JIS C 8300:2019 配線器具の安全性 | ページ 28

                                                                                            133
C 8300 : 2019
附属書H
(規定)
変圧器及び電圧調整器
この附属書は,配線器具の部品及び附属品として用いる変圧器及び電圧調整器について規定する。
H.11 端子及び導電部の接続部
H.11.101 導電部相互又は導電部と非導電部との接続部
導電部相互又は導電部と非導電部との接続部は,緩みが生ぜず,かつ,温度に耐えなければならない。
導電部相互又は導電部と非導電部との接続部は,11.1及び11.2による。
H.11.102 電線の取付部
H.11.102.1 電線の取付部は,電線を容易かつ確実に接続できなければならない。確実に接続できる端子
構造の例を,次に示す。
a) 接続する電線に適した大きさのラグ端子,圧着端子,速結端子,平形接続子など。
b) 導体のより線がはみ出さない押締め形端子。
c) より線が導体外径の1/4以上はみ出さない端子ねじ。座金を用いて締め付けてもよい。
H.11.102.2 二つ以上の電線を一つの取付部に締め付ける場合は,電線を確実に接続できなければならな
い。電線の接続は,次による。
a) ナット又は座金を用いた接続。
b) 接続する電線に適した大きさの圧着端子などを用いた接続。
c) ねじ込み式の閉端接続子(傘形コネクタともいう。)を用い,絶縁テープ,スプリングなどで緩み止め
を施した接続。
H.11.102.3 電源電線の取付端子のねじは,電源電線以外の内部配線又は部品の取付けに兼用してはなら
ない。ただし,電源電線を取り付け,又は取り外したとき,電源電線以外の内部配線又は部品が脱落する
ことがない場合は兼用してもよい。
H.12 構造
H.12.1 構造における一般要求事項
H.12.1.101 通常の使用状態において感電,火災又は傷害の危険が生じることがないよう形状が正しく設
計してあり,組立が良好及び動作が円滑でなければならない。
H.12.3 アークに対する保護
H.12.3.101 金属製の蓋又は箱で,スイッチが開閉したとき,アーク発生部に面しアークが達することの
ある部分には,19.4の規定を満足する電気絶縁物で,かつ,20.2に規定する厚さをもつ電気絶縁物を取り
付けなければならない。
注記 アークが達することのある部分とは,溶断試験又は短絡試験において,膨れ,焼け焦げなどの
変質を生じることのある部分を意味している。
H.12.6 器体の内部配線
H.12.6.101 器体の内部配線は,12.6による。

