JIS C 8300:2019 配線器具の安全性 | ページ 4

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11.2 導電金具及び取付金具
導電金具及び取付金具は,緩みを生じることがないように取り付けていなければならない。固定する金
具の場合は,次のいずれかによる。
a) ねじ又はリベットで,2か所以上での取付け
b) ボッチ,溝,土手などによる回り止めを設けた取付け
c) 26未満の受金をもつものの中心接触片が回転しても電線接続端子が回らない取付け
11.3 導電部に用いる座金の公称厚さ
導電部に用いる座金の公称厚さは,0.3 mm以上でなければならない。
11.4 電源電線の取付端子のねじ及びヒューズ取付端子のねじ
電源電線の取付端子のねじ及びヒューズ取付端子のねじは,次による。
a) 電源電線の取付端子のねじは,電源電線以外の内部配線又は部品の取付けに兼用してはならない。た
だし,電源電線を取り付け,又は取り外したとき,電源電線以外の内部配線又は部品が脱落すること
がない場合は兼用してもよい。
b) ヒューズの取付端子のねじは,ヒューズ以外の部品の取付けに兼用してはならない。ただし,ヒュー
ズを取り付け又は取り外したとき,ヒューズ以外の部品の取付けが緩むことがない場合は兼用しても
よい。
c) 有効ねじ部の長さは,ねじの呼び径が8 mm未満の場合は2ピッチ以上,呼び径が8 mm以上の場合
は呼び径の40 %以上でなければならない。ただし,端子枠内面に部分ねじ部をもつ呼び径が8 mm以
上で,次のいずれも満足する場合は除く。
1) 全ねじ部の有効長さが呼び径の25 %以上であり,かつ,全ねじ部と部分ねじ部の有効長さとの和が
呼び径の55 %以上。
2) 附属書Iに規定する端子部の強度試験を5回繰り返して行ったとき,その基準を満足する。
注記 裏出し加工部に施したねじ部で割れ目がある部分は,有効ねじ部には含まれない。
11.5 電線付きの一体成形の配線器具
電線付きの一体成形の配線器具の場合,端子と電線との接続部は,かしめ止め,溶接などで完全に接続
していなければならない。
11.6 特定用途の電線接続端子
アルミニウム電線及び平形導体合成樹脂絶縁電線を直接接続する端子,並びに機械器具に組み込む配線
器具を除く速結端子を用いた電線接続端子の接続部は,11.6.111.6.4による。
11.6.1 アルミニウム電線の接続の方法は,巻締め形又は引締め形でなければならない。
11.6.2 ねじを導電部として,通電を目的とする端子のねじは,銅又は銅合金でなければならない。
11.6.3 速結端子は,K.5の規定によらなければならない。
11.6.4 電線を接続した端子に試験電流を45分間通電し45分間休止する操作を125回繰り返したとき,25
回目の通電の終わりと125回目の通電の終わりとの温度の差が8 ℃以下でなければならない。
試験電流は,次による。
− 定格電流の1.5倍
− 定格電流が20 Aを超える配線器具に用いる速結端子は,定格電流の1.25倍
試験方法は,次による。
a) この規格に規定する開閉器を取り付ける構造の空間をもつ平形導体合成樹脂絶縁電線用のジョイント
ボックスは,ジョイントボックスの定格に適応する開閉器を取り付けて試験を行う。

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b) 速結端子の試験方法は,JIS C 8303及びJIS C 8306の規定のうち,ねじなし端子に対する規定による。
注記1 電源送り端子をもつ配線器具で,送り容量が加わる端子は,表示してある送り容量を定格
電流として扱われる。
注記2 平形導体合成樹脂絶縁電線用の接続器は,試験品を厚さが10 mm以上の木台の上に取り付
けて試験を行ってもよい。

