JIS K 0400-38-20:1999 水質―シアン化物の定量―第2部:容易に遊離するシアン化物の定量 | ページ 2

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K 0400-38-20 : 1999 (ISO 6703-2 : 1984)
妨害物質 限界濃度
mg/l
アントラセン 100
ナフタレン 100
アニスアルデヒド 10
ピペロナール 10
ピロール 100
ピリジン 10
塩素(元素) 250
過酸化水素 10
過ほう酸イオン 10
注* いずれかが誤りである。おそらく後者は
亜硫酸イオンと考えられる。

1A. 引用規格

 次に掲げる規格は.この規格に引用することによって,この規格の規定の一部を構成する。
これらの引用規格は,その最新版を適用する。
JIS K 8013 亜鉛粉末(試薬)
JIS K 8034 アセトン(試薬)
JIS K 8102 エタノール(95)(試薬)
JIS K 8107 エチレンジアミン四酢酸二水素二ナトリウム二水和物(試薬)
JIS K 8136 塩化すず(II)二水和物(試薬)
JIS K 8180 塩酸(試薬)
JIS K 8318 p−トルエンスルホンクロロアミドナトリウム三水和物(試薬)
JIS K 8322 クロロホルム(試薬)
JIS K 8443 シアン化カリウム(試薬)
JIS K 8495 p−ジメチルアミノベンジリデンロダニン(試薬)
JIS K 8550 硝酸銀(試薬)
JIS K 8576 水酸化ナトリウム(試薬)
JIS K 8777 ピリジン(試薬)
JIS K 8799 フェノールフタレイン(試薬)
JIS K 8809 フタル酸水素カリウム(試薬)
JIS K 8913 よう化カリウム(試薬)
JIS K 8953 硫酸亜鉛七水和物(試薬)
JIS K 8961 硫酸カドミウム−水(3/8)(試薬)

2. 定義

 この規格で用いる主な用語の定義は,次による。
CN基をもち,pH4及び室温において測定でき
容易に遊離するシアン化物 (easily liberatable cyanide)
るシアン化水素蒸気圧をもつ物質からのシアン化物。
これらの物質には,塩素処理されるものすべてのシアン化物,特に,シアン化水素酸,アルカリ金属及
びアルカリ土類金属のシアン化物,亜鉛,カドミウム,銀,銅及びニッケルのシアノ錯体が含まれる。鉄
及びコバルトのシアノ錯体,ニトリル類,シアン酸塩,チオシアン酸塩及び塩化シアンは含まれない。

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K 0400-38-20 : 1999 (ISO 6703-2 : 1984)
第1章 シアン化水素の遊離及び吸収

3. 原理

 pH4における,金属亜鉛とEDTA(エチレンジアミン四酢酸二水素二ナトリウム)との処理に
よる試料からのシアン化水素の遊離。空気流にのせてシアン化水素の水酸化ナトリウム溶液を入れた吸収
容器への導入。

4. 試薬

 分析には,分析用と認められたものだけを,また,使用する水は蒸留水又はイオン交換水でな
ければならない。
4.1 塩酸, 最一 殉 騰
4.2 塩酸,c (HC1) =1mol/l 塩酸(4.1)を用いて調製する。
4.3 水酸化ナトリウム,溶液,c (NaOH) =1mol/l JIS K 8576に規定する水酸化ナトリウムを用いて調
製する。
4.4 水酸化ナトリウム,溶液,c (NaOH) =5mol/l JIS K 8576に規定する水酸化ナトリウムを用いて調
製する。
4.5 塩化すず(II),溶液 JIS K 8136に規定する塩化すず(II)二水和物 (SnCl2・2H2O) 50g塩酸 (1mol/l)
(4.2)40mlに溶かし,水で100mlに薄める。
毎週新しい溶液を調製する。
4.6 フェノールフタレイン,溶液,クロロホルムを含む JIS K 8799に規定するフェノールフタレイン
0.03gをJIS K 8102に規定するエタノール(95)90mlに溶かし,JIS K 8322に規定するクロロホルム10mlを
加える。
4.7 硫酸亜鉛−硫酸カドミウム,溶液(1) IS K 8953に規定する硫酸亜鉛七水和物 (ZnSO4・7H2O) 100g
及び硫酸カドミウム八水和物 (3CdSO4・8H2O) [JIS K 8961に規定する硫酸カドミウム−水 (3/8) を用い
る。]100gを水に溶かし,水で1 000mlに薄める。
4.8 緩衝液,pH4 JIS K 8809に規定するフタル酸水素カリウム (C6H5KO4) 80gを温水920mlに溶かす。
4.9 EDTA,溶液 エチレンジニトリロ四酢酸二ナトリウム塩二水和物 (C10H14N2Na2O8・2H2O) (JIS K
8107に規定するエチレンジアミン四酢酸二水素二ナトリウム二水和物を用いる。)100gを温水940mlに溶
かす。
4.10 亜鉛粉末 JIS K 8013に規定する亜鉛粉末。

