JIS G 3101:2020 一般構造用圧延鋼材 | ページ 3

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G 3101 : 2020
附属書JB
(規定)
熱間押出形鋼の品質規定
JB.1 適用
この附属書は,建築部材及び鋼矢板·鋼管矢板に使用する継手部材などに用いる特殊形状の熱間押出形
鋼の品質を規定する。
なお,熱間押出形鋼は,受渡当事者間の協定によって適用する。
JB.2 種類の記号及び適用寸法
熱間押出形鋼は,2種類とし,その種類の記号及び適用寸法は,表JB.1による。
表JB.1−熱間押出形鋼の種類の記号及び適用寸法
種類の記号 適用寸法
SS400 厚さ : 5 mm以上
SS490 辺又は高さ : 250 mm以下
JB.3 製造方法
熱間押出形鋼は,熱間押出しによって,鍛錬成形比4以上に成形する。
JB.4 化学成分
熱間押出形鋼は,9.1の試験を行い,その溶鋼分析値は,表2による。
JB.5 機械的性質
JB.5.1 引張試験片及び曲げ試験片の採取位置
熱間押出形鋼の引張試験片及び曲げ試験片の採取位置は,受渡当事者間の協定による。ただし,4号引
張試験片の厚さ方向採取位置は,厚さの1/4の位置とする。ただし,厚さの1/4の位置から採取できない
場合には,それに近い位置とする。
JB.5.2 引張試験特性及び曲げ特性
熱間押出形鋼は,9.2の形鋼の試験を行い,その降伏点又は耐力,引張強さ,伸び及び曲げ性は,表3及
び表JA.1の形鋼による。ただし,熱間押出形鋼の形状によって1A号試験片が採取できない場合は,1A号
試験片に代えて5号試験片としてもよい。熱間押出形鋼の伸びの規定値は,表JB.2による。

――――― [JIS G 3101 pdf 11] ―――――

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G 3101 : 2020
表JB.2−熱間押出形鋼の伸び
種類の記号 伸び
厚さ 試験片 %
mm
SS400 5以下 5号 21以上
5を超え 16以下 1A号 17以上
5号 27以上
16を超え 50以下 1A号 21以上
5号 33以上
40を超えるもの 4号 23以上a)
SS490 5以下 5号 19以上
5を超え 16以下 1A号 15以上
5号 24以上
16を超え 50以下 1A号 19以上
5号 30以上
40を超えるもの 4号 21以上a)
注a) 厚さ100 mmを超える鋼板の伸びは,厚さ25 mm又はその
端数を増すごとに,この表の伸びの規定下限値から1を減
じる。ただし,減じる限度は,3とする。
JB.6 形状,寸法及びその許容差
熱間押出形鋼の形状は,注文者の指定による。ただし,製造できない形状については受渡当事者間の協
定によって注文者が形状変更を指定する。
注記 熱間押出形鋼は,主に建築工事標準仕様書,港湾工事共通仕様書などの技術基準に基づいた設計
図書に記載された部材として用いられる。
熱間押出形鋼の形状及び寸法の許容差は,表JB.3による。

――――― [JIS G 3101 pdf 12] ―――――

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G 3101 : 2020
表JB.3−形状及び寸法の許容差
単位 mm
区分 許容差
辺,高さ及び厚さ 50未満 ±1.5
50以上 100未満 ±2.0
100以上 200未満 ±3.0
200以上 ±4.0
長さ 7 m以下 +40
0
7 m超 プラス側許容差は,長さ1 m又はその端
数を増すごとに上記プラス側許容差に5
mmを加える。
マイナス側許容差は,0 mmとする。
切断面の直角度 最大辺長さが100 mm以下 1.6以下
最大辺長さが100 mm超 3.0以下
曲がり 長さの0.5 %以下a)
受渡当事者間の協定によって,この表に規定する全許容差範囲と同一の範囲でプラス側又
はマイナス側に移動してもよい。ただし,プラス側に移動した許容値の下限値はゼロを上回
ってはならず,マイナス側に移動した許容値の上限値は,ゼロを下回ってはならない。
注a) 上下,左右の曲がりに適用する。
JB.7 外観
熱間押出形鋼の外観は,JIS G 3192の箇条9(外観)による。
JB.8 検査
熱間押出形鋼の検査は,箇条10による。
JB.9 再検査
熱間押出形鋼の再検査は,箇条11による。
JB.10 表示
熱間押出形鋼の表示は,箇条12による。
JB.11 報告
熱間押出形鋼の報告は,箇条13による。

