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JIS K 0071-2:1998 規格概要
この規格 K0071-2は、常温で液体の化学製品,加熱して溶融状態になる化学製品の色を試験する方法について規定。
JISK0071-2 規格全文情報
- 規格番号
- JIS K0071-2
- 規格名称
- 化学製品の色試験方法―第2部 : ガードナー色数
- 規格名称英語訳
- Testing methods for colour of chemical products -- Part 2:Gardner colour scale
- 制定年月日
- 1998年10月20日
- 最新改正日
- 2015年10月20日
- JIS 閲覧
- ‐
- 対応国際規格
ISO
- ISO/DIS 4630.2:1996(MOD)
- 国際規格分類
ICS
- 87.060.20
- 主務大臣
- 経済産業
- JISハンドブック
- 化学分析 2021, 色彩 2019
- 改訂:履歴
- 1998-10-20 制定日, 2005-10-20 確認日, 2010-10-01 確認日, 2015-10-20 確認
- ページ
- JIS K 0071-2:1998 PDF [8]
K 0071-2 : 1998
まえがき
この規格は,工業標準化法に基づいて,日本工業標準調査会の審議を経て,通商産業大臣が制定した日
本工業規格である。
今回の制定は,日本工業規格(日本産業規格) (JIS) を国際規格への整合のために,ISO 4630 : 1996を基礎として用いた。
JIS K 0071 : 1998は一般名称を“化学製品の色試験方法”として,次の各部によって構成する。
第1部 : ハーゼン単位色数(白金−コバルトスケール)
第2部 : ガードナー色数
第3部 : セーボルト色数
第4部 : ASTM色数
(pdf 一覧ページ番号 )
――――― [JIS K 0071-2 pdf 1] ―――――
日本工業規格(日本産業規格) JIS
K 0071-2 : 1998
化学製品の色試験方法−第2部 : ガードナー色数
Testing methods for colour of chemical products− Part 2 : Gardner colour scale
序文 この規格は,1996年に発行されたISO/DIS 4630.2,Binders for paints and varnishes−Estimation of
colour of clear liquids by Gardner colour scaleを基礎としているが日本工業規格(日本産業規格)として必要な規定内容を追加
している。
1. 適用範囲 この規格は,常温で液体の化学製品,又は加熱して溶融状態になる化学製品の色を試験す
る方法について規定する。
備考1. 化学製品とは,化学反応によって生成する物質全般を指すが,個別の製品又は製品群の規格
において,この規格と異なる測定方法が規定されている場合には,その規格に規定する方法
による。
2. 化学製品には,揮発性,爆発性,放射性などが強いために,この規格を用いるとき試験の安
全を確保できないものもある。この規格に規定する方法は一般的な方法であり,あらかじめ
安全性を十分に確認できるものに適用する。
2. 引用規格 次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成す
る。これらの引用規格は,その最新版を適用する。
JIS K 0115 吸光光度分析通則
JIS K 0211 分析化学用語(基礎部門)
JIS K 8129 塩化コバルト (II) 六水和物(試薬)
JIS K 8142 塩化鉄 (III) 六水和物(試薬)
JIS K 8163 ヘキサクロロ白金 (IV) 酸カリウム(試薬)
JIS K 8180 塩酸(試薬)
JIS K 8517 二クロム酸カリウム(試薬)
JIS K 8951 硫酸(試薬)
JIS R 3505 ガラス製体積計
JIS Z 8716 表面色の比較に用いる常用光源蛍光ランプD65−形式及び性能
JIS Z 8720 測色用の標準の光及び標準光源
JIS Z 8722 色の測定方法−反射及び透過物体色
ISO 842 Raw materials for paints and varnishes−Sampling(塗料及びワニス用原材料の採取方法)
――――― [JIS K 0071-2 pdf 2] ―――――
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K 0071-2 : 1998
