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C 2300-2 : 2010
23.2 試験片
試験片は,130 mm×130 mmの大きさとして面をそろえて重ね,1束とする。1束の枚数は,経験的に決
め,油がしみこむ枚数より少なくとも1枚は多くする。5束の試験片を2組用意する。
23.3 手順
油は,JIS C 2320に規定する絶縁油A 1種の2号又は4号を用いる。温度調節し密閉した容器に,用い
る油を入れる。各々の試験では100 cm3の油を用いるが,2回目以降は,最初の試験のときと同じ高さまで
油を入れればよい。
試験用セル及び油の温度を設定温度に維持する。試験片の質量を測定する。
試験用セルの中に100 cm3の油を注ぎ,測定面に油が接触するように試験片を置く。カバープレートを
挿入し,ちょうナットできつく締め付ける。
試験用セルを逆さにして試験片に油をしみこませる。しみこませる時間は,45秒とする。試験用セルを
固定板の正規の位置に戻して油を下に落とす。下に落とす時間は,10秒以内とする。ちょうナットを緩め,
試験用セルとカバープレートとの間から,試験片をゆっくりと引き出す。取り出す時間は,約10秒とする。
試験片の吸油面を試験用セルの正面の縁に接触させながら,余分な油をしごき落とす。
最上部の紙の余分な油をろ紙などで10秒以内に軽く吸い取り,余分な油がないことを目視で確認する。
油含浸した試験片の質量を測定し,含浸した紙の枚数を記録する。同一面で5束の試験片を試験する。
試験片の反対面が油に接触するようにして,残り5束の試験片をこの手順で試験する。
23.4 結果
吸油度は,油にさらした円形領域の質量増加をグラム毎平方メートル(g/m2)で表し,結果は,それぞ
れの試験の組で5個の結果の平均値で表す。5個の読取値のうちの一つに,平均値と20 %以上のばらつき
がある場合は,計算から除外し平均値を求める。5個の読取値のうちの二つ以上に,平均値と20 %以上の
ばらつきがある場合は,更に6回の試験をする。
追加試験で更に読取値にばらつきが生じた場合は,11回すべての読取値から平均値を求め,紙の吸油度
は,不安定として記録する。
結果は,それぞれの面で得た平均値のうち,低い方の値で表す。
24 絶縁破壊の強さ
24.1 交流の場合
24.1.0A 一般
特に規定がない限り,次のいずれの方法を用いてもよい。用いた方法を記録する。
24.1.1 A法
試験は,IEC 60243-1によって,空気中で行う。
24.1.1.1 試験装置
試験装置は,IEC 60243-1の箇条7による。電極は,IEC 60243-1の4.1.1.1又は4.1.2による。
電極は,直径25 mmの小電極及び直径75 mmの大電極を使用する。この電極では測定できない幅の材
料の場合は,直径6 mmの電極を用いる。電極表面は,平行で,かつ,くぼみ又は他の欠陥があってはな
らない。
24.1.1.2 試験片
試験片は,フラッシオーバ(沿面破壊)を避けるのに十分な大きさとする。
必要な回数の試験を1個(1枚又は複数枚)の試験片で実施してもよい。
――――― [JIS C 2300-2 pdf 26] ―――――
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試験片を重ねて試験する場合の枚数は,個別製品規格の規定による。
また,箇条4と異なる前処理条件の場合も,個別製品規格の規定による。
24.1.1.3 手順
印加電圧は,IEC 60243-1の9.1による。絶縁破壊の判断基準は,IEC 60243-1の箇条10による。試験は,
9回行う。
24.1.1.4 結果
結果は,平均値で表し最小値も記録する。絶縁破壊の強さは,測定した試験片の厚さ1 mm当たりのキ
ロボルト(kV/mm)で表す。
注記 特殊紙に対しては,より精巧な統計的評価を個別製品規格で要求することがある。
24.1.2 B法
24.1.2.1 方法1
試験は,空気中又は油中で行い試験環境を記録する。