5. 装置

 通常の試験室用の装置,及び
5.1 ストリッピングによるシアン化水素分離装置 図1に示す装置又は同等の装置を推奨する。次の部
品から構成される。
5.1.1 三つ口蒸留フラスコ 容量500ml,標準のコニカルジョイント(センターネック29/32,サイドネ
ック14.5/23)。
5.1.2 還流冷却器(リービッヒ冷却器)
5.1.3 吸収容器 逆流防止付き
5.1.4 導入漏斗
5.1.5 流量計
(1) 亜鉛塩は,安定なヘキサシアノ鉄酸亜鉛にするために加え,カドミウム塩は硫化物固定剤とし
て,また,殺菌効果のために加える。

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5.1.6 洗浄瓶 容量250ml,空気の洗浄用
5.2 pH計 蒸留フラスコのサイドネックに適合するガラス電極をもつもの
5.3 全量フラスコ 容量25,50,250及び1 000ml
図1 ストリッピングによるシアン化水素の分離装置

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K 0400-38-20 : 1999 (ISO 6703-2 : 1984)

6. サンプリング方法及び試料

6.1   試料に不溶解のシアン化物が含まれている場合は,試料及び希釈試料中に不溶解物が均一に分布す
ることを確認する必要がある。サンプリング直後に,試料又は希釈試料1l当たり水酸化ナトリウム溶液
(4.4)5mlを加え,フェノールフタレイン溶液(4.6)10ml及び塩化すず(II)溶液(4.5)5mlを加える。塩酸 (1mol/l)
(4.2)又は水酸化ナトリウム溶液(4.3)を,水がわずかに赤くなるまで滴加して,pHを約8に調節する。色の
濃い試料のpH値は,pH計(5.2)又はpH試験紙で確かめながら同様に調節する。最後に,試料1l当たり硫
酸亜鉛−硫酸カドミウム溶液(4.7)10mlを加える。
− 試料の分析はできるだけ早く行う。試料の貯蔵が必要な場合は冷暗所に保管する。
− 硫酸亜鉛−硫酸カドミウム溶液を加えると,ヘキサシアノ鉄酸を含む沈殿を生成する。そのため,分
取試料を採取する直前に,試料は均一にしなければならない。繰り返し定量を行う場合,前処理した
試料の液相におけるシアン化水素酸及びガス状シアン化水素との平衡を乱すことによるガス状シアン
化水素の損失を小さくするため,分取試料はできるだけ速やかに採取しなければならない。
サンプリング前に必要とする試料体積が既に分かっている場合は,この体積だけをとり,その全試
料について定量を行うことを勧める。
6.2 プルシ塩(鉄のペンタシアノ錯体)を定量から除外する場合は,酸化剤の含有量に対応するように
塩化すず(II)溶液(4.5)の量を調節する。塩化すず(II)溶液の過剰量は,各試料につき,0.1mlを限度としなけ
ればならない。

7. 手順

7.1 シアン化水素の遊離及び吸収

− 吸収容器(5.1.3)に水酸化ナトリウム溶液(4.3)10mlを入れ,容器を冷却器に接続する。
− 吸引管を取り付け,空気流量を3060l/hに調節する。
− 蒸留フラスコに,次の順序で,硫酸亜鉛−硫酸カドミウム溶液(4.7)10ml,EDTA溶液(4.9)10ml,緩衝
液(4.8)50ml及び試料100ml(6.参照)を加える。
− ガラス電極で確かめながら塩酸 (1mol/l) (4.2)又は水酸化ナトリウム溶液(4.3)をpHが3.9±0.1になる
まで滴加し,pHを調節する。ガラス電極を外し,サイドネックから亜鉛粉末(4.10)0.3gを加え,フラ
スコに栓をする。
− 水酸化ナトリウム溶液(4.3)約100mlを含むガス洗浄瓶を導入漏斗に接続し,空気流量を60l/hに調節
する。
− 4時間後,ストリッピングを止める。低いシアン化物の濃度(0.1mg/l未満)が予想される場合は,試
料を200mlに増加してもよい。しかし,全シアン化物の濃度は50mg/lを超えてはならない。この場合,
硫酸亜鉛−硫酸カドミウム溶液(4.7)を20mlに,緩衝液(4.8)を100mlに,亜鉛粉末(4.10)を0.6gに増加
する。

