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異材継手においては,引張強さは最も低い引張強さをもつ母材の規定最小値を下回ってはならない。
注記 試験片は,管の全断面試験を許容するのは,JIS Z 3121では外径50 mm未満であるが,この規格
では外径50 mm以下としている。
7.4.2 曲げ試験
突合せ継手の曲げ試験の試験片及び試験方法は,JIS Z 3122によるほか,次による。
板厚12 mm未満の場合,2個の裏曲げ試験片及び2個の表曲げ試験片を試験しなければならない。板厚
12 mm以上の場合,裏曲げ及び表曲げ試験片を4個の側曲げ試験片に代えてもよい。
板の異材継手又は異質継手の突合せ継手の場合は,4個の横方向曲げ試験片(表曲げ試験片及び裏曲げ
試験片各2個)を,2個の縦曲げ試験片(表曲げ試験片及び裏曲げ試験片各1個)に代えてもよい。
試験中の試験片には,いかなる方向においても3 mmを超える溶接不完全部があってはならない。ただ
し,試験片のりょう(稜)部に現れた溶接不完全部は,評価の対象としない。
7.4.3 マクロ試験
試験片は,ボンド部,熱影響部及び各パスの重なりが鮮明に現れるように,ISO 17639に従って片面を
エッチングしなければならない。
マクロ試験は,熱影響のない母材部分も含め,溶接施工法試験ごとに少なくとも一つのマクロ断面の写
真によって記録しなければならない。
マクロ試験の溶接不完全部の合格品質水準は,7.5による。
7.4.4 衝撃試験
衝撃試験は,試験片の位置及び試験温度についてはこの規格によって行い,試験片の寸法及び試験方法
についてはJIS Z 3128による。衝撃刃の半径は,他に規定がない限りJIS Z 2242に規定された2 mmとす
る。
溶接金属用の試験片はVWTタイプ,また,熱影響部用の試験片はVHTタイプを用いる。ここで,記号
VはVノッチであること,Wは溶接金属にノッチがあること,Hは熱影響部にノッチがあること,及びT
はノッチの長さ方向が試験材の板厚方向に一致していることを示す。試験片は,各々の指定位置より3個
からなる1組ずつを採取する。
試験片は,試験材の母材上面から最大 2 mm下方の位置から,溶接線に対し横方向に採取する。
切欠きの中心は,熱影響部においてはボンド部から1 mm2 mmの箇所に,溶接金属部においては溶接
中心線上に設ける。
試験材の板厚が50 mmを超える突合せ継手の場合は,更に溶接金属及び熱影響部の各1組ずつの試験片
を,溶接ルート部から,追加して採取しなければならない。
同質材の継手の場合は,適用規格によって変更されない限り,吸収エネルギーは適切な母材規格による。
異材継手の衝撃試験は,両方の母材の熱影響部から採取された試験片によって行い,吸収エネルギーは
適切な母材規格に従う。
――――― [JIS Z 3422 pdf 16] ―――――
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3個の試験片の平均値が,規定の要求値に合格しなければならない。各ノッチ位置において,1個の値が
規定値を下回ってもよいが,その値の70 %を下回ってはならない。
一つ以上の溶接法,又は被覆及びフラックスのタイプが一つの試験材で試験する場合,追加の衝撃試験
片が,各々の溶接法,又は被覆及びフラックスのタイプごとに,溶接金属及び熱影響部から採取しなけれ
ばならない。
7.4.5 硬さ試験
HV10によるビッカース硬さ試験は,ISO 9015-1に従って行わなければならない。溶接継手を横断する
硬さ分布を評価するため,硬さ測定は溶接金属,熱影響部及び母材について行わなければならない。
溶接部の厚さが5 mm以下の場合は,溶接継手の上面からの深さが最大2 mmの1列のくぼみを作らな
ければならない。
溶接部の厚さが5 mmを超える場合,溶接継手の上面及び下面からの深さが最大2 mmまでの位置に各々
1列のくぼみを作らなければならない。
両面溶接の場合,ルート部を貫くように一列のくぼみを追加しなければならない。くぼみの一例は,ISO
9015-1に示されている。
1種類以上の溶接方法を適用する場合,それぞれの溶接方法の溶接部を少なくとも一列のくぼみによっ
て試験しなければならない。
少なくとも3個の独立したくぼみからなるそれぞれのくぼみの列は,次に示す部分に作らなければなら
ない。
− 溶接金属
− 両側の熱影響部
− 両側の母材
熱影響部については,最初のくぼみをできる限りボンド部の近くに作らなければならない。
硬さ試験結果は,表3の規定を満たさなければならない。ただし,材料区分の6(熱処理なし),7,10
及び11並びに異材継手の規定値は,試験前に規定しなければならない。
――――― [JIS Z 3422 pdf 17] ―――――
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表3−許容最大硬さ(HV10)
ISO/TR 15608による材料区 熱処理なし 熱処理あり
