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S 6039 : 2006
5.1 油性ボールペンインキの品質
油性ボールペンインキの品質は,8.3.1によって試験したとき, 見か
け粘度が1 000 mPa・s以上でなければならない。
5.2 油性ボールペン及びレフィルの品質
油性ボールペン及びレフィルの品質は,表5の規定に適合し
なければならない。
表 5 油性ボールペン及びレフィルの品質
品質項目 一般筆記用 公文書用 適用箇条
筆記性能 8.3.2
20 cm以内で円滑な筆記が始まり明らかなかすれ及び濃度のばらつきの
ない 筆記距離が300 m以上とする。
裏抜け 裏抜けがないものとする。 8.3.3
乾燥性 a) 筆記線に汚れが認められないものとする。 8.3.4
b) 転写の形跡が認められないものとする。
複写性能 複写した線が視認できるものとする。 8.3.5
耐水性 筆記線が視認できるものとする。 8.3.6
耐光性 筆記線が視認できるものとする。 8.3.7
保存性 表5(筆記性能)に適合するものとする。 8.3.8
耐消しゴム性 筆記線が見えなくなる前に 8.3.9
― 試験紙の表面の損傷が明ら
かに現れるものとする。
耐アルコール性 ― 筆記線が視認できるものと 8.3.10
する。
耐塩酸性 ― 筆記線が視認できるものと 8.3.11
する。
耐アンモニア性 ― 筆記線が視認できるものと 8.3.12
する。
耐漂白性 ― 筆記線が視認できるものと 8.3.13
する。
有害物質 インキは, 8.3.14
アンチモンが60 mg/kg以下,ひ素が25 mg/kg以下,
バリウムが1 000 mg/kg以下,カドミウムが75 mg/kg以下,
クロムが60 mg/kg以下,鉛が90 mg/kg以下,
水銀が60 mg/kg以下,及びセレンが500 mg/kg以下とする。
6. 材料
使用する材料は,環境側面及び安全性について配慮する。
7. 試験機器,附属品及び溶液
7.1 粘度計
JIS Z 8803に規定する円すい ― 平板形回転粘度計(E型粘度計),共軸 ― 二重円筒形回
転粘度計(B型粘度計)又はこれらと技術的に同等である試験装置。
7.2 筆記試験機
筆記試験を行うとき,筆記試験機を次の各条件にセットする。
a) 筆記力 : 1.5 N±0.1 Nとし,力の加え方は次の手順で行う。筆記試験機のペン軸にレフィルを固定し,
レフィルの先端部分をプッシュプルスケール又はばねばかりで鉛直につるし,プッシュプルスケール
の表示が1.5 Nを指すまで,又はばねばかりの表示が153 gを指すまでペン軸ホルダにおもりを載せて
調節する。
b) 筆記角度 : サンプルを75°±5°で試験筆記する。
c) 筆記速度 : 4.5 m/分±0.5 m/分
d) 筆記パターン : 線ピッチ15 mmで連続ら(螺)旋(円周100 mm)
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e) 下敷き : 磨かれたステンレス鋼板
7.3 試験用紙
試験用紙は,表6の仕様に適合するもの。
表 6 試験用紙
仕様 試験方法
坪量 : 80 g/m2±5 g/m2 JIS P 8124
平滑度(2) : 3 0.25 JIS P 8151
焼却後の残留物 : (11±1) %残留物(灰分),900 ℃燃焼時 JIS P 8252
) =Cobb60=20
(∧
コッブ値 : 18 g/m2±2 g/m2 (45 g/m2±3 g/m2)
JIS P 8140
厚さ : 80 5 JIS P 8118
色 : 白色
成分 : 100 %木材繊維,漂白
注(2) 柔らかい裏側を試験に使用,締付け圧力は1 MPa。
7.4 消しゴム
タイプAデュロメータ硬さ(3) 45±5の研磨剤を含まない消しゴム。
注(3) IS K 6253参照
7.5 複写性試験設備
静電式複写機,マイクロフィルム作成装置又はテレファックス。
7.6 耐光性試験装置
キセノンアークランプ式耐光性試験機又は技術的に同等である試験装置。
7.7 試験溶液
7.7.1 エタノール溶液(4),50 %水溶液(体積分率)
注(4) IS K 8101参照
7.7.2 塩酸溶液(5),10 %水溶液(質量分率)
