JIS R 3209:2018 複層ガラス | ページ 2

4
R 3209 : 2018

5.3 乾燥気体のガス濃度

  複層ガラスの封入気体として,空気以外の乾燥気体を封入する場合,その乾燥気体のガス濃度は,7.5
によって試験したとき,2体の製品又は試料の各中空層のガス濃度平均値が90 %未満かつ最小のガス濃度
が85 %未満であってはならない。
なお,空気以外の乾燥気体が混合気体の場合は,空気以外の乾燥気体のガス濃度の総和を試料のガス濃
度とする。

5.4 加速耐久性

5.4.1  封止の加速耐久性
封止の加速耐久性は,7.6によって試験したとき,6体の試料の乾燥気体の露点がいずれも−30 ℃以上
であってはならない。
5.4.2 光学薄膜の性能の加速耐久性
光学薄膜の性能の加速耐久性は,複層ガラスの内面(中空層数が一つの複層ガラスの場合には,第2面
及び第3面に相当する。)に光学薄膜を加工したLow-Eガラスを材料板ガラスとして用いた場合に規定す
る。
光学薄膜の性能の加速耐久性は,7.7によって試験したとき,1体の加速耐久性試験試料及び1体の参照
試料をそれぞれ解体して得た光学薄膜を形成した試料の放射率の差が0.02以下でなければならない。
5.4.3 乾燥気体のガス密閉性の加速耐久性
乾燥気体のガス密閉性の加速耐久性は,複層ガラスの封入気体として空気以外の乾燥気体を用いた場合
に規定する。
乾燥気体のガス密閉性の加速耐久性は,7.8によって試験したとき,6体の試料のガス濃度平均値が85 %
未満かつ最小のガス濃度が80 %未満であってはならない。
なお,空気以外の乾燥気体が混合気体の場合は,空気以外の乾燥気体のガス濃度の総和を加速試験後の
濃度とする。

5.5 熱性能

5.5.1  断熱性
複層ガラスの断熱性能は,7.9.1によって算出したとき,封止部7)を除いて求めた熱貫流率によって表し,
表1による。
注7) 封止部とは,複層ガラスの周囲部分で,封止材,スペーサーなどによって形成される中空層以
外の部分をいう。
5.5.2 日射取得性及び日射遮蔽性
複層ガラスの日射取得性及び日射遮蔽性能は,7.9.2によって算出したとき,封止部を除いて求めた日射
熱取得率によって表し,表2による。

5.6 形状及び寸法

5.6.1  形状
複層ガラスの形状は,通常,正方形又は長方形とする。
5.6.2 寸法及びその許容差
複層ガラスの寸法及びその許容差は,7.3によって測定したとき,次による。
5.6.2.1 辺の長さ
複層ガラスの辺の長さは,受渡当事者間の協定による。

――――― [JIS R 3209 pdf 6] ―――――

                                                                                              5
R 3209 : 2018
5.6.2.2 一辺の長さの許容差
複層ガラスの一辺の長さの許容差は,表5による。
表5−一辺の長さの許容差
一辺の長さ 許容差
m mm
1 未満 ±2
1 以上 2 未満 +2
−3
2 以上 ±3
5.6.2.3 厚さ
複層ガラスの厚さは,材料板ガラスの厚さと中空層の厚さの合計で表し,受渡当事者間の協定による。
5.6.2.4 厚さの許容差
複層ガラスの厚さの許容差は,表6による。ただし,材料板ガラス1枚の厚さの呼びが15 mm以上のも
のについては,受渡当事者間の協定による。
表6−厚さの許容差
単位 mm
厚さの呼び 許容差
17 未満 ±1.0
17 以上 22 未満 ±1.5
22 以上 28 未満 ±2.0
28 以上 ±2.5

6 材料

  複層ガラスに用いる材料板ガラスは,表7に定めるもの及びそれらの表面に光学薄膜を形成したものと
する。
表7−材料板ガラス
材料板ガラス 適用される日本工業規格(日本産業規格)
フロート板ガラス及び磨き板ガラス JIS R 3202
型板ガラス JIS R 3203
網入板ガラス及び線入板ガラス JIS R 3204
合わせガラス JIS R 3205
強化ガラス JIS R 3206
熱線吸収板ガラス JIS R 3208
熱線反射ガラス JIS R 3221
倍強度ガラス JIS R 3222
耐熱強化ガラス JIS R 3223