分
1 a),2 b) 380 320
3 b) 450 380
4,5 380 c) 350 c)
6 − 350
9.1 350 300
9.2 450 350
9.3 450 350
注a) 硬さ試験が要求される場合
注b) 上降伏点(ReH)の最小値が890 MPaを超える鋼種については,特定数値を規定しなけ
ればならない。
注c) 特定の材料について,溶接施工法試験の前に規定していれば,より大きな値を許容して
もよい。
7.5 溶接不完全部の合格品質水準
レベル1及びレベル2の溶接不完全部の合格品質水準は,表4による。
注記 ISO 5817で規定した品質レベルと他の関連規格で規定した合格品質水準との対比は,ISO 17635
に示されている。
表4−溶接不完全部の合格品質水準
ISO 5817 ISO 6520-1 名称 レベル1 レベル2
による分類番号 による分類番号 ISO 5817の
品質レベル
1.1 100 溶接割れ 許容しない B(許容しない)
1.5 401 融合不良 許容しない B(許容しない)
1.6 4021 ルート部の溶込不良 許容しない B(許容しない)
1.7 5011 連続したアンダカット 要求なし C
5012 断続したアンダカット
1.9 502 過大余盛(突合せ溶接) 要求なし C
1.10 503 過大余盛(すみ肉溶接) 要求なし C
1.11 504 過大溶込み 要求なし C
1.12 505 過小余盛角 要求なし C
1.16 512 過度の不等脚 h≦3 mm B
1.21 5214 過大のど厚 要求なし C
− − その他の溶接不完全部a)要求なし B
注a) 適用規格による要求又は別に規定がある場合は,ミクロ割れ感受性の高い材料には特別な試験を
必要としてもよい。
7.6 再試験
試験材がNDTのいずれかの要求事項を満足しない場合は,更に1体の試験材を作製し,同じNDTを実
施しなければならない。この追加試験材も要求事項を満足しない場合,その溶接施工法試験は不合格とな
る。
マクロ試験を除く表1又は表2によって要求された試験片が,適用する許容範囲から外れる場合,この
試験材は不合格とする。ただし,試験材の不具合による場合,同一の溶接パラメータによる新しい試験材
――――― [JIS Z 3422 pdf 18] ―――――
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を溶接して再試験してもよい。全ての破壊試験が合格で,マクロ試験が不合格の場合,2体の追加マクロ
試験片を供試してもよい。
マクロ試験を除くいずれかの破壊試験片が不合格の場合,試験材に余裕があれば2体の追加試験片を不
合格となった試験片と同じ試験材から採取して再試験してもよい。試験片は,できる限り不合格となった
試験片の採取位置に近いところから採取しなければならない。
それぞれの追加試験片は,不合格となった初めの試験片と同じ試験に供しなければならない。追加試験
片のいずれかが,要求事項を満たさない場合,溶接施工法試験は,不合格とする。
硬さ試験において,異なった試験範囲の1か所の硬さ試験値が,表3に示す数値を上回った場合,(試験
面の裏側又は試験表面を再研磨することによって)一列のくぼみを追加して再試験してもよい。追加した
硬さ試験のいずれの値も表3に示す数値を上回ってはならない。
衝撃試験において,要求事項(7.4.4参照)を満足しない場合は,3本の追加試験片を採取しなければな
らない。新たな3本1セットの試験片は,7.4.4の要求事項を満たさなければならず,更にこれらの試験値
及び初めの試験結果を含めた平均値は,規定値を下回ってはならない。
8 適格性確認範囲
8.1 一般
この箇条8で規定する適格性確認範囲を超える溶接条件の変更があるときは,新たな溶接施工法試験が
必要となる。
8.2 製造業者に関する事項
製造業者がこの規格の規定に従って実施した溶接施工法試験は,その溶接施工法試験を行った製造業者
の作業場及び作業現場で行う溶接作業にだけ有効であり,その製造業者が全ての溶接作業に全責任を負う。
8.3 母材に関する事項
8.3.1 母材の材料区分
8.3.1.1 一般
溶接施工法試験の数を極力少なくするために,鉄鋼材料,ニッケル及びニッケル合金は,ISO/TR 15608
に従って材料区分を行う。ISO/TR 20174で材料が区分されている場合は,それに従う。また,レベル1に
ついては,表JA.1に規定するP-No.に従って母材の区分を行ってもよい。
ISO/TR 20174,ISO/TR 15608又はP-No.で区分されていない母材又は母材の組合せに対しては,それぞ
れ別々に溶接施工法の適格性確認が必要となる。
製品の一部となる永久裏当て材は,母材と同様の材料区分に従う。
8.3.1.2 鉄鋼材料
鉄鋼材料は,表5に示す材料区分及び補助材料区分の組合せを適格性確認範囲とする。また,レベル1
については,表5に示す材料区分及び補助材料区分の組合せ又は表JA.1に規定するP-No.の母材区分を適