――――― [JIS C 8300 pdf 136] ―――――

134
C 8300 : 2019
H.12.101 電源電線の貫通孔
電源電線の貫通孔は,取付面にあってはならない。ただし,金属製ボックス内用である旨を表示する場
合,及び電源電線の被覆をきずつけることがない場合,電源電線の貫通孔は,取付面にあってもよい。
H.12.102 ヒューズ又はヒューズ抵抗器を取り付ける変圧器及び電圧調整器
H.12.102.1 ヒューズの取付部は,機械器具に組み込む場合を除き,容易に接触しないように覆ってあり,
かつ,電流ヒューズの取付部は,内部に埋め込む場合を除き,取換えが容易に行えなければならない。
注記 取換えが容易に行えるとは,使用者がドライバなどの工具を用いて取り外す場合が含まれる。
H.12.102.2 ヒューズ及びヒューズ抵抗器の溶断によって,それぞれの回路は完全に遮断しなければなら
ない。また,ヒューズが溶断したときの可溶体の垂れ下がりなどによって,短絡及び地絡することがあっ
てはならない。
H.12.102.3 ヒューズ及びヒューズ抵抗器が溶断する場合,アークによって短絡及び地絡することがあっ
てはならない。
H.12.102.4 ヒューズが溶断した場合,ヒューズを収めている蓋,箱又は台は,その後の使用を損なうほ
どの損傷が生じてはならない。
H.12.102.5 電流ヒューズの取付端子は,ヒューズを容易に,かつ,確実に取り付けることができ,つめ
付きヒューズを締め付けるときヒューズのつめが回らない端子とする。ねじの頭径がJIS C 8303の附属書
B(巻締ねじ端子のねじの寸法)に規定する大頭丸平小ねじと同等以上の寸法のねじ又は同等以上の寸法
の座金を用いているときは,ヒューズのつめが回らない端子として扱う。
H.12.102.6 皿形座金を用いる端子の場合,ヒューズ取付面の大きさは,皿形座金の底面の大きさ以上で
なければならない。
H.12.102.7 非包装ヒューズの可溶体の中心部付近と器体との間の空間距離は,4 mm以上でなければな
らない。
注記1 器体には,ヒューズが溶断したとき,可溶体が垂れ下がる方向,又はばね方式のばねの動作
方向にあるヒューズ取付基板,抵抗器,発熱体,整流器,器内配線なども含まれる。
注記2 非包装ヒューズとは,包装されていないヒューズを意味し,電動機,変圧器などの巻線内に
組み込んだヒューズドメタルは含まれない。
H.12.102.8 ヒューズの取付端子のねじは,ヒューズ以外の部品の取付けに兼用してはならない。ただし,
ヒューズを取り付け又は取り外したとき,ヒューズ以外の部品の取付けが緩むことがない場合は兼用して
もよい。
H.12.102.9 ヒューズ取付部の近傍又は銘板に,電流ヒューズは定格電流を,温度ヒューズは定格動作温
度を,容易に消えない方法で表示しなければならない。複数のヒューズをもつ場合には,紛らわしくない
ように表示する。ただし,取り換えることができないヒューズの場合は表示をしなくてもよい。
注記1 銘板とは,変圧器及び電圧調整器の銘板,結線表示板などを意味し,ヒューズ自体への表示
は,銘板表示には含まれない。
注記2 取り換えることができないヒューズとは,修理のとき発見できない箇所にあるヒューズ,又
は器体,部品などを破壊しなければ取り出せないヒューズを意味している。
注記3 はんだ付けをした糸状ヒューズ,ばね作用をする部分を低融点合金で保持したヒューズ,リ
ード線付きの筒状ヒューズでリード線をはんだ付けしたヒューズなどで,修理において発見
しやすい箇所にあるヒューズは,取り換えることができるヒューズとして扱われる。
H.12.102.10 ヒューズ抵抗器の発熱によって,その周囲の充物,プリント配線板などが炭化又はガス化

――――― [JIS C 8300 pdf 137] ―――――

                                                                                            135
C 8300 : 2019
し,発火することがあってはならない。
注記 発火することがない材料には,陶磁器,ガラスなどがある。
H.12.103 温度過昇防止装置
温度過昇防止装置をもつ場合,温度過昇防止装置は,容易に取り換えることのできない構造で,かつ,
試験品を平常温度上昇試験(16.1)の状態で動作又は運転したとき,温度過昇防止装置が動作してはなら
ない。異常時に温度過昇防止装置が動作したとき,木台の燃焼,高温物の流出,絶縁抵抗の低下などがあ
ってはならない。温度過昇防止装置には,温度ヒューズも含む。
注記1 温度過昇防止装置とは,異常時に過度な温度上昇を生じることなく動作する設定温度が固定
のものを意味している。
注記2 容易に取り換えることのできないとは,工具を用いなければ取り外すことができないことを
意味している。工具とは,ドライバ,スパナなどの工具,保守点検専用の鍵及び硬貨を意味
している。
H.19 材料
H.19.1 器体の材料
H.19.1.101 器体の材料は,19.1による。ただし,19.1.2 b)を除く。
H.19.2 電気絶縁物及び熱絶縁物
H.19.2.101 電気絶縁物及び熱絶縁物は,19.2による。
H.19.4 アークが達することのある部分に用いる電気絶縁物
H.19.4.101 アークが達することのある部分に用いる電気絶縁物は,19.4による。
H.19.5 導電材料
H.19.5.101 導電材料は,19.5による。
H.19.6 接地端子の材料
H.19.6.101 接地端子の材料は,19.6による。
H.19.7 鉄及び鋼
H.19.7.101 鉄及び鋼は,19.7による。
H.19.8 可燃性材料
変圧器及び電圧調整器の部品及び構造材料には,ニトロセルローズ系セルロイド,その他これに類する
着火したときに爆発的に燃焼する可燃性物質を用いてはならない。必要な場合には,材料の仕様書のデー
タなどによって確認する。
H.19.101 その他の絶縁物
H.19.101.1 巻線に接している繊維質の絶縁物は,絶縁ワニス又はこれと同等以上の絶縁効力をもつ含浸
剤で処理していなければならない。必要な場合には,材料の仕様書のデータなどによって確認する。
注記 絶縁ワニス又はこれと同等以上の絶縁効力をもつ含浸剤には,電気絶縁用コイル含浸ワニス[9],
流動パラフィン[10],石油ワックス[11]によるパラフィンワックスなどがある。
H.19.101.2 外箱内に満たしてある絶縁性充物は,耐水質の材料で,使用中にその後の使用を損なうほ
どの損傷が生じてはならない。必要な場合には,材料の仕様書のデータなどによって確認する。

