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注記1 黒鉛るつぼの種類には,一重るつぼ,二重るつぼ,高温るつぼなどがある。
7) 黒鉛漏斗 必要な場合に用いる。使用する装置に適合するもので,酸素の空試験値の低いもの。
8) 黒鉛粉末 74 μm147 μmの粒度で,酸素の空試験値の低いもの
9) 浴金属類 ニッケル,すず,白金,銅,鉄などの金属で,酸素の空試験値の低いもの
注記2 ニッケル,すず,白金,銅,鉄などの金属は,カプセル,ペレット,バスケット,粒状,
はくなどの形状のものが市販されている。
b) 装置 不活性ガス精製部,ガス抽出部などから構成される(図1参照)。
1) 不活性ガス精製部 使用する不活性ガス中の不純物(酸素,有機ガス,二酸化炭素,水分など)を
除去することを目的としたもので,通常,電気抵抗加熱炉で400 ℃700 ℃に加熱された脱酸素剤
及び有機ガス分解剤を詰めた管,二酸化炭素吸収剤及び脱水剤を詰めた管などで構成される。装置
の製造業者が推奨(指定)する他のものを使用してもよい。
なお,体積分率99.999 %以上の高純度不活性ガスを使用する場合,低濃度の酸素を定量しない場
合などでは,不活性ガス精製部を省いてもよい。
2) ガス抽出部 試料中の酸素を一酸化炭素として不活性ガス気流中に抽出できるもので,空気の混入
防止,黒鉛るつぼの脱ガスなど,定量における空試験値を低減できる機能をもつ。加熱方式には,
次に示すインパルス加熱,高周波誘導加熱などがある。
2.1) インパルス加熱方式の場合
2.1.1) 加熱装置 加熱装置は,インパルス炉を用いる。
2.1.2) 抽出炉 不活性ガス雰囲気中で,試料をインパルス炉に投入できる試料投入器などを備えたもの。
インパルス加熱抽出炉の例を,図2に示す。
記号説明
不活性ガス 黒鉛るつぼ
圧力計 ガス抽出部(インパルス炉)
不活性ガス精製部(酸素除去,有機ガス分解) 冷却水循環システム
不活性ガス精製部(二酸化炭素·水分除去) 抽出ガス精製部
図1−不活性ガス融解抽出装置構成の例
――――― [JIS Z 2613 pdf 6] ―――――
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記号説明
試料投入器 黒鉛るつぼ
水冷式上部電極(固定型) 不活性ガス入口
絶縁用Oリング 抽出ガス出口
水冷式下部電極(可動型)
図2−インパルス加熱抽出炉の例
2.2) 高周波誘導加熱方式の場合
2.2.1) 加熱装置 加熱装置は,石英ガラス製外筒中に設置された黒鉛るつぼを脱ガス温度以上に保ち得
るもので,高周波電源及び加熱コイルから成る。
2.2.2) 抽出炉 高周波誘導加熱抽出炉の例を,図3に示す。炉管は,下部炉管()及び上部キャップ
()から構成される。下部炉管は,石英ガラス製で,その中の石英ガラス製外筒に黒鉛る
つぼを入れ,周囲に黒鉛粉末を詰める。上部キャップは,硬質ガラス製で,光高温計による温度
測定用プリズム又は反射鏡,測温窓,試料投入口などを備える。
2.2.3) 黒鉛るつぼ類の組立て
2.2.3.1) 石英ガラス製外筒に黒鉛粉末を底から20 mm30 mmの高さまで詰め,この上の中心に黒鉛る
つぼを置く。
2.2.3.2) 黒鉛るつぼ中に黒鉛粉末が入らないように注意しながら,黒鉛るつぼと石英ガラス製外筒との
間に黒鉛るつぼのほぼ上端まで黒鉛粉末を軽く詰める。
2.2.3.3) 黒鉛漏斗を使用する場合は,黒鉛漏斗を黒鉛るつぼの上に取り付け,黒鉛粉末を更に3 mm5
mmの高さまで追加する。
2.2.3.4) 黒鉛るつぼを入れた石英ガラス製外筒を支柱に載せ,炉管の下から挿入し,保持する。
――――― [JIS Z 2613 pdf 7] ―――――
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記号説明
温度測定用石英ガラス製直角プリズム
ガス移送管
試料投入コック
試料挿入部
試料誘導管
石英ガラス製抽出管
高周波誘導加熱コイル
黒鉛るつぼ
石英ガラス製外筒
挿入管
支柱
支柱保持金具
黒鉛粉末(約74 μm)
黒鉛粉末(約147 μm)
図3−高周波誘導加熱抽出炉の例
6.3 ガス分析系
6.3.1 赤外線吸収法
赤外線吸収法には,抽出した一酸化炭素をそのままの状態で赤外線吸収検出器で検出する方法,及び抽
出した一酸化炭素を酸化して二酸化炭素とし,赤外線吸収検出器で検出する方法があり,次による(図4
参照)。
注記 両方法を備えた装置も市販されている。
a) 材料及び試薬 主な材料及び試薬は,次による。
1) 石英ガラスウール
――――― [JIS Z 2613 pdf 8] ―――――
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2) ディスクフィルター
3) 酸化剤 酸化銅(II)など
a) 法a)
b) 法b)
記号説明
インパルス炉 抽出ガス酸化部(一酸化炭素を二酸化炭素に酸化)
抽出ガス精製部 抽出ガス測定部(二酸化炭素赤外線吸収検出器)
流量制御部 圧力計
抽出ガス測定部(一酸化炭素赤外線吸収検出器)