12 構造

12.1 構造における一般要求事項
構造における一般要求事項は,次による。
a) 次の状態で,異状及びその後の使用を損なうほどの損傷が生じてはならない。
1) 中間スイッチ又は器体スイッチをもつ配線器具は,スイッチを開路の状態で電源に接続する状態。
2) 遠隔操作,無人運転の配線器具及びタイマで開路する配線器具は,無負荷で運転する状態
3) コード掛けをもつ配線器具は,コード掛けにコードを巻き付けて,配線器具の外側に100 Nの力を
15秒間加えた状態。配線器具の質量の3倍が10 kg未満のときは,10 Nにキログラム(kg)の単位
で表した配線器具の質量の3倍の値を乗じた値とし,最小値は30 Nとする。
4) コード掛けなどをもつ配線器具で,コード掛けなどの近傍にコードが容易に器体内部に入る開口を
もつ配線器具は,開口からコードを器体内部に押し込んだ状態。
5) 電灯器具を含む機械器具に組み込む配線器具は,組み込んだ後の状態。
b) 手に持って用いる配線器具で,成形加工している合成樹脂,磁器などの外郭の外面にある段違い,切
込みなどのない突合せ面は,JIS B 7524に規定するA形の厚さ0.5 mmのすきまゲージが挿入できて
はならない。
c) 附属の接続器としてコンセントをもつ配線器具で,極性の区別をもつ電源プラグを用いる配線器具の
場合,コンセントが,電源プラグの極性に対応した極性でなければならない。
d) ピンを電線の被覆に差し込んで接続するピン端子構造の配線器具は,平形導体合成樹脂絶縁電線を用
いる配線器具を除き,次の全てを満足しなければならない。
1) 電線の端に接続する配線器具,又は電線の2心のうち1心を切断した電線の端に接続する配線器具
(例1参照)。
注記 電線の任意の位置で接続できる構造の配線器具(例2参照)は,使用後に電線から配線器
具を取り外すような使用方法があるため,一度ピン端子を差し込んだ電線を再使用したと
き,電線の被覆には孔があき充電部が露出する状態となり,感電及び漏電のおそれがある。
2) 定格電流が7 A以下。
例1 電線の端に接続する配線器具

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例2 電線の任意の位置で接続できる構造の配線器具
e) センサによって電源回路を開閉する機構をもつ配線器具で,人体から発生する赤外線を検知して動作
する,及び超音波を配線器具から発生して配線器具と人体との距離の変位を検知して動作する,並び
にこれらに類する人体検知センサ付きの配線器具は,次の全てを満足しなければならない。
1) 照明器具用,警報機器用,音響機器用,換気扇用又は温風機用に限る。警報機器用にはインターホ
ンを含む。
2) 定格電流が3 Aとする。ただし,負荷が照明器具専用の場合,及び点検用の手動強制開機能をもつ
スイッチを設けた換気扇用の場合は,定格電流が15 A以下とする。
3) 照明器具用,警報機器用,音響機器用,換気扇用又は温風機用である旨の表示をする。
4) 人体検知センサ付きの配線器具の負荷側に差込接続器,ライティングダクト,ライティングダクト
の附属品,ライティングダクト用接続器,及びジョイントボックス,並びに照明器具用である旨の
表示のないねじ込み接続器,ソケット,及びローゼットを接続してはならない。
注記 差込接続器には,形状がシーリングボディのコンセントを含んでいる。
12.2 開閉機構
開閉機構をもつ配線器具は,次による。
a) 開閉の操作が円滑に,確実かつ安全にできなければならない。
b) 重力,振動などによって開閉することがあってはならない。
c) つまみ,押しボタン又は取っ手が任意の位置に止まる配線器具で,開閉の状態が容易に確認できない
配線器具は,開閉の状態を容易に確認できるような表示,装置などを施さなければならない。
d) )を除く配線器具は,開閉の操作又は開閉の状熊をスイッチの外面に出る部分,スイッチ取付部の表
面又はスイッチの操作部分に文字,色など(例えば,ON−OFF,入切,点滅などの文字,青,赤など
の色分け,又はボッチ,“○”,“|”などの記号)によって表示しなければならない。ただし,開閉の
状態が容易に確認できる配線器具,表示することが機構上困難な配線器具及び用途上必要のない配線
器具(例えば,三路スイッチ,四路スイッチ,機器組込用点滅器など)は除く。
12.3 アークに対する保護
金属製の蓋又は箱で,開閉試験(附属書J参照)及び/又は短絡遮断性能試験(附属書M参照)を行っ
たとき,アーク発生部に面し,アークが達することのある部分には,19.4の規定を満足する電気絶縁物で,
かつ,20.2に規定する厚さをもつ電気絶縁物を取り付けなければならない。
注記1 検査用ヒューズが溶断した場合には,アークが達するとみなされる。
注記2 単なる塗布又は焼付けは,絶縁物を取り付けてあるとはみなされていない。
12.4 張力除去
機械器具に組み込む電線を除く電源電線,配線器具間を接続する電線,及び機能上やむを得ず器体の外