――――― [JIS C 8300 pdf 138] ―――――

136
C 8300 : 2019
H.20 絶縁距離及び絶縁物の厚さ
H.20.1 絶縁距離
H.20.1.101 極性が異なる充電部相互間,充電部と接地することのある非充電金属部との間,及び機械器
具に組み込む以外の変圧器(変圧器には電圧調整器を含む。以下,H.20.1において同じ。)の充電部と試
験指が触れることができる非金属部の表面との間の絶縁距離は,変圧器又は変圧器の部分ごとにそれぞれ
表H.1による。ただし,20.1 f)の1)3)に規定する回路であって,a)及びb)を満足する場合は,表H.1に
よる絶縁距離を満足しなくてもよい。絶縁距離の測定は,H.20.1.1.101の規定による。
a) 20.1.2による。
b) 極性が異なる充電部相互間,又は充電部と試験指が触れることができる非充電金属部との間のせん
(尖)頭電圧が2 500 Vを超える場合,その部分について放電試験棒を用いて30秒間連続放電したと
き,アークによって部品が燃焼してはならない。ただし,1)及び2)を満足する場合は除く。
放電試験は,放電試験棒の先端を放電する部分に短絡しない範囲で近づけ,放電する位置に固定し
て行い,固定した位置で試験中に放電が止まったときは,更に放電試験棒を近づけて行う。30秒以内
に部品が燃焼を開始したときはその都度放電を中止し,放電中止後15秒以内に炎が消滅したときは更
に放電を続け,合計30秒間放電する。端子板,印刷回路用積層板などは,沿面で放電させる。放電試
験棒を,図H.1に示す。
1) 放電中止後15秒以内に炎が消滅する。
2) 厚さが0.3 mm以上の鋼板,又はこれと同等以上の機械的強度をもち,遮蔽箱の中でアーク放電を
行ってもアーク若しくはアークによって生じる炎で引火しない合成樹脂又は金属板で作られた遮蔽
箱に収められている。ただし,開口をもつ遮蔽箱の場合,内部が燃焼することによって,開口から
炎が出ない構造に限る。
注記 放電中止とは,放電試験棒を取り去ることを意味している。
単位 mm
形状 : 円すい(錐)形(コニカルテーパ)
材料 : タングステン又は黄銅
図H.1−放電試験棒

