この規格ページの目次
18
X 0509 : 2012 (ISO/IEC 24724 : 2011)
6.2 シンボルの構造
図8に示すように,GS1データバー限定型シンボルは,74のモジュールからなる五つの領域(左から右
に)で構成している。
a) 1モジュールのスペース及び1モジュールのバーからなる左側のガードパターン
b) 26モジュール(七つのスペース及び七つのバー)からなる左側のシンボルキャラクタ,(n,k)=(26,7)
c) 18モジュール(七つのスペース及び七つのバー)からなるチェックキャラクタ,(n,k)=(18,7)
d) 26モジュール(七つのスペース及び七つのバー)からなる右側のシンボルキャラクタ,(n,k)=(26,7)
e) 三つのエレメント(1モジュールのスペース,1モジュールのバー及び5モジュールのスペース)から
なる右側のガードパターン
図8−(a) : (01)00312345678906を表すGS1データバー限定型シンボル
(b) : (a)シンボルの背景を“暗”にした場合。
右ガードパターンの5Xのスペースが背景から浮かび出ている。
シンボル全体は,79モジュールからなる47個のエレメントを含む。附属書Eの表E.2に,GS1データ
バー限定型シンボルの全てのエレメントを示す。シンボルは,10X以上の高さでなければならない。
限定型シンボルの両端が明モジュールであり,クワイエットゾーンのように見えるため,クワイエット
ゾーンを必要としないが,UPC-AシンボルをGS1データバー限定型シンボルに読み誤るのを避けるため
に,これらのガードパターンを参照復号アルゴリズムで検査しなければならない(附属書H参照)。シン
ボルの背景及びスペースの色が同じ場合,先頭及び末尾のスペースエレメントは,背景に溶け込む。
6.2.1 シンボルキャラクタの構造
二つのシンボルキャラクタは,それぞれ(n,k)構造をもつ。nの値を26とし,kの値を7とする。
二つのシンボルキャラクタのエレメントは,図8に示すように左から右に番号を付ける。
――――― [JIS X 0509 pdf 21] ―――――
19
X 0509 : 2012 (ISO/IEC 24724 : 2011)
各シンボルキャラクタは,奇数番目のエレメント及び偶数番目のエレメントという二つのサブセットを
含む。奇数及び偶数とは,各サブセットにおけるエレメントの順番を指している。奇数番目エレメントを
スペースとし,偶数番目エレメントをバーとする。例えば,奇数番目のサブセットは,各シンボルキャラ
クタの左端のエレメントから1番目,3番目,5番目,7番目,9番目,11番目及び13番目のエレメント
で構成している。七つのエレメントのサブセットには,最小7モジュールから最大19モジュールを含む。
いずれのサブセットも奇数個のモジュールを含む。シンボルキャラクタの奇数サブセット及び偶数サブセ
ットにあるモジュール数の合計は26個である。
奇数番目エレメントのサブセット及び偶数番目エレメントのサブセットには,値をエレメント幅のパタ
ーンに符号化するアルゴリズムによって連続値が割り当てられる。このアルゴリズムを用いるときに,パ
ラメタとして“エレメント数”,“モジュール数”,“最大エレメント幅”及び“全てのエレメントが2モジ
ュール以上のキャラクタをこのサブセットで許すかどうか”を与える。
6.2.2 シンボルキャラクタ値
各シンボルキャラクタ値には,アルゴリズムによって奇数サブセット及び偶数サブセットにエレメント
幅のパターンを割り当てる。このアルゴリズムを用いるときに,パラメタとして“エレメント数”,“モジ
ュール数”,“最大エレメント幅”及び“このサブセットの全てのエレメントを,2モジュール以上にする
かどうか”を与える。附属書Bに,C言語で作成したGS1データバー限定型シンボルキャラクタエレメン
ト生成アルゴリズムを示す。
有効な偶数エレメントのサブセットには,1モジュール幅のエレメントが少なくとも一つ含まれるのに
対して,奇数エレメントのサブセットでは,全てのエレメントが2モジュール以上のキャラクタをこのサ
ブセットで許すことができる。この偶数エレメントへの制限によって,シンボルキャラクタの“エッジ
類似エッジまで”(バー+スペース及びスペース+バー)のモジュール数の合計が一意になることが保証さ
れる(5.2.5参照)。
表6に,奇数成分サブセット及び偶数成分サブセットの組合せを七つのグループに分けた,(26,7)キャラ
