一体性 接着強さ試験
モルタルライ モルタル強度 圧縮強さ 圧縮強さ試験
ニング工法に 寸法安定性 長さ変化 長さ変化試験
必要な性能
5.2.2 試験方法
a) 外観試験
1) 試験方法は,附属書Bによる。
2) 評価事項は,被覆層のしわ,むら,がれ,割れなどの外観の変化とする。
b) 浸せき試験
1) 試験方法は,附属書Cによる。
2) 有機系被覆材の評価事項は,JIS K 5600-1-1の4.4(塗膜の外観)に規定する目視による浸せき試験
後の被覆層のふくれ,割れ,軟化,溶出などの外観の変化及び硫黄侵入深さとする。無機系被覆材
の評価事項は,浸せき後の質量変化率及び硫酸浸透深さとする。
3) 硫黄侵入深さ測定は,元素分析装置を用いて分析する。元素分析の方法例として,波長分散型分析
装置を用いた分析方法を,参考として附属書Dに示す。
4) 質量変化率は,次の式によって算出し,JIS Z 8401の規則Bによって整数に丸めて示す。
wn w0
w 100
w0
ここに, w : 質量変化率(%)
wn : n日浸せき後の質量測定値(g)
w0 : 浸せき前の質量測定値(g)
5) 硫酸浸透深さは,質量変化率の測定に使用した試験体を用いて試験をする。測定方法は,附属書E
による。
c) 透水試験(塗布型ライニング工法及びシートライニング工法)は,附属書Fによる。
d) 接着強さ試験(塗布型ライニング工法)は,附属書Gによる。
e) 固着強さ試験(シートライニング工法)は,附属書Hによる。
f) 接着強さ試験(モルタルライニング工法)は,附属書Iによる。
g) 圧縮強さ試験(モルタルライニング工法)は,附属書Jによる。
h) 長さ変化試験(モルタルライニング工法)は,附属書Kによる。

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附属書A
(参考)
標準的な調査項目
A.1 一般
4.2.1の調査を実施する場合の標準的な調査項目について,A.2,A.3に記載する。
A.2 予備調査の場合
a) 腐食環境
− 下水の水質
− 硫化水素ガス濃度,炭酸ガス濃度
− その他(コンクリート表面の水素イオン濃度指数など)
b) コンクリート腐食及び劣化状況
− 腐食生成物の生成状況
− 既存防食被覆層の有無及び劣化状況
− コンクリートの落,膨張,ひび割れ,骨材露出,表面異状などの劣化状況
− その他の腐食状況[鋼材のさび(錆),露出など]
A.3 詳細調査の場合
a) 腐食環境(予備調査と同様)
b) コンクリート腐食及び劣化状況
− コンクリートの中性化深さ : 測定方法は,JIS A 1152の規定による。
− コンクリート表面の反発度 : 測定方法は,JIS A 1155の規定による。
− コンクリートの落,膨張,ひび割れ,骨材露出,表面異状などの劣化状況
− 鋼材のかぶり厚さ及び鋼材のさび(錆),露出などの腐食状況
− その他,必要に応じ,JIS A 1107に規定するコンクリートコア抜き供試体を用いて,圧縮強度,
コンクリートの中性化深さ,元素分析,示差熱質量分析などを実施する。
c) 施設状況及び施設の運転状況

