JIS K 0450-50-10:2004 用水・排水中のベンゾフェノン試験方法 | ページ 2

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1) カラム用管 内径約1 cm,長さ約30 cmのコック付きガラス管
2) カラム充てん剤 カラムクロマトグラフ用のシリカゲル(9)(粒径150250 を約130 ℃で約15
時間加熱した後,デシケーター中で放冷する。その95 gを共栓三角フラスコにとり,かき混ぜなが
ら,水5 mlを滴加する。密栓し,発熱が終了するまで静かに混合する。さらに,振とう器で約30 分
間振り混ぜる。3)でカラムクロマトグラフ管として調製したものについて,対象物質の保持時間に
ピークの生じないもの(10)。
3) カラムクロマトグラフ管の作り方 カラム用管の底部にJIS K 8251に規定するガラスウール(あら
かじめヘキサンで洗浄したもの。)を詰め,少量のヘキサンを加えてガラスウール間の気泡を除去す
る。続いて,カラム充てん剤約5gをビーカーにとり,ヘキサンを加えてスラリー状にし,これを気
泡が入らないようにカラム用管に流し込み(11),その上部に硫酸ナトリウムを約2 cmになるように
積層した後,コックを操作し,ヘキサンが硫酸ナトリウム層よりわずかに上部になるようにヘキサ
ンを流し出す(12)。
注(9) 活性けい酸マグネシウムを用いてもよい。その場合の操作は附属書1による。
参考 活性けい酸マグネシウムは,フロリジルPRなどが市販されている。
(10) 調製したシリカゲルの5 gを,3)によってカラムクロマトグラフ管とし,5.3 f) k)に準じた操
作[ただし,ナフタレン-d8内標準液(10最 d8/ml)の添加は行わない。]を行い,6.4 a)
によってその濃縮液1 イクロシリンジでとり,ガスクロマトグラフ質量分析計に導入
し,ベンゾフェノンの保持時間に相当する位置にピークのないことを確認する。
(11) カラム用管に充てん剤を均一に充てんするために,流し込んだ後,カラム用管に縦横の振動を
与えるとよい。
(12) 市販のシリカゲルカートリッジを用いてもよい。ただし,使用前に回収率などをあらかじめ確
認しておく。
単位 cm
図 1 カラムクロマトグラフ管の一例
g) 振とう器
h) 濃縮器 ロータリーエバポレーター又はクデルナ-ダニッシュ濃縮器

5.3 操作

 操作は,次による。
a) 4.1.2で採取した試料(13)の適量(例えば,1 L)を分液漏斗にとり,ベンゾフェノン-d10内標準液(10
最 d10/ml-アセトン)10 マイクロシリンジでとる。)及び液量1 Lにつき塩化ナトリウム
gとヘキサン100 mlとを加え,振とう器を用いて約10 分間振り混ぜ,放置する。
注(13) 試料中に懸濁物が多い場合は,備考の操作を行う。

