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条件によっては,交流を重畳した電源,パルス波を付加した整流器などを用いる場合もある。定電圧,
定電流機構を装備した整流器は,品質管理上有効である。
g) 電解着色槽 a)の陽極酸化処理槽の仕様に準じたものとする。
h) 染色槽 染色液を変質させないためにステンレス鋼製,耐熱・耐薬品性プラスチック被覆槽などを槽
とし,電気ヒータ,蒸気などの加熱装置を設ける。
i) 封孔処理槽 沸騰水又は熱水で封孔処理を行う装置で,処理槽の内面は封孔処理液を汚染するおそれ
のないステンレス鋼,アルミニウム,耐熱樹脂などの材料とする。熱源としては,燃料ガス,電気ヒ
ータ,加圧水蒸気などを用いる。
j) 蒸気封孔装置 加圧水蒸気によって封孔処理を行う装置で,ボイラ及び水蒸気かまは,共に所定の圧
力検査に合格したものとする。
3.2 陽極酸化処理の作業工程 陽極酸化処理の作業工程は,次のいずれかの工程を基準とする。ただし,
皮膜の仕様によっては,ここに示した工程以外の作業工程であってもよい。また,皮膜に塗装する場合は,
封孔又は封孔−乾燥の工程を省いてもよい。
a) 陽極酸化−水洗−乾燥(2)
b) 陽極酸化−水洗−封孔−乾燥(2)
c) 陽極酸化−水洗−染色−水洗−封孔(3)−乾燥(2)
d) 陽極酸化−水洗−電解着色−水洗−封孔(3)−乾燥(2)
注(2) 自然乾燥又は強制乾燥を意味する。
(3) 封孔助剤(ニッケル塩など)添加浴で封孔した場合には,封孔処理後に水洗又は湯洗を行う。
3.3 陽極酸化電解浴及び電解処理条件 陽極酸化電解浴(以下,電解浴という。)は,目的とする皮膜を
生成することができる組成とする。また,電解処理条件は,電解浴の種類によって目的とする皮膜を生成
するために,適切な条件(浴温度,電流密度,浴電圧など)とする。代表的な電解浴である硫酸浴及びし
ゅう酸浴の浴組成及び電解条件の例を附属書2表1に示す。
なお,例示した浴組成以外の薬品を主剤とする電解浴,混酸浴を用いた電流反転法,低温電解法などの
電解法を採用する場合は,それぞれに所定の浴組成及び処理条件を設定する。
附属書2表1 陽極酸化処理条件の例
種類 電解浴組成 処理条件
温度℃ 電流密度A/m2
硫酸法 遊離硫酸150±20g/L 20±2 直流130
溶存アルミニウム25g/L以下
塩素イオン0.2g/L以下(NaClとして)
しゅう酸法 遊離しゅう酸(4)30±1g/L 28±2 交直重畳法
溶存アルミニウム20g/L以下 交流(5) 100
塩素イオン0.1g/L以下(NaClとして) 直流 100
注(4) しゅう酸の量は,無水物とする。
(5) 交流の電流密度は,実効値とする。
備考1. 電解時間は,必要とする皮膜厚さと電流密度との関連で設定する。
2. 浴電圧は,材質,電解浴組成,電流密度,浴温などの関連で定まる。
3.4 着色 皮膜に着色する場合は,次のような方法がある。ただし,着色処理は,原則として陽極酸化
終了後,直ちに行うことが望ましい。
a) 電解着色法 陽極酸化処理した被処理物を,金属塩水溶液中で,交流又は直流電解を行い,皮膜中に
金属,金属化合物などを析出させて着色する方法である。着色の濃さは浴組成,電解条件などによっ
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て異なるので,あらかじめその関係を明確にし,管理基準を設けておく。
b) 有機染色法 有機染料を用いて着色する方法で,水溶性染料による染色では,使用する染料ごとに適
正なpH領域,染色温度(通常5060℃)で管理する。また,油溶性染料による場合は,被処理物を
事前に十分乾燥する。