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部に露出する電線(以下,電源電線等という。)で,固定して用いるもの以外の電線は,器体の外側に向か
って90 Nの張力を1秒間加える操作を25回繰り返した場合,及び別の試験品で器体の内部に向かって電
源電線等の器体側から5 cmの箇所を保持して1回押し込んだ場合に,電源電線等と内部端子との接続部に
2 mmを超えるずれがなく,かつ,その後の使用を損なうほどの損傷(緩み,膨れ,変形,ひび,割れ,
欠けなど),又は故障(部品の緩み,脱落,作動不具合,動作不良など)が生じてはならない。ただし,露
出する長さが80 mm以下の電線は,機能上やむを得ず器体の外部に露出する電線に含まない。天井取付け
又はつり下げ用のローゼット,ソケットなどは,押し込んだ場合の試験はしない。張力を加える試験の張
力操作試験装置の例を,例1に示す。
例1 張力操作試験装置
単位 mm
なお,電線交換形の配線器具は,次の電線及び接続方法で電線を取り付け,試験を行う。
a) 試験用の電線の種類及び太さは,次による。
1) ラベル,タグなどを含む配線器具本体又は包装箱に製造業者が指定している電線。
2) 1)以外の電線は,配線器具の用途,定格に応じJIS C 3306に規定するビニル平形コード又はJIS C
3301に規定するゴム絶縁袋打コード。電線の太さは,表1による。
表1−接続用電線の種類及び太さ(呼び)
配線器具の定格電流 A 7を超え 10を超え 15を超え 20を超え 30を超え 40を超え 60を超え 75を超え
7以下 10以下 15以下 20以下 30以下 40以下 60以下 75以下 100以下
接続電線 単線の公称径 1.6 1.6 1.6 2 2.6 − − − −
及びコー mm
ドの太さ より線の公称 0.75 1.25 2 3.5 5.5 8 14 22 38
(呼び) 断面積 mm2
注記 この表は,JIS C 8306の表2接続用電線の種類及び太さ(呼び)を引用している。
b) 試験用の電線の接続方法は,次による。