注a) の方法には,酸化物を測定した場合などに発生する微量の二酸化炭素を検出するため,抽出ガス酸化部
の手前に二酸化炭素の赤外線検出器を追加した装置,二酸化炭素を一酸化炭素に還元するための触媒(白
金炭素など)を追加した装置なども市販されている。
なお,有害な一酸化炭素を装置外に排出しないために,抽出ガス酸化部を用いるとよい。
注b) の方法は,二酸化炭素の方が一酸化炭素よりもモル吸光係数が大きいため,微量域の酸素(例えば,10
ppm以下)を測定する場合に有用である。
図4−赤外線吸収測定部構成の例
b) 装置 抽出ガス精製部,抽出ガス酸化部,抽出ガス測定部などから構成される。
1) 抽出ガス精製部 試料融解時に発生した黒鉛微粉末,浴金属由来の微粉末などを除去する機能をも
つもので,石英ガラスウールを詰めた集じん管,ディスクフィルターなどから構成される。
2) 抽出ガス酸化部 電気抵抗加熱炉で加熱された酸化銅(II)を詰めた管などで,試料などから発生し
た一酸化炭素を酸化し,二酸化炭素に変換する機能をもつもの
3) 抽出ガス測定部 一酸化炭素又は二酸化炭素による赤外線吸収量を測定し,吸収量の積算値を出力
できるもの。赤外線吸収検出器の例を,図5に示す。
――――― [JIS Z 2613 pdf 9] ―――――
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記号説明
光源 エネルギーコンデンサー
ガスチャンバー 検出器
波長フィルター
図5−赤外線吸収検出器の例
6.3.2 電量法
電量法は,次による。
a) 試薬 主な試薬は,次による。
1) 五酸化よう素(粒状)
2) チオ硫酸ナトリウム
3) 炭酸バリウム(粉末)
4) 陰極液(吸収液) 水1 Lに過塩素酸バリウム約50 g及び2-プロパノール20 mL30 mLを加えて
溶解し,よくかき混ぜる。
5) 陽極液 水1 Lに過塩素酸バリウム150 g200 gを加えて溶解し,よくかき混ぜる。
6) 参照液 水1 Lに過塩素酸バリウム約50 g,塩化ナトリウム約30 g及び2-プロパノール20 mL30
mLを加えて溶解し,よくかき混ぜる。
b) 装置 抽出ガス酸化部,吸収槽(電解槽),電量測定部などから構成される。
1) 抽出ガス酸化部 抽出した一酸化炭素を酸化して二酸化炭素とするためのもので,電気抵抗加熱炉
で160 ℃180 ℃に加熱された五酸化よう素を詰めた管,及び酸化反応の際に遊離するよう素を吸
収させるためのチオ硫酸ナトリウムを詰めた管を連結したものから成る。電量法の装置構成の例を,
図6に示す。
2) 吸収槽(電解槽) 生成した二酸化炭素を吸収させるための陰極液(吸収液)を入れた陰極室と,陽
極液及び炭酸バリウムを入れた陽極室とを隔膜(多孔板)を隔てて結合し,両室には電気分解のた
めの白金電極を挿入したものとする。白金電極の大きさは,少なくとも200 mm2以上あるのが望ま
しい。さらに,陰極液(吸収液)のpHを測定するため,隔膜(多孔板)を隔てて参照液を入れた参
照室を結合し,陰極室にはガラス電極を,参照室には参照電極2) を挿入する。吸収槽の底部から導
入された二酸化炭素ガスが十分に吸収されるように,かき混ぜ機を付ける(図6参照)。
――――― [JIS Z 2613 pdf 10] ―――――
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JIS Z 2613:2020の国際規格 ICS 分類一覧
JIS Z 2613:2020の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISK0050:2019
- 化学分析方法通則
- JISK0113:2005
- 電位差・電流・電量・カールフィッシャー滴定方法通則
- JISK0117:2017
- 赤外分光分析通則
- JISK0211:2013
- 分析化学用語(基礎部門)
- JISK0212:2016
- 分析化学用語(光学部門)
- JISK0213:2014
- 分析化学用語(電気化学部門)
- JISK0215:2016
- 分析化学用語(分析機器部門)
- JISR6010:2000
- 研磨布紙用研磨材の粒度
- JISZ8402-1:1999
- 測定方法及び測定結果の精確さ(真度及び精度)―第1部:一般的な原理及び定義
- JISZ8402-2:1999
- 測定方法及び測定結果の精確さ(真度及び精度)―第2部:標準測定方法の併行精度及び再現精度を求めるための基本的方法
- JISZ8402-3:1999
- 測定方法及び測定結果の精確さ(真度及び精度)―第3部:標準測定方法の中間精度
- JISZ8402-4:1999
- 測定方法及び測定結果の精確さ(真度及び精度)―第4部:標準測定方法の真度を求めるための基本的方法
- JISZ8402-5:2002
- 測定方法及び測定結果の精確さ(真度及び精度)―第5部:標準測定方法の精度を求めるための代替法
- JISZ8402-6:1999
- 測定方法及び測定結果の精確さ(真度及び精度)―第6部:精確さに関する値の実用的な使い方