注(5) IS K 8180参照
7.7.3 アンモニア溶液(6),10 %水溶液(質量分率)
注(6) IS K 8085参照
7.7.4 漂白剤溶液 新しく調合されたクロラミンT(7)の3 %水溶液(質量分率)
注(7) 標準名 : p-トルエンスルホンクロロアミドナトリウム三水和物
: Sodium-p-toluenesulfonchloramide trihydrate
8. 試験
8.1 サンプリング
保存性試験(8.3.8参照)以外の試験に用いる油性ボールペン及びレフィルの試料は,
製造後6か月以内のものを用いる。
8.2 試験条件
試験の環境条件は,特に規定がない限り,JIS Z 8703に規定する常温20 ℃±15 ℃,常
湿(65±20) %とする。また,化学分析に共通する一般的事項は,JIS K 0050による。
8.3 試験方法
8.3.1 油性ボールペンインキの粘度試験 7.1に規定する粘度計によって,23 ℃±2 ℃の条件下で, 任
意のずり速度においてJIS Z 8803に規定する方法によって測定し,測定値が5.1に適合するかどうか調べ
る。
8.3.2 筆記性能試験 少なくとも10本の油性ボールペン及び/又はレフィルを任意に抜き取る。8.2に規
定する環境条件下で,7.2に規定する筆記試験機によって,7.3に規定する試験用紙に連続した5 mの線を
書かせる。ペンを引き上げて試験用紙から離し,3時間放置した後,300 mの筆記線を書かせ,表5の筆
記性能に適合するかどうか調べる。
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8.3.3 裏抜け試験 8.3.2で新たに実施した筆記性能試験の試験用紙から,筆記線の書き始め及び終わり
部分以外から長さ約5 cmの試験片を用意し,8.2に規定する環境条件下に24時間放置した後,試験片の裏
側を観察し,表5の裏抜けに適合するかどうか調べる。
8.3.4 乾燥性試験 a)又はb)によって試験する。
a) 7.2 a),b),c)及びe)に基づいて,7.3に規定する試験用紙上に直線を1本引く。20秒後に,7.4に規定
する消しゴムで筆記線を垂直に横ぎるように1回こすった後,筆記線が表5の乾燥性a)に適合するか
どうか調べる。
b) 7.2に規定する筆記試験機によって,7.3に規定する試験用紙に連続した線を書かせ,20秒経過した後
ら7.3に定める試験用紙を重ね,底面が直径50 mm,質量0.5 kgのおもりを載せて両紙を圧着させ,
10分間静置し,両紙を離したとき,重ねた紙が表5の乾燥性b)に適合するかどうか調べる。
8.3.5 複写性試験 7.5に規定する装置を用い,8.3.2で新たに実施した筆記性能試験の試験用紙から切り
取った長さ約5 cmの試験片の筆記線を複写した後,複写した線が表5の複写性能に適合するかどうか調べ
る。
8.3.6 耐水性試験 8.3.2で新たに実施した筆記性能試験の試験用紙から切り取った長さ約5 cmの試験片
を8.2に規定する環境条件下に2時間放置した後,蒸留水又はイオン交換水中に,“一般筆記用”は1時間,
“公文書用”は24時間浸せきし,水中から取り出して自然乾燥してから,試験片の筆記線が表5の耐水性
に適合するかどうか調べる。
8.3.7 耐光性試験 8.3.2で新たに実施した筆記性能試験の試験用紙から切り取った長さ約5 cmの試験片
とJIS L 0841に規定するブルースケールとを,7.6に規定する装置を用いて一緒に露光し,“一般筆記用”
はブルースケール3級の,“公文書用”はブルースケール5級の非露光部と露光部との差が,JIS L 0804に
規定するグレースケール4号と同等になるまで露光した後,表5の耐光性に適合するかどうか調べる。た
だし,耐光性試験機を用いる場合には,“JIS L 0843 A法(通常温度法,連続法)”によって試験を行う。
8.3.8 保存性試験 製造直後の未使用の油性ボールペン及び/又はレフィルを少なくとも10本抜き取る。
温度40 ℃±2 ℃,相対湿度(55±5) %の条件下で90日間水平に保存した後,8.3.2によって試験し,表5
の保存性に適合するかどうか調べる。
8.3.9 耐消しゴム性試験 8.3.2で新たに実施した筆記性能試験の試験用紙から切り取った長さ約5 cmの