――――― [JIS G 3101 pdf 13] ―――――

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G 3101 : 2020
附属書JC
(参考)
JISと対応国際規格との対比表
JIS G 3101 ISO 630-1:2011,ISO 630-2:2011,(MOD)
a) IS b) 対応国際 c) 箇条ごと e) ISと対応国際規格との
d) ISと対応国際規格との技術的差異の
の箇 規格の対 の評価 内容及び理由 技術的差異に対する今後
条番 応する箇 の対策
号 条番号
3 ISO 630-1 追加 JISは,国内の製造方法に対応
JIS独自鋼材のための用語及び定義を追加
3 している。 している。
4 ISO 630-2 変更 JISは,引張強さを,ISO規格は降伏点を
記号の付け方の差異であり,
4 鋼種名としている。 現行を維持する。
5 ISO 630-2 削除 ISO規格の方が,規定元素が多い。 JISの規定内容が,ほぼ盛り込
6 まれてきている。
6 ISO 630-2 追加 JISは,より厳格な規定であ
JISは,曲げ性についても規定を追加して
6 いる。 る。
7 ISO 630-1 追加 JISとISO規格とでは,寸法及び形状の詳
取引慣行の差異であり,現行
6 細な規定が,異なっている。 を維持する。
8 ISO 630-1 変更 JISは,より厳格な規定であ
ISO規格は,表面きず除去部の局部的な板
6 る。
厚不足を認めているが,JISは認めていな
い。
9.1 ISO 630-1 変更 分析方法はJISを引用している。 JISは,溶鋼分析の方法につい
9 て規定している。
9.2 ISO 630-2 変更 JISの提案によって,類似の規
JISとISO規格とで,試験単位が若干異な
8 る。試験片の採取位置は整合。 定になってきている。
11 ISO 630-1 追加 JISは,受渡当事者間による規定を追加し
取引慣行の差異であり,現行
7.3 ている。 を維持する。
12 ISO 630-1 追加 ISO規格は,溶鋼番号を表示しない。また,
取引慣行の差異であり,現行
10 を維持する。
寸法表示に対して,明確な規定が無い。
13 ISO 630-1 変更 報告について,JISを引用している。 取引慣行の差異であり,現行
7.1 を維持する。
附属書JA − 追加 JIS独自に必要な規定であり,
ISO規格の試験片は,比例試験片だけであ
るが,JISは定形試験片もある。 現行を維持する。
附属書JB − 追加 JIS独自に必要な規定であり,
国内建築構造用に限定されており,ISO規
格では,規定されていない。 現行を維持する。
注記1 箇条ごとの評価欄の用語の意味を,次に示す。
− 削除 : 対応国際規格の規定項目又は規定内容を削除している。
− 追加 : 対応国際規格にない規定項目又は規定内容を追加している。
− 変更 : 対応国際規格の規定内容又は構成を変更している。
注記2 JISと国際規格との対応の程度の全体評価の記号の意味を,次に示す。
− MOD : 対応国際規格を修正している。

JIS G 3101:2020の引用国際規格 ISO 一覧

  • ISO 63-2:2011(MOD)
  • ISO 630-1:2011(MOD)

JIS G 3101:2020の国際規格 ICS 分類一覧

JIS G 3101:2020の関連規格と引用規格一覧