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例5 折曲げ
注記 電源電線が絶縁電線の場合には,器体を固定して用いる配線器具として扱われる。
19 配線器具の材料
19.1 器体の材料
19.1.1 器体の材料は,16.1に規定する平常温度上昇試験をしたときの温度に耐えなければならない。
19.1.2 器体の材料は,次による。
a) 外郭又は電気絶縁物を支持する熱可塑性の材料は,次のいずれかでなければならない。試験品から試
験片を採ることが困難な場合は,同じ材質の試験片について試験を行ってもよい。
1) 温度上昇の値に40 ℃を加えた温度の恒温槽内に試験片を入れ,その上に直径が5 mmの鋼球を用
いて20 Nの圧力を1時間加えた後,鋼球を除去して10秒以内に常温の水中で冷却し,へこんだ穴
の直径を測定したとき,直径が2 mm,又は深さで換算して0.209 mm以下。
2) 温度上昇の値が,客観的に確認した熱可塑性プラスチックのボールプレッシャ温度限度から40 ℃
を減じた値(判定温度限度値)以下。
注記 “客観的に確認した熱可塑性プラスチックのボールプレッシャ温度限度”は,“「電気用品
に用いられる熱可塑性プラスチックのボールプレッシャー温度の登録制度」に関する報告
書”[4]に情報がある。
b) 電線と一体に形成した熱可塑性樹脂成形品及びゴム成形品は,JIS C 8306の14.に規定する耐熱試験を
行ったとき,その後の使用を損なうほどの損傷が生じてはならない。試験温度は80 ℃及び試験時間
は7時間とする。
19.2 電気絶縁物及び熱絶縁物
電気絶縁物及び熱絶縁物は,16.1に規定する平常温度上昇試験をしたときに接触又は近接した部分の温
度に十分耐え,かつ,吸湿性の少ない絶縁物でなければならない。接触には,2 Nの力を加えたときに接
触し,かつ,力を取り去っても接触している場合を含む。近接には,2 Nの力を加えている間だけ接触し
ている場合を含む。
注記1 電気絶縁物とは,電気機器が本来の機能を発揮し,維持し,また,感電などの危険を防止す
ることを目的として,充電部と非充電金属部との間,充電部と外郭との間,又は充電部相互
間を電気的に絶縁隔離する固体絶縁物又は液体絶縁物で,体積抵抗率が常温において1×108
Ω・cm以上の絶縁物を意味している。外郭が熱絶縁物,その他の絶縁物である場合は,外郭
の内外面も含まれる。また,液体絶縁物は,完全充している絶縁物に限り電気絶縁物とし
て扱われる。
――――― [JIS C 8300 pdf 36] ―――――
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注記2 熱絶縁物とは,電気機器から発する熱及び電気機器以外から受ける熱を遮断又は緩衝し,機
器の性能の変化又はこれへの影響を緩和する目的のために設ける絶縁物を意味している。
注記3 温度上昇の場合,基準周囲温度は,附属書Kで配線器具ごとに規定する値を参照。
19.2.1 絶縁物は,2 Nの力を加えている間だけ接触し,力を取り去ったら接触していない場合でも,絶縁
物の種類ごとに附属書Pに規定する使用温度の上限値に40 ℃を加えた値を超える部分に接触してはなら
ない。
19.2.2 絶縁物は,次のいずれかの状態で用いる。
a) 絶縁物を50 ℃未満の温度で用いる。
b) 絶縁物を表P.1表P.7による使用温度の上限値“その1”の温度値以下で用いる。
c) 表P.1表P.7による使用温度の上限値“その2”を規定している絶縁物を,使用温度の上限値“その
1”を超えて“その2”以下の範囲で用いる。ただし,絶縁物又は絶縁物と同一のものを適切な試験方
法によって熱劣化推定温度を客観的に確認し,かつ,確認した温度値と同等以下の温度で用いる場合
に限る。
d) 絶縁物を表P.1表P.7による使用温度の上限値“その2”を超えて用いるとき,表P.1表P.7に規定
していない絶縁物のとき,又は表P.1表P.7に規定する絶縁物でその種類の材料相互を化学的若しく
は物理的に結合したものを用いるときは,絶縁物又は絶縁物と同一のものを適切な試験方法によって
