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C 2103 : 2013
6.5.1.3 手順
試験片3個を試験する。試験装置の配置は,二つの金属製円柱の間に中間層としてゴム円盤を介して試
験片を置いた構成とする。全体の配置の一例を,図1に示す。
単位 mm
図1−体積抵抗率の試験装置の配置例
試験電圧は直流で,1 000 V/mmの電界が得られるように調整する。試験片は,脱塩水に浸せきする前及
び浸せきした後に試験する。特に規定がない場合,水の温度は23 ℃±2 ℃とし,浸せき時間は168時間
±1時間(7日間)とする。試験片を水から取り出し,ろ紙の間に挟んで余分な水を吸い取った後,直ちに
試験装置に取り付ける。抵抗の測定は,取付け完了後15分±1分間後に始める。読みは,電圧を印加して
から60秒±5秒間後に行う。
例えば,上部電極の直径が60 mmの場合,体積抵抗率は,次の式によって計算する。
.283 R
d1 d2
ここに, ρ : 体積抵抗率( 攀
d1 : 鋼板の上面の塗膜の厚さ(mm)
d2 : 鋼板の下面の塗膜の厚さ(mm)
R : 抵抗の測定値(体積抵抗)(
上部電極の直径が60 mm以外の場合は,係数2.83を次によって置き換える。
2
.283 D
k
3 600
ここに, k : 係数
D : 電極の直径(mm)
6.5.1.4 報告
各鋼板の両面の塗膜の厚さ,電極の直径,用いた電圧,水浸せき前後の3個の試験結果及び適用した規
格を報告する。試験結果は,体積抵抗及び体積抵抗率とする。
――――― [JIS C 2103 pdf 16] ―――――
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C 2103 : 2013
6.5.2 誘電正接(tanδ)及び比誘電率(εr)
誘電正接及び比誘電率は,JIS C 2138による。試験する材料にJIS C 2138が適用できない場合は,6.5.2.1
6.5.2.4の方法を用いてもよい。
6.5.2.1 装置
装置は,市販のインピーダンスメータで,精度±10 %のものとする。
6.5.2.2 試験片
試験片は,6.1.1に規定する鋼板に塗装したものとする。
6.5.2.3 手順
塗装した鋼板の金属板部分を下部電極として用いる。上部電極は,直径40 mm以上とし,遮蔽電極で囲
ってあってもなくてもよい。上部電極は,下部電極の中心に置き,下部電極の端部から10 mm以上離れる
ようにする。上部電極は,導電性塗料(銀又はグラファイト)を塗るか,厚さが0.005 mm以下の金属は
くを少量の油ではり付けるか又は同等の適切な手順で形成する。
特に規定がない場合,試験は,23 ℃±2 ℃で,周波数1 kHzの正弦波電圧で行う。試験片との接続は,
試験装置の取扱説明書による。試験片2個を試験する。
6.5.2.4 報告
報告には,次の事項を報告する。
a) 試験条件 試験条件は,次の事項を報告する。
1) 各鋼板の塗膜の厚さ
2) 試験温度
3) 用いた電極
4) 試験電圧及び用いた周波数
b) 試験結果 試験結果は,次の事項を報告する。
1) 適用した規格
2) 誘電正接及び比誘電率
6.5.3 絶縁破壊電圧及び絶縁破壊の強さ
絶縁破壊電圧及び絶縁破壊の強さは,JIS C 2110-1による。試験する材料にJIS C 2110-1が適用できな
い場合は,電極,試験片及び周囲媒体を6.5.3.16.5.3.4のように修正してもよい。
6.5.3.1 電極
電極の配置は,球−平面とする。高電圧電極は,直径10 mm±0.000 5 mmで表面粗さが0.001 mm以下
の研磨した鋼球とする。この鋼球として,ボールベアリング(クラスIII)に用いる研磨した鋼球が容易に
入手でき,この目的に適用できる。
塗装した試験片の金属板を接地電極として用い,これをアースに接続した直径75 mm±1 mmで角を直
径3 mm±0.1 mmの丸みを付けた板の上に置く。全体の配置の一例を,図2に示す。
注記 球−平面の電極配置では,平面−平面の組合せに対して,球の直径及び試験片の厚さによって
電界の強さが少し増加する。例えば,直径10 mmで試験片の厚さ0.1 mmでは,平面−平面の
組合せでの電界の強さに比べて約10 %増加する。
6.5.3.2 試験片
試験片は,6.1.1に規定する鋼板に塗装したものとする。
6.5.3.3 手順
電圧の上昇率は,200 V/s以下とする。特に規定がない場合,試験温度は23 ℃±2 ℃とする。試験は,
――――― [JIS C 2103 pdf 17] ―――――
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C 2103 : 2013
規定の温度に調整し循環させた絶縁油中に,試験片及び電極を置いて行う。特に規定がない場合,JIS C
2320に規定する未使用の鉱物性絶縁油又はIEC 61099:2010に規定する未使用の合成有機エステルを用い
る。試験片5個を試験する。
注記 試験装置として組立式で液体を入れることができ,下部にアース電極を取り付けた適切な大き