c) 無機染色法 金属塩を含む染色液に浸せきして化学的に着色する方法で,選んだ染色液ごとに処理条
件を設定して着色処理する。
3.5 封孔処理 封孔処理は,陽極酸化皮膜の微細孔を封鎖するために行う処理で,封孔処理槽又は蒸気
処理装置を用いて,陽極酸化処理や着色処理工程の終了後,速やかに行う。
水和封孔処理方法には,加圧水蒸気封孔,沸騰水封孔,トリエタノールアミン添加沸騰水封孔,酢酸ニ
ッケル添加沸騰水封孔などの方法があり,目的に合った封孔方法を選択する。
3.6 陽極酸化処理上の注意事項 陽極酸化処理に際しては,次の項目に留意する。
a) 陽極酸化に際しては,処理面積当たりの電流量が一定になるように,あらかじめ被処理物の処理面積
を測定しておき,電解浴の容量及び電源容量に応じた処理面積を定めて電解する。
b) 形状が複雑で処理面積が明確にできないものは,あらかじめ処理面積既知の同種材料を電解した場合
の電流が安定したときの電圧を調べ,その電圧で電解する。加工量の適否は,そのときの電流値から
判断する。
c) 交直重畳及び交流電解の場合は,対極となる被処理物の面積を同じにする。
d) 被処理物の形状によって有効面に均一な皮膜が生成しにくい場合は,適宜補助陰極を設置する。
e) 陽極酸化中に停電した場合は,原則として皮膜をはく離し,再度陽極酸化する。
f) 陽極酸化後及び着色処理後の最終水洗は,pHが5.08.5の範囲の水を用いて十分に行う。次工程で水
溶性の有機染料による染色を行う場合の水洗は,脱イオン水を用いることが望ましい。
g) 被処理物は,脱脂から最終の乾燥工程まで,連続して処理することが望ましい。
3.7 処理浴の組成,処理条件などの管理 各処理浴の組成,処理条件などの管理は,それぞれ最適な管
理基準を具体的に規定し,化学分析装置,機器分析装置,pH計,電圧計,電流計,温度計などを用いて,
次の項目を定期的に管理しなければならない。
a) 電解浴組成(電解質濃度,溶存アルミニウム濃度など)
b) 染色浴,電解着色浴,封孔浴などの成分,濃度及びpH
c) 処理条件(電解電圧,電流量,各処理浴の浴温度など)
d) 処理時間,処理面積その他必要事項
e) 陽極酸化後の最終水洗水のpH
備考 硫酸浴及びしゅう酸浴の組成は,軽金属製品協会編“硫酸電解浴及びしゅう酸電解浴の分析方
法”を参考として分析し,管理する。
3.8 陽極酸化処理設備の保全 陽極酸化処理設備は,各設備について管理項目を定め,定期的に点検・
管理しなければならない。
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改正原案作成委員会 構成表
氏名 所属
(委員長) ○ 馬 場 宣 良 元東京都立大学工業化学科
○ 大 嶋 清 治 工業技術院標準部材料規格課
後 藤 敬 一 通商産業省基礎産業局非鉄金属課
○ 橋 本 繁 晴 財団法人日本規格協会
佐 藤 敏 彦 芝浦工業大学金属工学科
田 村 和 男 東京都立城南地域中小企業復興センター
福 田 芳 雄 科学技術庁金属材料技術研究所
○ 星 野 重 夫 武蔵工業大学機械工学科
松 下 静 夫 元工業技術院製品科学研究所
三 田 郁 夫 元東京都立工業技術センター
○ 新 井 元 彦 理研アルマイト工業株式会社
○ 石 黒 明 康 立山アルミニウム工業株式会社
○ 菊 池 哲 軽金属製品協会
西 沢 和 由 昭和アルミニウム株式会社
玉 井 正 和 トステム株式会社
○ 大 中 隆 株式会社日本アルミ
○ 坂 下 満 雄 三協アルミニウム工業株式会社
○ 田 中 義 朗 日本軽金属株式会社
◎ 西 村 健二郎 不二サッシ株式会社
藤 原 憲 彦 株式会社中金
山 本 尚 三 YKK株式会社
(事務局) 佐 藤 信 幸 軽金属製品協会