ISO 3696 Water for analytical laboratory use−Specifications and test methods(分析室で使用する水−その
規格と試験方法)
CIE Publication No. 15.2 Colorimetry(CIE刊行資料No. 15.2 測色)
3. 定義 この規格で用いる主な用語の定義は,次のとおりとする。
a) ガードナー色数 ヘキサクロロ白金 (IV) 酸カリウム,塩化鉄 (III),塩化コバルト (II) 及び塩酸を用
いて調製したガードナー色数標準液と試料の透過色を比較して定める色番号。118の範囲の色数に
よって表す。また,ガードナー色数標準液の代わりに,それらと透過色が等しい標準色ガラスと比較
しても求められる。
4. 試験方法の原理
4.1 試験方法の原理 この試験方法は,規定の照明下で,比色試験器又は比色方法に基づいて,規定す
る処方で調製した標準比色液又は標準色ガラスと試料の透過色とを比較し,双方の色が一致したときの標
準比色液又は標準色ガラスに付けられた色番号,及び色数によって試料の色を表す。
5. ガードナー色数試験方法
5.1 要旨 この試験方法は,液体の化学製品及び加熱して溶融状態になる化学製品のうち,透明で黄褐
色の液体,例えば,ボイル油,油ワニスなどの,試料の色の濃さについて,標準色ガラス又はガードナー
色数標準液と目視によって比較して,ガードナー色数を求める方法である。
5.2 装置及び器具 装置及び器具は,次による。
5.2.1 比色計 試料と標準色ガラスとが目視によって比較できるもので,次のa) c)からなる。
a) 光源 JIS Z 8720に規定する標準の光D65及び標準の光C又はJIS Z 8716に規定した蛍光ランプのい
ずれかによる。拡散昼光を用いてもよい。
備考 拡散昼光とは日の出3時間後から日没3時間前までの間の,日光の直射を避けた北窓からの光
をいう。
b) 試料容器カバー 金属製とし,試験管を比色計に入れたとき外部からの光を遮断できるもので,内部
はつや消しの黒とする。
c) 視野 比色する試料と標準色ガラスとの二つの領域が同時に測定者の視野内に入るようにする。
5.2.2 標準色ガラス 標準色ガラスは表1に規定する18種類を一組とし,標準色ガラスの直径は14mm
以上とする。
――――― [JIS K 0071-2 pdf 3] ―――――
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K 0071-2 : 1998
表1 ガードナー標準色ガラスの色度座標
ガードナー標準 色度座標 視感透過率 透過率許容差
色ガラス番号 x y Y% Y % (±)
1 0.317 7 0.330 3 80 7
2 0.323 3 0.335 2 79 7
3 0.332 9 0.345 2 76 6
4 0.343 7 0.364 4 75 5
5 0.355 8 0.384 0 74 4
6 0.376 7 0.406 1 71 4
7 0.404 4 0.435 2 67 4
8 0.420 7 0.449 8 64 4
9 0.434 3 0.464 0 61 4
10 0.450 3 0.476 0 57 4
11 0.484 2 0.481 8 45 4
12 0.507 7 0.463 8 36 5
13 0.539 2 0.445 8 30 6
14 0.564 6 0.427 0 22 6
15 0.585 7 0.408 9 16 2
16 0.604 7 0.392 1 11 1
17 0.629 0 0.370 1 6 1
18 0.647 7 0.352 1 4 1
5.2.3 ガードナー色数標準液 ガードナー色数標準液は,透明のガラス管に118までの番号を付けた
18本一組のもので,それぞれの色番号を付けた管の中に,表2及び表3に示す組成のガードナー色数標準
液を含むもの。
表2 ガードナー色数標準液(1番8番)
ガードナー色数 塩酸1 000ml中のヘキ 全量フラスコ容量
ヘキサクロロ白金 (IV)
標準液の番号 サクロロ白金 (IV) 酸酸カリウム原液採取量
カリウムのg数 ml ml
1 0.550 3.48 50
2 0.865 5.47 50
3 1.330 8.42 50
4 2.080 6.58 25
5 3.035 9.60 25
6 4.225 5.35 10
7 6.400 8.10 10
8 7.900 10.00 10
――――― [JIS K 0071-2 pdf 4] ―――――
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K 0071-2 : 1998
表3 ガードナー色数標準液(9番18番)
