JIS K 2280-1:2018 石油製品―オクタン価,セタン価及びセタン指数の求め方―第1部:リサーチ法オクタン価 | ページ 4

14
K 2280-1 : 2018
で,最大ノック強度となる燃料レベルを確立する範囲内で,気化器ベンチュリの中心線を基準にして
0.7目盛から1.7目盛までの燃料の降下速度は一定とし,燃料タンク容器の断面積は3 830 mm2以上と
しなければならない。
8.29 気化器の冷却
サイトグラス内の試料レベルの揺れ動き,試料油面の泡立ち及び不規則なエンジン燃焼が認められるよ
うな過度のガソリン気化がある場合には,気化器冷却液を循環して冷却する。
注記 試料燃料から炭化水素蒸気が発生し試料油面に泡立ちが起こると,不規則なエンジンの作動,
不安定なノック強度示度などを起こす場合がある。この場合,通常はサイトグラス内に気泡が
形成されるか,又は燃料液面の異常な変動が現れる。
8.30 ノックメータ示度の許容範囲
ノックメータ示度の許容範囲は,目盛が2080の範囲である。この範囲から外れた場合は,オクタン価
測定値に影響を及ぼすため用いてはならない。ただし,アナログ・ノックメータの場合は,ノック強度は
20未満及び80以上で非線形となることがある。
なお,デジタル・ノックメータの動作範囲は,ノック強度示度0999である。
8.31 デトネーションメータの開き度及び時定数の設定
デトネーションメータの開き度及び時定数の設定は,ノックメータの読取りの安定性を考慮しながら最
適化する。開き度は,オクタン価80100の試料を測定する場合,オクタン価90において1オクタン価当
たり1215になるように調整する。開き度は,オクタン価によって変化するため,オクタン価80未満及
び100を超える試料を測定する場合は,再度調整を行う。
なお,デジタル・デトネーションメータの場合は,これら変数を一定にしておいてもよい。また,規定
値を使用してもよい。
注記 デトネーションメータの設定手順は,ASTM D2699-12のAnnex A2(Apparatus Assembly and
Setting Instructions)に記載されている。

9 試験用エンジンの点検,適合性試験及び性能評価

9.1   一般事項
試験用エンジンは,この試験方法で規定した試験用エンジン及び計測器の基本設定に従って運転する。
警告 空調設備に用いられるハロゲン化物の冷媒など,試験エンジンが設置された場所に存在する特
定の気体,蒸気などは,オクタン価測定値に重大な影響を与えることがある。過渡電圧,周波
数などの変化及びひずみも,オクタン価測定値に影響を及ぼしかねない。
試験用エンジンは,暖機運転を行い,安定した状態であることを確認する。その後,10分間程度標準ノ
ック強度(ノック示度50)で運転する。
注記 試験用エンジンの暖機は,通常,1時間程度で安定する。
9.2 試験用エンジンの点検
試験用エンジンの点検は,次による。
a) 次の1)4) に該当する場合,試料のオクタン価に近いトルエン系点検燃料のオクタン価を測定して,
試験用エンジンが正常な状態にあることを点検する。
なお,このとき気化器の冷却は行わない。
1) 試験用エンジンの運転を2時間を超えて停止したとき。
2) 試験用エンジンがノックを起こさない条件で2時間を超えて運転したとき。

