JIS F 0812:2006 船舶の航海と無線通信機器及びシステム―一般要求事項―試験方法及び試験結果要件 | ページ 11

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F 0812 : 2006 (IEC 60945 : 2002)
附属書A(規定)IMO決議A.694(17) 1991年11月6日採択
全世界的海上遭難安全システム(GMDSS)の
一部を形成する船舶搭載無線装置及び電子航法装置の一般要件
総会は
海上の安全に関する規則及び指針に関する総会の機能についての国際海事機関の条約第15(j)項を想起し,
安全の目的のために使用される装置運用上の信頼性と適性を確保するため船用無線装置の性能基準を策定
する必要性を認識し,
改訂された1974海上人命安全条約(SOLAS)の第IV章14.1規則により,条約第IV章が適用されるすべて
の装置が国際海事機関の採択したものに劣らない適切な性能基準に適合することが要求されていることに
注目し,
SOLAS第V章12(r)規則により,1984年9月1日以後に船舶に搭載されるすべての航法装置は国際海事機
関の採択したものに劣らない適切な性能基準に適合することが要求されていることにも注目し,
海上安全委員会が第59回会議で行った勧告を考慮して,
1. 現行決議の附属書に述べる全世界的海上遭難安全システム(GMDSS)の一部を形成する船舶搭載無線
機器及び電子航法装置に対する一般要件に関する勧告を採択する;
2. 各国政府がGMDSSの一部を形成する船上無線装置及び電子航法装置が現行決議の附属書に規定する
ものに劣らない性能基準に合致させるよう保証することを勧告する;
3. 決議A.569(14)及びA.574(14)を廃棄する;
4. 現存のIMO文書において決議A.569(14)又はA.574(14)の引用記述は本決議に対する引用記述と読み替
えることを決定する。

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F 0812 : 2006 (IEC 60945 : 2002)
IMO 決議A.694の附属書
全世界的海上遭難安全システム(GMDSS)の
一部を形成する船舶搭載無線機器及び電子航法装置の一般要件
1

序文

1.1 下記装置は : 
.1 全世界的海上遭難安全システム(GMDSS)の一部を形成する;又は
.2 改訂された1974 SOLAS条約の第V章12規則で要求される装置及びそれ以外に適宜必要とされる電子
航法装置であり,以下の一般要件及びIMOが採択した該当する性能基準すべてに適合する。
1.2 装置のユニットが本勧告の最小要件以外の設備を提供する場合,そのような追加設備の動作及び妥当
であると判断される限りにおいて追加装置の誤動作により,1.1で規定された装置の性能を低下させるもの
でないこと。
2 装備
1.1の要件に適合できるように装置を装備すること。
3 操作
3.1 操作器の数,デザインと機能,位置,配列及びサイズは,迅速かつ容易な操作ができるようにするこ
と。操作器は,不用意な操作の可能性を最小限に抑えた配置とすること。
3.2 すべての操作器は,通常の調整が容易に行え,装置が通常操作される位置から容易に識別できること。
通常操作に必要のない操作器は容易に触れられないこと。
3.3 操作器の識別を可能にするために装置内又は船内に適切な照明を備え,常時指示器の読取りを容易に
すること。航行の妨げとなり得る装置照明源を減光する手段を設けること。
3.4 操作器の誤使用により装置や人に損傷を与えないような設計であること。
3.5 装置のユニットが他機の一つ又はそれ以上のユニットに接続される場合,各々の性能が維持されるこ
と。
3.6 "0""9"の数字を使用するデジタル入力パネルを備えている場合,数字はITU-T勧告1に合致するよう
に配列することが望ましいが,事務機やデータ処理機等に使われているような英数字キーボードが付いて
いる場合,"0""9"の数字はISO規格2に合致するように配列してもよい。
1 ITU-T勧告E.161
2 ISO 3791

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4 電源
4.1 装置は船内で通常予期される電源の変動があった場合にも,本決議の要件に従って動作を継続するこ
と。
4.2 過電流と過電圧,トランジェント及び電源極性の偶発的な反転から装置を保護する手段が備わってい
ること。
4.3 装置を2以上の電源で動作させるようになっている場合は,一つの電源から他の電源へ速やかに切り
替える設備が備わっていること。ただし,これは必ずしも装置内部に組み込んでいる必要はない。
5 環境条件に対する耐久性及び対応力
装置は,船内で遭遇するであろう,種々の海況条件,船体の運動,振動,湿度及び温度の下で継続できる
こと。3
6 干渉
6.1 当該装置と,1974年SOLAS国際条約第IV章及び第V章に適合して船上に装備されるその他の無線
通信装置及び航法装置との間の電磁両立性を保証するため,あらゆる妥当で実際的な手段が講じられてい
ること。4
6.2 すべてのユニットから発生する機械的雑音は,船の安全が左右されるようなサウンドを聴くことを阻
害しないように制限すること。
6.3 基準コンパスや磁気操だコンパスの近傍に通常装備される装置の各ユニットには,コンパスからの取
付け可能な最小安全距離を明記すること。
7 安全対策
7.1 実際上可能な限り,危険電圧への偶発的な接触を防止しなければならない。ピ−ク電圧が55 V以上の
直流又は交流電圧又はその両者の組合せ(無線周波電圧を除く)につながるすべての部品と配線は,例え
偶然でも触れないように保護されており,保護カバーを外すと自動的に電源から遮断されること。また,
装置はスパナやドライバのような目的にかなった工具を使わなければこれらの電圧には触れないようにな
っており,装置内と保護カバー上に警告ラベルを目立つようにちょう付していること。
7.2 装置の金属露出部分を接地する手段を講じること,ただし,これによりいずれの電源端子も接地され
ないこと。
7.3 装置から放射される無線周波の電磁エネルギーが人体に害を与えないようにあらゆる実行可能な措
置を講じること。
7.4 X線を放射する可能性のある真空管のような素子をもつ装置は,以下の要件に適合すること。
3 IEC 60092-101及びIEC 60945

