JIS C 2300-2:2010 電気用セルロース紙―第2部:試験方法 | ページ 7

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図7−誘電正接測定用電極配置(例)

25.3 CR値

  25.2の試験と同一の状態で,同一試験片について,100300 Vの直流電圧を用い1分充電した後,直偏
法又はこれと同等の性能をもつ電子式絶縁抵抗計で絶縁抵抗Rを測定する。CR値は,25.2によって求め
た静電容量Cを用いて,次の式によって求める。
A C R
ここに, A : CR値(ΩF)
C : 静電容量(F)
R : 絶縁抵抗(MΩ)

26 導電性微粒子

26.0A 一般

  導電性微粒子の測定は,特に規定がない限り,次のいずれの方法を用いてもよい。用いた方法を記録す
る。

26.1 A法

  この方法は,試料にほとんど欠点がないと予想される場合の検査,すなわち,特に全数検査に適してい
る。
26.1.1 試験装置
試験装置は,滑らかに機械加工した鋳鉄又はその他の金属板及び一組の滑らかな黄銅製ローラから成る
二つの電極で構成する(図8参照)。
金属板電極の寸法は,試験片が動く方向の長さを150 mm以上とし,もう一方の長さは,試験片の幅以
上とする。
黄銅製ローラの表面は,機械加工して磨き,滑らかにする。黄銅製ローラの仕上寸法は,直径38 mm,
面長25 mmとする。
黄銅製ローラは,金属板電極の上に平行な2列となるように配置し,金属板表面の上を昇降して,自動
的に位置合わせできるようにする。
ローラと金属板とは,互いに十分な絶縁をする。ローラは,回転しているときでも電源を供給できるよ
う電気的接続をする。二つのローラは,試験片を動かす方向軸に対し90°の方向に取り付ける。それぞれ
のローラは,中心線から35 mm離して配置し,二つの列は図8に示すように,一方の列のローラの中間点
が,他の列のスペースの中間点と向かい合うように設置する。
試験片の表面にかかるそれぞれのローラの全体の力は,2 450 N以上,3 150 N以下とする。電極の損傷
を避けるために制限抵抗を用いてもよい。

――――― [JIS C 2300-2 pdf 31] ―――――

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図8−導電性微粒子試験装置の配置図
26.1.2 電圧
電圧は,個別製品規格に特に規定がなければ,実効値2 V/mとする。
26.1.3 試験片
試験片は,隣接したローラの面長より25 mm以上広くし,長さは7.5 m以上とする。
26.1.4 手順
ローラを持ち上げ試験片の端を挿入し,紙表面上へローラを下ろす。26.1.2によって電極に規定の電圧
を印加する。金属板とローラとの間の試験片を1020 m/minの速度で引っ張る。試験片全体の焼けた孔の
数を数え,それぞれの焼けた孔を導電性微粒子とみなす。
焼けた孔の数を数える代わりに,電子的に計数してもよい。
26.1.5 結果の計算及び記録
結果の計算及び記録は,次による。
a) 欠点数を,検査した総面積(m2)で除して,単位面積当たりの導電性微粒子の数を計算する。
b) 結果は,次の事項を記録する。
1) 平方メートル当たりの導電性微粒子数
2) 試験した紙の総面積
3) この測定で用いた計数方法(電子的又は焼けた孔)

26.2 B法

  この方法は,試料に60 kΩ以下の抵抗をもつ導電性微粒子がある場合に適用する。この方法は,抵抗が
60 kΩを超える導電性微粒子を計測できないからである。
26.2.1 試験装置
試験装置は,図9に示すとおりとし,次による。

――――― [JIS C 2300-2 pdf 32] ―――――

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1 金属板電極 2 ローラ電極
3 電源 110 V 4 パルスカウンタ(4a又は4bでも可)
5 電流制限抵抗(3050 kΩ)
図9−試験装置
26.2.1.1 電極
二つの電極があり,一つは平らに整え研いだ金属板で,他の一つは,絶縁ハンドル付きの研いだ円筒状
の黄銅又は鉄製のローラである。金属板の幅は,測定する試験片の幅に一致させるのがよい。
26.2.1.2 ローラ
ローラの寸法は,直径50 mm,最大幅50 mmとする。ハンドルを含むローラが及ぼす圧力は,ローラ幅
当たり0.10.25 N/mmとする。
26.2.1.3 ローラ及び金属板の機械的精度
仕上精度が,本来の形状から0.002 5 mmを大きく超える場合,この方法による試験結果は,金属板及び
ローラ表面の機械加工度の仕上状況に大きく依存する。仕上精度0.025 mmでは,大きな誤差を生じる。
この精度は,通常の電極に要求される精度より厳しい。この精度を達成させる方法を,次に示す。
ローラは,旋盤で削り研磨するか,又はなるべく正確な寸法に研ぐ。ローラの直径は,適切な感度のダ
イヤルマイクロメータで測定する。ローラをほこりのない平らなアンビルに取り付け,アンビルからロー
ラ表面の最高点を先端形状が小さな曲率半径のプランジャをもつマイクロメータを用いて測定する。
測定した直径は,ローラの全長にわたって±0.002 5 mmを超える変動があってはならない。
26.2.1.4 金属板電極
金属板電極は,なるべくなら鋳造するか又は板状に引き延ばし一体のものとし,25 mm以上の厚さとす
る。薄い板を溶接接合して作る場合は,これらの板は膨張差によるひずみを避けるために同一の材料を用
いる。いずれの場合も板の寸法及び平面を粗仕上げし,後のひずみを避けるために長時間加熱(例えば,
200300 ℃で24時間)して焼きなましをする。板を±0.002 5 mmの精度で平らに磨き,寸法は,0.4 m×
0.25 mとする。このためには,表面グラインダで磨くとよい。精密機械で注意深く加工をする場合は,つ
や(艶)出しよりも平滑性が要求されているため,あとのつや出しは不要となる。つや出しを行う場合は,
研磨によって平滑性を損なわないように光学的方法によって行う。板の平滑性は,ほこりのない板に取り
付けたローラの後方にランプを置いて,ローラと板との間にできる光の筋を観察することで簡便に確認し
てもよい。
26.2.1.5 検出器
検出器は,抵抗値が設定した値より低いときに電流をパルスカウンタに送るものを用いる。記録は,試
験片に電圧を印加している間に検出した導電性微粒子ごとに1単位とする。パルスカウンタは,ローラの
動く方向に1 mm以上離れた導電性微粒子を別々に計数できるものを用いる。

