JIS S 6054:2020 水性ボールペン及びレフィル | ページ 3

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定するブルースケールとを,8.6に規定する装置を用いて一緒に露光し,“一般筆記用”はブルースケール
3級の,“公文書用”はブルースケール5級の非露光部と露光部との差が,JIS L 0804に規定するグレース
ケール4号と同等になるまで露光した後,筆記線を調べる。ただし,キセノンアークランプ式耐光性試験
機を用いる場合には,JIS L 0843のA法(通常温度法)によって試験を行う。
9.3.8 ペン先乾燥性試験
未使用の水性ボールペンのキャップを外し,ペン先を露出する。インキが出ることを確かめ,9.2に規定
する環境条件下に24時間水平に放置した後,1本の直線を手書きする。
9.3.9 保存性試験
製造直後の未使用の,キャップつき水性ボールペン及び/又はレフィルを少なくとも10本抜き取る。温
度40 ℃±2 ℃,相対湿度(55±5)%の条件下で90日間水平に保存した後,9.3.2によって試験する。
9.3.10 耐消しゴム性試験
9.3.2で新たに実施した筆記性能試験の試験用紙から切り取った長さ約5 cmの試験片を,9.2に規定する
環境条件下に10分間放置して乾かし,8.4に規定する消しゴムを用いて筆記線の一部を消した後,その部
分の紙の表面を調べる。
9.3.11 耐アルコール性試験
9.3.2で新たに実施した筆記性能試験の試験用紙から切り取った長さ約5 cmの試験片を,9.2に規定する
環境条件下に1時間放置して乾かし,8.7.1に規定するエタノール溶液に10分間浸せきした後取り出して
自然乾燥し,試験片の筆記線を調べる。
9.3.12 耐塩酸性試験
9.3.2で新たに実施した筆記性能試験の試験用紙から切り取った長さ約5 cmの試験片を,9.2に規定する
環境条件下に1時間放置して乾かし,8.7.2に規定する塩酸溶液に24時間浸せきした後取り出し,蒸留水
又はイオン交換水に10分間浸せきしてから取り出して自然乾燥し,試験片の筆記線を調べる。
9.3.13 耐アンモニア性試験
9.3.2で新たに実施した筆記性能試験の試験用紙から切り取った長さ約5 cmの試験片を,9.2に規定する
環境条件下に1時間放置して乾かし,8.7.3に規定するアンモニア水溶液に24時間浸せきした後取り出し,
蒸留水又はイオン交換水に10分間浸せきしてから取り出し自然乾燥し,試験片の筆記線を調べる。
9.3.14 耐漂白性試験
9.3.2で新たに実施した筆記性能試験の試験用紙から切り取った長さ約5 cmの試験片を,9.2に規定する
環境条件下に10分間放置して乾かし,8.7.4に規定する漂白剤溶液に5分間浸せきした後取り出し,蒸留
水又はイオン交換水に10分間浸せきしてから取り出して自然乾燥し,試験片の筆記線を調べる。
9.3.15 有害物質試験
インキの有害物質の試験は,次のとおり行う。
a) 試料を0.1 g以上採取し,採取した量を正確に記録する。
b) 総容量が塩酸抽出液の1.65.0倍の容器にa) で採取した試料に,その質量の50倍量の0.07 mol/L塩
酸溶液(37 ℃±2 ℃)を混合し,1分間振り混ぜる。
なお,塩酸は,JIS K 8180に規定するものとする。
c) 混合液の酸性度をpH計で調べ,pHが1.5を超えているときは2 mol/L塩酸溶液をpHが1.01.5にな
るまで振り混ぜながら滴下する。
なお,pH計は,精度が±0.2 pH以上の計器を使用する。
d) 混合液に光が当たらないようにして,混合液を37 ℃±2 ℃で1時間連続して振り混ぜた後,37 ℃±2 ℃