7.2 空試験

 7.1及び第2第4章に規定された適切な方法によって,空試験を定量と並行して行う。し
かし,試料に代えてシアン化物を含まない水を用い,試料と同様に処理する(6.参照)。

7.3 シアン化物イオンの定量分析

 第2章(ピリジン−バルビツル酸による吸光光度法),第3章(チン
ダル効果を用いる滴定法),第4章(指示薬を用いる滴定法)に規定するように行う。

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K 0400-38-20 : 1999 (ISO 6703-2 : 1984)
第2章 シアン化物イオンの定量−ピリジン−バルビツル酸による吸光光度法

8. 適用性

 この方法は,0.0020.025mgのシアン化物を含む吸収液に適用できる。シアン化物の含有量
が高い吸収液は水酸化ナトリウム溶液(10.2)で薄めてもよい。
この方法は,窒素酸化物又は二酸化硫黄が,シアン化物の分離中に吸収容器に達する場合は適用できな
い。他の妨害物質には,クロラミンT溶液の作用に影響を与えることがある。
さらに,着色したり,濁ったりした吸収液及び色素を生成する物質を含む吸収液はこの方法では分析で
きない。
これらの妨害の可能性を考えて,硝酸銀溶液による滴定法(第3章及び第4章参照)によって結果を確
かめることを推奨する。

9. 原理

 シアン化物イオンとクロラミンTの活性塩素との反応。塩化シアンの生成に次いで,これとピ
リジンとの反応によるグルタコンジアルデヒドの生成。これが,2molのバルビツル酸と縮合して赤紫の色
素を生成。

10. 試薬

 分析には,分析用と認められたものだけを,また,使用する水は蒸留水又はイオン交換水でな
ければならない。
10.1 緩衝液,pH 5.4 JIS K 8576に規定する水酸化ナトリウム6gを水約50mlに溶かす。こはく酸
(C4H6O4) 11.8gを加え,水で薄めて100mlとする。
10.2 水酸化ナトリウム,溶液,c (NaOH) =0.4mol/l JIS K 8576に規定する水酸化ナトリウムを用いて
調製する。
10.3 シアン化カリウム(KCN) IS K 8443に規定するシアン化カリウム。
10.4 クロラミンT,溶液 クロラミンT三水和物(C7H7ClNaNO2S・3H2O)0.5g(JIS K 8318に規定するp−
トルエンスルホンクロロアミドナトリウム三水和物を用いる。)を全量フラスコ50mlの中で水に溶かし,
標線まで薄める。
毎週,新しい溶液を調製する。
10.5 ピリジン−バルビツル酸溶液
− バルビツル酸 (C4H4N2O3) 3gを全量フラスコ50mlにとり,バルビツル酸をちょうど湿らせるに十分な
水でフラスコの壁を洗い落とす。これにJIS K 8777に規定するピリジン (C5H5N) 15mlを加え渦を巻
くようにして混合する。塩酸(4.1)3mlを加え,水で標線まで薄める。
− これを一夜冷蔵庫に貯蔵する。もし,必要があれば,不溶解のバルビツル酸を除くためにろ過する。
この溶液は,暗所に所蔵すれば,1日間は安定であり,冷蔵庫に貯蔵すれば1週間は安定である。
10.6 シアン化カリウム,10mgCN−/l,標準液
− シアン化カリウム (KCN) (10.3)25mgを水酸化ナトリウム溶液(10.2)に溶かし,全量フラスコ1 000ml
の中で,同じ水酸化ナトリウム溶液で1 000mlに薄める。
− この溶液は,使用直前に又は多数定量を行う場合は日に1度,硝酸銀溶液(18.1)を用い滴定によって標
定する。

11. 装置

 通常の試験室用の装置,及び
11.1 分光光度計 光路長10mmのセルを用いる。

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JIS K 0400-33-10:1999の国際規格 ICS 分類一覧

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