JIS C 2110に規定する電極を用いる。上部電極は,周辺に3 mmの丸みをもった直径25 mmの底面が平
滑で,きずがないステンレス鋼製又は黄銅製を用いる。また,下部電極は,適切な大きさの平滑な金属平
板1),又は周辺に3 mmの丸みをもった直径75 mmの上面が平滑で,きずがないステンレス鋼製又は黄銅
製を用いる。上下電極間の試験片2) を約5 Nの力で挟んで,波高率(波高値/実効値)1.341.48の商用
周波数の電圧を上下電極間に加える。
電圧印加方法は,各時間の平均が1020秒で絶縁破壊が起きるような一定の速度で,電圧を0 Vから上
昇させて,絶縁破壊したときの電圧を測る。この試験は10か所について行い,絶縁破壊の強さは,次の式
によって求める。
S V
t
ここに, S : 絶縁破壊の強さ(kV/mm)
V : 絶縁破壊電圧(kV)
t : 試験片の厚さ(mm)
結果は,平均値で表し,最小値も記録する。
注1) 平滑面上に置いたJIS H 4160に規定するアルミニウムはくを,下部電極とすることもある。
2) 試験片の前処理条件を規定することもある。
24.1.2.2 方法2
105 ℃±2 ℃で恒量となるまで乾燥した試験片を,105 ℃±2 ℃の空気中で24.1.2.1と同様な方法で試
験を行う。105 ℃±2 ℃の空気中で測定できないときは,直ちに試験を行う。
結果は,平均値で表し,最小値も記録する。
24.2 直流の場合
24.2.0A 一般
特に規定がない限り,次のいずれの方法を用いてもよい。用いた方法を記録する。
24.2.1 A法
24.2.1.1 試験に対する一般的注意
絶縁破壊の強さは,IEC 60243-1によって空気中で試験する。
24.2.1.2 電極
電極は,ステンレス鋼製(表面粗さ2.5 m以下)の2個の円柱形とする。相互の電極の面は平行で,く
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ぼみ又は不純物があってはならない。両先端は,半径3.0 mmの縁取りをする。
上部電極は直径25 mm,高さ約25 mmとし,下部電極は直径75 mm,高さ約15 mmで,IEC 60243-1の
図1aのように軸が一致するよう配置する。
厚さ4050 mのアルミニウムはく1枚を下部電極とすることもできる。
24.2.1.3 試験片
試験片は,フラッシオーバを避けるのに十分な大きさとする。特に規定がない限り,2枚重ねて測定す
る。
試験片は,1枚の試料から採る。例えば,試料から40 cm×40 cmのシートを採り,次に,20 cm×20 cm
の2枚重ねの試験片2組に裁断する。
24.2.1.4 手順
試験片は,20枚以下とし,恒温槽中につり下げるか又は十分乾燥できる状態で重ねて置き,105 ℃±
2.5 ℃で60分間乾燥する。測定は,恒温槽から取り出し後1分以内に行う。疑義のある場合は,恒温槽中
で測定する。
24.2.1.5 測定回数
絶縁破壊の測定は,9回以上とする。測定結果の下限95 %信頼限界が必要な場合は,20回又はそれ以上
絶縁破壊測定を行う。
24.2.1.6 測定
測定機器の応答遅れは,1 %を超えてはならない。
測定は,予想絶縁破壊電圧の約1/2から絶縁破壊するまでが510秒になるように印加電圧を上昇させ
ていく。予想絶縁破壊電圧は,あらかじめ2回試験を行い,見当をつけておく。
公称厚さ25 m以下の紙の場合は,絶縁破壊するまで200300 V/sの割合で印加電圧を上昇させる。絶
縁破壊を起こしたとき,すなわち,短絡電流が0.11.0 mAに達したとき,電圧計は,絶縁破壊電圧を表
し続ける。
電極の損傷を避けるため,試験片と直列に保護抵抗を入れ,短絡電流が0.11.0 mAの範囲を外れない
ように制限する。
24.2.1.7 報告
報告は,次の項目とする。
a) 紙の2枚重ねの厚さ
b) 電極の形状及び寸法
c) 絶縁破壊電圧測定回数
d) 平均値
e) 最小値及び最大値
f) 絶縁破壊の強さ(MV/m=kV/mm)の平均値を2枚重ねた紙の厚さで除した計算値。
下限95 %信頼限界が必要な場合(測定回数20以上)は,次の式によって求める。