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b) 水層を別の分液漏斗に移し入れる。ヘキサン層を共栓三角フラスコに移し入れ,分液漏斗を少量のヘ
キサンで洗い,洗液は先の共栓三角フラスコに合わせる。分液漏斗の水層に液量1 Lにつきヘキサン
100 mlを加え,再び振とう器を用いて約10 分間振り混ぜ,放置する。水層を捨て,ヘキサン層を先
の共栓三角フラスコに合わせる。
c) 共栓三角フラスコ中のヘキサン溶液に硫酸ナトリウム2030 g(14)を加え,軽く振り混ぜて脱水し(15),
約10分間放置した後,ろ紙5 種A(又は5 種B)(16)を用いてろ過し,ろ液をなす形フラスコ(又は
クデルナ-ダニッシュ濃縮器)に受ける。共栓三角フラスコをヘキサン1020 mlで洗浄し,更にその
洗液で先のろ紙上の硫酸ナトリウムも洗浄する。この洗浄操作を数回行い,洗液も先のなす形フラス
コに合わせる。
注(14) ヘキサン溶液にエマルションがある場合には,更に過剰に加える。
(15) このほかの脱水には,ヘキサン抽出液を約−20 ℃の暗所に保存し,水分を凍結させる方法もあ
る。濃縮操作を当日行わない場合に用いるとよい。
(16) ろ紙は,抽出に用いる溶媒で使用時に洗浄する。
d) 濃縮器を用いて,ヘキサン溶液が約5 mlになるまで濃縮する(17)(18)。
注(17) 40 ℃以下の水浴中で減圧濃縮する。クデルナ-ダニッシュ濃縮器を用いる場合は,濃縮器を大
気圧で75 ℃以下に加熱して濃縮する。スニーダーカラムを少量のヘキサンで洗い,スニーダ
ーカラムを付けたまま放冷する。
(18) 乾固近くまで濃縮すると,対象物質が揮散することもあるので注意する。
e) この濃縮液を目盛付き共栓試験管に移す。なす形フラスコをヘキサン約2 mlで洗浄し,その洗液も先
の目盛付き共栓試験管に合わせる。さらに,窒素を緩やかに吹き付け,約1 mlまで濃縮する(18)(19)。
注(19) ) j)のカラムクロマトグラフ分離操作を省略する場合は,この操作に引き続いてk)以降の操作
を行う。
f) この濃縮液の全量をカラムクロマトグラフ管の上部から流し込み,コックを操作し,液面が硫酸ナト
リウム層よりわずかに上部になるようにする。目盛付き共栓試験管の内壁をヘキサン約2 mlで洗い,
これもカラムクロマトグラフ管に流し込む。
g) カラムクロマトグラフ管の上部から,ヘキサン20 mlを約1 ml/minで流下させ,流出液は捨てる。
h) 受器になす形フラスコを用い,先のヘキサンが硫酸ナトリウム層のわずか上にあるうちにアセトン-
ヘキサン溶離液(1+19)を加え,その50 ml(20)(21)を約1 ml/minで流下させ,溶出液を受器に受ける。
注(20) 活性けい酸マグネシウムを用いた場合の操作は附属書1による。

(21) ヘキサン約1 mlを目盛付き共栓試験管にとり,6.1 d)のベンゾフェノン標準液(1 一
100 最
6.1 e)のベンゾフェノン-d10内標準液(100 d10/ml-ヘキサン)10
レン-d8内標準液(100 最 d8/ml)10 帰 イクロシリンジで加え,振り混ぜた後
全量をカラムクロマトグラフ管の上部から流し込み,コックを操作し,液面が硫酸ナトリウム
層よりわずかに上部になるようにする。続いてg)の操作を行い,流出する溶液約10 mlを1画
分として目盛付き共栓試験管にとる。さらに,h)の操作を行い,溶出する溶液約10 ml(最初か
ら)を1画分として目盛付き共栓試験管にとる。分取したそれぞれの目盛付き共栓試験管を約
40 ℃の水浴中で加熱しながら,窒素を緩やかに吹き付け約1 mlまで濃縮する。各濃縮液につ
いて6.4 a)及びb),e)によって溶出パターン及び回収率を確認しておく。この操作によってカラ
ムクロマトグラフ操作に必要なヘキサン及びアセトン-ヘキサン溶離液(1+19)の量を確認して
おくとよい。

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i) 濃縮器を用いて,溶出液が約5 mlになるまで濃縮する(17)(18)。
j) 濃縮液を目盛付き共栓試験管に移し,なす形フラスコをヘキサン約2 mlで洗浄し,その洗液も目盛付
き共栓試験管に合わせる。
k) この濃縮液にナフタレン-d8内標準液(10 最 d8/ml)10 え,窒素を緩やかに吹き付け,1 m
まで濃縮して測定用試料溶液とする(22)。
注(22) 乾固近くまで濃縮すると,対象物質が揮散することもあるので注意する。
直ちに測定できない場合には,この濃縮液を約−20 ℃の暗所に保管する。
l) 最
空試験用として水1 Lを分液漏斗にとり,ベンゾフェノン-d10内標準液(10 d10/ml-アセトン)
10 マイクロシリンジでとる。)及び液量1 Lにつき塩化ナトリウム50 gとヘキサン100 mlとを加
え,振とう器を用いて約10 分間振り混ぜ,放置する。続いてb) k)の操作を行って空試験用溶液と
する。
備考 試料中に懸濁物の量が多い場合は,次の操作を行い,続いて5.3 b)以降の操作を行う。
1) 4.1.2で採取した試料1 LをJIS K 0102 14.1(懸濁物質)b)によってろ過する。ただし,ろ
過材には,ガラス繊維ろ紙(孔径1 下のもの。)(*)を用いる。
2) ガラス繊維ろ紙上の懸濁物は,ろ紙ごとビーカーに移し,少量のアセトン(**)を加え,溶出
操作を超音波洗浄器を用いて2,3 回行う。溶出液を合わせ,遠心器を用いて,遠心力約
30 000 min/s2{3 000 g}で約5 分間分離操作を行う。
3) 1)のろ液及び2)の溶出液を分液漏斗にとり,液量1 Lにつき塩化ナトリウム50 gとヘキサ
ン100 mlとを加え,振とう器を用いて約10 分間振り混ぜ,放置する。続いて5.3 b)以降
の操作を行う。
注* あらかじめアセトンで洗浄しておく。
** アセトンの試料量は,試料1 Lにつき10 ml程度とする。