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で1時間放置する。
e) 混合液を孔の寸法が0.45 μmの膜フィルタを用いてろ過し,必要な場合,49 000 m/s2以下で遠心分離
して固形物を効率よく分離する。遠心分離時間は10分を超えないものとする。
f) 得られた溶液は,JIS K 0121による原子吸光分析法又はJIS K 0116による誘導結合プラズマ発光分析
法のいずれかによって,表7に示す8元素について分析する。
g) 分析結果は,表7の補正値を用い,次の式によって補正する。
B1 B2
B B1
100
ここに, 分析結果の補正後の値(mg/kg)
分析結果(mg/kg)
分析元素の補正値(%)
表7−補正値(
元素 アンチモン ひ素 バリウム カドミウム クロム 鉛 水銀 セレン
補正値 60 60 30 30 30 30 50 60
(%)

10 検査方法

10.1 一般

  水性ボールペン及びレフィルの検査は,形式検査と受渡検査とに区分し,それぞれ次のとおりとする。
この場合,検査は,合理的な抜取検査方式によってもよい。

10.2 形式検査

2) 形式検査は,表3の全ての品質項目について行う。
なお,新しい種類の材料を使用したとき,材料の種類を変更したとき,材料の購入先を変更したときな
ど,技術的生産条件が変更されたときにも行う。また,表3の有害物質に関しては,技術的生産条件の変
更がない場合でも,少なくとも5年に1回は検査を行う。
注2) 製品の品質が設計で示した全ての特性を満足するかどうか判定するための検査。

10.3 受渡検査

3) 受渡検査は,受渡当事者間で取り決めた品質項目について行う。
注3) 既に形式検査に合格したものと同じ設計·製造による製品の受渡しをする場合,必要と認める
特性を満足するものであるかどうかを判定するための検査。

11 表示

  この規格の全ての要求事項に適合した水性ボールペン又はレフィルには,本体に次の事項を表示する。
ただし,b) d) は消費者包装単位4)ごとに表示してもよい。
なお,b)は省略してもよい(例1及び例2参照)。
注4) ブリスター包装,スキンパック,1本袋,セット物などの消費者の手元に渡る包装をいう。
a) 製造業者名若しくは供給業者名又はこれらの略号若しくは商標
b) 規格番号
c) 製品名称
d) 種類

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1) 用途及び構造による区分 : 公文書用の場合は“公文書用”又は“DOC”。一般筆記用で耐水性のも
のは“耐水性”又は“WR”。
2) レフィルの形状及び寸法による区分 : レフィルの形式を示す記号
3) 筆記線幅及びボールの直径による区分 : 筆記線幅の区分記号及びボールの直径の呼び5)。
注5) ここでいう呼びとは,公差をもった狙い寸法をいう。
e) 製造年月又はその略号
例1 レフィル交換方式で,レフィルの形式がB,かつ,筆記線幅による区分がEF( で囲った種
類)の場合の規格番号,製品名称及び種類の表示例
レフィルの 筆記線幅による 一般筆記用 公文書用
形式 区分
A EF · JIS S 6054水性ボールペンレフィ· JIS S 6054水性ボールペンレフ
B F ルB EF ィル公文書用B EF
C M · JIS S 6054 B EF · JIS S 6054公文書用B EF
D B · B EF · JIS S 6054 DOC B EF
ボールの直径の呼びが0.5 mmの場合 · DOC B EF
· JIS S 6054 B 0.5 ボールの直径の呼びが0.5 mmの場
· JIS S 6054 B 05 合
· B 0.5 · JIS S 6054 DOC B 0.5
· B 05 · JIS S 6054 DOC B 05
· DOC B 0.5
· DOC B 05
同上で耐水性表示の場合 · JIS S 6054水性ボールペンレフィ
ルB EF WR
· JIS S 6054 B EF WR
· B EF WR
ボールの直径の呼びが0.5 mmの場合 −
· JIS S 6054 B0.5F WR
· JIS S 6054 B 05 WR
· B 0.5 WR
· B 05 WR