熱劣化推定温度を客観的に確認し,かつ,確認した温度値と同等以下の温度で用いる。
注記 技術基準の解釈の別表第十一第2章に規定する“絶縁物の使用温度の上限値を決定する試験
方法”は,適切な試験方法とみなされている。
e) 絶縁物を表P.1表P.7による使用温度の上限値“その1”,又はc)若しくはd)によって確認した温度
限度に表15に規定する階級ごとの補正値を加えた値の温度で用いる。
表15−階級ごとの使用温度の上限値の補正値
単位 ℃
区分 使用温度の上限値
の補正値
階級1 年間を通じ電源に接続し,かつ,実使用時間が長いと推定できるもの。 0
階級2 季節使用と推定できるもの並びに階級1及び階級3以外のもの。 8
階級3 使用時に限って電源に接続し,使用後は電源から分離すると推定できるもの。 16
19.2.3 充電部を保持する熱可塑性の絶縁物で,温度に耐える耐熱性をもつ絶縁物は,次のいずれかによる。
試験品から試料片を採ることが困難な場合は,同じ材質の試験片について試験を行ってもよい。
a) 19.1.2 a) 1)に規定する絶縁物。
b) 19.1.2 a) 2)に規定する絶縁物。
c) 器体の内部において外傷を受けることのある部分に用いる厚さが0.3 mm未満の絶縁物は,試験品か
らそのままの厚さで一辺が30 mmの正方形の試験片を採り,それを試験装置とともに恒温槽内におい
て30±1 ℃の空気中に30分間保つ。次に試験片を90°の角度で交差している直径が1 mmの2本の
ニッケル線の間に挟み,衝撃力を与えないようにして30 Nの力を試験片に加えた状態で試験片の近傍
の温度を30 ℃から1時間当たり50±1 ℃の割合で上昇させながらニッケル線の間に約40 Vの交流電
圧を連続して加える。温度上昇の値が,これらのニッケル線が導通したときの温度(カットスルー温
度限度)から40 ℃を減じた値以下となる絶縁物。次に,試験装置の例を示す。
――――― [JIS C 8300 pdf 37] ―――――
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例 試験装置
1 試験用フレーム
2 試験片
3 ニッケル線
4 支持台
5 おもり
d) 器体の内部において外傷を受けることのある部分に用いる厚さが0.3 mm未満の絶縁物は,絶縁物の
温度上昇の値が,仕様書のデータなどによる客観的データに基づき確認したカットスルー温度限度か
ら40 ℃を減じた値以下となる絶縁物。
e) 器体の内部において外傷を受けることのある部分に用いる厚さが0.3 mm以上の絶縁物,及び器体の
内部において外傷を受けない部分に用いる絶縁物は,絶縁物の温度上昇の値が,客観的に確認したボ
ールプレッシャ温度限度から40 ℃を減じた値以下となる絶縁物。
注記 “客観的に確認したボールプレッシャ温度限度”は,“「電気用品に用いられる熱可塑性プラ
スチックのボールプレッシャー温度の登録制度」に関する報告書”[4]に情報がある。
19.2.4 器体の内部に用いる電源電線等の絶縁物は,19.2.2 e)による。
19.2.5 天然繊維,合成繊維,その他これらに類するものを,吸湿性の少ない絶縁物とするには,次による。
a) パラフィン,ワニス,絶縁性樹脂などによって含浸処理を行い絶縁物とする。ただし,パラフィンに
よって含浸処理したものは,乾燥した場所に限って用いる。必要な場合には,材料の仕様書のデータ
などによって確認する。
b) )に規定する絶縁物を,充電部相互間及び充電部と非充電金属部との間に密着して用いる場合,外気
に触れやすいもの及び高い湿度の下で用いるものは,100 ℃で1時間乾燥後,室温の水に1時間浸し
た後に,表面の水を拭き取った状態で質量が水に浸す前の110 %以下でなければならない。
19.3 屋外用の配線器具の外郭の材料
屋外用の配線器具の外郭の材料は,耐熱性をもつ屋外用に適した材料でなければならない。
注記 屋外用の配線器具とは,屋外用の露出形の配線器具,防雨形の配線器具,製造業者が屋外用と
指定した配線器具を意味している。屋外用の配線器具で壁に埋め込んで用いる配線器具の場合,