――――― [JIS K 2280-1 pdf 16] ―――――

                                                                                             15
K 2280-1 : 2018
3) トルエン系点検燃料のオクタン価を測定したときの大気圧から0.68 kPaを超える変化があったとき。
4) 運転時間が12時間に達したとき。
b) 内挿−平衡燃料レベル法及び内挿−動的燃料レベル法によってトルエン系点検燃料のオクタン価を測
定する場合は,トルエン系点検燃料のオクタン価校正値に対する標準ノック強度のガイド表に従い,
大気圧補正したシリンダ高さを用いる。
c) 圧縮比法によってトルエン系点検燃料のオクタン価を測定する場合の標準ノック強度は,整数に丸め
たオクタン価がトルエン系点検燃料のオクタン価校正値に最も近い正標準燃料を用いて設定する。
9.3 オクタン価87.1100.0の場合の適合性試験
オクタン価87.1100.0の場合の適合性試験は,次による。
a) 表3に示すオクタン価範囲から,運転期間中,試料のオクタン価測定に用いるトルエン系点検燃料を
選ぶ。
b) 代表的な大気圧に基づく標準吸入空気温度において,トルエン系点検燃料のオクタン価を測定する。
トルエン系点検燃料のオクタン価測定値が,表3の未調整の測定許容範囲内にある場合は,試験用エ
ンジンは,正常な状態にあると判断し,吸入空気温度を調整する必要はないが,オクタン価測定値が
表3のオクタン価校正値から0.1を超える差がある場合には,必要に応じて吸入空気温度を調整して
もよい。
次の二つの条件が満たされれば,前の運転期間に適用したものと,ほぼ同じ吸入空気温度の調整を
行い,次の運転期間に対する適合性試験を始めてもよい。ただし,2回の運転期間の気圧変動は,0.68
kPaを超えないことを確認する。
1) 直近の運転期間中の適合性試験でエンジン校正のために吸入空気温度を調整した。
2) 適合性試験の間に保守を行っていない。
c) トルエン系点検燃料のオクタン価が表3の未調整の測定許容差を超えた試験用エンジンは,一般的な
大気圧に対して規定した標準温度の±22 ℃の範囲内で吸入空気温度を調整することができる。調整後
のトルエン系点検燃料のオクタン価測定値が,オクタン価校正値の±0.1以内にあれば,試験用エンジ
ンは,正常な状態にあると判断する。範囲外であれば,用いたトルエン系点検燃料のオクタン価範囲
では,試料のオクタン価を測定することはできない。トルエン系点検燃料を適正に測定できない原因
を究明し,必要に応じて分解及び整備を行う。
注記1 温度が高くなるとノック強度が増加しオクタン価は低下する。吸入空気温度レベルに対する
オクタン価の変化は,オクタン価レベルによって僅かに異なり,一般的に,より高い値では
より大きくなる。
注記2 アナログ・デトネーションメータを使用する場合は,トルエン系点検燃料における0.1から
0.2のオクタン価の変化は,おおよそ5.5 ℃の吸入空気温度の調節に相当する。
注記3 デジタル・デトネーションメータを使用する場合は,トルエン系点検燃料における0.3から
0.4のオクタン価の変化は,おおよそ4.5 ℃の吸入空気温度の調節に相当する。

――――― [JIS K 2280-1 pdf 17] ―――――

16
K 2280-1 : 2018
表3−トルエン系点検燃料のオクタン価,未調整の測定許容差,試料の適用オクタン価範囲
オクタン価87.1100.0の場合
トルエン系点検燃料の 未調整の トルエン系点検燃料の組成 体積分率% 試料の適用
オクタン価校正値 測定許容差 トルエン イソオクタン ヘプタン オクタン価範囲
89.3 a) ±0.3 70 0 30 87.191.5
93.4 a), b) ±0.3 74 0 26 91.295.3
96.9 a), b) ±0.3 74 5 21 95.098.5
99.8 b) ±0.3 74 10 16 98.2100.0
注a) STM National Exchange Groupによって1986年に校正されたもの。
b) CD93 worldwide programによって校正されたもの。
9.4 オクタン価87.1未満及び100.0を超える場合の適合性試験
オクタン価87.1未満及び100.0を超える場合の適合性試験は,次による。
a) 表4に示すオクタン価範囲から,運転期間中,試料のオクタン価測定に用いるトルエン系点検燃料を
選ぶ。
b) 代表的な大気圧に基づく標準吸入空気温度において,トルエン系点検燃料のオクタン価を測定する。
トルエン系点検燃料のオクタン価測定値が,表4の測定許容差内にある場合,試験用エンジンは,正
常な状態にあると判断する。吸入空気温度の調整は,これらのオクタン価測定の範囲では行ってはな
らない。トルエン系点検燃料のオクタン価が,表4の測定許容差を超えている場合は,原因を究明し
必要に応じて分解・整備を行う。
注記 試験用エンジンによっては,あるオクタン価のトルエン系点検燃料に対して,測定許容差を外
れることがある。この場合,運転記録を管理することで試験用エンジンの特性を把握できる。
表4−トルエン系点検燃料のオクタン価,測定許容差,試料の適用オクタン価範囲
オクタン価87.1未満及び100.0を超える場合
トルエン系点検燃料の測定許容差 トルエン系点検燃料の組成 体積分率% 試料の適用
オクタン価校正値a) トルエン イソオクタン ヘプタン オクタン価範囲
65.1 ±0.6 50 0 50 70.3以下
75.6 ±0.5 58 0 42 70.180.5
85.2 ±0.4 66 0 34 80.287.4
103.3 ±0.9 74 15 11 100.0105.7
107.6 ±1.4 74 20 6 105.2110.6
113.0 ±1.7 74 26 0 110.3以上
注a) STM National Exchange Group及びInstitute of Petroleum(現Energy Institute)によって19881989年に
校正されたもの。
9.5 試験用エンジンの性能評価
試験用エンジンの性能は,9.29.4のトルエン系点検燃料によるオクタン価の測定値によって評価する。
注記 日常点検燃料を用いて定期的に測定した結果及び管理図を記録することは,試験器及び試験者
の能力を確認する上で有効である。