さの丸いガラス容器を用いた場合,電圧を印加するときに試験片の状態を目視で確認ができる。
さらに,このような容器では,アースとの接続が可能で,また,底から絶縁油を入れ,上部か
ら流出させることができる(図2参照)。
6.5.3.4 報告
試験温度,用いた絶縁油の種類及び適用した規格に基づく5個の試験結果を報告する。試験結果には,
破壊した箇所の試験片の厚さ,絶縁破壊電圧及び絶縁破壊の強さを含める。
6.6 鉄に対する水系,又はエマルジョン系ワニスの発せい(錆)性(水系又はエマルジョン系)
鋼板は6.1.1によるもので,6.1.3によって塗装されたものとする。硬化及び/又は乾燥直後に鋼表面に,
発せい(錆)又は変色の跡の有無を調べる。発せい(錆)の報告は“あり”又は“なし”とする。
6.7 水系又はエマルジョン系ワニスの揮発有機成分量(水系又はエマルジョン系)
揮発分量が質量分率15 %以上の場合はISO 11890-1:2000に規定する方法,揮発分量が質量分率15 %未
満の場合にはJIS K 5601-5-1に規定する方法を用いる。
6.8 水系又はエマルジョン系ワニスの水分含有量(水系又はエマルジョン系)
JIS K 0113の8.(カールフィッシャー滴定方法)に規定する方法を用いる。
図2−電極の配置例
――――― [JIS C 2103 pdf 18] ―――――
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C 2103 : 2013
附属書JA
(規定)
塗膜厚さの測定方法
この附属書は,ISO 2808:1997に規定する塗膜厚さの測定方法の概要を示す。
測定No.及び内容 技術内容及び適用 測定器具の誤差a) 及び精度 特記事項
方法No.1 A. コームゲージ − 測定によって,乾いたときの
ぬれた皮膜の厚さの評価 塗布したばかりのぬれた 大体の皮膜厚さが得られる。
塗膜厚さのための測定方 現場で使用可。
法 実験室で測定する場合は,ひ
B. ホイールゲージ 誤差 : ±2.5 %+1 μm ょう量法で乾燥皮膜の厚さ
C. ひょう量法 再現性 : ±15 μm の測定に適用する。
塗布したばかりのぬれた
塗膜厚さのための測定方
法
方法No.2 押付け式のジグによって測定値は,正確ではない。 平均の厚さが,指定の範囲内
乾燥皮膜の面積に対する 測定することができない であることを確認するため
質量を測定し,計算によっくらい軟質の皮膜に適用 測定する。
て厚さを算出 する。 塗膜は,損傷を受けない。
方法No.3 A. マイクロメータ法 誤差 : ±2 μm 塗膜は,マイクロメータヘッ
押付け式のジグを用いて 試験パネル又は塗膜表面再現性 : ドの接触に十分耐え得る強
乾燥皮膜の厚さを測定 がかなり平滑なもの ・薄膜の場合,±30 %, 度をもっていることが必要。
・厚膜の場合,±20 % 塗膜は,試験中に損傷を受け
る。
この方法は,25 μm以下の塗
膜厚さには一般的に適用で
きない。
B. ダイヤルゲージ法 再現性 : ±10 % 塗膜は,ダイヤルゲージヘッ
試験パネル又は塗膜表面(膜厚が2 μm以上のもの ドの接触に十分耐え得る強
がかなり平滑なもの又はに適用) 度をもっていることが必要。
一方向に湾曲しているも
の
方法No.4 十分平滑な表面の塗膜の再現性 : ±10 % 塗膜は,プロファイル追跡触
プロフィロメトリック法 判定方法を推奨する。 (膜厚が2 μm以上のもの 針の刻みに十分耐え得る強
によって乾燥塗膜の厚さ に適用) 度をもっていることが必要。
を測定 塗膜は,試験中に損傷を受け
る。
方法No.5 A. 断面観察法 誤差 : ±2 μm 被塗布物を切り出し,注型樹
マイクロスコープ法によ 種々の工程を経た基材上再現性 : ±10 % 脂に埋め込み硬化する。その
って乾燥塗膜の厚さを測 の塗膜,例えば,ブラス 硬化物の断面を切断し,研磨
定 トされたグリッドスチー した後試験片とする。
ルなどの塗膜の判定法を 塗膜は,試験中に損傷を受け
推奨する。 る。
単一の塗料で構成された
塗膜に適用する。
――――― [JIS C 2103 pdf 19] ―――――
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C 2103 : 2013
測定No.及び内容 技術内容及び適用 測定器具の誤差a) 及び精度 特記事項
B. 切込み法 再現性 : ±10 % 塗膜を突き抜け基材まで達
もろくて砕けやすい塗膜(膜厚が2 μm以上のもの する切込みには特別な切断
には適用できない。 に適用) ジグが必要。
塗膜は,試験中に損傷を受け
る。
C. 表面観察法 再現性 : ±10 % 基材まで切り取られた微小
透明又は半透明な塗膜 な切込み部分を観察するた
で,基材からきれいに めに,特別なマイクロスコー
がせる塗膜に適用する。 プ(スプリットビームマイク
ロスコープ)を用いる。
透明な塗膜だけは試験中に
損傷を受けない。
方法No.6 A. 電磁気誘導法 誤差 : ±2 %+1 μm 塗膜は,プローブの接触に十
磁気法 : 磁気金属基材に塗 再現性 : ±10 % 分耐え得る強度をもってい