屋外に露出する外郭部分を,屋外用の配線器具として扱われる。
耐熱性をもつ屋外用に適した材料は,次による。
a) 陶磁器
b) さび止め処理を施した鉄及び鋼
c) さびにくい金属
d) 合成ゴム
e) 合成樹脂成形品。合成樹脂成形品を用いる配線器具を80±3 ℃の空気中に1時間放置したとき,その
後の使用を損なうほどの損傷が生じてはならない。
19.4 アークが達することのある部分に用いる電気絶縁物
アークが達することのある部分に用いる電気絶縁物は,アークによって感電,火災又は傷害が生じるこ
――――― [JIS C 8300 pdf 38] ―――――
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とのある膨れ,ひび,割れ,欠けなどの変形,絶縁低下などの変質が生じることがない電気絶縁物でなけ
ればならない。
アークが達することのある部分に関しては,開閉試験(附属書J参照)及び/又は短絡遮断性能試験(附
属書M参照)において,膨れ,焼け焦げなどの変質を生じることのある部分があるかどうかを確認する。
絶縁低下に関しては,開閉試験(附属書J参照)及び/又は短絡遮断性能試験(附属書M参照)の後,
絶縁性能試験(開閉試験後は附属書L参照)の基準を満足するかどうかを確認する。
19.5 導電材料
導電材料は,電気的,熱的及び機械的な安定性をもつ材料でなければならない。必要な場合には,材料
の仕様書のデータなどによって確認する。
注記 導電材料とは,意図的に電流の通路とする部分の材料を意味している。導電部相互を電気的に
接続するための締め金具,リベット,ねじ,当て金,端子用バインドねじなどの単純な充電金
属部分は,導電材料に含まない。
19.5.1 ヒューズのクリップを除き,刃及び刃受けの部分の導電材料は,銅又は銅合金でなければならない。
19.5.2 刃及び刃受けの部分以外の部分の導電材料は,銅,銅合金,ステンレス鋼,箇条22に規定する耐
食性を満足するめっきを施した鉄若しくは鋼,又はこれらと同等以上の電気的,熱的及び機械的な安定性
をもつ材料でなければならない。ただし,弾性を必要とする部分,その他の構造上やむを得ない部分に用
いる材料を除く。
注記1 銅覆鋼は,同等以上の電気的,熱的及び機械的な安定性をもつ材料に含まれる。
注記2 弾性を必要とする部分,その他の構造上やむを得ない部分とは,ばね性を必要とする部分,
銅又は銅合金では機械的強度が不足する部分,特殊機能を必要とする部分などで,次のもの
がある。
− 抵抗体,発熱体,巻線,可溶体,バイメタル,接点,カーボンブラシなど
− 真空管,半導体素子,コンデンサなどの電子部品の内部
− ばね,摩耗しやすいばね受け,シャーシ,ガラス封じ端子,シーズヒータの溶接端子,
コンデンサの端子,真空管の端子,半導体素子の端子,抵抗器の端子など
− ねじ締め部,圧力保持部,スポット溶接による接続部などの機械的強度を必要とする部
分
− 温度が100 ℃以上の接続部
− 電球口金,小形電球受金などの消耗品に類する短寿命の交換部品
− 高周波電流導電部,高圧微小電流回路,接地回路,制御回路,表示回路などで最大通電
容量が10 W以下,かつ,流れる電流が100 mA以下の部分
− 対地電圧及び線間電圧が交流30 V以下又は直流45 V以下で,最大通電容量が10 W以
下の部分。交流30 V以下又は直流45 V以下で最大電流1 A以下の部分も含む。
19.6 接地端子の材料
接地端子の材料は,銅,銅合金,ステンレス鋼などの十分な機械的強度をもつさびにくい材料でなけれ
ばならない。
注記 ねじ及びナットによる接地端子の構造の適切な例を図4に示す。
19.7 鉄及び鋼
ステンレス鋼を除き,鉄及び鋼は,めっき,塗装,油焼きその他の適切なさび止めを施さなければなら
ない。ただし,さびによって機械的又は電気的な障害が生じることがない部分に用いる場合,さび止めを
――――― [JIS C 8300 pdf 39] ―――――
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施さなくてもよい。