――――― [JIS K 2280-1 pdf 18] ―――――

                                                                                             17
K 2280-1 : 2018

10 試験の手順

10.1   一般事項
試験用エンジンが,箇条8で規定した運転条件になっていることを確認する。また,箇条9に従って試
験用エンジンが正常な状態にあることを確認する。
なお,吸入空気温度の調整が必要な場合は,8.12に従って設定する。設定した吸入空気温度は,そのト
ルエン系点検燃料に適用するオクタン価範囲の試料を測定する運転期間中,維持する。
10.2 内挿−平衡燃料レベル法の試験の手順
10.2.1 校正
校正は,次による。
a) 試料の予期オクタン価に近い正標準燃料を用いて,標準ノック強度を確定するため,試験用エンジン
及び計測機器を校正する。
b) 選択した正標準燃料のオクタン価に対して,シリンダ高さを示すデジタルカウンタ示度又はダイヤル
指示計示度を表5又は表6によって求め,表7又は表8を用いて大気圧補正した値に設定する。
注記 シリンダ高さを決める詳細な手順は,ASTM D2699-12のAnnex A2(Apparatus Assembly and
Setting Instructions)に記載されている。
c) 選択した正標準燃料を用いて試験用エンジンを運転し,空燃比を変えてノックメータ示度が最高にな
る設定値を確定する。
d) デトネーションメータのつまみ“METER READING”を調節し,ノックメータ示度を(50±2)の目
盛に合わせる。ただし,デジタル・デトネーションメータを使用する場合は,調節の必要はない。
e) アナログ・デトネーションメータを使用する場合は,ノックメータの安定性が保たれた状態で,デト
ネーションメータの開き度が1215になっていることを確認する。

――――― [JIS K 2280-1 pdf 19] ―――――

18
K 2280-1 : 2018
表5−標準大気圧101.3 kPaにおける標準ノック強度に関するガイド表
−オクタン価に対するデジタルカウンタ示度(14.3 mmベンチュリ)−
オクタン価 0.0 0.1 0.2 0.3 0.4 0.5 0.6 0.7 0.8 0.9
デジタルカウンタ示度a)
40 357 357 357 357 358 359 359 359 360 360
41 361 361 361 362 362 363 363 363 364 364
42 364 365 365 366 366 366 367 367 368 368
43 368 369 369 370 370 370 371 371 372 372
44 373 373 373 374 374 375 375 375 376 376
45 377 377 378 378 379 379 380 380 381 382
46 382 383 383 384 384 385 385 386 386 387
47 387 388 388 389 389 389 390 390 390 390
48 391 391 392 392 393 393 394 395 395 396
49 396 397 397 398 399 399 400 400 401 402
50 402 403 403 404 404 405 405 406 406 406
51 407 408 408 409 410 410 411 411 412 412
52 412 413 413 414 414 415 415 416 417 417
53 418 418 419 419 420 420 421 422 422 423
54 423 424 424 425 426 426 427 427 428 428
55 429 429 430 430 431 432 432 433 433 434
56 435 435 436 436 437 437 438 439 439 440
57 440 441 441 442 442 443 443 444 444 445
58 446 446 447 448 448 449 449 450 450 451
59 451 452 453 453 454 454 455 455 456 457
60 457 458 458 459 460 460 461 461 462 462
61 463 464 465 465 466 467 467 468 469 470
62 470 471 471 472 472 473 474 474 475 475
63 476 477 478 478 478 479 479 480 481 481
64 482 483 484 484 485 485 486 486 487 488
65 488 489 490 491 491 492 492 493 494 495
66 495 496 497 498 498 499 500 501 501 502
67 502 503 503 504 505 506 507 508 508 509
68 509 510 510 511 512 513 513 514 515 515
69 516 517 517 518 519 519 520 520 521 522
70 523 524 525 525 526 526 527 527 528 529
71 530 531 532 532 533 533 534 534 535 536
72 537 538 539 539 540 540 541 542 543 544
73 545 546 546 547 548 548 549 550 551 552
74 553 554 554 555 556 557 558 559 560 560
75 561 562 563 564 565 566 567 567 568 569
76 570 571 572 573 574 575 576 577 578 579
77 580 581 581 582 583 584 585 586 587 588
78 589 590 591 592 593 594 595 596 597 598
79 599 600 601 602 603 604 605 606 607 608

――――― [JIS K 2280-1 pdf 20] ―――――

次のページ PDF 21

JIS K 2280-1:2018の引用国際規格 ISO 一覧

  • ISO 5164:2014(MOD)

JIS K 2280-1:2018の国際規格 ICS 分類一覧

JIS K 2280-1:2018の関連規格と引用規格一覧