クタの特性を示す。両方のサブセットを,それぞれ奇数個のモジュールとする。隣接するエレメントの1
対に含むモジュールの総数が9を超えないように,最も広い奇数成分エレメント幅及び偶数成分エレメン
ト幅を指定する。その結果,(26,7)キャラクタの組合せ総数は,2 013 571となる。
表6−シンボルキャラクタ(26,7)の特性
前のグルー 奇数成分及 奇数成分及 奇数成分組 偶数成分組
プまでの組 び偶数成分 び偶数成分 合せ総数, 合せ総数,
キャラクタ値の範囲 グループ
合せ総数, のモジュー のエレメン TODD TEVEN
GSUM ル数 ト最大幅
0 183 063 1 0 17/9 6/3 6 538 28
183 064 820 063 2 183 064 13/13 5/4 875 728
820 0641 000 775 3 820 064 9/17 3/6 28 6 454
1 000 7761 491 020 4 1 000 776 15/11 5/4 2 415 203
1 491 0211 979 844 5 1 491 021 11/15 4/5 203 2 408
1 979 8451 996 938 6 1 979 845 19/7 8/1 17 094 1
1 996 9392 013 570 7 1 996 939 7/19 1/8 1 16 632
シンボルキャラクタ値VDは,次の式によって定まる。
VD (VODD T EVEN ) V EVEN G SUM
――――― [JIS X 0509 pdf 22] ―――――
20
X 0509 : 2012 (ISO/IEC 24724 : 2011)
ここに, VODD : 各グループ内の奇数成分の組合せに対し附属書Bのア
ルゴリズムが与える0(TODD−1)の値
VEVEN : 各グループ内の偶数成分の組合せに対し附属書Bのア
ルゴリズムが与える0(TEVEN−1)の値
GSUM : 前のグループまでの組合せ総数(表6参照)
したがって,シンボルキャラクタ値(VD)を符号化するには,次の式を用いることができる。
VODD (VD G SUM ) divT EVEN
VEVEN (VD G SUM ) modT EVEN
例えば,917 879という値の(26,7)シンボルキャラクタを符号化する場合,表6から,このシンボルキ
ャラクタ値はグループ3の範囲に入っているため,GSUM=820 064及びTEVEN=6 454となる。上の計算式
を用いると,次のようになる。
VODD (917 879 97 815 div 6 454
820 064) iv 6 454 15
VEVEN (917 879 97 815 mod 6 454 1
820 064) od 6 454 005
すなわち,このシンボルキャラクタは,9モジュールからなる奇数成分(組合せ数28,値の範囲は0
27)の値が15であり,17モジュールからなる偶数成分(組合せ数6 454,値の範囲は06 453)の値が1 005
である。
附属書Bのアルゴリズムを用いると,奇数エレメントの幅は[{1 2 1 1 1 1 2}]に,偶数エレメントの幅は[{1
2 3 5 1 2 3}]であるため,左から右に[{1 1 2 2 1 3 1 5 1 1 1 2 2 3}]というシンボルキャラクタエレメント幅が得
られる。
6.2.3 シンボル値
シンボル値は,左側及び右側のシンボルキャラクタ値を組み合わせて,次の式によって求める。
VSYMBOL (2 013 571VDLEFT ) V DRIGHT
ここに,VSYMBOLをシンボル値,VDLEFT及びVDRIGHTをそれぞれ左側及び右側のシンボルキャラクタ値と
する。
シンボル値VSYMBOLを,左側のシンボルキャラクタVDLEFT及び右側のシンボルキャラクタVDRIGHTに符
号化するには,次の式を用いる。
VDLEFTV SYMBOLdiv 2 013 571
DRIGHT
V V SYMBOLmod 2 013 571
シンボルキャラクタの値を組み合わせると4 054 468 172 041通りの値が作られるが,最初の4 000 000
000 000個の値(01 999 999 999 999及び2 015 133 531 0964 015 133 531 095)だけを用いる。この二つ
の範囲は,右側のシンボルキャラクタを復号しなくても,左側のシンボルキャラクタの各サブセットに含