LLC x SD .164
ここに, LLC : 下限信頼限界
x : 平均値
SD : 標準偏差
24.2.2 B法
印加電圧を直流とするほかは,24.1.2による。
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結果は,平均値で表し,最小値も記録する。
25 未含浸紙及び含浸紙の誘電正接及び誘電率
25.0A 一般
誘電正接及び誘電率の測定は,特に規定がない限り,次のいずれの方法を用いてもよい。用いた方法を
記録する。
25.1 A法
25.1.1 試験装置
試験装置は,次による。
a) ブリッジは,JIS C 2138で規定するもの,又はそれと同等な器具を用いる。
注記 検出器には,JIS C 2138の附属書JAで紹介する装置もある。
b) ブリッジに用いる電源は,変圧器及び可変自動変圧器を用いた50 Hz又は60 Hzの商用電源とする。
c) IS C 2138に従う1組又はそれ以上の保護電極は,熱伝導率の高い金属で構成し,温度サイクルを繰
り返してもひずみがないものを用いる。表面はきずつきにくいものがよい。
電極は,静電容量がブリッジの許容範囲内で測定できるものを用いる。保護電極と主電極との間の
すき間は,できるだけ狭い方がよい。
電極表面は,0.125 m以内で平滑なものとし,良好な状態を維持する。
含浸紙の試験の場合は,下部電極に含浸液を保持するための丸みをつけた高さ約10 mmの縁を取り
付ける。
個別製品規格で圧力の規定がない場合は,試験片全体にかかる圧力は上部電極とおもりとで20 kPa
とする。
未含浸紙の試験の場合は,試験片からの水分の除去を促進するため,上部電極の上側から400 m
のドリルで電極表面に孔をあける。上部電極におもりを載せても孔をふさいではならない。孔の開い
た電極は,洗浄での問題を避けるため含浸紙の試験では用いない。
d) 真空乾燥装置は,チャンバからの測定用リード線を備えた容器,真空度計及び2.7 Pa未満に圧力を維
持する能力のある真空ポンプを備えていなければならない。
e) 加熱装置は,電極及び試験片を規定温度に加熱できるものを用いる。
f) 試験片の正確な温度測定のために,主電極に埋め込んだ熱電対を用いる。試験片の温度を正確に表示
できる温度計を用いてもよい。
g) 乾燥装置は,真空チャンバに十分乾燥した空気を導入できなければならない。例えば,シリカゲルを
用いた乾燥装置がよい。
h) 含浸油を用いる場合は,特に指定がない限り,JIS C 2320に規定する絶縁油A 1種の2号又は4号と
する。含浸剤のガス抜き及び乾燥は,含浸剤の低沸点分を飛ばすことなく乾燥及びガス抜きが行える
ような温度及び真空のガラス玉の入ったカラムに含浸剤を通過させて行う。
25.1.2 試験片
試験片は,ガード電極の直径より3 mm以上大きい紙で複数枚とする。
25.1.3 手順
手順は,次による。測定は,1回とする。
a) 試料は,保護シートを2枚含めた厚さ100 m以上の束を巻取から採り,適切な寸法の試験片を準備
する。外側2枚のシートをピンセットで取り外し,残りの束を素手で触らずに電極の中心にセットす
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る。電極の有効領域は,素手で触れてはならない。
b) 試験片及び電極は,特に規定がなければ115 ℃に加熱し,同時にチャンバを真空にする。115 ℃±5 ℃
を維持し,チャンバ圧力を試験片が乾燥するまで2.7 Pa未満に保つ。上部電極に水分の除去を促進す
るための孔が開いている場合は,標準的な試験時間として16時間を規定しているが,孔が開いていな
い場合は24時間以上とする。試験片は,誘電正接の測定値が一定になったことで乾燥したことが分か
る。
c) 未含浸紙 ヒータのスイッチを切ってから乾燥空気によって大気圧に戻す。試験片が冷えていく過程
で誘電正接及び静電容量を測定する。測定は,1.2 kV/mm1.5 kV/mmの間で,115 ℃,105 ℃,90 ℃,