ガードナー色数 塩化鉄 (III) 溶液 塩酸 (1+17)
塩化コバルト (II) 溶液
標準液の番号 [5.3.3] [5.3.4] [5.3.2]
ml ml ml
9 3.8 3.0 93.2
10 5.1 3.6 91.3
11 7.5 5.3 87.2
12 10.8 7.6 81.6
13 16.6 10.0 73.4
14 22.2 13.3 64.5
15 29.4 17.6 53.0
16 37.8 22.8 39.4
17 51.3 25.6 23.1
18 100.0 0.0 0.0
5.2.4 ガードナー・ホルト試験管 試験管は,内径10.650±0.025mm,外径12.5mm,長さ114mmの平底
ほうけい酸ガラス管で,2本の標線を管の口から5mm及び13mmの2か所に刻んだもの。
5.2.5 分光光度計 JIS K 0115に規定するもの。
5.2.6 吸収セル 光路長10mmの角形セル。
5.2.7 ビュレット JIS R 3505に規定するもの。
5.2.8 全量フラスコ JIS R 3505に規定するもの。
5.2.9 溶融装置 試料を短時間に溶融でき,試験温度を±3℃に調整できるもの。一例を図1に示す。
5.3 試薬 試薬は,次のとおりとする。
5.3.1 水 使用する水はJIS K 0557に示すA2又はA3の水を使う。
5.3.2 塩酸 (1+17) JIS K 8180に規定する特級を用い塩酸と水とを体積比1 : 17で混合したもの。
5.3.3 塩化鉄 (III) 溶液 JIS K 8142に規定する塩化鉄 (III) 六水和物1000gをはかりとり,塩酸 (1+17)
240gを加えて溶かしたもの。溶けにくい場合は穏やかに加熱し,室温まで放冷する。
この溶液は,JIS K 8951に規定する硫酸100mlとJIS K 8517に規定する二クロム酸カリウム3gとを用
いて新しく調製した溶液の色調と完全に一致するように,塩酸 (1+17) を用いて濃度を調整する。
5.3.4 塩化コバルト (II) 溶液 JIS K 8129に規定する塩化コバルト (II) 六水和物40gを量り採り,塩酸
(1+17) 120g加えて溶かしたもの。
5.3.5 ヘキサクロロ白金 (IV) 酸カリウム原液 JIS K 8163に規定するヘキサクロロ白金 (IV) 酸カリウ
ム790mgを量り採り,全量フラスコ100mlに入れ,適量の塩酸 (1+17) に溶かし,塩酸 (1+17) を標線
まで加えて振り混ぜたもの。
5.4 ガードナー色数標準液の調製(1) ガードナー色数標準液(2)は,表2及び表3によって調製し,ガー
ドナー・ホルト試験管に入れて密栓する。
注(1) ガードナー色数標準液は,標準色ガラスがない場合に試薬を用いて調製する。
(2) ガードナー色数標準液は暗所で保存すれば6か月間は安定であるが,使用直前に調製すること
が望ましい。
5.4.1 ガードナー色数標準液の1番8番までの調製 表2によってヘキサクロロ白金 (IV) 酸カリウム
原液を全量フラスコにビュレットを用いて取り,塩酸 (1+17) を標線まで加え,振り混ぜる。
――――― [JIS K 0071-2 pdf 5] ―――――
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JIS K 0071-2:1998の引用国際規格 ISO 一覧
- ISO/DIS 4630.2:1996(MOD)
JIS K 0071-2:1998の国際規格 ICS 分類一覧
JIS K 0071-2:1998の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISK0115:2004
- 吸光光度分析通則
- JISK0115:2020
- 吸光光度分析通則
- JISK0211:2013
- 分析化学用語(基礎部門)
- JISK8129:2016
- 塩化コバルト(II)六水和物(試薬)
- JISK8142:2018
- 塩化鉄(III)六水和物(試薬)
- JISK8163:1994
- ヘキサクロロ白金(IV)酸カリウム(試薬)
- JISK8180:2015
- 塩酸(試薬)
- JISK8180:2021
- 塩酸(試薬)
- JISK8517:2006
- 二クロム酸カリウム(試薬)
- JISK8951:2006
- 硫酸(試薬)
- JISR3505:1994
- ガラス製体積計
- JISZ8716:1991
- 表面色の比較に用いる常用光源蛍光ランプD65―形式及び性能
- JISZ8720:2012
- 測色用の標準イルミナント(標準の光)及び標準光源
- JISZ8722:2009
- 色の測定方法―反射及び透過物体色