布された塗膜の厚さを測 B. 永久磁石pull-off法 誤差 : ±5 %+1 μm ることが必要。
定 現場で使用する。
方法No.7 − 誤差 : ±2 %+1 μm 測定器は,渦電流原理で動作
渦電流法 : 非磁気基材に塗 再現性 : ±10 % する。
布された塗膜の厚さを測 塗膜は,プローブの接触に十
定 分耐え得る強度をもってい
ることが必要。
現場で使用する。
方法No.8 塗布面への測定機器接触再現性 : ±10 % 測定機器は,次のいずれかの
非接触法 を避けたい場合に適用す 原理で動作する。
る。 a) ベータ粒子後方散乱原
かなり平たん(坦)な塗 理
膜に適用する。 b) 蛍光X線原理
測定精度のために,塗布皮膜
は均一でなければならない。
方法No.9 種々の工程を経た基材上 − 塗膜及び基材の溶解前後の
(溶解物の)質量測定法 の塗膜,例えば,ブラス 質量を測定し,その差を塗膜
トされたグリッドスチー の質量とする。その塗膜の質
ルなどに塗布された塗 量を密度及び面積で除した
膜,及び塗膜中の有機溶 値を塗膜の厚さとする。
剤に侵されない合成樹脂
基材に塗布された塗膜に
適用する。
方法No.10 表面が凹凸(ブラスト処 − 測定器は,電磁気誘導原理で
ブラスト処理された金属 理)した金属基材に塗布 動作する。
基材に塗布された塗膜の され,乾燥した塗膜に適 現場で使用する。
厚さを測定 用する。 方法No.5A.(断面観察法)又
は方法No.9(質量測定法)で
行う場合がある。
注a) 測定器具の誤差は,製造業者から提供されたデータを元にしている。
――――― [JIS C 2103 pdf 20] ―――――
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JIS C 2103:2013の引用国際規格 ISO 一覧
- IEC 60464-2:2001(MOD)
- IEC 60464-2:2001/AMENDMENT 1:2006(MOD)
JIS C 2103:2013の国際規格 ICS 分類一覧
JIS C 2103:2013の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISB7502:2016
- マイクロメータ
- JISB7525-1:2018
- 浮ひょう―第1部:密度浮ひょう
- JISC2110-1:2016
- 固体電気絶縁材料―絶縁破壊の強さの試験方法―第1部:商用周波数交流電圧印加による試験
- JISC2138:2007
- 電気絶縁材料―比誘電率及び誘電正接の測定方法
- JISC2139:2008
- 固体電気絶縁材料―体積抵抗率及び表面抵抗率の測定方法
- JISC2305-3-1:2010
- 電気用プレスボード及びプレスペーパー―第3-1部:個別製品規格―プレスボード
- JISC2320:1999
- 電気絶縁油
- JISC3216-4:2019
- 巻線試験方法―第4部:化学的特性
- JISK0113:2005
- 電位差・電流・電量・カールフィッシャー滴定方法通則
- JISK2265-2:2007
- 引火点の求め方―第2部:迅速平衡密閉法
- JISK2265-4:2007
- 引火点の求め方―第4部:クリーブランド開放法
- JISK5600-1-2:2002
- 塗料一般試験方法―第1部:通則―第2節:サンプリング
- JISK5600-1-3:2015
- 塗料一般試験方法―第1部:通則―第3節:試験用試料の検分及び調製
- JISK5600-1-4:2004
- 塗料一般試験方法―第1部:通則―第4節:試験用標準試験板
- JISK5600-2-2:1999
- 塗料一般試験方法―第2部:塗料の性状・安定性―第2節:粘度
- JISK5600-2-4:2014
- 塗料一般試験方法―第2部:塗料の性状・安定性―第4節:密度(ピクノメータ法)
- JISK5600-5-1:1999
- 塗料一般試験方法―第5部:塗膜の機械的性質―第1節:耐屈曲性(円筒形マンドレル法)
- JISK5600-5-2:1999
- 塗料一般試験方法―第5部:塗膜の機械的性質―第2節:耐カッピング性
- JISK5600-6-1:2016
- 塗料一般試験方法―第6部:塗膜の化学的性質―第1節:耐液体性(一般的方法)
- JISK5601-1-2:2008
- 塗料成分試験方法―第1部:通則―第2節:加熱残分
- JISK5601-5-1:2006
- 塗料成分試験方法―第5部:塗料中の揮発性有機化合物(VOC)の測定―第1節:ガスクロマトグラフ法
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- プラスチック―液状,乳濁状又は分散状の樹脂―ブルックフィールド形回転粘度計による見掛け粘度の測定方法
- JISK7117-2:1999
- プラスチック―液状,乳濁状又は分散状の樹脂―回転粘度計による定せん断速度での粘度の測定方法
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- かび抵抗性試験方法