70 ℃及び55 ℃にできるだけ近い温度で行う。電圧は,変圧器及び可変自動変圧器を用いて50 Hz又
は60 Hzの商用電源から供給してもよい。又は,別な周波数を指定してもよい。
d) 含浸紙 ヒータのスイッチを切ってから乾燥空気によって大気圧に戻し,誘電正接及び静電容量を温
度115 ℃で測定する。誘電正接が,c)の手法での同様な試験片に基づく初期試験結果と同等の値であ
る場合は,チャンバを再度減圧する。ただし,チャンバ内の圧力は,含浸剤の蒸気圧より下がっては
ならない。次に,十分にガス抜きした含浸剤を下部電極に導き,試験片を含浸剤に完全に浸す。10分
後に大気圧に戻す。測定は,1.2 kV/mm1.5 kV/mmの間で,115 ℃,105 ℃,90 ℃,70 ℃及び55 ℃
にできるだけ近い温度で行う。電圧は,変圧器及び可変自動変圧器を用いて50 Hz又は60 Hzの商用
電源から供給してもよい。又は,別な周波数を指定してもよい。
注記1 試験後に含浸油が汚れてないことを確かめるとよい。
注記2 この方法は,誘電率の高い液体には適さない。
25.1.4 結果
結果は,次の事項を記録する。
a) 誘電正接の温度特性曲線
b) 試験片の厚さ
c) IS C 2138によって計算した誘電率
d) キロボルト毎ミリメートル(kV/mm)で表した印加電圧
e) 含浸液の性状
25.2 B法
適切な大きさの試験片2枚以上を採り,重ねて厚さ0.5 mm以下とする。これを表面平滑度0.125 m以
下によく磨いた直径50100 mmの一対の金属製平円板電極の間に約25 kPa又は約20 kPaの圧力で挟み,
約130 Pa以下の真空中で,115 ℃±5 ℃又は120 ℃±5 ℃に,4時間以上保って乾燥する。次いで上記の
真空中で,電極の温度120 ℃±1 ℃,100 ℃±1 ℃,80 ℃±1 ℃の順序でそれぞれの温度において波高
率が1.341.48の商用周波数の100200 Vの電圧を加え,交流ブリッジ法によって静電容量及び誘電正接
を測定する。各温度での測定は,その温度に1時間以上保った後測定する。
一対の金属製平円板電極のうち,一方の電極には保護電極を付ける。電極配置の一例を図7に示す。
――――― [JIS C 2300-2 pdf 30] ―――――
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JIS C 2300-2:2010の引用国際規格 ISO 一覧
- IEC 60554-2:2001(MOD)
JIS C 2300-2:2010の国際規格 ICS 分類一覧
JIS C 2300-2:2010の関連規格と引用規格一覧
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- 規格名称
- JISB7502:2016
- マイクロメータ
- JISB7507:2016
- ノギス
- JISC2138:2007
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- JISC2320:1999
- 電気絶縁油
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- イオン電極測定方法通則
- JISK0127:2013
- イオンクロマトグラフィー通則
- JISK0400-48-10:1998
- 水質―ナトリウム及びカリウムの定量―第3部:フレーム発光法によるナトリウム及びカリウムの定量
- JISK8001:2017
- 試薬試験方法通則
- JISP8112:2008
- 紙―破裂強さ試験方法
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- JISP8114:2003
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- 紙及び板紙―坪量の測定方法
- JISP8140:1998
- 紙及び板紙―吸水度試験方法―コッブ法
- JISR3503:1994
- 化学分析用ガラス器具