この規格ページの目次
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C 3651 : 2014
3.22
ルーフヒーティング
造営物の屋根を構成する造営材の内部又は表面に発熱線等を施設して,屋根の積雪又は氷結を防止する
ヒーティング施設。
3.23
パイプラインヒーティング
パイプラインの内部又は表面に発熱線等を施設して,パイプライン輸送の用途に用いるヒーティング施
設。
3.24
送水管ヒーティング及び排水管ヒーティング
送水管,排水管,雨どい又は水槽の内部又は表面に発熱線等を施設して,水の凍結を防止するヒーティ
ング施設。ただし,電気用品安全法の適用を受ける水道凍結防止器,及びその他の凍結又は凝結防止用電
熱器具は含まない。
3.25
コンクリート養生ヒーティング
コンクリートの内部又は表面に発熱線等を施設して,コンクリート打設時の養生期間中においてコンク
リートの保温を行うヒーティング施設。
3.26
電気温床
工作物の内部若しくは表面,地中,地表,空中又は水中に発熱線等を施設して,野菜,草花,たばこ,
水稲,甘しょ,果実,きのこなどの育苗栽培,育すう,ふ卵,養蚕又はこれらに類する用途に用いるヒー
ティング施設。ただし,電気用品安全法の適用を受ける電気育苗器,電気ふ卵器,電気育すう器及び観賞
植物用ヒータは含まない。
3.27
鉄構,装置などのヒーティング
鉄構,装置などを構成する部材の内部又は表面に発熱線等を施設して,鉄構,装置などの積雪又は氷結
を防止するヒーティング施設。
4 発熱線等
ヒーティング施設に使用する発熱線等は,附属書Aに規定するものでなければならない。
5 設計
ヒーティング施設の設計は,次によって行わなければならない。
a) 発熱線等に電気を供給する電路の対地電圧は,150 V以下とする。ただし,住宅以外に発熱線等を施
設する場合は,対地電圧を,300 V以下とすることができる。
b) 発熱抵抗体の温度は,表A.7に規定する材料の最高許容温度又は製造業者が指定する発熱抵抗体の最
高許容温度のいずれか低い方の温度以下とする。
c) 発熱線等による加熱の温度は,次による。
1) 加熱対象物(液体及びその蒸気を含む。)の発火温度(℃)の80 %の温度以下とする。
2) 発熱線等の周囲の造営材が木材などの可燃性物質であって,かつ,発熱線等が触れる部分又は触れ
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るおそれがある部分は,80 ℃以下とする。
3) 人の居住する部分に施設するフロアヒーティングの床表面は,45 ℃以下とする。
d) 発熱線等の熱のため造営材が変色又は変形するおそれがないようにする。
e) 発熱線等の施設場所による選定は,表1による。
なお,施設場所に応じて使用する発熱線等の機械強度特性,耐候性,耐熱性,耐油性,耐酸性,耐
アルカリ性,耐スチレン性などを考慮する。
表1−施設場所による発熱線等の適用
発熱線等の名称及び記号a) 工法
第1種 第2種 第3種 第1種 第2種 第1種 第2種
施設場所 発熱線 第4種 発熱線 発熱 発熱 発熱 発熱
埋設 隠蔽 露出
A1 発熱線 A3 シート シート ボード ボード
A2,A4 B1 B2 C1 C2
車道,駐車場など × ○ ○ × × × × ○ × ×
冷凍冷蔵倉庫など
の重量物が載る床 × ○ ○ ○ × × × ○ × ×
など
歩道,ポーチ,玄
関,ホール,屋根 × ○ ○ ○ × ○ × ○ ○ ○b)
など
トイレ,浴室など
水気がある床,及
× ○ ○ ○ × ○ × ○ ○ ○b)
び畜舎など水分が
ある床
乾燥した床,壁,
× ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○c) ○d) ○b)
天井など
パイプライン又は
送水管,排水管,
× ○ ○ ○ × × × × ○ ○e)
雨どい若しくは水
槽の表面
送水管,排水管又
× ○ ○ × × × × × ○ ○
は雨どいの内部
コンクリート養生 ○ ○ ○ ○ × × × ○ ○ ○