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附属書B
(規定)
防食被覆層の外観試験(塗布型ライニング工法及びシートライニング工法)
B.1 一般
5.2の表1及び表2の防食被覆層の外観試験は,B.2B.5による。
B.2 試験室の状態
試験室の状態は,特に規定しない限りJIS K 5600-1-1の3.1(試験の場所)による。この温度及び相対湿
度以外で試験した場合は,その値を記録しておく。
なお,試験室での試験体作製が困難な場合は,製造業者が定める方法で,室外で作製してもよい。
B.3 試験体の作製方法
B.3.1 試料の準備
試験に用いる全ての試料は,あらかじめ試験室に入れ,室温と等しくなるようにする。
B.3.2 試験体の作製
試験体の作製は,次による。
a) 塗布型ライニング工法の場合
1) 試験基板は,JIS A 5430に規定する厚さ6 mmのフレキシブル板を,幅150 mm,長さ200 mmに切
断し,周辺をやすりで削り平らにした後,角を丸く加工して試験基板とする。試験基板は,試験体
作製前に精製水又は上水道水の流水で洗浄し,互いが重なり合わないように立て掛け,7日間以上
乾燥する。乾燥した試験基板は,乾いたガーゼで表面を拭き,試験に用いる。
なお,試験基板は,あらかじめ試験室に入れ,室温と等しくなるようにする。
2) 試料の調製は,製造業者の定める使用方法によって,試験に必要十分な量をあらかじめ計量した後,
均質になるように混合する。
なお,混合物は,製造業者の指定する時間の範囲内に使用しなければならない。
3) 試験体の作製は,製造業者の定める塗布方法及び塗布間隔で試験基板に塗布する。
なお,試験体への試料の塗布は片面とし,試験体の個数は3個とする。
b) シートライニング工法の場合 試験体の作製は,製造業者の定める方法で作製する。
なお,試験体はシート単体を幅500 mm,長さ500 mmに切断し,試験体の個数は3個とする。
B.4 養生
試験体は,B.2に規定する試験室の状態で24時間養生する。
B.5 試験方法
試験方法は,JIS K 5600-1-1の4.4(塗膜の外観)による。

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附属書C
(規定)
防食被覆層の浸せき試験
C.1 一般
5.2の表1表3の防食被覆層の浸せき試験は,C.2C.5による。
C.2 試験室の状態
試験室の状態は,次による。
a) 有機系被覆材の場合 試験室の状態は,特に規定がない限りJIS K 5600-1-1の3.1(試験の場所)によ
る。この温度及び相対湿度以外は,その値を記録しておく。
なお,製造業者が定める試験体の作製方法が,試験室で困難な場合は,室外で作製してもよい。
b) 無機系被覆材の場合 試験室の状態は,特に規定がない限り,温度20 ℃±2 ℃,相対湿度50 %以上
とする。この温度及び相対湿度以外は,その値を記録しておく。
C.3 試験体の作製方法
C.3.1 試料の準備
試験に用いる全ての試料は,あらかじめ試験室に入れ,室温と等しくなるようにする。
C.3.2 試験体の作製
試験体の作製は,次による。
a) 塗布型ライニング工法の場合
1) 試験基板は,JIS R 5201の11.5(供試体の作り方)に規定する方法によって調製したモルタルを,
内のり寸法70 mm×150 mm×20 mmの金属製型枠を用いて成形し,温度20 ℃±2 ℃,相対湿度80 %
以上の状態で24時間静置した後,脱型し,その後6日間20 ℃±2 ℃の水中で養生し,更に21日
間以上,温度20 ℃±2 ℃,相対湿度 (50±5) %の養生室で静置する。試験基板は,試験体作製前に
試験に用いる面をJIS R 6253に規定する耐水研磨紙P150を使用して,表面のぜい(脆)弱部,粉
化物を十分取り除き,柔らかい清潔な布で拭き,試験に用いる。
なお,試験基板は,あらかじめ試験室に入れ,室温と等しくなるようにする。
2) 試料の調製は,製造業者の定める使用方法によって,試験に必要十分な量をあらかじめ計量した後,
均質になるように混合する。
なお,混合物は,製造業者の指定する時間の範囲内で使用する。
3) 試験体の作製は,製造業者の定める塗布方法及び塗布間隔で試験基板に塗布する。
なお,試料の試験基板への塗布面及び同一条件下で使用する個数は評価項目に応じて,表C.1に
よる。
表C.1−塗布面及び個数
評価項目 塗布面 個数
全ての面
硫酸水溶液浸せき後の被覆の外観及び硫黄侵入 3
深さ 片面 1
アルカリ水溶液浸せき後の被覆の外観 片面 4

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