注記 さびによって機械的又は電気的な障害が生じることがない部分とは,導電部のねじ接続箇所以
外の箇所で,固定した後に緩むことがない部分,及びシャフト,鉄心,その他の構造材などで
さびの発生によって機械的又は電気的な障害が生じることがない部分を意味している。
19.8 可燃性材料
配線器具の部品及び構造材料には,ニトロセルローズ系セルロイド,その他これに類する着火したとき
に爆発的に燃焼する可燃性物質を用いてはならない。必要な場合には,材料の仕様書のデータなどによっ
て確認する。
20 絶縁距離及び絶縁物の厚さ
20.1 絶縁距離(空間距離及び沿面距離)
次のa) f)のものを除き,極性が異なる充電部相互間,充電部と接地することのある非充電金属部又は
試験指が触れることができる非金属部の表面との間の絶縁距離は,表16に規定する値以上でなければな
らない。
a) .12.104で規定する街灯スイッチ
b) 附属書Bで規定する開閉器
c) .12.105で規定する蛍光灯用ソケット及び蛍光灯用スタータソケット
d) 13.7で規定する変圧器及び電圧調整器
e) 13.8で規定するコンデンサ
f) 20.1.2の規定を満足する1)3)の回路の部分
1) 絶縁変圧器の二次側の回路
2) 整流後の回路
3) 特定の回路。特定の回路は,配線器具の入力電源の一端と回路の一部とを短絡したとき,次のいず
れかの回路とする。
− 配線器具の定格電流が7 A未満の場合,電源電流が定常的に10 A以下の回路
− 配線器具の定格電流が7 A以上の場合,電源電流が定常的に定格電流の150 %以下の回路
注記1 f)に規定する部分は,構造上やむを得ない場合に限られる。
注記2 特定の回路は,“等の回路”ともいう。
――――― [JIS C 8300 pdf 40] ―――――
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JIS C 8300:2019の国際規格 ICS 分類一覧
JIS C 8300:2019の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISB1115:2015
- すりわり付きタッピンねじ
- JISB1122:1960
- ボルト・ナット検査
- JISB1122:2015
- 十字穴付きタッピンねじ
- JISB1123:1952
- リベット検査
- JISB1123:2015
- 六角タッピンねじ
- JISB7524:2008
- すきまゲージ
- JISC2110-1:2016
- 固体電気絶縁材料―絶縁破壊の強さの試験方法―第1部:商用周波数交流電圧印加による試験
- JISC3010:2019
- 電線及び電気温床線の安全に関する要求事項
- JISC3301:2000
- ゴムコード
- JISC3306:2000
- ビニルコード
- JISC60695-2-11:2016
- 耐火性試験―電気・電子―第2-11部:グローワイヤ/ホットワイヤ試験方法―最終製品に対するグローワイヤ燃焼性指数(GWEPT)
- JISC60695-2-12:2013
- 耐火性試験―電気・電子―第2-12部:グローワイヤ/ホットワイヤ試験方法―材料に対するグローワイヤ燃焼性指数(GWFI)
- JISC60695-2-13:2013
- 耐火性試験―電気・電子―第2-13部:グローワイヤ/ホットワイヤ試験方法―材料に対するグローワイヤ着火温度指数(GWIT)
- JISC7501:2011
- 一般照明用白熱電球
- JISC8303:2007
- 配線用差込接続器
- JISC8360:1984
- リモコンリレー及びリモコンスイッチ
- JISG3131:2018
- 熱間圧延軟鋼板及び鋼帯
- JISH4000:2014
- アルミニウム及びアルミニウム合金の板及び条
- JISH4100:2015
- アルミニウム及びアルミニウム合金の押出形材
- JISK2240:2013
- 液化石油ガス(LPガス)
- JISS6006:2020
- 鉛筆,色鉛筆及びそれらに用いる芯