まれているモジュールの数によって,二次元コンポーネントが存在するかどうかを判断できる方法で指定
する(単独のGS1データバー限定型シンボルでは,左側のシンボルキャラクタ値の範囲が0993 260に
なるのに対して,GS1合成シンボル中のGS1データバー限定型シンボルでは,左側のシンボルキャラクタ
値の範囲は1 000 7761 994 036になる。)。
2番目の値の範囲(2 015 133 531 096以上)は,連結フラグが設定され,GS1データバー限定型シンボ
ルに二次元コンポーネントが付いていることを示す。この場合,一次元シンボル部分のデータ値は,二次
元コンポーネントが付いたGS1データバー限定型値から2 015 133 531 096を減じて求める。その結果,得
た値は,1番目の値の範囲と同じ01 999 999 999 999となり,これが商品識別コードとなる。
01 999 999 999 999の値は,GTIN-14商品識別番号の先頭13桁を表す。インジケータディジットは,0
又は1のどちらかである。暗黙のmod 10チェックディジットを計算して末尾に付加したものが,GTIN-14
――――― [JIS X 0509 pdf 23] ―――――
21
X 0509 : 2012 (ISO/IEC 24724 : 2011)
の商品識別番号になる。送信すべきデータの先頭に,必須のシンボル体系識別子である“]e0”又は“]C1”
を追加し,続いてアプリケーション識別子“01”を追加して送信する。
6.2.4 チェックキャラクタ
シンボルには,シンボル位置検出パターンとしても機能するチェックキャラクタがある。チェックキャ
ラクタは,二つのシンボルキャラクタの間に置かれる。
6.2.4.1 チェックキャラクタの構造
(18,7)チェックキャラクタは,89個(値は088)を符号化する。各キャラクタは,9モジュールからな
る七つのスペース及び9モジュールからなる七つのバーで構成する。チェックキャラクタのパターンは,
シンボルの中央付近に現れ,チェックキャラクタを構成する14エレメントを左右にシフトしたもの及び/
又は左右反転した14エレメントのパターンと同じパターンを除外して選択する。附属書Cに,89個の符
号化した値に対するチェックキャラクタエレメントの幅の一覧を示す。
6.2.4.2 チェックキャラクタの計算
各シンボルキャラクタのエレメント幅に重み係数を乗じた結果の総和をmod 89で計算した値をチェッ
クキャラクタの値とする。
チェックキャラクタの値は,次の式によって求める。
(W1,1E1,1W1,2 E1,2 W2,1 E 2,1
W1,14 E1,14 W2,14 E 2,14 ) mod 89
ここに,WN,MEN,Mを,“シンボルキャラクタNのエレメント順序位置Mに対する重み係数W(表7参照)”
と“シンボルキャラクタNのエレメント順序位置Mのモジュール幅E”とを乗じた値とする。3の累乗を
mod 89で計算した値を,この重み係数とする。
注記 重み係数は,30を初期値とする3n(n=027)を求め,それぞれの値をmod 89で計算した値
である。
表7−チェックキャラクタを計算するためのエレメントの重み係数(W)
シンボルキャラクタ シンボルキャラクタのエレメント順序(M)(左側からの番号)
(N) 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14
1 1 3 9 27 81 65 17 51 64 14 42 37 22 66
2 20 60 2 6 18 54 73 41 34 13 39 28 84 74
附属書F.2は,GS1データバー限定型シンボルの符号化例を含む。
6.2.5 位置検出パターン
位置検出パターンは,チェックキャラクタに対するシンボルキャラクタのピッチ比率で見つける。位置
検出パターンは,チェックキャラクタの14個のエレメントと,二つの隣接シンボルキャラクタの14個の
エレメントとのピッチ比が26 : 18 : 26であることによって識別する。さらに,シンボルは,有効なスペー
ス及びバーのパターンをもつチェックキャラクタによって識別する。有効なシンボル内に現れる可能性の
ある,反転及び/又はオフセットしたチェックキャラクタパターンは,チェックキャラクタのセットから
除外している。
6.2.6 参照復号アルゴリズム
バーコード読取システムは,実用的なアルゴリズムが許容する範囲内で,不完全なシンボルでも読むよ