――――― [JIS C 2300-2 pdf 33] ―――――

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26.2.1.6 保護抵抗器
全回路の抵抗は,50 kΩ以上とする。
26.2.1.7 電源
電圧は,通常,直流110 V±10 Vとする。
安全のために回路を接地するとよい。
26.2.2 試験片
試験片の条件及び取り扱いは,次による。
a) 試験片は,金属板電極を十分に覆う大きさとし,おもりで固定する。
b) 試験を行う総面積は,1 m2以上とする。
c) 薄い紙を試験するときは,試験片の取り扱いには細心の注意をする。
注記 薄い紙は,折れ,しわなどが発生しやすい。
d) 試験片は,手で触れてはならない。また,巻取から採った後は,金属板電極以外のいかなる面にも触
れてはならない。
26.2.3 手順
端に置いたおもりによって平らに延ばし,金属板電極に試験片を固定する。金属板電極を110 V電源端
子の一方に接続する。
ローラ,検出器及び抵抗器を接続し,抵抗器の自由端をもう一方の110 V電源端子に接続する。ローラ
を,試験片にしわがつかないように注意しながら計数ユニットが応答する速さで蛇行させずに一方向に転
がす。ローラの質量以外の圧力を加えてはならない。
26.2.4 結果の計算及び記録
結果の計算及び記録は,次による。
a) 欠点数を,検査した総面積(m2)で除して,単位面積当たりの導電性微粒子の数を計算する。
b) 結果は,次の事項を記録する。
1) 平方メートル当たりの導電性微粒子数
2) 検査した総面積

26.3 C法(鉄粒子)

  大きさ約300 mm×600 mm又はこれと同等面積の試験片をバーにつるし,10 %の硝酸水溶液100 mLに
5 %の過マンガン酸カリウム水溶液を1滴添加した水溶液を,スプレーで噴霧状に吹き付け,更に1 L当た
り50 gのフェロシアン化カリウム水溶液を同様に吹き付けて鉄微粒子を青に発色させる。
試験台,机上などのちり又は空気中のちりが付着した場合には,青に発色することがあり,試料の取扱
いには十分注意する。
発色した部分の面積の判定には,独立行政法人国立印刷局製造のきょう雑物測定図表を用いる。
5分間放置後に,発色した部分の面積が0.1 mm2以上1.0 mm2未満のものと,1.0 mm2以上のものについ
て別々に数を数える。ただし,大きさの判定は,中心部の色の濃い部分だけを対象とし,紙ににじんだ部
分は,面積に含めない。また,繊維自体が着色し中心部がないものは,数えない。

27 熱安定性

27.0A 一般

  エージングの前後で行う試験は,乾燥状態から調湿処理後に実施する。エージングの期間及び温度は,
個別製品規格による。IEC 60216の指針を27.127.3に示す。

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27.1 引裂強さ

  熱安定性は,箇条9によって測定した引裂強さの熱処理後の減少として表示できる。

27.2 破裂強さ

  熱安定性は,箇条11によって測定した破裂強さの熱処理後の減少としても表示できる。

27.3 重合度

  熱安定性は,IEC 60450によって測定した重合度の熱処理後の減少としても表示できる。

27.4 加熱劣化率

  箇条8に規定する縦方向の試験片を,140 ℃±2 ℃の恒温槽中に,適切な紙挟みで24時間つるし,箇条
4に規定した前処理を行った後に,引張試験を行い,5枚の試験片についてその平均値を求める。加熱劣化
率は,次の式によって求める。
24時間は連続,又は断続する68時間ずつの合計時間でもよい。
T T1
D 100
T
ここに, D : 加熱劣化率(%)
T : 加熱前の引張強さ(MPa)
T1 : 加熱後の引張強さ(MPa)
注記 国内で一般的に行っている試験である。
参考文献 JIS H 4160 アルミニウム及びアルミニウム合金はく
きょう雑物計測図表 株式会社朝陽会(〒114-0003 東京都北区豊島4-2-4,TEL : 03-3913-5528)
で販売している。

――――― [JIS C 2300-2 pdf 35] ―――――

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JIS C 2300-2:2010の引用国際規格 ISO 一覧

  • IEC 60554-2:2001(MOD)

JIS C 2300-2:2010の国際規格 ICS 分類一覧

JIS C 2300-2:2010の関連規格と引用規格一覧