小山田 誠 軽金属製品協会
◎陽極酸化皮膜分科会委員長
○分科会委員を兼ねる。
JIS H 8601:1999の引用国際規格 ISO 一覧
- ISO 7599:1983(MOD)
JIS H 8601:1999の国際規格 ICS 分類一覧
- 25 : 生産工学 > 25.220 : 表面処理及び被覆加工 > 25.220.20 : 表面処理
JIS H 8601:1999の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISH0201:1998
- アルミニウム表面処理用語
- JISH8603:1999
- アルミニウム及びアルミニウム合金の硬質陽極酸化皮膜
- JISH8680-1:1998
- アルミニウム及びアルミニウム合金の陽極酸化皮膜厚さ試験方法―第1部:顕微鏡断面測定法
- JISH8680-2:1998
- アルミニウム及びアルミニウム合金の陽極酸化皮膜厚さ試験方法―第2部:渦電流式測定法
- JISH8680-3:2013
- アルミニウム及びアルミニウム合金の陽極酸化皮膜厚さ試験方法―第3部:スプリットビーム顕微鏡測定方法
- JISH8681-1:1999
- アルミニウム及びアルミニウム合金の陽極酸化皮膜の耐食性試験方法―第1部:耐アルカリ試験
- JISH8681-2:1999
- アルミニウム及びアルミニウム合金の陽極酸化皮膜の耐食性試験方法―第2部:キャス試験
- JISH8682-1:2013
- アルミニウム及びアルミニウム合金の陽極酸化皮膜の耐摩耗性試験方法―第1部:往復運動平面摩耗試験
- JISH8682-2:2013
- アルミニウム及びアルミニウム合金の陽極酸化皮膜の耐摩耗性試験方法―第2部:噴射摩耗試験
- JISH8682-3:2013
- アルミニウム及びアルミニウム合金の陽極酸化皮膜の耐摩耗性試験方法―第3部:砂落し摩耗試験
- JISH8683-1:2013
- アルミニウム及びアルミニウム合金の陽極酸化皮膜の封孔度試験方法―第1部:染料吸着試験
- JISH8683-2:2013
- アルミニウム及びアルミニウム合金の陽極酸化皮膜の封孔度試験方法―第2部:りん酸-クロム酸水溶液浸せき試験
- JISH8683-3:2013
- アルミニウム及びアルミニウム合金の陽極酸化皮膜の封孔度試験方法―第3部:アドミッタンス測定試験
- JISH8684:2013
- アルミニウム及びアルミニウム合金の陽極酸化皮膜の変形による耐ひび割れ性試験方法
- JISH8685-1:2013
- アルミニウム及びアルミニウム合金の着色陽極酸化皮膜の促進耐光性試験方法―第1部:光堅ろう度試験
- JISH8685-2:2013
- アルミニウム及びアルミニウム合金の着色陽極酸化皮膜の促進耐光性試験方法―第2部:紫外光堅ろう度試験
- JISH8686-1:2013
- アルミニウム及びアルミニウム合金の陽極酸化皮膜の写像性試験方法―第1部:視感測定方法
- JISH8686-2:2013
- アルミニウム及びアルミニウム合金の陽極酸化皮膜の写像性試験方法―第2部:機器測定方法
- JISH8687:2013
- アルミニウム及びアルミニウム合金の陽極酸化皮膜の絶縁耐力試験方法
- JISH8688:2013
- アルミニウム及びアルミニウム合金の陽極酸化皮膜の単位面積当たりの質量測定方法
- JISH8689:2013
- アルミニウム及びアルミニウム合金の陽極酸化皮膜の連続性試験方法:硫酸銅溶液接触方法
- JISZ2371:2015
- 塩水噴霧試験方法
- JISZ8741:1997
- 鏡面光沢度―測定方法
- JISZ9112:2019
- 蛍光ランプ・LEDの光源色及び演色性による区分