試験片を,8.2に規定する環境条件下に10分間放置して乾かし,7.4に規定する消しゴムを用いて筆記線の
一部を消した後,その部分の紙の表面が表5の耐消しゴム性に適合するかどうか調べる。
8.3.10 耐アルコール性試験 8.3.2で新たに実施した筆記性能試験の試験用紙から切り取った長さ約5cm
の試験片を,8.2に規定する環境条件下に1時間放置して乾かし,7.7.1に規定するエタノール溶液に10分
間浸せきした後取り出して自然乾燥し,試験片の筆記線が表5の耐アルコール性に適合するかどうか調べ
る。
8.3.11 耐塩酸性試験 8.3.2で新たに実施した筆記性能試験の試験用紙から切り取った長さ約5 cmの試験
片を,8.2に規定する環境条件下に1時間放置して乾かし,7.7.2に規定する塩酸溶液に24時間浸せきした
後取り出し,蒸留水又はイオン交換水に10分間浸せきしてから取り出して自然乾燥し,試験片の筆記線が
表5の耐塩酸性に適合するかどうか調べる。
8.3.12 耐アンモニア性試験 8.3.2で新たに実施した筆記性能試験の試験用紙から切り取った長さ約5 cm
の試験片を,8.2に規定する環境条件下に1時間放置して乾かし,7.7.3に規定するアンモニア溶液に24時
間浸せきした後取り出し,蒸留水又はイオン交換水に10分間浸せきしてから取り出し自然乾燥し,試験片
の筆記線が表5の耐アンモニア性に適合するかどうか調べる。
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8.3.13 耐漂白性試験 8.3.2で新たに実施した筆記性能試験の試験用紙から切り取った長さ約5 cmの試験
片を,8.2に規定する環境条件下に10分間放置して乾かし,7.7.4に規定する漂白剤溶液に5分間浸せきし
た後取り出し,蒸留水又はイオン交換水に10分間浸せきしてから取り出して自然乾燥し,試験片の筆記線
が表5の耐漂白性に適合するかどうか調べる。
8.3.14 有害物質 インキの有害物質の試験は,次のとおり行う。
a) 試料1 g以上を0.1 mgまで正しくはかる。
b) 適切な大きさの容器(8)にa)で採取した試料に,その質量の50倍量の0.07 mol/L塩酸溶液(9)(37 ℃±
2 ℃)を加え,1分間振り混ぜる。
注(8) 適切な大きさの容器とは,総容量が塩酸抽出液の1.65.0倍の容器。
(9) IS K 8180に規定する塩酸を用いて調製する。
c) 混合液の酸性度をpH計(10)で調べ,pHが1.5以上あるときは2 mol/L塩酸溶液(9)をpHが1.01.5に
なるまで振り混ぜながら滴下する。
注(10) H計は,±0.2 pH単位の精度をもつ計器を使用する。
d) 混合液に光が当たらないようにして,混合液を37 ℃±2 ℃で1時間連続で振り混ぜた後,37 ℃±2 ℃
で1時間放置する。
e) 混合液をろ過し,得られた溶液を原子吸光法又は誘導結合プラズマ発光分析法(ICP発光分析法)の
試験装置を用いて,原子吸光法はJIS K 0121,ICP発光分析法はJIS K 0116によって分析する。
なお,ろ過する場合は,0.45 イズの膜フィルターを用いてろ過する。
f) 分析結果は,表7の補正値を用い,次の式によって補正する。
B1 B2
B B1
100
ここに, 分析結果の補正後の値 (mg/kg)
分析結果 (mg/kg)
分析元素の補正値 (%)
表 7 補正値
単位 %
元素 アンチモン ひ素 バリウム カドミウム クロム 鉛 水銀 セレン
補正値 60 60 30 30 30 30 50 60
9. 表示
油性ボールペン又はレフィルには,次の事項を表示する。
a) 製造業者名若しくは供給業者名又は商標
b) 規格番号 JIS S 6039(消費者包装単位ごとに行ってもよい。)
c) 製品名称
d) 種類 レフィルの形式記号, 筆記線幅の区分記号又はボールの直径の呼び(11)。ただし,公文書用の
場合は“公文書用”又は“DOC”
注(11) ここでいう呼びとは,公差をもったねらいの寸法をいう。
e) 製造年月又はその略号
――――― [JIS S 6039 pdf 9] ―――――
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例. 規格番号・製品名称・種類の表示