6. ガスクロマトグラフ質量分析法

 5.の前処理で得た測定用試料溶液の一定量をガスクロマトグラフ質
量分析計に導入し,ベンゾフェノン-d10を内標準物質として,選択イオン検出法(SIM法)又はマスクロ
マトグラフ法(MC法)によってベンゾフェノンを定量する。
定量範囲 : C13H10O 10300 pg 分析精度 : 1020 %(いずれも装置,測定条件によって異なる。)
参考 定量範囲の下限値を確認する場合は,附属書3によるとよい。

6.1 試薬

 試薬は,次による。
a) ヘキサン 5.1 d)による。
b) ベンゾフェノン標準液(1 mgC13H10O/ml) ベンゾフェノンの標準品0.100 gを,あらかじめヘキサン
510 mlを入れてある全量フラスコ100 mlにとり,ヘキサンを標線まで加える(7)。
c) ベンゾフェノン標準液(10 最 一 ベンゾフェノン標準液(1 mgC13H10O/ml)1 mlを,あ
かじめヘキサン25 mlを入れてある全量フラスコ100 mlにとり,ヘキサンを標線まで加える(7)。
d) ベンゾフェノン標準液(1 最 一 ベンゾフェノン標準液(10 最 一
じめヘキサン25 mlを入れてある全量フラスコ10 mlにとり,ヘキサンを標線まで加える(7)。
e) ベンゾフェノン-d10内標準液(100 最 d10/ml-ヘキサン) 5.1 f)と同じ操作によってヘキサンを
用いて調製する(7)。
f) ナフタレン-d8内標準液(100 最 d8/ml) 5.1 h)による。
g) 窒素 5.1 j)による。

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6.2 器具及び装置

 器具及び装置は,次による。
a) 目盛付き共栓試験管 5.2 b)による。
b) マイクロシリンジ 5.2 c)による。
c) ガスクロマトグラフ質量分析計(GC/MS) 次に掲げる条件を満たすもの(23)。
1) キャピラリーカラム用管 内径0.10.53 mm,長さ5100 mのステンレス鋼,石英ガラス又はほ
うけい酸ガラス製のもの。
2) キャピラリーカラム キャピラリーカラム用管の内壁に,5 %フェニルシリコーン化学結合形又は
メチルシリコーン系固定相液体を厚さ0.055 蘰地 は同等の性能をもつもの。
参考 この試験に用いるキャピラリーカラムには,DB-5,TC-5,HP-5+,SPB-5などがある。
3) 検出器 選択イオン検出法(SIM法)又はマスクロマトグラフ法(MC法)が行えるもの。
4) キャリヤーガス ヘリウム[体積分率99.999 9 %以上]で,線速度2040 cm/sに調節して用いる。
5) 試料導入方法及び試料導入部温度 試料導入方法は,スプリットレス注入法(非分割導入方式)又
はコールドオンカラム注入法(全量導入方式)による。試料導入部温度は,スプリットレス注入法
の場合は220280℃,コールドオンカラム注入法の場合は50100 ℃。
6) C/MS接続部温度 220280 ℃
7) イオン源温度 200250 ℃
8) 電子加速電圧 2070 V
9) 昇温プログラム 50240 ℃(230 ℃/min)
注(23) これらの条件は装置,測定条件によって異なる。

6.3 準備操作

 準備操作は,次による。

a) ベンゾフェノン標準液(1 一 100 最
びベンゾフェノン-d10内標準液(100
ヘキサン)10 イクロシリンジでとり,目盛付き共栓試験管に移し入れ,更にナフタレン-d8内
標準液(100 最 d8/ml)10 イクロシリンジでとり,ヘキサンを1 mlの標線まで加える。