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F 0812 : 2006 (IEC 60945 : 2002)
.1 通常動作中の装置から外部へのX線放射は当該政府が規定する限界値を超えないこと。
.2 政府が定めるレベルより高いX線を装置内部で発生する可能性のある場合,警告ラベルを装置内部に
分かりやすい場所にちょう付しその装置で作業する場合に守るべき予防策を装置のマニュアルに記載する
こと。
.3 装置の故障によってX線放射が増加するおそれのある場合には,装置のマニュアルに適切な情報を記
載し,そのような増加が引き起こされる状況を警告し,かつ採るべき予防策を記述すること。
8 保守
8.1 装置は入念な再校正や再調整を必要とせずに主要なユニットを船上で容易に交換できるように設計
されること。
8.2 装置は,検査及び保守のために容易にアクセスできるように組み立てられ,設置されること。
8.3 装置を正しく操作し保守するに十分な情報を提供すること :
.1 故障診断及び修理が部品レベルまでできるように設計されている装置の場合,完全な回路図,部品配
置図及び部品表を提供すること;
.2 故障診断及び修理が部品レベルまでできない合成モジュールをもった装置の場合,欠陥モジュールを
特定,識別,交換するために十分な情報を提供すること。それ以外のモジュール及びモジュールの構成品
でない個別部品については上記.1の要件に適合すること。
9 マーキング及び識別
装置の各ユニットには,可能な限り,通常の設置状態で読み取れるように,その外部に以下の情報を標記
すること :
.1 製造業者名;
.2 型式試験を受けた装置タイプナンバー又はモデル名;
.3 ユニットの製造番号。
4 IEC 60533及びIEC 60945

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附属書B(参考)船の環境条件
この附属書は,本体及び附属書(規定)に関連する事柄を補足するもので,規定の一部ではない。
B.1 序文 環境条件の分類は,IEC 60721シリーズの規格に記載されているが,特に,IEC 60721-3-6に
は船橋について述べている。IEC 60721-3-6では,適用範囲で定める装置,すなわち主に船橋や甲板に設置
される装置に適用される厳しさのレベルについて本体の8.で述べている。この参考用附属書ではこれら厳
しさのレベル選択の背景について述べている。
B.2 高温 海上における気温については多くの記録がある。米国海軍の資料“世界の海洋気候地図”第VIII
巻によれば,世界の海洋で観測された最高気温は,7月のメキシコ沖で記録した43 ℃である。統計された
気温のうち,95%が何度であったかを示す95百分位数は32 ℃である。したがって,“船で遭遇し得る”
条件を規定するこの規格のために,合理的と思われる周囲大気温度の最高は32 ℃とする。周囲大気とは
装置から熱発散の役割を担う空気のことを指す。
太陽ふく射にさらされている装置は,そのエネルギーを吸収し周囲の空気より熱くなる。このプロセス
の分析はIEC 60721-2-4(日射と温度)に記載している。このことから,定常状態での実際の気温tuと太陽
放射照度(電力密度)Eとの合計が表面温度と同じになる人工気温はtsとなり,その値は次の式で得られ
る :
aE
ts tu
h
ここに, a : サーマルカラー,熱反射率及び熱透過率によって決まる
吸収率
h : 表面の熱伝達係数
代表的な値は,a = 0.7,h = 20 W/(m2 ℃)で,太陽副射0.035 E によって温度上昇分が決まる。
IEC 60721-2-4は更に,放射照度Eの値も示している。太陽からの放射エネルギーは,放射密度1 370 W/m2
を発生させる。大気中での種々の損失によって,地表においては最大値1 120 W/m2まで低下し,この数値
は39 ℃の上昇分に当たる。この温度は,太陽に垂直な地表で晴天時に雲一つない正午頃の短時間に発生
する。放射密度は水分含有率の増加に伴って減少する。洋上で過去に経験した最高値は670 W/m2で,この
ときの温度上昇は23 ℃であった。したがって,人工気温の最高は39+32 = 71 ℃で,海上での最高値は23
+32 = 55 ℃となる。
したがって,この規格の8.では,換気されている環境,すなわち甲板上又は人が作業する空間で動作す
る装置に対する代表的な試験温度を55 ℃とする。保存温度は,船から離れた位置の換気されている環境で
の保存を考慮して70 ℃とした。
IEC 60721-3-6においても,船内での換気されていない環境における最高温度も70 ℃としている。

――――― [JIS F 0812 pdf 55] ―――――

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JIS F 0812:2006の引用国際規格 ISO 一覧

  • IEC 60945:2002(IDT)

JIS F 0812:2006の国際規格 ICS 分類一覧

JIS F 0812:2006の関連規格と引用規格一覧