JIS Z 3110:2017 溶接継手の放射線透過試験方法―デジタル検出器によるX線及びγ線撮影技術 | ページ 10

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Z 3110 : 2017
附属書C
(規定)
基本空間分解能SRbの決定
正しいSRbの値の測定は,GVlinが前提条件となる。これは,GVが画像の指定された位置における放射
線の露出量に比例している必要があるということを意味している。これは,一般的に測定装置の製造業者
のソフトウェアによってサポートされている。
複線形像質計は,検出器又はカセットの表面に直接置き,検出器の基本空間分解能SRb(SRb検出器)を決
定するために,JIS Z 2307に基づいて読み取る。
注記 複線形像質計を検出器に直接置く代わりに試験体に置くと,SRb検出器ではなく,画像基本空間分
解能(SRb画像)が得られる。
最初の不鮮明な線対が明瞭に識別できない場合に(JIS Z 2307参照),20 %ディップ法が次のように適用
される。
デジタル画像において,二つのピークの大きさ(図C.1参照)に対する変調(ディップ)が20 %未満と
なる最初の線対を,像質計の試験の結果として記録する[例えば,図C.1 c)に示すD8]。20 %未満となる
最初の線対を識別するために,画像処理ソフトのプロファイル機能を使用するのが望ましい[両方の最小
値で平均化する場合は,図C.1 d)参照]。さらに,プロファイルは,ばらつきを改善するために,少なくと
も21本のラインプロファイルを用いて平均化する[図C.1のb)及びc)参照]。
JIS Z 2307に適合する複線形像質計を使用して固有の不鮮鋭度uiを求め,SRbを次の式を用いて計算す
る。
1u
SRb i (C.1)
2
複線形像質計は,図C.1 a)に示すようにエイリアシングの影響を避けるために,デジタル画像の水平方
向又は垂直方向に対して約25°傾けて配置しなければならない。
なお,SRbは大きい方の値とする。
デジタル検出システムのSRbの決定は,試験体がない状態で,次のいずれかの照射条件で行う。
a) 軽合金の検査 :
− X線管電圧 : 90 kV
− 前置フィルタ : アルミニウム1 mm
b) 透過厚さが20 mm以下の鋼及び銅合金の検査 :
− X線管電圧 : 160 kV
− 前置フィルタ : 銅1 mm
c) 透過厚さが20 mmを超える鋼及び銅合金の検査 :
− X線管電圧 : 220 kV
− 前置フィルタ : 銅2 mm
d) γ線透過試験又は高エネルギー放射線透過試験 :
− 規定されているγ線源又は1 MeVを超える高エネルギーX線発生装置を使用
75Se,192Irでは,前置フィルタは銅2 mm又は鋼4 mm,60Co又は1 MeVを超える高エネルギーX線

発生装置では,前置フィルタは銅4 mm又は鋼8 mm

――――― [JIS Z 3110 pdf 46] ―――――

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Z 3110 : 2017
複線形像質計は,検出器又はカセットの表面に直接置き,線源から検出器までの距離は,(100±5)cm
とする。デジタル画像の平均GVは,最大GVの50 %を超え,参照画像のSNRは,画素サイズ80 m以上
の標準システムにおいては100,画素サイズ80 m未満の高分解能システムにおいては70を超えなければ
ならない。使用したデジタルシステムの基準となるデジタル画像から測定されたSRb[式(C.1)参照]及び
システムの設定を検査報告書に記録する。
CRシステムの検出器のSRbは,レーザの走査方向に対して直角及び平行の両方向について測定する。二
つのSRbの値の大きい値を検出器の基本空間分解能(SRb又はSRb検出器)の結果として使用する。
SRb又はSRb検出器値の測定精度を改善するために,20 %のディップ値を,近隣の線対によるディップから
補間する。図C.2は,高分解能CRシステムに対応した手順を示している。
図C.2に示すように,20 %線との交点を求めるために,線径によるディップの変化に対し二次多項式を
当てはめることが望ましい。補間には,ゼロよりも大きいディップの値を使用する。
補間されたSRbの値(図C.2参照)は,補間されたSRbの値(iSRb)又はiSRb検出器として記録される。こ
の値の代わりに,契約当事者の合意によって補間しないSRbの値を使用してもよい。