電気温床 ○ ○ ○ ○ × ○ × ○ ○ ○
鉄構,装置など × × ○ × × ○ × × ○ ○e)
記号の意味は,次による。
○ : 施設できる。
× : 施設できない。
注a) 記号の意味は,次による。
Aは発熱線,Bは発熱シート,Cは発熱ボードを示す。また,発熱線にあっては,14は機械的な強度及び
耐熱性の区分を示し,発熱シート及び発熱ボードにあっては,1は屋外用又は水中用,2は乾燥した屋内用を示
す。
b) 発熱ボードに限る。
c) 発熱線及び第1種発熱シートに限る。
d) 発熱線,第2種発熱シート及び第2種発熱ボードに限る。
e) 第3種発熱線に限る。
f) 発熱線等は,次のいずれかによって施設する。
1) 埋設工法 セメントコンクリート,アスファルトコンクリートその他堅ろうで耐熱性がある物の中
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に発熱線等を施設する。ただし,電気温床であって,地中又は水中に施設する場合は,この限りで
ない。
2) 隠蔽工法 隠蔽工法にあっては,次のいずれかによって施設する。
2.1) 工作物の内部空間内に発熱線等を取り付けて施設する。
2.2) 工作物の表面に発熱線等を施設し,その上に造営材,防護材などで覆って施設する。
3) 露出工法 工作物の表面,地表などに露出して施設する。
g) 発熱線等は,他の電気工作物,弱電流電線,又は水管,ガス管,若しくはこれらに類するものに,電
気的,磁気的又は熱的な支障を及ぼさないよう施設する。
h) 発熱線等に電気を供給する電路には,漏電遮断器及び専用の配線用遮断器を施設する。
i) 次のヒーティング施設の部分には,その使用電圧が300 V以下の場合にはD種接地工事を,使用電圧
が300 Vを超える場合には,C種接地工事を施す。
1) 発熱線のシース又は補強層に使用する金属体
2) 発熱線等の支持物又は防護装置の金属部分
3) 発熱ボードの金属製外郭
発熱線等の施設例を,図1に示す。
6 施工
6.1 共通事項
施工の共通事項は,次による。
a) 発熱線等の機械的強度特性などに応じて,その取扱いに注意し,かつ,発熱線等に損傷を与えないよ
うに施設する。
b) 発熱線等は,平滑で鋭い突起がないように仕上げた部分の表面に施設する。
c) 発熱線等を施設する部分は丹念に掃除し,くぎ,突起物その他発熱線等を損傷するおそれがあるもの
は取り除く。
d) 発熱線は,相互に直接接触させたり,重ねたりしてはならない。ただし,発熱抵抗体が半導体素子そ
の他これに類する抵抗温度係数が正,かつ,大きい材料(以下,PTC発熱抵抗体という。)を用いた
ものにあっては,製造業者が指定する方法による場合は,この限りでない。
e) 発熱シート及び発熱ボードは,重ねたり,折り曲げたりしてはならない。ただし,PTC発熱抵抗体を
用いたものであって,製造業者が指定する方法による場合は,適用しない。
f) 発熱線を曲げる場合は,次による。
1) 第1種発熱線及び第3種発熱線を曲げる場合は,被覆を損傷しないように,かつ,その屈曲部の内
側の半径は,発熱線の仕上り外径の6倍(金属材料をシース又は補強層に用いた発熱線の場合は,
10倍)以上とする。
2) 第2種発熱線及び第4種発熱線を曲げる場合は,被覆を損傷しないように,かつ,その屈曲部の内
側の半径は,発熱線の仕上り外径の2倍(金属材料をシース又は補強層に用いた発熱線の場合は,4
倍)以上とする。
g) 発熱シートを曲げる場合は,被覆を損傷しないようにし,かつ,その屈曲部の内側の半径は,発熱シ
ートの仕上り厚さの6倍(金属材料をシース又は補強層に用いた発熱シートの場合は,10倍)以上と
する。
h) 発熱線等は,損傷しないような方法で工作物に固定して施設する。
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i) 接続用電線は,A.4.2に適合し,かつ,その絶縁体及びシースの最高許容温度が表2に適合するものを
選定する。
表2−施設場所による接続用電線の絶縁体及びシースの最高許容温度
施設場所 接続用電線の絶縁体及びシースの最高許容温度