うに設計している。ここ(6.2.6)では,JIS X 0520で規定する,シンボル品質を評価するための復号容易
度の計算に用いる,参照復号アルゴリズムについて説明する。
このアルゴリズムには,バーコード化した各キャラクタを復号するための,次の手順を含んでいる。
――――― [JIS X 0509 pdf 24] ―――――
22
X 0509 : 2012 (ISO/IEC 24724 : 2011)
a) 幅の比率が (26±1.5) : 18 : (26±1.5)(必要に応じて,走査装置の加速度を考慮する。)である三つの
14エレメントシーケンスを探して,シンボルを見つける。
b) 中央のシーケンスが有効な位置検出パターンであることを検証する。次の手順c) 1)及びc) 2)(ただし,
手順c) 2)の除数pは26ではなく18とする。)と同様の方法を用いて,エレメント幅を判定する。附
属書Cからエレメント幅を探す。
c) 二つのシンボルキャラクタを,次のように復号する。
1) 13個の幅の寸法p,e1,e2,e3,e4,e5,e6,e7,e8,e9,e10,e11及びe12を得る(図9)。
図9−復号のために必要な寸法
2) 寸法e1,e2,e3,e4,e5,e6,e7,e8,e9,e10,e11及びe12を,寸法の整数モジュール幅(Ei)を表す,正
規化した値E1,E2,E3,E4,E5,E6,E7,E8,E9,E10,E11及びE12に変換する。i番目の値には,
次の方法を用いる。
1.5p / 26≦ei<2.5p / 26のときEi=2
2.5p / 26≦ei<3.5p / 26のときEi=3
3.5p / 26≦ei<4.5p / 26のときEi=4
4.5p / 26≦ei<5.5p / 26のときEi=5
5.5p / 26≦ei<6.5p / 26のときEi=6
6.5p / 26≦ei<7.5p / 26のときEi=7
7.5p / 26≦ei<8.5p / 26のときEi=8
8.5p / 26≦ei<9.5p / 26のときEi=9
これ以外の場合,そのキャラクタを誤りとする。
3) の値から,正規化されたエレメント幅を決定する。最後のエレメントは,Eの値から計算するの
ではなく,残りのモジュールを割り当てる。1モジュール未満の幅をもつエレメントがなく,1モジ
ュール幅の偶数番エレメントが少なくとも一つ存在するのを,有効なエレメント幅の唯一の解とす
る。例えば,図9の場合,値E1E12は[{3 3 4 6 6 4 3 3 5 4 2 3}]である。これに対する,可能性のある
エレメントの並びは,次のようになる。
[{1 2 1 3 3 3 1 2 1 4 0 2 1 2}]
[{2 1 2 2 4 2 2 1 2 3 1 1 2 1}]
――――― [JIS X 0509 pdf 25] ―――――
次のページ PDF 26
JIS X 0509:2012の引用国際規格 ISO 一覧
- ISO/IEC 24724:2011(IDT)
JIS X 0509:2012の国際規格 ICS 分類一覧
- 35 : 情報技術.事務機械 > 35.040 : 文字セット及び符号化
- 01 : 総論.用語.標準化.ドキュメンテーション > 01.080 : 図記号 > 01.080.50 : 情報及び通信技術用製図,及び関連技術文書のための図記号
JIS X 0509:2012の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISX0201:1997
- 7ビット及び8ビットの情報交換用符号化文字集合
- JISX0500-1:2009
- 自動認識及びデータ取得技術―用語―第1部:一般
- JISX0500-2:2009
- 自動認識及びデータ取得技術―用語―第2部:光学的読取媒体
- JISX0504:2014
- 自動認識及びデータ取得技術―バーコードシンボル体系仕様―コード128
- JISX0507:2004
- バーコードシンボル-EAN/UPC-基本仕様
- JISX0520:2014
- 自動認識及びデータ取得技術―バーコードシンボル印刷品質の評価仕様―一次元シンボル
- JISX0531:2020
- 情報技術―自動認識及びデータ取得技術―GS1アプリケーション識別子及びASC MH10データ識別子並びにその管理
- JISX9001:1976
- 光学式文字認識のための字形(英数字)