7 試験

7.1 供試体

  複層ガラスの試験に用いる供試体は,7.2及び7.3の試験では製品,7.67.8の試験では試料,7.4,7.5

――――― [JIS R 3209 pdf 7] ―――――

6
R 3209 : 2018
及び7.9の試験では製品又は試料とする。
a) 製品 供試体が製品の場合は,寸法は任意とし,数量は表8の試料の数と同じとする。
b) 試料 試料は,製品と同様の方法で作製し,作製後2週間以上経過したものを用いる。試料は,通常,
材料板ガラスの厚さ4 mm及び中空層の厚さ12 mmのもの,又は材料板ガラスの厚さ5 mm及び中空
層の厚さ6 mmのものとする。
試料の寸法及び数量は,表8による。7.7の試料は,1 000 mm×500 mm以上の大きさのLow-Eガラ
スから250 mm×250 mm以上の試験片を2枚切り出し,複層ガラス試料を2体作製する。
表8−試料の寸法及び数量
試験項目 試料の寸法 数量
mm

7.4 乾燥気体の露点試験

                     約350×500          受渡当事者間の協定による

7.5 乾燥気体のガス濃度測定

                 約350×500          2体b)

7.6 封止の加速耐久性試験

                   約350×500          6体b)

7.7 光学薄膜の性能の加速耐久性試験

       250×250 以上a)       2体
7.8 乾燥気体のガス密閉性の加速耐久 約350×500 8体b)
性試験

7.9 熱性能の計算

                         250×250 以上a)       受渡当事者間の協定による
注a) 分光反射率などの光学測定に用いる試料の大きさは,分光測光器の仕様による。
b) 他に予備を2体準備することが望ましい。

7.2 外観試験

  外観試験は,複層ガラスの正面約1 mの距離から適切な照明の下で目視によって,ガラス面を透視する。

7.3 寸法の測定

7.3.1  辺の長さの測定
辺の長さの測定は,JIS B 7512に規定する最小目盛1 mmの鋼製巻尺を用いて,ガラスの端から約15 mm
離れた位置において,辺に平行に測定する。
なお,測定は,通常,隣り合う2辺について行う。
7.3.2 厚さの測定
厚さの測定は,JIS B 7502に規定する0.01 mmまで読めるマイクロメータ又はこれと同等以上の精度を
もつ測定器を用いて行い,四捨五入によってその値を小数点以下1桁に丸め,mm単位で表す。
なお,測定位置は各辺の中央部付近1点で,ガラスの端から約10 mm内側とする。

7.4 乾燥気体の露点試験

  乾燥気体の露点試験は,次による。
a) 器具 図2に示すような銅板製の容器及び棒状のガラス製温度計(最小目盛1 ℃,測定範囲−70+
30 ℃)又はこれと同等以上の性能をもつ温度計を用いる。
なお,露点試験器具は,厚さ3 mmの銅板をろう付けして作製した容器(約100×50×150 mm)の
大きな側面の中心に,約50 mm×60 mmで厚さ3 mmの銅板をろう付けしたものを用いる。このとき,
容器の表面と銅板の裏面とが全面にわたってろう付けされるように注意する。銅板の表面Aは,供試
体のガラス面が密着するように平滑に研磨する。

――――― [JIS R 3209 pdf 8] ―――――

                                                                                              7
R 3209 : 2018
a : 約100 mm
b : 約50 mm
h : 約150 mm
t : 3 mm
t' : 3 mm
表面A : 約50 mm×60 mm
図2−露点試験器具
b) 測定 測定は,供試体を常温の室内に24時間以上保持した後,次による。
1) 供試体をほぼ鉛直に保ち,任意の測定位置を定めて布で表面を清浄にする。
2) 容器に表面Aの上端の高さが十分に没する量の有機溶剤を入れ,かき混ぜながらドライアイスの小
片を加えて徐々に冷却し,液温を所定の温度にする。有機溶剤には,アセトン,エチルアルコール
などの凝固点が−35 ℃より低いもので,かつ,複層ガラスの封止材に悪影響を与えないものを選ぶ。
3) 容器の表面Aを有機溶剤でぬらし,その面に供試体を表9の時間密着させ,その間容器にドライア
イスの小片を加えて,液温を所定の温度の±2 ℃の範囲に保つ。
表9−密着時間
材料板ガラスの厚さの呼び 密着時間
mm min
3以下 3
3を超え,5以下 4
5を超え,6以下 5
6を超え,8以下 7
8を超える 10
4) 次に,供試体を容器から離し,ガラス表面に付いた霜を手早く拭き取り,供試体内面の結露及び結
霜の有無をスポットライトを用いて観察する。
なお,この作業の所要時間は,30秒以内とする。

7.5 乾燥気体のガス濃度測定

  空気を除く乾燥気体のガス濃度測定はJIS R 3224-3の6.3.1(乾燥気体のガス濃度試験装置)で規定する
試験装置を用いるものとし,その手順は,JIS R 3224-3の9.3.2(乾燥気体のガス濃度)による。