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1) 電線を端子ねじの頭部で直接締め付ける巻締め端子は,導体の3/4周以上,かつ,1周以下の範囲で
導体を巻く。例2に適切な結線の例を,例3に不適切な結線の例を示す。
その他の端子方式の端子は,配線器具の意図する方法によって結線する。
例2 適切な結線 例3 不適切な結線
2) ねじの締付トルクは,表2による。
表2−ねじの締付トルク
端子ねじの呼び径 mm 3を超え 3.5を超え 4を超え 4.5を超え 5を超え 6を超え 8を超え
3以下 3.5以下 4以下 4.5以下 5以下 6以下 8以下
トルク Nm 0.4 0.6 0.8 1.2 1.5 2 3.7 5
12.5 電源電線等の貫通孔
電源電線等の貫通孔は,保護スプリング,保護ブッシング,その他適切な保護装置を用いるか,又は半
径2 mm以上の面取り,カール加工など適切な保護加工を施さなければならない。ただし,貫通部が金属
以外の材質で,その部分が滑らかな場合を除く。
12.6 器体の内部配線
器体の内部配線(器体内部にある電源電線等を含む。)は,次による。
a) 内部配線をまとめて固定している場合はその状態で,固定が確実でない場合はそれぞれに,2 Nの力
を内部配線に加えたとき,1)及び2)の接触があってはならない。
1) 2 Nの力を取り去った後の,附属書Pに規定する絶縁物の使用温度の上限値を超える部分への接触。
2) 2 Nの力を加えている間だけの,附属書Pに規定する絶縁物の使用温度の上限値に40 ℃を加えた
値を超える部分への接触。
b) 2 Nの力を内部配線に加えたとき,可動部に接触してはならない。
注記 可動部に接触しない方法として,内部配線をまとめて外郭の内側に固定するなどがある。
c) 絶縁被覆をもつ電線を固定する場合,貫通孔を通す場合,又は2 Nの力を内部配線に加えたときに他
の部分に接触する場合には,次の1)3)の処置を施してある場合を除き,絶縁被覆のきず,破れなど
を試験によって判定する。
1) 電線を金具で固定するときは,金具の端部をカールする,適切な介在物を挟んで固定するなどの処
理を施してある。
2) 貫通孔には,0.7 mmを超える厚さの金属板は面取りを施し,電線の被覆をきずつけない適切な厚さ
をもつ絶縁テープを含め確実に固定したチュービングをもつものは,バリ取りを施してある。
3) 電線と接触する可能性がある部分が滑らかで電線と平行に配置してある。
電線に2 Nの力を加えながら可動範囲内で左右に1回動かした後に,絶縁被覆にきず,破れなどが

――――― [JIS C 8300 pdf 20] ―――――

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JIS C 8300:2019の国際規格 ICS 分類一覧

JIS C 8300:2019の関連規格と引用規格一覧

規格番号
規格名称
JISB1115:2015
すりわり付きタッピンねじ
JISB1122:1960
ボルト・ナット検査
JISB1122:2015
十字穴付きタッピンねじ
JISB1123:1952
リベット検査
JISB1123:2015
六角タッピンねじ
JISB7524:2008
すきまゲージ
JISC2110-1:2016
固体電気絶縁材料―絶縁破壊の強さの試験方法―第1部:商用周波数交流電圧印加による試験
JISC3010:2019
電線及び電気温床線の安全に関する要求事項
JISC3301:2000
ゴムコード
JISC3306:2000
ビニルコード
JISC60695-2-11:2016
耐火性試験―電気・電子―第2-11部:グローワイヤ/ホットワイヤ試験方法―最終製品に対するグローワイヤ燃焼性指数(GWEPT)
JISC60695-2-12:2013
耐火性試験―電気・電子―第2-12部:グローワイヤ/ホットワイヤ試験方法―材料に対するグローワイヤ燃焼性指数(GWFI)
JISC60695-2-13:2013
耐火性試験―電気・電子―第2-13部:グローワイヤ/ホットワイヤ試験方法―材料に対するグローワイヤ着火温度指数(GWIT)
JISC7501:2011
一般照明用白熱電球
JISC8303:2007
配線用差込接続器
JISC8360:1984
リモコンリレー及びリモコンスイッチ
JISG3131:2018
熱間圧延軟鋼板及び鋼帯
JISH4000:2014
アルミニウム及びアルミニウム合金の板及び条
JISH4100:2015
アルミニウム及びアルミニウム合金の押出形材
JISK2240:2013
液化石油ガス(LPガス)
JISS6006:2020
鉛筆,色鉛筆及びそれらに用いる芯