レフィル交換方式の例( で囲った組合せの場合の例)
レフィルの 筆記線幅による 一般筆記用 公文書用
形式 区分
A1 EF ・ JIS S 6039 油性ボールペンレフ・ JIS S 6039 油性ボールペンレフ
A2 F ィルB EF ィル公文書用 B EF
B M ・ JIS S 6039 B EF ・ JIS S 6039 公文書用 B EF
D B ・ B EF ・ JIS S 6039 DOC B EF
E ・ DOC B EF
筆記線幅の区分がEFで,例えば, ボ
F ールの直径の呼びが0.5 mmの場合,筆記線幅の区分がEFで,例えば,
G1 上記のEFを0.5又は05で置き換えて ボールの直径の呼びが0.5 mmの場
G2 もよい。 合,上記のEFを0.5又は05で置き
H 換えてもよい。
使い切り方式の例( で囲った場合の例)
筆記線幅による区分 一般筆記用 公文書用
EF ・ JIS S 6039 油性ボールペン F ・ JIS S 6039 油性ボールペン公文書
F ・ JIS S 6039 F 用F
M ・ F ・ JIS S 6039 公文書用 F
B 筆記線幅の区分がFで,例えば,ボール・ JIS S 6039 DOC F
の直径の呼びが0.7 mmの場合,上記のF・ DOC F
を0.7又は07で置き換えてもよい。 筆記線幅の区分がFで,例えば,ボー
ルの直径の呼びが0.7 mmの場合,上記
のFを0.7又は07で置き換えてもよい。
10. 試験報告
試験報告書を求められた場合は,次の情報を記載する。
a) IS S 6039の一般筆記用又はJIS S 6039の公文書用に基づいて試験を行ったことの記載。
b) 試験日及び試験場所
c) サンプルの正確な識別(9.参照)
d) 次の記載
− 筆記ピッチ(7.2参照)
− 乾燥性試験方法(8.3.4参照)
− 複写性試験設備(7.5参照)
− 耐光性試験装置(7.6参照)
e) 試験結果。JIS S 6039公文書用による場合には,その結果から公文書用として用いることができる旨
の確認。
f) 規定の試験方法からの逸脱(7.及び8.参照)
g) 試験者の特定及び署名
――――― [JIS S 6039 pdf 10] ―――――
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JIS S 6039:2006の引用国際規格 ISO 一覧
- ISO 12757-1:1998(MOD)
- ISO 12757-2:1998(MOD)
JIS S 6039:2006の国際規格 ICS 分類一覧
- 97 : 家庭用及び商業用設備.娯楽.スポーツ > 97.180 : 種々の家庭用及び商業用設備
JIS S 6039:2006の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISK0050:2019
- 化学分析方法通則
- JISK0116:2014
- 発光分光分析通則
- JISK0121:2006
- 原子吸光分析通則
- JISK6253:2006
- 加硫ゴム及び熱可塑性ゴム―硬さの求め方
- JISK8085:2006
- アンモニア水(試薬)
- JISK8085:2021
- アンモニア水(試薬)
- JISK8101:2006
- エタノール(99.5)(試薬)
- JISK8180:2015
- 塩酸(試薬)
- JISK8180:2021
- 塩酸(試薬)
- JISL0804:2004
- 変退色用グレースケール
- JISL0841:2004
- 日光に対する染色堅ろう度試験方法
- JISL0843:2006
- キセノンアーク灯光に対する染色堅ろう度試験方法
- JISP8118:2014
- 紙及び板紙―厚さ,密度及び比容積の試験方法
- JISP8124:2011
- 紙及び板紙―坪量の測定方法
- JISP8140:1998
- 紙及び板紙―吸水度試験方法―コッブ法
- JISP8151:2004
- 紙及び板紙―表面粗さ及び平滑度試験方法(エア・リーク法)―プリント・サーフ試験機法
- JISP8252:2003
- 紙,板紙及びパルプ―灰分試験方法―900℃燃焼法
- JISZ8703:1983
- 試験場所の標準状態
- JISZ8803:2011
- 液体の粘度測定方法