――――― [JIS C 8300 pdf 139] ―――――

                                                                                            137
C 8300 : 2019
表H.1−絶縁距離
変圧器又は変圧器の部分の区分 絶縁距離
(空間距離及び沿面距離)
1) コンデンサの外部端子。ただし,3)に規定する部分を除く。 表H.2の値以上
2) コンデンサ以外の充電部。ただし,3)に規定する部分を除く。 表H.3の値以上
耐湿性の絶縁被膜をもつ部分
3) 線間電圧又は対地電圧が15 V以下の充電部分。た 0.5 mm以上
だし,使用者が接続するねじ止め端子部を除く。
その他の部分 1 mm以上
絶縁距離は,変圧器の外面に30 N,また,変圧器の内部では2 Nの力を距離が最も小さくなるように加えて測定し
たときの距離とする。ただし,変圧器の内部のばね又はジャンパ線で,機能上やむを得ない部分には,無理な方向に
2 Nの力を加えない。
注記 変圧器の外面とは,機械器具に組み込む変圧器で,機械器具に取り付けた後に,機械器具の表面に露出するこ
とのある部分を意味し,これ以外の外面の部分は変圧器の内部として扱われる。
表H.2−コンデンサの外部端子の絶縁距離
線間電圧又は 絶縁距離(空間距離及び沿面距離)
対地電圧 mm
極性が異なる充電部間 充電部と接地することのある
非充電金属部との間
その他
固定している部分で,じんあい 固定している部分で,じんあいその他
の箇所
(塵埃)が侵入しにくく,かつ, が侵入しにくく,かつ,金属粉の箇所
V 金属粉が付着しにくい箇所 が付着しにくい箇所
50以下 1 1.2 1 1
50を超え 150以下 1.5 2 1.5 1.5
150を超え 300以下 2 2.5 2 2
300を超え 600以下 3 4 3 4
600を超え 1000以下 4 5 4 5
1000を超え 1500以下 6 6 6 6
1500を超え 2000以下 7 7 7 7
2000を超え 3000以下 10 10 10 10
3000を超え 4000以下 13 13 13 13
4000を超え 5000以下 20 20 20 20
5000を超え 6000以下 25 25 25 25
6000を超え 7000以下 30 30 30 30
7000を超え 12000以下 40 40 40 40
12000を超え 50 50 50 50
じんあいが侵入しにくい部分の例を,次に示す。
a) 開口部のない箱の内部。
b) 空隙が0.3 mm以下の部分。
c) 空隙が1 mm以下で,かつ,空隙から30 mm以上離れている部分。
d) プリント配線板においてコーティングされた部分。
開閉動作によって発生する金属粉の発生箇所に直面する箇所及びこれらの金属粉が堆積することのある箇所で,沿
面せん絡を発生することがない箇所は,金属粉が付着しにくい箇所として扱う。

――――― [JIS C 8300 pdf 140] ―――――

次のページ PDF 141

JIS C 8300:2019の国際規格 ICS 分類一覧

JIS C 8300:2019の関連規格と引用規格一覧

規格番号
規格名称
JISB1115:2015
すりわり付きタッピンねじ
JISB1122:1960
ボルト・ナット検査
JISB1122:2015
十字穴付きタッピンねじ
JISB1123:1952
リベット検査
JISB1123:2015
六角タッピンねじ
JISB7524:2008
すきまゲージ
JISC2110-1:2016
固体電気絶縁材料―絶縁破壊の強さの試験方法―第1部:商用周波数交流電圧印加による試験
JISC3010:2019
電線及び電気温床線の安全に関する要求事項
JISC3301:2000
ゴムコード
JISC3306:2000
ビニルコード
JISC60695-2-11:2016
耐火性試験―電気・電子―第2-11部:グローワイヤ/ホットワイヤ試験方法―最終製品に対するグローワイヤ燃焼性指数(GWEPT)
JISC60695-2-12:2013
耐火性試験―電気・電子―第2-12部:グローワイヤ/ホットワイヤ試験方法―材料に対するグローワイヤ燃焼性指数(GWFI)
JISC60695-2-13:2013
耐火性試験―電気・電子―第2-13部:グローワイヤ/ホットワイヤ試験方法―材料に対するグローワイヤ着火温度指数(GWIT)
JISC7501:2011
一般照明用白熱電球
JISC8303:2007
配線用差込接続器
JISC8360:1984
リモコンリレー及びリモコンスイッチ
JISG3131:2018
熱間圧延軟鋼板及び鋼帯
JISH4000:2014
アルミニウム及びアルミニウム合金の板及び条
JISH4100:2015
アルミニウム及びアルミニウム合金の押出形材
JISK2240:2013
液化石油ガス(LPガス)
JISS6006:2020
鉛筆,色鉛筆及びそれらに用いる芯