6.4 操作

 操作は,次による。
a) 6.3 a)の溶液の1 イクロシリンジ(24)でとり,スプリットレス注入法又はコールドオンカラム注
入法によってガスクロマトグラフ質量分析計に導入し,あらかじめベンゾフェノン,ベンゾフェノン
-d10及びナフタレン-d8の選択イオン(m/z)を設定し(25)たガスクロマトグラフ質量分析計に,選択イ
オン検出法又はマスクロマトグラフ法によって測定してそのマスフラグメントグラムを記録し,ベン
ゾフェノン,ベンゾフェノン-d10及びナフタレン-d8の保持時間に相当するピークの位置を確認してお
く。
注(24) 検量線作成時と同じものを用いる。
(25) 選択イオンの一例を表1に示す。
表 1 選択イオンの一例
選択イオン(m/z)
物質
定量用 確認用
ベンゾフェノン(C13H10O) 105 182
ベンゾフェノン-d10(C13H10O-d10) 192 −
ナフタレン-d8(C10H8-d8) 136 −
b) 5.3 k)で得た溶液1 イクロシリンジ(24)でとり,a)と同じ操作を行ってマスフラグメントグラム
を記録し,a)の保持時間と一致していることを確認(26)し,保持時間に相当する位置のピークについて,

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指示値(27)を読み取る。ベンゾフェノンの指示値とベンゾフェノン-d10の指示値との比及びベンゾフェ
ノン-d10の指示値とナフタレン-d8の指示値との比(28)を求める。
注(26) 対象物質のフラグメントイオンのピークが予想保持時間の±5 秒間に出現し,フラグメントイ
オンのピーク強度比が標準物質のピークの±20 %にあれば,同じ物質が存在しているものとみ
なす。
(27) ピーク高さ又はピーク面積
(28) ベンゾフェノン-d10の指示値とナフタレン-d8の指示値との比は,前者の回収率を求めるのに用
いる[注(29)参照。]。
c) 空試験として,5.3 l)で得た空試験用溶液について,a)及びb)の操作を行う。
d) 検量線からベンゾフェノンの濃度とベンゾフェノン-d10の濃度との比(試料中の比a及び空試験の比b)
を求め,次の式によって試料中のベンゾフェノンの濃度( 最一 を算出する。
1 000
X a b n
V
ここに, X : 試料中のベンゾフェノンの濃度( 最一
a : 検量線から求めたベンゾフェノンとベンゾフェノン-d10との
濃度比
b : 空試験から求めたベンゾフェノンとベンゾフェノン-d10との
濃度比
n : 試料に添加したベンゾフェノン-d10の質量( 柿
V : 試料(ml)
1 000 : 試料1 Lに換算する係数
検量線 ベンゾフェノン標準液(1 最 一 0.13 mlを全量フラスコ10 mlに段階的にと

それぞれにベンゾフェノン-d10内標準液(100 d10/ml-ヘキサン)10 びナフタレン-
内標準液(100 最 d8/ml)10 イクロシリンジで加え,ヘキサンを標線まで加える。こ
らを検量線作成用標準液とする。それぞれの一定量[試料と同量(例えば,1 ]をマイクロシリ
ンジでとり,a)及びb)の操作を行う。
検量線作成用標準液中のベンゾフェノンの濃度(Ms)とベンゾフェノン-d10の濃度(Mi)との比
Ms
を横軸にとり,ベンゾフェノンの選択イオン(25)による指示値(As)とベンゾフェノン-d10の選
Mi
As
択イオン(26)による指示値(Ai)との比A を縦軸にとって,関係線を作成する。
i
別に,段階的にとった検量線用標準液中の,ベンゾフェノン-d10の選択イオン(25)による指示値と
ナフタレン-d8の選択イオン(25)による指示値とのそれぞれの比を求め,その平均値を算出する(29)。
検量線の作成は,試料測定時に行う。
注(29) 試料に添加したベンゾフェノン-d10とナフタレン-d8とについて,b)で求めた指示値の比,
及び検量線で求めた両物質の指示値の平均値の比から回収率を求める。回収率が70
130 %にあることを確認する。この範囲を超過した場合は再度試験を行う。
備考 検量線の作成において,感度係数(RF)を求め,これによって検出量を求める方法を附属
書2に示す。

7. 結果の表示

 結果の表示には,試料量,濃縮条件(例えば,濃縮量,カラムクロマトグラフ分離の有
無など),ガスクロマトグラフ質量分析計の測定条件[例えば,6.2 c)に掲げる条件において,いずれかを

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