7.6 封止の加速耐久性試験

  試験は,7.4によって露点を測定した後,JIS R 3224-1の6.3(アプローチ1及びアプローチ2によらな
い封止の加速耐久性試験)の試験を行い,更に7.4によって露点を測定する。ただし,試験を通してガラ
スの破損は,2体までは差し支えない。破損した試料は予備試料と交換して再試験を行うことができる。

――――― [JIS R 3209 pdf 9] ―――――

8
R 3209 : 2018

7.7 光学薄膜の性能の加速耐久性試験

  試験は,試料のうち1体について,JIS R 3224-1の6.3の全サイクルの試験を行う。試料は,光学薄膜を
形成したガラスが加速耐久性試験機の光源側になるように設置する。試料のうち1体は,参照試料として
直射日光の当たらない室内に保管する。
放射率の測定用試料は,加速耐久性試験を実施した後に,加速耐久性試験試料及び参照試料それぞれを
解体して採取した,光学薄膜を形成したガラスとする。
放射率は,放射率の測定用試料の中央付近について,JIS R 3106の4.4(常温熱放射の波長域における測
定)によって常温熱放射の波長域の分光反射率を測定し,JIS R 3106の7.(常温の熱放射の放射率の算定)
によって垂直放射率を求める。

7.8 乾燥気体のガス密閉性の加速耐久性試験

  試験は,8体の試料から任意に選択した2体の試料について7.5の試験をJIS R 3224-3の6.3.1で規定す
るガスクロマトグラフによって行い,5.3の基準を満足することを確認する。残りの6体の試料は,7.4の
試験を行い,5.2の基準を満足することを確認した後,JIS R 3224-3の9.3.1(ガス密閉性の加速耐久性)
によって乾燥気体のガス密閉性の加速耐久性試験を行ったうえで,7.5の試験をJIS R 3224-3の6.3.1で規
定するガスクロマトグラフによって行う。
なお,乾燥気体のガス密閉性の加速耐久性試験における試料のガラスの破損は2体まで許容し,予備試
料に交換してこの箇条の再試験を実施することができる。

7.9 熱性能の計算

7.9.1  断熱性
熱貫流率Uは,JIS R 3107によって計算する。この計算に用いる中空層の厚さは,供試体の平均厚さか
ら材料板ガラスの平均厚さの合計を差し引いた値とする。供試体及び材料板ガラスの平均厚さは,7.3.2に
よって各辺中央部の厚さを測定した後,測定値を平均し,四捨五入によってその値を小数点以下1桁に丸
めた値とする。材料板ガラスの平均厚さの測定用試料は,供試体を解体したものとしてもよい。
複層ガラスの封入気体として空気以外の乾燥気体を封入する場合は,断熱性能の計算に用いる封入ガス
濃度は,7.5によって測定した平均値を超えてはならない。乾燥気体が混合気体の場合は,個々の気体につ
いて測定した平均値を超えてはならない。
中空層が2層の複層ガラスの場合,計算に用いる中空層の厚さの数値は,7.3.2によって測定し求めた供
試体の平均厚さから材料板ガラスの平均厚さの合計を差し引いた値を,中空層の呼び厚さ比によって配分
し,四捨五入によってその値を小数点以下1桁に丸めたものとする。
7.9.2 日射取得性及び日射遮蔽性
日射熱取得率ηは,JIS R 3106に規定する夏条件を用いて計算する。また,中空層が2層の日射熱取得
率ηの算出においては,日射の放射束(日射強度)の値を500 W/m2とする。
なお,フロート板ガラス,磨き板ガラス及び熱線吸収板ガラスの修正放射率は0.837とする。JIS R 3107
によって気体熱コンダクタンスを計算する場合,中空層の厚さは供試体の平均厚さから材料板ガラスの平
均厚さの合計を差し引いた値とする。供試体及び材料板ガラスの平均厚さは,7.3.2によって各辺中央部の
厚さの測定をした後,測定値を平均し,四捨五入によってその値を小数点以下1桁に丸めた値とする。材
料板ガラスの平均厚さの測定用試料は,供試体を解体したものとしてもよい。複層ガラスの封入気体とし
て空気以外の乾燥気体を封入する場合は,日射取得性能及び日射遮蔽性能の計算に用いる封入ガス濃度は,
7.5によって測定した平均値を超えてはならない。乾燥気体が混合気体の場合は,個々の気体について測定
した平均値を超えてはならない。

――――― [JIS R 3209 pdf 10] ―――――

次のページ PDF 11

JIS R 3209:2018の国際規格 ICS 分類一覧

JIS R 3209:2018の関連規格と引用規格一覧