――――― [JIS Z 3110 pdf 47] ―――――

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Z 3110 : 2017
a) デジタル画像における複線形像質計の画像
b) 少なくとも21本のラインから平均化した複線形像質計のプロファイル
c) 線対D7及びD8の拡大プロファイル d) ディップ値(%) : ディップ=
100×(A+B−2C)/(A+B)による計算方法の図
記号
D7,D8 複線形像質計のIQI値
X 位置
Y 振幅
図C.1−ディップが20 %未満となる最初のIQI値がD8である複線形像質計評価の例

――――― [JIS Z 3110 pdf 48] ―――――

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Z 3110 : 2017
a) 規定されたディップによる高分解能システムの計測されたプロファイルプロット
b) ディップの補間と複線形像質計の線径(SRbに対応)との関係
(20 %値は20 %の線との交差によって求められ,iSRb=66 mとなる。)
図C.2−近隣の線対で計測されたディップの補間による基本空間分解能(iSRb検出器)の決定の例

――――― [JIS Z 3110 pdf 49] ―――――

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Z 3110 : 2017
附属書D
(規定)
CR撮影のための最小グレイ値の決定
D.1 SNR測定値からのSNRNの決定
SNRの測定の手順は,ISO 16371-1の6.1に詳しく記載されている。SNR測定値は,ISO 16371-1の6.1.1に
記載されているように,通常,標準偏差に対するGVlinの平均値の比として,20×55画素の関心領域で求
められる。GVlinは,測定される関心領域での照射線量に正比例し,照射されていないときはゼロになる。
SNRNの測定は,このモードで行う。
注記 SNRを測定するための関心領域は,幅20画素に制限するのが望ましい。長さは,55画素以上
とすることができる。長さが大きいほど,SNRの測定精度が向上する。これは,ISO 16371-1
に記載されている,ラインのSNRの中央値に基づいたソフトウェアツールの場合に,特に当て
はまる。
ほぼ同じ照射線量であれば,不鮮鋭なデジタルシステムの方が,鮮鋭なデジタルシステムよりもSNRの
測定値が高くなるが,微細なきずの検出性能は,鮮鋭なデジタルシステムに比べて劣る。したがって,測
定されたSNRを,SRbによって正規化する。同じSNRNを備えたシステムであれば,同様の識別性をもつ。
正規化は,CR製造業者によって提供されるか,又は附属書Cに記載されている手順を用いて使用者に
よって決められるCRシステムのSRbに基づく。
全てのSNRNは,次の式によって正規化される。
88.6 μm
SNRN SNR測定値 (D.1)
SRb
ここに, SRb : 基本空間分解能(μm)
SNRNは,一般にCR製造業者のソフトウェアによって提供され,ソフトウェアツールにSRbを入力し,
測定のための関心領域が表示される。
画素分解能,走査速度及び/又はイメージングプレート(IP)の形式のような読取装置のパラメータを
変更した場合,新たにCRシステムのSRbを測定しなければならない。
表D.1は,様々なSRb性能を備えたCRシステムのSNRN及び正規化しないSNRへの変換を示す。CR製
造業者のソフトウェアによってSNRNが与えられていない場合は,使用者が変換したSNRの値を決定し,
表D.1に示すSNRNの代わりに使用してもよい。
表D.1−異なるSRbの選択したCRシステムにおいてSNRNを等価とする場合に要求されるSNR測定値の値
システムパラメータ 高鮮鋭度システム 標準システム
複線形像質計のIQI値 D13+ D13 D12 D11 D10 D9 D8 D7 D6
基本空間分解能SRb(μm) 40 50 63 80 100 130 160 200 250
要求されるSNRN 要求されるSNR測定値
(表3及び表4)
150 65 85 110 135 170 220 270 340 425
120 55 70 85 110 135 180 220 270 340
100 45 60 75 90 115 150 185 225 285
70 35 40 50 65 80 105 130 160 200

――――― [JIS Z 3110 pdf 50] ―――――

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JIS Z 3110:2017の引用国際規格 ISO 一覧

  • ISO 17636-2:2013(MOD)

JIS Z 3110:2017の国際規格 ICS 分類一覧

JIS Z 3110:2017の関連規格と引用規格一覧