パイプライン, 発熱抵抗体の絶縁体及びシースの最高許容温度と同等以上
鉄構,装置など
電気温床 60 ℃以上で,かつ,その電気温床の最高加熱温度以上
その他のもの 75 ℃以上で,かつ,そのヒーティング施設の最高加熱温度以上
j) 接続用電線を発熱線等の施設場所以外の場所に施設する場合は,電気設備技術基準の解釈に規定する,
金属管工事,合成樹脂管工事,可とう電線管工事又はケーブル工事とする。
k) 発熱抵抗体相互の接続,発熱抵抗体と接続用電線との接続,又は発熱線等と配線との接続は,電流に
よる接続部分の温度上昇が,その他の部分の温度上昇より高くならないようにするほか,次による。
1) 接続には,接続管その他の器具を用いるか,又はろう付けし,かつ,その部分を発熱線等の絶縁体
と同等以上の絶縁耐力のあるもので十分被覆する。
2) 発熱線等のシース又は補強層に使用する金属体相互を接続する場合は,その接続部分の金属体を電
気的に完全に接続する。
3) 接続部分に張力がかからないようにする。
4) 発熱抵抗体相互の接続,又は発熱抵抗体と接続用電線とを接続する場合は,発熱線等の施設場所で
行う。
5) 発熱線等と配線とを接続する場合は,発熱線等の施設場所に近く,かつ,容易に点検できる場所に
施設した接続箱内で行う。ただし,配線が接続用電線を兼ねて発熱抵抗体と直接接続する場合の接
続部には,接続箱を省略することができる。
6) 接続部を屋外又は屋内の水気のある場所に施設するときは,その接続部に防水処理を施す。
l) 発熱線等の施工中,随時,導通試験及び絶縁抵抗測定を行う。
6.2 ロードヒーティング
ロードヒーティングは,次による。
a) 発熱線等は,舗装作業中に運搬車,レーキ,スコップなどによって損傷を受けないように施設する。
b) 発熱線等は,舗装作業によって移動しないように固定する。
c) 道路関連施設などを固定するための道路の掘削及び/又はアンカボルトの埋込みは,発熱線等を施設
する前に行うか,又はあらかじめその位置を確認してその部分への発熱線等の施設を避ける。
d) 発熱線等をセメントコンクリート内に埋設する場合には,発熱線等がコンクリートの打設,バイブレ
ータなどによる損傷を受けないように施設する。
e) 発熱線等の施設場所内に伸縮目地又は膨張目地がある場合は,その目地部分には保護管などで保護し
た接続用電線を用い,かつ,電線の長さは電線自体に張力がかからないような長さとする。
f) 発熱線等をアスファルトコンクリート内に埋設する場合には,次による。
1) 舗装の一部であって,発熱線等を保護する層(以下,保護層という。)に用いるアスファルトコンク
リートの舗装時の温度は,第2種発熱線及び第3種発熱線を施設する場合は,150 ℃以下,第4種
発熱線を施設する場合は,180 ℃以下とする。
2) 保護層の締固めに用いるロードローラは,第2種発熱線を施設する場合は3 t(公称)以下,第3種
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発熱線を施設する場合は6 t(公称)以下,第4種発熱線を施設する場合は12 t(公称)以下とする。
初期転圧の際,振動をかけないように行う。
6.3 フロアヒーティング及びシーリングヒーティング
フロアヒーティング及びシーリングヒーティングは,次による。
a) 発熱線等は,床工事作業中に運搬車,レーキ,スコップなどによって損傷を受けないように施設する。
b) 発熱線等は,コンクリートの打設によって移動しないように固定する。
c) 建物関連施設などを固定するための床面の穴あけ及び/又はアンカボルトの埋込みは,発熱線等を施
設する前に行うか,又はあらかじめその位置を確認してその部分への発熱線等の施設を避ける。
d) 発熱線等をセメントコンクリート内に埋設する場合には,発熱線等がコンクリートの打設,バイブレ
ータなどによる損傷を受けないように施設する。
e) 発熱線等の施設場所内に伸縮目地又は膨張目地がある場合は,その目地部分には保護管などで保護し
た接続用電線を用い,かつ,電線の長さは電線自体に張力がかからないような長さとする。