格性確認範囲とする。
――――― [JIS Z 3422 pdf 19] ―――――
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8.3.1.3 ニッケル合金
ニッケル合金は,表6に示す材料区分の組合せを適格性確認範囲とする。また,レベル1については,
表6に示す材料区分の組合せ又は表JA.1に規定するP-No.の母材区分を適格性確認範囲とする。
8.3.1.4 鉄鋼材料及びニッケル合金の異材継手
鉄鋼材料及びニッケル合金の異材継手は,表6に示す材料区分の組合せを適格性確認範囲とする。
表5−鉄鋼材料の材料区分及び補助材料区分に対する適格性確認範囲a), b), c)
試験材 試験材 B
A 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11
1 1-1 − − − − − − − − − −
2 1-1 1-1 − − − − − − − − −
2-1 2-1
2-2
3 1-1 1-1 1-1 − − − − − − − −
2-1 2-1 2-1
3-1 2-2 2-2
3-1 3-1
3-2 3-2
3-3
4 4-1 4-1 4-1 4-1 − − − − − − −
4-2 4-2 4-2
4-3 4-3
4-4
5 5-1 5-2 5-3 5-4 5-1 − − − − − −
5-2
5-5
6 6-1 6-1 6-1 6-1 6-1 6-1 − − − − −
6-2 6-2 6-2 6-2 6-2
6-3 6-3 6-3 6-3
6-4 6-4 6-4
6-5 6-5
6-6
7 7-1 7-1 7-1 7-4 7-5 7-5 7-7 − − − −
7-2 7-2 7-6
7-3
8 8-1 8-1 8-1 8-4 8-1 8-1 8-7 8-8 − − −
8-2 8-2 8-2 8-2
8-3 8-4 8-4
8-5 8-5
8-6
9 9-1 9-1 9-1 9-4 9-5 9-6 9-7 9-8 9-9 − −
9-2 9-2
9-3
10 10-1 10-1 10-1 10-4 10-1 10-1 10-7 10-8 10-9 10-10 −
10-2 10-2 10-2 10-2
10-3 10-3 10-4
10-4 10-6
10-5
――――― [JIS Z 3422 pdf 20] ―――――
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JIS Z 3422-1:2022の引用国際規格 ISO 一覧
- ISO 15614-1:2017(MOD)
- ISO 15614-1:2017/AMENDMENT 1:2019(MOD)
JIS Z 3422-1:2022の国際規格 ICS 分類一覧
- 77 : 金属工学 > 77.150 : 非鉄金属製品 > 77.150.40 : ニッケル及びクロム製品
- 25 : 生産工学 > 25.160 : 溶接,ろう付け及びはんだ付け > 25.160.10 : 溶接工程
JIS Z 3422-1:2022の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISZ2242:2018
- 金属材料のシャルピー衝撃試験方法
- JISZ2320-1:2017
- 非破壊試験―磁粉探傷試験―第1部:一般通則
- JISZ2343-1:2017
- 非破壊試験―浸透探傷試験―第1部:一般通則:浸透探傷試験方法及び浸透指示模様の分類
- JISZ3001-1:2018
- 溶接用語―第1部:一般
- JISZ3001-4:2013
- 溶接用語―第4部:溶接不完全部
- JISZ3001-7:2018
- 溶接用語―第7部:アーク溶接
- JISZ3011:2014
- 溶接姿勢―傾斜角及び回転角による定義
- JISZ3060:2015
- 鋼溶接部の超音波探傷試験方法
- JISZ3090:2005
- 溶融溶接継手の外観試験方法
- JISZ3090:2022
- 溶融溶接継手の外観試験方法
- JISZ3104:1995
- 鋼溶接継手の放射線透過試験方法
- JISZ3106:2001
- ステンレス鋼溶接継手の放射線透過試験方法
- JISZ3110:2017
- 溶接継手の放射線透過試験方法―デジタル検出器によるX線及びγ線撮影技術
- JISZ3121:2013
- 突合せ溶接継手の引張試験方法
- JISZ3122:2013
- 突合せ溶接継手の曲げ試験方法
- JISZ3128:2017
- 溶接継手の衝撃試験片採取方法
- JISZ3253:2011
- 溶接及び熱切断用シールドガス
- JISZ3420:2003
- 金属材料の溶接施工要領及びその承認―一般原則
- JISZ3420:2022
- 金属材料の溶接施工要領及びその適格性確認―一般原則
- JISZ3421-1:2003
- 金属材料の溶接施工要領及びその承認―アーク溶接の溶接施工要領書