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例2 使い切り方式で,筆記線幅による区分がF( で囲った種類)の場合の規格番号,製品名称及
び種類の表示例
筆記線幅による区分 一般筆記用 公文書用
EF · JIS S 6054水性ボールペンF · JIS S 6054水性ボールペン公文書
F · JIS S 6054 F 用F
M · F · JIS S 6054公文書用F
B ボールの直径の呼びが0.7 mmの場合 · JIS S 6054 DOC F
· JIS S 6054 0.7 · DOC F
· JIS S 6054 07 ボールの直径の呼びが0.7 mmの場合
· 0.7 · JIS S 6054 DOC 0.7
· 07 · JIS S 6054 DOC 07
· DOC 0.7
· DOC 07
同上で耐水性表示の場合 · JIS S 6054水性ボールペンF WR
· JIS S 6054 F WR
· F WR
ボールの直径の呼びが0.7 mmの場合

· JIS S 6054 0.7 WR
· JIS S 6054 07 WR
· 0.7 WR
· 07 WR
参考文献 [1] ISO 8124-3,Safety of toys−Part 3: Migration of certain elements
[2] ISO 12756,Drawing and writing instruments−Ball point pens and roller ball pens−Vocabulary

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附属書JA
(参考)
JISと対応国際規格との対比表
JIS S 6054:2020 水性ボールペン及びレフィル ISO 14145-1:2017,Roller ball pens and refills−Part1 : General use
ISO 14145-2:1998,Roller ball pens and refills−Part2 : Documentary use (DOC)
(I) JISの規定 (II)国際 (III)国際規格の規定 (V) JISと国際規格との技術的差
(IV) JISと国際規格との技術的差異の箇条ごと
規格番号 の評価及びその内容 異の理由及び今後の対策
箇条番号 内容 箇条 内容 箇条ごと 技術的差異の内容
及び題名 番号 の評価
1 適用範囲 水性ボールペン及 ISO 1 ISO規格は,第1部に一 変更 二つのISO規格を一つのJISとし 使用者に分かりやすいように構成
びレフィルの品質 14145-1 般筆記用,第2部に公文 て規定。 上変更したが,実質的な差異はな
について規定 ISO 書用について規定。 い。
14145-2
2 引用規格
3 用語及び 3.1 ボールペン − − ボールペン関係の用語 追加 ISO 12756の3.1に規定されている 我が国の事情によるもので,ISO
定義 3.2 水性ボールペン 規格であるISO 12756 用語及び定義を参考に,JIS独自の規格の改正提案の予定なし。
インキ で規定されている用語 用語も加えて規定し直した。
3.3 水性ボールペン 及び定義が適用される。
3.4 レフィル
4 種類 4.1 用途及び構造にISO − − 追加 ISO規格は,一般筆記用と公文書用使用者に分かりやすいように追加
よる区分 14145-1 とに分かれているが,JISは,それしたが,実質的な差異はない。
ISO らを一つのJISとして規定したた
14145-2 め,JISではそれぞれの区分を規定
した。
4.2 レフィルの形状ISO 4.2 レフィルの形状及び寸 削除 使用者に分かりやすいように構成
レフィルの形状·寸法図を削除し,
及び寸法による区 14145-1 法を規定。 箇条6に移した。 上変更したが,実質的な差異はな
分 い。
4.3筆記線幅及びボ ISO 4.1 チップのボール直径に 変更 区分であることを明記した。 使用者に分かりやすいように構成
S6
ールの直径による 14145-1 よる分類を規定。 上変更したが,実質的な差異はな
054
区分 い。
: 2020
4

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JIS S 6054:2020の引用国際規格 ISO 一覧

  • ISO 14145-1:2017(MOD)
  • ISO 14145-2:1998(MOD)

JIS S 6054:2020の国際規格 ICS 分類一覧

JIS S 6054:2020の関連規格と引用規格一覧