f) 発熱シート又は発熱ボードを造営材に固定する場合は,固定位置などについては,製造業者が指定す
る方法による。
g) 冷凍冷蔵庫などの重量物が載る床のフロアヒーティングに施設する発熱線等は,断熱材に直接接触し
ないように施設する。
6.4 ルーフヒーティング
ルーフヒーティングは,次による。
a) 発熱線等は,屋根ふき作業中にハンマなどの工具によって著しい機械的衝撃を加えないように施設す
る。
b) 発熱線等の施設場所内に伸縮目地又は膨張目地がある場合は,その目地部分には保護管などで保護し
た接続用電線を用い,かつ,電線の長さは電線自体に張力がかからないような長さとする。
c) 発熱線等をアスファルトコンクリート内に埋設する場合には,保護層に用いるアスファルトコンクリ
ートの施設時の温度を,第2種発熱線及び第3種発熱線を施設する場合は150 ℃以下,第4種発熱線
を施設する場合は180 ℃以下とする。
d) 屋根材を兼ねた発熱ボードを造営材に固定する場合は,固定位置などについては,製造業者が指定す
る方法による。
6.5 パイプラインヒーティング
パイプラインヒーティングは,次による。
a) 発熱線等を施設するパイプなどの表面の清掃のため付着物を除去するときには,パイプなどの防せい
(錆)処理のためのめっき,ペイント又はコーティング類を除去しないようにする。
b) 第3種発熱線以外の発熱線等は,損傷を受けないように保温材,外装材などによって保護する。
c) 第3種発熱線は,著しい機械的衝撃を受けるおそれがある場所に施設する場合には,保温材,外装材
などによって保護する。
d) グラスウール,発泡ポリウレタンなどの軟質な保温材を使用する場合には,発熱線等は金属薄板など
で覆い,保温材と直接接触しないようにする。ただし,PTC発熱抵抗体を用いたものであって,製造
業者が指定する方法による場合は,適用しない。
e) パイプラインには,人が見やすい箇所に発熱線等を施設してある旨を表示する。
f) タンク,べッセルなどに発熱線等を施設する場合には,過熱しないように注意する。
g) 発熱線等は,人が触れるおそれがなく,かつ,損傷を受けるおそれがないように施設する。
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JIS C 3651:2014の国際規格 ICS 分類一覧
- 93 : 土木工学 > 93.080 : 道路工学 > 93.080.99 : 道路工学に関するその他の規格
- 91 : 建設材料及び建築物 > 91.140 : 建築物の付帯施設 > 91.140.99 : その他の建築物付帯施設
JIS C 3651:2014の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISC3005:2014
- ゴム・プラスチック絶縁電線試験方法
- JISC3102:1984
- 電気用軟銅線
- JISC3152:1984
- すずめっき軟銅線
- JISG3132:2018
- 鋼管用熱間圧延炭素鋼鋼帯
- JISG3141:2017
- 冷間圧延鋼板及び鋼帯
- JISG3141:2021
- 冷間圧延鋼板及び鋼帯
- JISG3459:2016
- 配管用ステンレス鋼鋼管
- JISG3459:2021
- 配管用ステンレス鋼鋼管
- JISG4304:2012
- 熱間圧延ステンレス鋼板及び鋼帯
- JISG4304:2021
- 熱間圧延ステンレス鋼板及び鋼帯
- JISG4305:2012
- 冷間圧延ステンレス鋼板及び鋼帯
- JISG4305:2021
- 冷間圧延ステンレス鋼板及び鋼帯
- JISH3300:2018
- 銅及び銅合金の継目無管
- JISH4552:2000
- ニッケル及びニッケル合金継目無管
- JISK7127:1999
- プラスチック―引張特性の試験方法―第3部:フィルム及びシートの試験条件
- JISK7161-1:2014
- プラスチック―引張特性の求め方―第1部:通則
- JISK7161-2:2014
- プラスチック―引張特性の求め方―第2部:型成形,押出成形及び注型プラスチックの試験条件